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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2011/06/03
  • 出版社: 新潮社
  • ISBN:978-4-10-100605-5

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人間失格

著者 太宰治 (著)

「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。で...

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人間失格

税込 308 2pt

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人間失格 改版 (新潮文庫)

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商品説明

「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。だれもが自分のことだと思わせられる、太宰治、捨て身の問題作。

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みんなのレビュー1,543件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

感想

2020/04/04 21:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:もも - この投稿者のレビュー一覧を見る

わたしは全く共感できませんでした。
なんで幸せにならないんだろう、わざと不幸になるのだろうって
疑問しか湧かなかった。
でも面白かった。

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紙の本

人間色々

2017/07/21 15:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る

太宰作品を他に読んだことがなく、作者については深く知らないが手記の主人公=作者として読み終えた。誰も生まれる環境は選べないしかえられない。人それぞれの捕らえ方だし、色々だなあと思った。

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紙の本

自己の発見

2002/05/09 21:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゴンス - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間失格。文学に興味のない者とて、このタイトルを目にすればたじろがずにはいられないだろう。
 今日にして太宰の小説、とくに『人間失格』は時代の隔たりを感じさせずに圧倒的な存在感を放っている。が、それはおそらく「暗さ」に何らかのインスピレーションを感じてのことだろう。もちろん、それはそれでいい。事実、太宰の小説はそういう読み方をされ、またある者は滑稽でユーモラスがあって面白いとも云うだろう。
 しかしながら、太宰の文学で大事なことは自己の発見である。自虐的な自己の中でこそ、突然新たな自己は発見される、つまりその自虐的な自己こそが本来の自分ではないか、太宰は我々にそう問いかけているのである。

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紙の本

自分の人生は誰にとっても文学の糧であるとしたら

2009/10/20 01:37

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たく - この投稿者のレビュー一覧を見る

自分の人生は誰にとっても文学の糧であるとしたら、それを売り渡すことは職業作家としては限界か、あるいはスタート地点だ。大江健三郎の「個人的な体験」は自分を切り売りしながらもある水準で達観し、突き放している。そのスタンスを守りながら大江はいつまでも描き続けられるのだろう。太宰にはそれができなくなり、全てを手放して絶命したのだと思えた。
太宰もここまで売り渡す自分を、自分に近しく描かなければ、もう少し延命できたのではないか。この作品の先に大きな作品を物することができたのではないか。独白の文体で誰もが知っている己の人生を語れば、それはもう文学ではない。スキャンダルのセット販売だ。しかし、独白で書かれる事で読者一人一人に打ち明け話をする作家の姿が耳元に佇むとなれば、十分な効果を上げていると言える。その手の話が人間は好きなのだという下世話な計算があったとしたら、なにもここまで自分のことを書く必要はなかったであろう。太宰は自分と作品を切り離せなかったのだ。
ストーリー展開の陳腐さが、現実ゆえに許されている。覗き見、偶然、立ち聞き、打ち明け話など、実体験ではどれだけ起こりうるものだろう。そうしたもので狂言が回される文学はメロドラマに堕してしまうか、あるいは現実の都合の良い断片の収集だ。
独白の文体は危険だ。読者と親密な関係を築ける反面、作家を信用しない読者は過剰に拒絶するだろう。『僕は本当はこんな人間なんです。』という会話は、親しい友人との間ではまずしない。しているとしたら、その人とは親しくない。あるいは場末のバーで偶然隣り合った他人同士が眠れない退屈な時間を埋めるために、語るほどの教養も無く、最後の、最安値の話題を切り売りする口調だ。
この作品のすごさはそこまで堕ち切った自分を、堕ちるままに描ききったことにある。
だとすれば最初と最後の写真のエピソードは潔いとは感じられない。それとも、そこだけでかろうじて文学の体裁を保っているとも言えるだろう。

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紙の本

うーん

2017/12/14 13:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:本大好き - この投稿者のレビュー一覧を見る

自分が感情移入できませんでした。うーん、微妙な内容だなー。

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紙の本

うーん…

2016/02/04 17:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:狂人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

これは、自分だ!という人間とそうでない人間に二分されると聞きました。自分を演じたり、道化になったり…という面はわかりますが、やはり、太宰は弱くて悲観的で、それを笑いにしてっていうのが魅力なんだろうとは思いますが、ちょっと私の肌には合わなかったかな?という感じでした。

