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72件
コンビニ人間
著者 村田沙耶香
「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作
36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。
「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。
ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。
累計92万部突破&20カ国語に翻訳決定。
世界各国でベストセラーの話題の書。
解説・中村文則
コンビニ人間
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コンビニ人間
2018/09/25 09:16
普通って何だ?
23人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:touch - この投稿者のレビュー一覧を見る
私のように、コンビニを冷蔵庫替わりとして利用してしまう依存のしかたもあるが、この作品は、逆に「店員」としてコンビニに依存してしまう女性の物語。
作者の村田沙耶香氏も、長年コンビニでバイトをしている(今も続いている?)らしく、そのためか、店内の描写が生き生きとしていて、素晴らしい。
主人公・恵子は、他人の感情などがうまく読み取れない、いわゆる発達障害?(アスペルガー?)の傾向があるようだ。
だから、マニュアルで行動を徹底されるコンビニが、とても居心地よく感じるのだろう。
周りの友達や妹からは、「どうして結婚しないの」とか「なんで、その歳でバイトなの」とか聞かれるが、何故それがいけないことなのか分からない。
恵子目線で描かれる世界は、我々が「普通」だと思っている方が不思議に感じられてしまう。
でも、読んでいるうちに、だんだんと私も恵子に同調し始め(白羽にはイライラしてしまうが・・・)、「普通の人」が気持ち悪く感じられてくる、、、のが面白い。
何が「普通」なの?「まとも」って、どういうこと?
「最近の新人はマニュアル人間だ」なんて言われることもある世の中への痛烈な批判のようにも思えた。
コンビニ人間
2018/11/03 11:32
世間の感覚や道徳のプレッシャー
11人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sika - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて多くの人が抱いてきたであろう違和感を見事に表現していると思います。普段は何も疑問に思っていなかったことでもこの主人公のように突き詰めると世の中の見え方がガラッと変わってしまい、生きにくい世の中になるのだと思いました。たいていの人はそこまで突き詰めずに流しているので引っかからずに生きていけるのかな。現代社会の生きにくさを見事に表現しているのではないかと思います。多様性が叫ばれる現代ですが、やはりまだまだいろんなことに対して許容範囲が狭いのではないかと考えさせられました。ぜひ、多くの人に読んでもらい、いろんなことを考え、気づき、感じてもらいたいです。ほんとにおすすめです。
2020/06/05 20:33
一気に読める面白さ
11人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンビニ店員ってこうゆう人達なんだぁ…とただただ感心してしまう。いつも笑顔で元気よく挨拶してくれる店員さんも実はこの主人公のように単にストイックを超えた人なのかも…と思ってしまった。「コンビニ人間」という標題にも納得の一冊!!