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  • カテゴリ:高校生 一般
  • 販売開始日: 2015/08/14
  • 出版社: 朝日出版社
  • ISBN:978-4-255-00485-3

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一般書

電子書籍

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

著者 加藤 陽子

かつて、普通のよき日本人が「もう戦争しかない」と思った。世界最高の頭脳たちが「やむなし」と決断した。世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争はきまじめともいうべき相貌をたたえ...

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それでも、日本人は「戦争」を選んだ

税込 935 8pt

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それでも、日本人は「戦争」を選んだ

税込 1,870 17pt

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商品説明

かつて、普通のよき日本人が「もう戦争しかない」と思った。世界最高の頭脳たちが「やむなし」と決断した。
世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争はきまじめともいうべき相貌をたたえて起こり続けた。

その論理を直視できなければ、かたちを変えて戦争は起こり続ける。

だからいま、高校生と考える戦争史講座。
日清戦争から太平洋戦争まで。講義のなかで、戦争を生きる。


生徒さんには、自分が作戦計画の立案者であったなら、
自分が満州移民として送り出される立場であったなら
などと授業のなかで考えてもらいました。
講義の間だけ戦争を生きてもらいました。

そうするためには、時々の戦争の根源的な特徴、
時々の戦争が地域秩序や国家や社会に与えた影響や変化を
簡潔に明解にまとめる必要が生じます。その成果がこの本です。
                ……本書「はじめに」より

◆日本だけでなく、世界の人々がなにを考え、どのような道を選択したのか、
かつての人々が残した言葉をたどりながら、詳しく鮮やかに紐解いてゆきます。
縦横無尽に「戦争」を考え抜く。歴史の面白さ・迫力に圧倒される5日間の講義録◆

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みんなのレビュー278件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

若者とともに考える近代日本史

2023/03/17 22:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る

第一線の歴史学者による、
日清戦争か太平洋戦争までの
近代日本近現代史の概論、
とだけ言ってしまうと、
この本の説明としてヮ、
ちょいと舌足らずでしょう。

この本のキモヮ、著者が、
中高生を、単なる聞き手でヮなく、
共に歴史の流れを考える相手にして、
問答を繰り返しながら
話を進めていくところです。

時折挟み込まれる、
とぼけた感じの挿絵が
いい味を出しています。

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紙の本

ロシアの始めた戦争が100年前の日本と重なる

2022/05/12 19:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:バラガン - この投稿者のレビュー一覧を見る

ロシアの脅威に対する緩衝地帯として、朝鮮半島の支配が必要だった100年前の日本。
ロシアのウクライナ進攻と重なる部分が多くて愕然とする。歴史の勉強がいかに大事か!にもかかわらず同じ間違いを我々は何度繰り返すのか?
今こそ読むべき本です!

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紙の本

歴史学の魅力に触れられた

2021/11/06 09:40

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る

日清戦争から太平洋戦争までを題材にして、日本が戦争に進んで行った経緯を様々な角度から事実を分析して読み解いていく内容。埼玉県の栄光学園の歴史研究会に所属する生徒を対象として著者が数日にわたって講義した内容をまとめた本。
歴史が単なる暗記物ではなく、実に魅力的な学問であるということがわかります。直面している課題を解決しようとする際に、我々は過去の同様の事例からヒントを得ようとしますが、歴史を広く深く理解しているほど精確なヒントを得られるので、しっかり歴史を学びましょう、というのが著者の言いたいことだと理解しました。題名からは、戦争に対する反省本の1つかと思いましたが、全然違いました。

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電子書籍

戦争

2020/08/14 20:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る

この時期になってくると、本谷さんでたくさん並んでいるので、つい買ってしまいました。子供に伝えるのに良さそう。

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電子書籍

アメリカのせいだと思っていた

2017/11/07 13:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る

とても内容の濃い本。高校生が賢くて舌をまく。なぜ日本人は戦争に走ったのか、それはやはり日本人が選んだからだった、ということなのか。アメリカ相手に開戦したときに日本人が「晴れ晴れとした気持ち」だったとはしらなかった。しかし、戦争も後期になると、大本営のせいのような。。いや、これも最後の悲惨さが強く記憶に残ってるからなのかもしれない。

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紙の本

勉強になる

2017/04/30 18:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なな - この投稿者のレビュー一覧を見る

なぜ世界最高の頭脳たちが「もう戦争しかない」と思ったのかわかりやすくかかれています。
「なるほど」と勉強になります。

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紙の本

本当は知りたい現代史

2017/01/31 19:27

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校の日本史の時間にたいてい時間切れになって、教科書を読んでおいて、で済まされてしまう現代史。ところが、本当は現代史こそ知りたい、歴史を身近に感じられる分野なんですよね。そうした中で本書に出会いました。高校生にも読み通せる文体なのがいいです。

