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極楽征夷大将軍
著者 垣根涼介
史上最も無能な征夷大将軍
やる気なし
使命感なし
執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?
動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。
後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。
怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。
混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、
何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
極楽征夷大将軍
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紙の本極楽征夷大将軍
2023/06/26 21:57
足利尊氏を主人公とした一代記
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
足利尊氏を主人公とした一代記であるが、主人公を取り巻く弟・直義、足利氏家宰・高師直らの視点から主人公を描く形になっている。茫洋としたとらえようのない人物であったようだ。世間の欲望の上にぽっかりと浮かび上がる化身のようなものだという表現が作中にあるが、鎌倉幕府執権北条一門を滅ぼし、幕府を起こすために、直義や師直らにより神輿として担ぎ上げる人物としての主人公は、担ぎ上げてくれた人々を、内ゲバのような戦いの中で失い、自らは遅ればせながら自立していったようだ。室町幕府成立前後の世の流れが、よく理解できた。
紙の本極楽征夷大将軍
2023/12/03 10:20
読みにくいのに引き込まれる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人物名が通り名など、歴史物特有のややこしさがあり、文章も分割表記で読みにくいな…と思った。
ところが!読み始めるとどんどん引き込まれて寝る間も惜しんで読みたくなる。
鎌倉幕府滅亡から室町幕府創立という、誰もが知っている時代背景たが、今までの尊氏像や一族に拘る武家の認識が一変する掘り下げ方。
是非、じっくりと読み耽ってほしい一冊。
紙の本極楽征夷大将軍
2023/11/05 17:26
鎌倉末期から室町初期
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
足利尊氏の一生を、弟直義と高師直の視点から語られる。
庶子に生まれ、家督から遠いところにいた尊氏が嫡兄の早逝で当主となり、後醍醐天皇の討幕行動に巻き込まれつつ転戦し、やがて室町幕府を樹立していきますが、その姿は無欲で何事も他人事で仕事のできないこ「極楽殿」として描かれています。
室町幕府はその成立頃から終始人間関係が複雑で、っていうか勢力図が目まぐるしく入れ替わり、煩雑だけど反面とても面白い。
紙の本極楽征夷大将軍
2023/11/13 11:19
後半ダレた
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
室町幕府を開くまでは面白かったんだけど。
その後は、ずっと内輪もめ。
描写も、史実にちょこっとフィクションを加えたくらいの感じで。
面白みがなかった。
電子書籍極楽征夷大将軍
2023/08/25 17:32
長編でした…
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
足利尊氏の人となり、足利幕府のありようが分かった気がする。尊氏と直義兄弟の境遇と才能が足利幕府を作った、鎌倉で幼少期を過ごした幼い兄弟が二人で成した征夷大将軍だった。