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電子書籍

☆「恥の多い生涯を送って来ました」☆

2024/05/25 18:36

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公の葉蔵は、東北の裕福な家庭に生まれた。だが、周りの人間と同じ感覚を持てずに苦悩し、それゆえ、彼は道化を演じることに徹した。また、女中や下男から大人の汚さを見せつけられながら、ただ笑っては周りの機嫌を窺っていた。
中学性の頃には級友との関係から人間に対してさらなる恐怖を抱くようになる。そして旧制高校では先輩から酒、煙草、淫売婦などを教えられ、それらに浸って人間や世の中に対する恐怖を紛らわすようになる。
段々と生活が追い詰められた彼は、ツネ子という人妻と一夜を過ごし、心中未遂をする。しかし自分だけ生き残り、すぐに居心地が悪くなり、逃げ出す。
その後も、彼はシングルマザーやバーのマダムなど女性関係にはまり込み、幸福であることを恐れて逃げ出す。
軈て、煙草屋の純粋無垢な娘と結婚し、一時的に平穏で幸福な日常を手に入れた。
しかし、その平穏で幸福な日常も長くは続かない。ある晩、その妻の身に起きた強姦事件で、彼は多大なる恐怖に襲われる。そして、絶望の淵に立たされた彼は、アルコール中毒になり、自殺未遂まで引き起こす。
その後、彼はモルヒネにも溺れ、周りから狂人と見下され、ついに精神科病棟に強制入院させられる・・・

絵にかいたようなダメっぷりだが、彼を破滅に追い込んだのは、周囲の環境も原因ではないだろうか?
そして、このような出来事は現代社会でも起こりえることであり、その時その時の社会が作り出す《人間像》に収まりきることができないヒトが、「人間失格」の烙印を押されてしまうのであろうか・・・

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紙の本

☆「恥の多い生涯を送って来ました」☆

2024/05/25 18:35

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公の葉蔵は、東北の裕福な家庭に生まれた。だが、周りの人間と同じ感覚を持てずに苦悩し、それゆえ、彼は道化を演じることに徹した。また、女中や下男から大人の汚さを見せつけられながら、ただ笑っては周りの機嫌を窺っていた。
中学性の頃には級友との関係から人間に対してさらなる恐怖を抱くようになる。そして旧制高校では先輩から酒、煙草、淫売婦などを教えられ、それらに浸って人間や世の中に対する恐怖を紛らわすようになる。
段々と生活が追い詰められた彼は、ツネ子という人妻と一夜を過ごし、心中未遂をする。しかし自分だけ生き残り、すぐに居心地が悪くなり、逃げ出す。
その後も、彼はシングルマザーやバーのマダムなど女性関係にはまり込み、幸福であることを恐れて逃げ出す。
軈て、煙草屋の純粋無垢な娘と結婚し、一時的に平穏で幸福な日常を手に入れた。
しかし、その平穏で幸福な日常も長くは続かない。ある晩、その妻の身に起きた強姦事件で、彼は多大なる恐怖に襲われる。そして、絶望の淵に立たされた彼は、アルコール中毒になり、自殺未遂まで引き起こす。
その後、彼はモルヒネにも溺れ、周りから狂人と見下され、ついに精神科病棟に強制入院させられる・・・

絵にかいたようなダメっぷりだが、彼を破滅に追い込んだのは、周囲の環境も原因ではないだろうか?
そして、このような出来事は現代社会でも起こりえることであり、その時その時の社会が作り出す《人間像》に収まりきることができないヒトが、「人間失格」の烙印を押されてしまうのであろうか・・・

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紙の本

つらい

2024/02/18 11:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

古典とか名作とか言われているけど、面白いとは思わない。
つらくなる。滑稽にも見えるが、悲しい。
戦後の、これまでの正義が罪に変わった時期、という背景は考えなくてもいいんだろうか。
薬物中毒者という設定に感情移入できないんだが、それでもいいんだろうか。

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紙の本

やっぱり好きになれない太宰治

2022/09/10 10:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る

太宰治が幼い頃から精神病院に入れられるまでを描いた自伝的小説。弱くてずるくて怠惰で、女性にもてるのを利用してあちこちの女性に助けてもらって生活している主人公には嫌悪感しか抱けませんでした。あとがきで太宰が小説発表当時いかに世間で称賛され、受け入れられていたかが熱く語られていて、小説そのものよりそちらの方を興味深く読みました。当時の日本の暗さ、日本人の沈鬱さを感じました。

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紙の本

ハマっていく怖さ

2020/10/17 11:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:MR1110 - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公はいけないとわかっていながら何かに導かれるように暗い方暗い方へと人生の舵を切ってしまうように私には見えた。現実世界でも負のループから抜けられない時もあるが、「なんとか踏ん張って前向きに生きていく」改めてそんな決意をさせてくれる作品。

