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7件
極楽征夷大将軍
著者 垣根涼介
史上最も無能な征夷大将軍
やる気なし
使命感なし
執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?
動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。
後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。
怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。
混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、
何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
極楽征夷大将軍
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極楽征夷大将軍
2023/06/26 21:57
足利尊氏を主人公とした一代記
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
足利尊氏を主人公とした一代記であるが、主人公を取り巻く弟・直義、足利氏家宰・高師直らの視点から主人公を描く形になっている。茫洋としたとらえようのない人物であったようだ。世間の欲望の上にぽっかりと浮かび上がる化身のようなものだという表現が作中にあるが、鎌倉幕府執権北条一門を滅ぼし、幕府を起こすために、直義や師直らにより神輿として担ぎ上げる人物としての主人公は、担ぎ上げてくれた人々を、内ゲバのような戦いの中で失い、自らは遅ればせながら自立していったようだ。室町幕府成立前後の世の流れが、よく理解できた。
2025/02/24 14:15
直義、師直の視線。極楽な尊氏
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いけたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
直義、師直の視点から、垣間みる尊氏の極楽トンボの有様。
いわば泥舟の足利幕府。それぞれの必死さ、むなしさ、無常感。久しぶりに面白いと思わせる作品だった。
涅槃での物足りなさを補って余りあった。
極楽征夷大将軍
2024/06/03 10:46
わたしも尊氏はこんなひとだったと思う
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2023年の第169回直木賞受賞作品、とにかく鎌倉幕府滅亡から室町幕府開設までの歴史というのは全くもって人気がない、NHKの大河ドラマでも平家滅亡(鎌倉幕府開設)、戦国時代、明治維新、といったところは飽きるくらい何べんも繰り返して主題になっているのにこの時代の大河と言えば真田広之が尊氏を演じた「太平記」(私の中では歴代ベスト1作品)ぐらいしか思い当たらない、これはやはり尊氏が何を考えているのかわからない人で、全くもって主役としての魅力がないことが原因なのではと考えられる。そんな「この世の上澄み」尊氏を「極楽殿」として描き切った画期的な作品、室町時代も結構面白いのはないかと多くの人に思ってもらえるのでないか。そしてほとんどの作品でも悪役でしか描かれていない高兄弟を魅力的な武将として描いてくれたことに感謝

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