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16件
その可能性はすでに考えた
著者 井上 真偽
山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。唯一生き残った少女には、首を斬られた少年が自分を抱えて運ぶ不可解な記憶があった。首無し聖人伝説の如き事件の真相とは? 探偵・上苙丞(うえおろじょう)はその謎が奇蹟であることを証明しようとする。論理(ロジック)の面白さと奇蹟の存在を信じる斬新な探偵にミステリ界激賞の話題作。
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その可能性はすでに考えた
2016/12/13 10:01
2015年の本格ミステリ最大の話題作
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
『恋と禁忌の述語定理』に登場した個性的な三人の名探偵の中でも、特に印象的な「奇跡の実在を証明するために探偵をしている」名探偵・上苙丞の単独主役編。
共同生活をしていた宗教団体の村で起きた大量殺戮。唯一の生き残りの女性は言う。「私を救ってくれた男の子は、首を切断されてから、私を抱いて逃げてくれたような気がするんです」
普通の推理小説なら、何らかの錯誤やトリックの存在があることを前提にして、それを解明する話になります。が、上苙は違います。
まずは、普通の探偵どおり、あらゆるトリックを検討する。そして、その全てが否定されたのなら――これは人間の知恵でなせる業ではない。僕が求め続けた真の奇跡だ。
相棒の守銭奴・フーリン姐さんの愛ある(あるよね!?)ツッコミもなんのその、「奇跡」を求めて猪突猛進する名探偵のひねりの利いたミステリ。決して設定の奇抜さだけでなく、検討されるトリックや、それを否定する推理の構築もきわめて上質。新たな傑作シリーズの開巻です。
2024/05/31 19:33
ロジック
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何気に興味を引くタイトルだったので読んでみました。主人公は奇蹟を求めんとする探偵。全ての可能性が否定されることが奇跡の条件。ロジックで全ての可能性を否定。なかなか面白い。
2021/08/17 04:11
見事な論理
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
個性的な探偵役の面々。カルト教団集団自殺で起こった事件の謎を解き明かす多彩な論理。事件の謎もとても不可思議で魅力的ですが、そのトリックと論理的推理も華麗でした。解決したかと思った完璧な推理がまた覆され、さらに鋭い論理が繰り広げられるという徹底ぶりには驚きました。しかも毎回新キャラ登場という演出は、単調になりがちな論理的推理の連続を、うまく興味深いストーリーとして仕上げていると思いました。一つの事件なのに決して飽きさせません。本格ミステリとはかくあるべし、と思えるような見事なミステリでした。

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