空海の研究で定評のある加藤精一氏による空海の著書『般若心経秘鍵』を分かりやすく現代語訳した決定版です!
2021/01/09 16:15
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、宗派や時代を超えて愛誦される「般若心経」を現代の読者に分かりやすく説いた画期的な書です。ここには仏教のあらゆる教えが含まれており、人々の幸せを願い続けた空海が最晩年に「般若心経」の本質を「こころ」で読み解き、後世の人々への希望として記した『般若心経秘鍵』の内容を現代語訳で解説していきます。中核となる主張をまとめた名言や人情味あふれる逸話集なども併載され、壮大な空海の思想を現代に甦らせてくれます。同書の現代語訳を担当されたのは、空海の研究で定評のある加藤精一氏です。
般若心経の密教的解釈
2016/06/18 17:41
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投稿者:しゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
般若心経を、弘法大師空海が、密教の思想をもって解説したものです。
般若心経の解釈として、幾つもの解説書があるが、文字の意味を説明しているものが多く、それなりに納得はしたが、何か不満が残っていた。
この本は驚きでした。こんな解釈ができることにビックリ!
収録されている般若心経の読み下し文もおすすめ
2021/11/12 00:48
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
般若心経秘鍵の解説本としては勿論、
般若心経そのものの解説本としても、
極めて詳細かつ分かりやすく書かれた本です。
本文を、朗唱や暗唱を前提に組み立てて
いるところがとても好ましいです。
解説書の解説つき入門書
2015/11/04 22:59
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投稿者:しましま - この投稿者のレビュー一覧を見る
般若心経の読み下し文と口語訳がついているに惹かれて買いました。お経はサンスクリット語を漢訳した物をそのまま音読みしているので、耳コピで読めても意味がわからない。
『三教指帰』,『秘蔵宝鑰』も一緒に読むのがお勧め。
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真言宗開祖・空海による般若心経の解説。
とてもわかりやすい現代語に訳されていて、
それを見ながらだと、古文が苦手な人も
原文がなんとなく読めてしまうのではないかと思います。
ただし、あくまで「真言密教」から見た般若心経の解釈です。
必ずしもオーソダックスな般若心経の解釈ではないと思います。
ですが、般若心経を、大乗仏教のためのお経にとどめず、
逆に密教のものであると主張するわけでもなく、
あらゆる教えを包摂したお経であるとしています。
訳者が述べています。これが空海がこの『秘鍵』にこめた想いだと僕も感じます。
「 あらゆる思想や宗教にそれぞれ価値を見出してそれぞれの地位を与え、それぞれが違いは違いとして認識しながらも、手を握り合って大道を歩んでいけば、構想や対立を避けることもできるし平和と共存が可能になるであろう。 」
9世紀にこんな思想を打ち立てた空海はやはり常人ではない。
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空海によれば、般若心経には仏教のあらゆる教えが含まれているということ。どんな仏もすべてを語り尽くすことはできない。
仏陀の悟りは、心の一番近くにるということ。
優れた医師は、道端の草をすぐれた薬として見ることができる。
帝釈天の宮殿の網には、ひとつの珠にすべての珠が映えあって映っている。
般若心経は一字一字が法界に蔓延しており、その内容は、過去、現在、未来の三世を貫いて妥当するものであり、私たちの心の隅々にまで行きわたっている。
般若心経によって、社会の現実を仮の姿と認識し、極端な偏見を離れて中道の立場に立つトレーニングを試みよう。
あらゆる思想や宗教にそれぞれの価値をみいだして、それぞれの地位を与え、それぞれが違いは違いとして認識しながらも、手を握り合って大道を歩むこと。
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空海の著したこの秘鍵を原文で読めない自分にとって、空海の思想を理解する参考となった。随所にルビがふられて読みやすかったが、著者は宗教人であるので、日本で読誦されているとおりの読みをされており、梵語を密教を理解する上で重要視した空海の真意が伝導されているかは疑問として残った。空海最晩年の著作であり、穿った見方が許されるなら密教・真言宗を仏教の最上位に置くことを弟子達に伝えるための、空海独特の簡潔な文書ではないかと思われた。
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般若心経を忠実に読み解くというよりも、
空海が密教の教えから般若心経を大胆に解釈したというのが『般若心経秘鍵』
すこしぶっとんだ内容のように思ったが、宗教書であるならこれくらいの大胆さがあるべきだろうと納得した。
空海の壮大な精神には感服するほかないし、
それをなさせた般若心経とはやはりものすごい哲学だ。
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顕教をしのぐ真理であるはずの密教(真言宗)が、大乗経典である般若心経をなぜ重んじるのか。空海お得意の我田引水的な論理が展開される。悪くないです。
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美しい現代語訳によって、誰もが、弘法大師空海の灌頂を受けることができる。
訳者?である加藤精一さんは、かねてから「弘法大師空海の著作を、できるだけ正確な現代語訳にして、多くの人々にその概略を理解できるようにしたい」と願っていらっしゃったそうです。
そして、空海の処女作である『三教指帰/さんごうしいき』(空海24歳)、『秘蔵宝鑰/ひぞうほうやく』(空海57歳と考えられる)を上梓された後、平成23年、この『般若心経秘鍵/はんにゃしんぎょうひけん』(空海61歳)を出版されました。
空海の著作が、加藤精一さんが訳してくださった現代語のように、丁寧な言葉づかいだったのか?そのニュアンスは、私にはわかりませんが、その優しいことばから、いやきっとそうだのだろうと、弘法大師空海のお人柄が偲ばれます。
この、私でも理解できる美しい現代語訳によって、誰もが弘法大師空海の灌頂を受けることができます。こうして、加藤さんが、成し遂げられた、このようなお仕事を人は、ライフワークと呼ぶのではないでしょうか?
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空海、人生最後に記した「秘鍵」を読み解く。
代表的な一節ごとに、単なる現代語訳でなく解説を加えて理解を深めさせてくれる。
「顕密は人に在り、声字は即ち非なり」
顕教か密教かの判別は、それを見る人の眼力で決まるものなのであって、言葉じりや文字づらで決まるものではない。
これなどはまだシンプルな方。2行ほどの原文読み下しを、半ページほどかけての解説も。ただ、一般人はそれなくしては理解できない深みのある原書であることは、よく分かる。
宗教学ないし宗派毎の解釈の是非はさておき、心の糧になる一冊には間違いない。
「#般若心経秘鍵」(角川ソフィア文庫、空海著、加藤精一編)
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こちらは流し読みしてしまいましたが、
飲茶さん著「史上最強の哲学入門 東洋編」の
釈迦、龍樹の章で補完され自分の中で理解が進みました。
空海の求めた(であろう)、宗会派を超越した世界に通じる原点である、釈迦「縁起」⇒龍樹「空」と進む概念の変遷と経緯を知れたので、あらためて
本書の「空」について実感が深まりました。