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3件
2040年の日本
著者 野口悠紀雄
20年後、いまと同じ社会が続いていると無意識に考えていないか。2040年、国民の年金や医療費などの社会保障負担率は驚くべき数字になる。現在と同じような医療や年金を受けられると思ったら大間違いだ。事態改善の鍵を握る、医療や介護におけるテクノロジーの進歩は、どこまで期待できるのか。60年近くにわたって日本の未来を考え続けてきた著者が、日本経済や国力、メタバースやエネルギー問題、EVや核融合・量子コンピュータなど幅広い分野について言及。未来を正しく理解し、変化に備えられるかどうかで、人生の後半は決まる!
2040年の日本
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2040年の日本
2023/02/14 11:35
明るくない日本の未来を直視
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はダイヤモンド・オンライン、東洋経済オンライン、現代ビジネスなどに公表された内容を基に大幅に加筆したものである。経済成長の必要性、未来の世界での日本の地位、医療・介護需要の増大、医療・介護技術の進歩、メタバースと無人企業、エネルギー問題、量子コンピュータの未来など多岐にわたる話題が展開されている。著者は、未来を考える意義について、次のような趣旨を記している。「予測できない重大な事態が起きることもあるが、未来を考えることには意味がある。変化が生じた時、できるだけ早くそれをキャッチし、それが従来想定していたシナリオにどのように影響を与えるか考えるべきである。こうしたことを行うために基本となるシナリオを持っていることが必要である。本書が基本シナリオとしての役割を果たせることを目的としている」。その内容の一部を紹介する。◆日本政府のさまざまな長期見通しは、非現実的に高い成長率を見込むことによって、問題の深刻さを隠蔽している。◆著者のかねてからの主張であるが、出生率を高めることは、日本の重要な課題であるが、それによって、社会保障問題や労働力不足問題が緩和されると期待してはならない。出生率を高めると、近い将来においては労働力とならない0~14歳人口が増えるため、問題はむしろ悪化する。当面の課題を解決するためには、出生率引き上げより、高齢者や女性の労働力率引き上げが重要である。◆OECDデータによると、中国の2060年のGDPは日本の約10倍となる。中国では少子高齢化によって、労働力不足が顕在化するが、それでもこのように成長すると予測されている。◆中国の脅威が高まっていることから防衛費をGDPの2%に引き上げる議論が起こっているが、GDPの差がこれだけ広まると、防衛費増額がどの程度の効果があるか、冷静に判断すべきである。全世界的な規模での対中安全保障を更に推進することが必要である。
決して明るくない近未来の日本について、考えさせられる一冊である。ほぼ同時期に出版された『未来の年表 業界大変化』(講談社現代新書)と併読をお勧めする。
2040年の日本
2023/03/16 15:20
日本って大丈夫かな?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Ken - この投稿者のレビュー一覧を見る
野口先生には以前講演会の講師をお願いしたことがございました。聴衆の皆さんに大変好評だったように記憶しています。さて、2040年の日本はどうなっているか?データに基づいた鋭い分析に感服しましたが、読み進むとだんだん嫌になってきてしまった。現実問題として日本の経済成長はゼロないし若干のプラスにしかならないのに、政府は2%成長を見込み、これに基づいて予算を始めとして、諸々計画されている。政府は将来のリスクを覆い隠すために2%成長にしているのではないか?国会議員は自分が当選することが最優先で日本の将来のことなど考えもしない。少子化対策も遅きに失したのではないか?日本って先進国でも何でもないかもしれない。先生の予測が当たらないことを祈るしかない。
2040年の日本
2023/09/13 04:31
データから分析される近未来の日本
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yino - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代日本が抱える様々な問題を、経済の観点から分かりやすく解説する。政治、大学の教育現場などの腐敗を悲観する一方、問題意識をもって行動を変えることで、「日本はまだ修復可能」だという著者の強いメッセージが胸に響く。