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紙の本

愛されるダメな奴

2015/03/26 11:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る

葉蔵ほんとにどうしようもねえやつだなと。数行でさらりと流される愚行の数々。読み手によって受け取り方は千差万別でしょうが、なんだかかわいいと感じたのは私だけでしょうか。愛されるダメな奴という印象を受けたのは ちょいとおかしいのかも知れん。

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紙の本

世界文学としての『人間失格』

2009/07/28 21:07

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る

太宰治の代表作なのかもしれない。ただ、僕個人としては中期の太宰の生活が安定していた頃の短編たちを評価したい。結局、太宰は自殺したのだ。それは事実だ。そして、最後のととのった形での小説は、この『人間失格』だ。しかし、「人間失格」という言葉を一人歩きさせてはいけない。『人間失格』を読んでそれこそ「中毒」のようになった人は、岩波文庫から出ている『富岳百景・走れメロス』を読んで欲しい。そこには中期の太宰の豊潤な世界が広がっている。
太宰の「本質」とは何か?と規定するのは難しい。『人間失格』はある一面で世界の本質、世界の底にたまっているマグマを描写したものだが、同時に、多かれ少なかれ人間というものはこのような内容を(言葉にしなくとも)心の内に秘めているのではないか?この小説に出てくる「善人」たちの中にもおそらく(その主人公との関係性の中では出てこないのだが、よって小説内では決して描かれないのだが)、葉蔵の苦悩と共通するところはあったのではないか?
『人間失格』は「わたくし小説」だ。「葉蔵」という「わたくし」についての小説だ(完全にイコール太宰ではない)。血のにじんだ言葉によって読者は自分の心もテクストの中に巻き込まれていく。
しかし世界は一つではない。世界の描き方というものは一つではない。太宰は「永遠の青春文学」だと言われる。しかしそれを「青春」の一時代で捨て去るのではなく、その完全の形で受け入れるでもなく(受け入れたら、生きていかれない)、部分的な歪形の元に組み入れていく。そういう生き方。
一方には、ジョイスがいて、『ユリシーズ』『フィネガンズ・フェイク』がある。自殺は決してしなかったジョイス。ジョイスの生活だって決して楽なものではなかった。
世界の提示としての文学。それを完全に肯定することはできないけれど、世界に通ずる日本語文学として『人間失格』はある。歪形の元に組み入れて……。あるいは「参照軸」の一つとして自らの内なる天体に組み入れて。ただ、これに拘泥するな。
世界は無数にある!

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紙の本

人間に合否はない。

2008/11/30 17:24

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間失格 太宰治 新潮文庫

 39才、女性と入水自殺する前に書かれているので、遺書のように自分の人生を振り返るような記述で始まっています。こどもが書いたような文章に思える部分もあります。天才であるが故の悩み、自虐的な自己分析が続きます。読んでいるとむかし聴いた森田童子(どうし)という女性の歌声を思い出します。以前リバイバルされたようですが、そうではなくもっと前、昭和40年代のオリジナルです。人が死んでしまう歌ばかりなのですが、思春期の私には共感できました。今になって思えば、通過点として人は誰しもそんな時代がある。太宰という人はずっとその世界に居続けた人なのだろうかと感じます。生まれてきてすいませんという本人の言葉が浮かびました。
 どこまでが虚構で、どこまでが事実なのか。作者自身を責め続ける記述が続く。読むことがつらくなってくる。世界が狭い。世の中にはもっと広い世界があることを記述は語らない。思いつめている。他者のありように義憤をぶつけつつ、自分を甘やかしている。いつもなら本を閉じて読むことを絶つのだけれど、なぜかしらゆっくりだけれど読み進んでいく。何枚かの写真が脳裏に浮かんでくる。本の中の登場人物たちはすでにこの世にいない。消えてしまった人たちの姿が見えてくる。後半、文章が乱れてくる。脆弱(ぜいじゃく)でこの部分の記述は不要でなかったかと感じていると、「人間として失格」という頭を強打する文に出会う。人間として失格とか合格とか、そんな規準も標準もない。人間をどのように捉(とら)えるのか。深い命題に突き当たる。

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紙の本

心身が疲れている時には適さない本

2016/02/04 13:52

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る

昨年,芥川賞を受賞されたピース又吉氏が,太宰を絶賛しているので,数十年ぶりに手に取りました。
この徹底したマイナス思考を読めば,「辛いのは自分は一人じゃない」と思えて来る反面,太宰のような才能や名声がない自分とは違うという当然の現実も思い起こしてしまいます。
いずれにせよ,心身が疲れている時には適さない本だと思われます。

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