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4件
イプセン 人形の家
「あたしは,何よりもまず人間よ」ノーラは夫にそう言いおいて家を出る.ノルウェーの戯曲家イプセン(1828-1906)は,この愛と結婚についての物語のなかで,自分自身が何者なのかをまず確かめるのが人間の務めではないか,と問いかける.清新な台詞と緻密な舞台構成がノルウェー語原典からの新訳でいきいきと再現される.
イプセン 人形の家
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人形の家
2021/02/21 14:37
現代劇の源流
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
西欧中心の世界のなかでは近くにありながら、まだ辺境であったノルウェー。舞台はあるひとつの部屋だけで登場人物はほぼ5人だけという簡素な道具立て。そこにイブセンは濃厚な劇を作った。夫の「人形」としてかりそめの愛情を享受するノラは、夫の銀行頭取への就任を喜び贅沢な生活を過ごしている。ノラにはその夫のためにある法的な不正を働いていた。それを知る当事者はノラに夫に便宜を図るように迫り優雅な生活は暗転する。法的に、というのは社会的な規則でそうしたものは男性が作り上げたものである。こうなるときっとノラがきっと悲劇的な最期を迎えて、その社会通念の問題をといかけるといった終末を予想するが、そこは歴史に名を残す劇だけあって、ノラは生きようと「人形の家」を飛び出していく。その決断に共感する人も多いだろう。破局を突き抜けて社会通念の彼岸に辿り着く。ある種のリアリズムといおうか、決断主義にはっとさせられる劇だった。
2025/02/21 11:26
最初はイライラするけど、最後には納得。
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投稿者:天使のくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒロインは最初は夫に秘密を抱えていて、そのことにすごくイライラさせられる。でも、実は秘密を抱えることこそ、夫の所有物ではないという証だった、ともいえる。そういった展開が、ラストにやってくる。最後まで読まないと、という戯曲。そこまで行くのに、疲れちゃうかもしれないけれど、そんなに長い作品もでないし、ね。
人形の家
2022/08/21 18:03
時代が変わっても
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
近代演劇の名作、イプセンの「人形の家」。保存版として購入。
日本での初演は明治時代なんだそうだ。
そして今も上演が続き、共感を広げる。
時代が変わっても、女性が「人形」のように扱われる現実は余り変わっていないのかもしれない。