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紙の本

解り易く、高校生の質問にも答える形で様々な見方も交えながらひもといていくので多面的理解ができ、ふんだんに挿入されたイメージカットだけでも面白い。

2016/11/15 22:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校生に対する特別講義という形で、本来は穏健な大衆はじめ世界最高の頭脳を持つ為政者たちまでもが、何故「もう戦争しかない」と思ったかを、日清戦争、日露戦争、第1次世界大戦、満州事変と日中戦争、第2次世界大戦という大きな5つの戦争の流れに沿って5回に分けて講義した内容をまとめたもの。解り易く、高校生の質問にも答える形で様々な見方も交えながらひもといていくので多面的理解もできるが、何となく答えに誘導されているような感じを受けないでもない。ふんだんに挿入されたイメージカットだけでも面白い。
 ただ残念ことに、私がこの本に興味を持ったのは、著者と同じく「何故、もう戦争しかない」と思ったかという点にあったのだが、その興味の対象は戦争になった場合一番初めに、最前線で命の危険に晒される「一般の国民」たちが「何故、それでも戦争を選んだか」であった。この点に関して本書では余りというか、殆ど応えてくれていないと感じたことである。

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紙の本

今だからこそ

2016/05/28 10:29

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校生との対話、授業の中で、太平洋戦争に突き進んでいったかつてに日本の状況を取り上げており、非常に分かりやすい。

かつての状況に似てきている今だからこそ、読んでおくべき一冊。

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紙の本

色々と発見のある本でした。

2016/04/20 21:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けやき - この投稿者のレビュー一覧を見る

政党なんかより陸軍の統制派の方が国民向けの政策を打ち出していたんですね。他にも色々な発見のある本でした。

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紙の本

「対話型授業」を日本近現代史でやってのけた本書は、「ハーバード白熱授業」よりもはるかに面白い!

2011/08/21 17:06

8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る

  「歴史にはイフはない」とは凡庸な歴史家たちの常套句である。歴史が人間の営みの軌跡である以上、その時点その時点における判断と意志決定がその後の歴史の流れを大きく左右していく。その判断と意志決定がなぜ、いかなる状況のもとでなされたかを、当事者意識でもって自分のアタマで考えることこそが、ほんとうの歴史を知ることの意味であるのだ。

 これは政治リーダーだけではなく、日本国民の一人一人に求められていることだ。なぜなら、国民は投票や世論形成など、その他さまざまな形によって意思表示し、歴史の流れを変えることも不可能ではないからだ。

 この「授業」は、受験界でも有名な私立男子校・栄光学院の歴史研究部のメンバーを対象に行ったものだそうだが、ビジネスマンのわたしからみると、ある意味ではハーバード・ビジネス・スクールで用いられる経営史のケーススタディにも近いものがある。歴史を傍観者としてではなく、当事者として考えて見よという姿勢が一貫しているからだ。

 とはいえ、そのときどきの政治指導者や軍事指導者の立場にたって、最善の政策を考えよという授業は高校生にはきわめてヘビーなものだっただろう。大人でも考えながら読むのはヘビーなのだから(笑)。しかし、知的好奇心が強く、向上心のある人間にとっては最高に刺激的な授業であろう。

 順序に従って「まえがき」と「序章」から読み始めたが、第3章からはがぜん面白くなり始めた。大衆社会が進展するなか、その当時はまだ男子に限られていたとはいえ、一般人が歴史の動きに、さまざまな方法によって参画し始めることが可能となってきたためであろう。英雄豪傑や傑出した指導者の人物史ではなく、本書の主人公はじつは「日本国民」そのものである。その時代、その時代を、地政学的条件や社会資本の蓄積がいまだ十分ではないといったさまざまな制約条件のもとで精一杯生きてきた日本国民である。それはわれわれ自身であり、われわれの父母や祖父母、そしてそのまた先の世代の話でもある。

 明治維新以来、徴兵制や義務教育の普及によって「国民国家」の「国民」として成長してきた「日本国民」。名もなき市井の一般人が「国民」の一人として「声」を持ち、「声」の集合がチカラを発揮していったプロセスが日本近現代史そのものである。

 このプロセスは、日清戦争と日露戦争からすでに始まっていたことが著者によって示される。国民の意思が何らかの形で反映していたのである。「総力戦」の時代においては、すでに戦争は政治家と軍人のものだけではなくなっていたのである。戦死という多大な犠牲を払うことになる国民の支持なくしては、たとえ軍部といえども勝手に動くわけにはいかなかったのである。「空気」をつくりだしたのは、じつは国民自身による世論であった。

