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65件
プリニウス
どうしても、この男が描きたかった! 世界史上もっとも著名な博物学者にして、ローマ艦隊の司令長官。古代ローマ一の知識人にして、風呂好きの愛すべき変人。その男の名はプリニウス――。『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリが、最強のパートナー“とり・みき”を迎えて、ふたたび魅惑の古代ローマ世界に挑む。圧倒的な構成と迫真の画力で2000年前の世界を描く、歴史伝奇ロマンの決定版、ここに誕生!
プリニウス 12巻(完)
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2015/08/17 15:53
ヤマザキマリととり・みきが描く、これがローマ時代だ!
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリが、とり・みきと組んで、古代ローマ人を描くと聞いただけで、何やら読まなければいけないような気にさせられる。
さらに、取り上げた人物がガイウス・プリニウス・セクンドゥスなる、博物学者(史上もっとも有名な博物学者らしいが、ほとんど知らなかった)というのだから、余計読まなければいけないような気にさせられる。
さらに、さらに、冒頭はヴェスヴィオス火山の爆発から始まるのだから、これから何かとてつもないことが描かれていくのではないかと思わせられる。しかも冒頭4ページはカラーなのだから、火山爆発の迫力は特別だ。
さらに、さらに、さらに、火山が爆発し、人々は避難しようとしている中、風呂に入り、食事まで摂るというプリニウスの姿を見せて、その人となりの一端を知らしめてくれるのだから、「もう、早く、何でも描いてよ」という感じになる。
実際には、そこから何年(?)も時間が遡り、プリニウスと彼の応答記述係エウクレスの出会いからストーリーは始まっていくことになるのだが、この第1巻はほんのプロローグと言ってよいだろう。
当時の皇帝ネロやその周囲の人間たちが描かれ、プリニウスはシチリア島からローマへ戻っていくところで、これからいろいろなことが起こるだろうということを予感させる。早く、続きを読みたいものだ。
マンガの合作というものがどれほどの程度行なわれるのか知らないが、このヤマザキマリととり・みきの合作は絶妙と言える。一見するとどちらがどこを描いたのかわからない、ただローマ時代を描いたマンガとしか見えないのだが、よくよく見ると「これはとり・みきだ」などと分かる。それが合作の面白いところなのだろうが、この1巻を読む限りではうまくいっているように見える。
間に挟まれた二人の対談も裏話的で面白いが、もっと本編で楽しませてくれるように期待したい。
プリニウス 1 (BUNCH COMICS 45 PREMIUM)
2014/11/13 01:52
ローマ随一の博物学者を描く
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あずきとぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
雑誌「新潮45」に連載中のマンガ。
「テルマエ・ロマエ」で知られるヤマザキマリと、とり・みき(飛び抜けてメジャーな作品はないかも知れないが、僕の一番好きなマンガ家だ)の二人による合作である。
プリニウス――ガイウス・プリニウス・セクンドゥスは、一世紀の古代ローマに実在した人物で、政治家や軍人である上に博物学者でもあった。
彼は、膨大な量の書物と見聞を元に、百科全書『博物誌』を書き残した。
その内容は、天文・地理・鉱物・動植物・絵画・彫刻に至るまで、森羅万象すべてを網羅するかのように、多岐に渡った。
今日から見れば、誤りや空想(?)と言える記述も少なくないが、ヨーロッパでは中世まで「古典中の古典」として知識人を中心に読まれていたという。
物語は、プリニウスと彼の口頭記述係であるエウクレスの二人を中心に展開する。
第2話以降、二人はシチリアからローマへと旅をする。
旅の途中に遭遇する事物・現象について、プリニウスがその持てる知識を言葉にして披歴し、それをエウクレスが書きとめる。
この作品の魅力の一つは、毎回披露されるプリニウスの博識ぶりだ。
目にしたものについて、彼の脳から溢れ出してくる知識が、滔々と淀みない流れのように語られる。
前述のように中には誤った事柄も含まれているのだが、堂々と自信を持って語られる論理的な講説に、つい引き込まれ納得させられてしまう。
実は、この物語は、プリニウスの脳内を旅しているのかも知れない。
さて、時は皇帝ネロの治世。
1巻の終わりで、プリニウスは、彼の帰還を待っていたネロに出会う。
ローマにおいて、これからどのように物語が展開していくのか。
次巻が、楽しみだ。
プリニウス 11 (BUNCH COMICS)
2021/07/15 23:18
プリニウスの遍歴
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼少時代のプリニウス、プリ子登場(笑)
自然に親しみ病に苦しんだ幼少期。
友達のマルクスのエピソードが読んでいて辛かった。
家の貧苦、兄の死でもうどうしようもないと悟った幼い目に痛みを覚えた。
マルクスとプリニウスが再会することはないのかな。
そしてプリニウス恋愛編。
書物に助けを求めるあたり、気の毒なくらい色恋に向いてない…。
結婚しても上手くいかなかったであろうことは容易に想像できるのもかわいそうになる。
次はネロ亡き後の物語になるのか?