百鬼夜行 陰 文車妖妃
著者 京極夏彦 (著)
短編集「百鬼夜行 陰」からの一篇。「妖怪」はいずこより来るのか……。人の心は闇にあらねども、揺るぎないはずの世界が乱れたとき、その裂け目から怪しきものが湧き出し、取り憑く...
百鬼夜行 陰 文車妖妃

百鬼夜行 陰(全) 【電子百鬼夜行】
商品説明
短編集「百鬼夜行 陰」からの一篇。「妖怪」はいずこより来るのか……。人の心は闇にあらねども、揺るぎないはずの世界が乱れたとき、その裂け目から怪しきものが湧き出し、取り憑く。他人の視線を極端に畏れる者、煙に常軌を逸した執着をもつ火消し、「海」を忌む小説家……。日常に潜む恐怖を描く。
著者紹介
京極夏彦 (著)
- 略歴
- 1963年生まれ。北海道出身。「嗤う伊右衛門」で泉鏡花賞、「後巷説百物語」で直木三十五賞受賞。
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百鬼夜行ファンには美味しい作品
2013/07/30 22:11
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:柚子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本編の事件の核になる人物の行動理由を憑いた妖怪で説明してる感じ
百鬼夜行シリーズの大長編群の外伝
2022/06/05 19:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
京極夏彦のデビュー作「姑獲鳥の夏」から続く百鬼夜行シリーズの大長編群の外伝のような短編集です。長い長編の中に出てきた登場人物の一人に焦点を当てている。そのため、先に百鬼夜行シリーズの長編群を読んでいたほうが良い。というかそれを前提にしていると思う。どの長編に出ていた人なのか、どのエピソードにつながるのかというのを考えながら読むのもまた楽しい。
百鬼夜行 陰
2021/07/01 18:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Keito - この投稿者のレビュー一覧を見る
京極堂シリーズに出てきた登場人物のアナザーストーリー的なお話
物覚えが悪いせいなのかうっすらとしか思い出せない登場人物がいた
ただ、この巻は京極堂を愛してやまないファン達にとってはとっても面白いだろうなとおもいました
多才
2024/11/10 05:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物の個性も光る作品だがこれらの人物設定はどこから生まれるものだろうか。謎が謎を呼ぶ長編推理。終わりを知らない作品。
本歌があるからいいので、その落穂みたいな部分だけを取り出して楽しめ、って言われても、話が一つもまとまってないし、これだけで論じるのは、無理でしょ
2005/08/10 23:16
11人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「妖怪」はいずこより来るのか・・・・・・。人の心は闇にあらねども、揺るぎないはずの世界が乱れたとき、その裂け目から妖しきものが湧き出し、取り憑く。他人の視線を畏れる者、「海」を忌む小説家・・・・・・。日常に潜む恐怖を描く十の短篇からなる「京極サイドストーリーズ」。
正直いいまして、ナッチファンを自認する私としては、評するに最も頭を抱える作品です。実は、この本、文庫化される前に一度は読んでいるはずなのです。勿論、ノベルズで出た1997年です。それは確実なのですが、まったく記憶にありません。確か、そのときも読み終えたばかりにもかかわらず、一篇として内容を思い出せるものがないという状態だったはずです。
そして、今回もその悪夢が再来してしまいました。困惑です。閉じていない話の難しさ、とでも言ったらいいのでしょうか。でもそれが十篇全てとなれば、かなり問題です。試験の成績でも30点に比べ0点というのは、かなりです。人事考課でDがつくと、つけられた本人もですが、考課した側が問題視されることがありますから、それに似ているとでも言いましょうか。
そこで、まずは気晴らしに散歩。妖怪製作 荒井良、カバーデザイン FISCOだそうです。「製作」が気になりますよね、これって「制作」じゃあないか?って。さらにいえば、カバー折り返しに載っている写真についても、コメントが欲しかったな、なんて。ちなみにカバーデザインをやっているFISCOは、文藝春秋のミステリマスター・シリーズで京極夏彦と組んでい装幀をしています。他にも、同じコンビで物集高音『大東京三十五区夭都七事件』とか、結構いい仕事してますね。
で、本を開くと同じ妖怪くんの別カットがあって、目次ではなく、目録という文字が飛び込んできます、いいですね、これ。そして『百鬼夜行 陰』があって、文庫なので、初出一覧と皆川博子の解説がつくという形。外伝という扱いなのだそうですが、やはりこれ単独で楽しもうとするのは、流石のナッチでも無理かもしれません。とりあえず
続く巻頭言は「怪力乱神をかたるものいましめをまもる人には 。」です。
で、この本では目録が二つあって、後のほうは『百鬼夜行 陰』そのものの詳細ということになります。戻ることのないだろう妻の着物を処分する男の「小袖の手」、夢に見た小さな女は、本当にいたのだろうか。寝台の横に佇む十糎ばかりの小さな女「文車妖妃」、誰かが見ている、視線とは何だ、見られる男の妄想は「目目連」。
一月前、男が街で見かけた鬼。鬼とは一体どんなものかを問う男の「鬼一口」、火事の現場で鶴嘴を振るう男が、湯気立つ瓦礫の跡から掘り出したものは「煙々羅」、なぜ笑うことが必要なのだろう、笑いのない家で育った女は少女たちの笑いに苛ついて「倩兮女」、栄転を果たした警部補に少年が囁く悪魔の言葉「火間虫入道」。
新興宗教の教主が死んだ。息子が跡を継いだ。それを見ている孫のこころには、違和感が「襟立衣」、女が憎い、いや女が怖い、だから取り締まりにも強く望む警察官が捕まえた女は「毛倡妓」、気が萎えた男が川で見たものは、関口のもとを訪れた中禅寺敦子の語る不思議が作家を追い詰める「川赤子」。
皆川の解説に、京極夏彦作品の受け容れられ方を、筒井康隆、山田風太郎に喩えたところがあります。個人的には、筒井・山田両氏よりは遥かに京極は恵まれている、と思います。私が京極の存在に気づいたときは既に、ナッチくんはアイドルでしたから。それに文学賞受賞までの順調さが違います。でも、考えさせられるコメントではありました。