- みんなの評価
37件
羊と鋼の森
著者 宮下奈都
第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成!
日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化!
ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。
ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った物語。
解説は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さん。
豪華出演陣で映画完成!
外村青年を山崎賢人、憧れの調律師・板鳥を三浦友和、先輩調律師・柳を鈴木亮平、ピアニストの姉妹を上白石萌音、萌歌が演じています。2018年6月8日公開。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」
羊と鋼の森
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
羊と鋼の森
2018/06/29 10:42
とても静かなお話
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:touch - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピアノは、「羊」毛のフェルトで「鋼」の弦を叩いて音を奏でる。
そのピアノの調律という「森」に入り込んだ青年の話。
何ともおしゃれなタイトルだ。
このタイトルが表すように、内容も、とても静かで優しい世界。
ふとしたきっかけで、調律の世界に足を踏み入れた青年が、迷いながらも成長していく姿をゆったりと描いている。
いわゆる職人の世界なのだが、ストイックになり過ぎず、でも自分の世界を追い求める様子が、読んでいて心地いい。
何かに魅了され、夢中になって行く様は、ちょっと羨ましくもある。
調律や音楽に関する専門的な話も出てくるが、説明的な表現でないため、スッと理解することができた。
今度、コンサートに行くとき、ピアノの聴き方に楽しみがひとつ増えた。感謝。
羊と鋼の森
2018/05/21 23:03
うっかりすると涙が出そうなくらい
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮下奈都『羊と鋼の森』を手したのは、話題になったからではなく、なんとなく表紙に惹かれたから。
読んでみると、調律師の物語でした。
タイトルは、ピアノのことなんですね。
音楽の素養がないので読みこなせたかどうかはあやしいのですが、読んで幸せな気持ちになれる本でした。
「本屋大賞」に選ばれるのも頷けます。
心に残ったフレーズ2つ。
「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。」
少女の弾くピアノの音色について、「ただ、やさしくて、美しくて、うっかりすると涙が出そうなくらい素直に胸に響く。」
羊と鋼の森
2019/03/27 10:51
自分の選んだ仕事の役割
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋大賞作品です。
ピアノの調律にたった一度立ち会っただけで、それに魅せられて調律師になった
青年のお話しです。
ピアノの調律は、ピアノの置かれている場所、広さ、演奏者の技量、演奏者の
欲する音色、鍵盤やペダルの感触など、それらを反映して行われていることを知り
ビックリしました。
主人公は調律師の仕事を次のように言っています。
『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、七つの音が(正確には半音も入るから十二の音だが)
抽出され、名前をつけられて、星座のように輝いている。それを膨大な音の海の中
から正確に拾い上げ、美しく揃え、響かせるのが調律師の仕事だ。』
この本に登場する人物はみんな心が綺麗な人ばかりで、気持ちに清潔感が溢れて
います。純粋な人たち。
もし、今の仕事に迷いがある人は是非読んでみて下さい。
きっと、自分が選んだ仕事を深く考えるきっかけになると思います。