 第3章と第4章がとくに面白いのは、今年(2011年)初頭から始まった中東世界の「民主化革命」や中国の状況を、デジャヴュー感覚でみているような気がするからだろう。フランス革命後もその典型であったが、国民国家は国民統合の求心力を外敵との戦争に求めやすい傾向がある。軍が権力の中心にいて、農民比率の高い社会というのは、近代化をすすめる発展途上国ではよくある話だ。もちろん安易な比較は禁物であるが。

 第3章と第4章にくらべて、第5章がやや精彩を欠くのは、分量的にすくなく、やや物足りない気がするだけでなく、誰もがその破局的な結末を十分すぎるほど知りすぎているからかもしれない。「大東亜戦争」(・・著者は「太平洋戦争」としているが)の結末を知らないという前提で、昭和16年(1941年)までの状況を直観的に理解するのは、じつはなかなか困難な課題なのだ。本書でも、後付けの説明にならないように、著者もかなり努力をして説明を行っているのだが、読者の側にそうとう程度の知的な取り組みとイマジネーションがなければ、ありのままの事実を受け止めるのは難しい。

 本書は、かなり刺激的なタイトルであるが、中身はいたってロジカルなレクチャーと議論がぎっしり詰まった本である。「アタマの体操」として、ぜひ一度は読んでみることを多くの人にすすめたい。

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紙の本

この国の体

2010/12/29 22:46

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ルソーは、「戦争とは相手の国の憲法を書き換えるもの」と言った。
憲法とは、ある国が最も大切にしている社会の基本秩序・基本原理を
成文化したものだとすると、戦争とはその社会を成り立たせている
秩序なり原理なりを巡る攻防ということになる。
ということは、戦争を生み出すのは、憲法に代表される「言葉」なのか?

今年の小林秀雄賞を受賞した本書は、日清戦争から太平洋戦争まで、
大国の狭間で日本人が選択してきた戦争の歴史をつづっている。
それは、憲法を持ったばかりの極東の国家が、「天皇を中心とした
日本」という国体をなんとか生き長らえさせようとする物語で、
歴史という物語に固定化されそうな人物たちを、生きた世界の
生きた人間として紡ぎ直す試みでもある。

本書でもっとも印象に残ったのは、国際連盟脱退に至る経緯を巡る章。
満州事変後、国際連盟によって日本と中国の和解案が模索されている
最中、日本は中国熱河地方に軍を侵攻させた。連盟が解決に努めている
ときに新たな戦争に訴えた国は、すべての連盟国の敵とされる。
この作戦はきちんとしたルートで閣議決定され裁可されたもので、
陸軍としては満州防衛のための作戦の1つ、くらいの認識であったが、
結果は全ての連盟国を敵に回す事態であった。事の重大さに気が付いた
天皇や首相は作戦命令を取り下げようとするが、前言を翻すことによって
天皇の権威が下がることを恐れる元老や侍従武官はそれを認めないよう
天皇にアドバイスする。その後、日本は連盟を脱退せざるを得なくなる。

天皇を中心とする国体を維持するための判断が、やがてその国体
そのものを書き換えられる結果を呼び込んでしまった。あとから来る
人間にはその結果がわかっているため何とでも言えるが、主権者の
判断を主権者が修正できなかった国家の歴史は、多大なる犠牲の上に
他国によってリセットされることになってしまったわけである。

果たして現代に生きる我々は、主権者である我々の選択は、
今の国体を維持・向上させる選択をしているだろうか?
誤った選択には修正を加えることが出来ているだろうか?
小林秀雄は、「勇ましいものはいつでも滑稽だ」と喝破したが、
為政者の勇ましい言葉の裏に隠された真の意図を読み取ることが
出来ているだろうか?

そう考えると、今の宰相が唱える最小不幸社会というのは、ぜんぜん
勇ましくない。流血なしに、しかも改憲の可能性もかなり低い憲法も
書き換えることなしで、不幸じゃない社会を築き上げるには、
言葉の肉体性とでもいうような、生きた人間による洗練されたライブな
言葉が必要なんではなかろうか?高校生への講義をベースにした本書は、
勇ましくなくたって若者を魅了する生の言葉に溢れていて、知性の
闘争である人間の歴史に、自分が飛び込む勇気まで、与えてくれる。

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紙の本

歴史の考え方を教えられた

2010/11/19 11:33

15人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:玉造猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は、神奈川県の私立の学園で、中学1年から高校2年までの歴史研究部のメンバー20人ほどを相手に、東大教授加藤陽子さんが行った授業をまとめたものである。まず感じたのは、中高生対象と聞いてふつう予想するのとは違う内容の濃さだった。歴史の知識を生徒に講義するのではない、ある事柄についてそれが何を意味するのかを自分で考えさせる。生徒さんたちがまたけっこうしっかり食いついていく様子が魅力いっぱいだ。

 序章から、こんな展開でいきなり戦争の本質に食い込んでいく。
 加藤 そもそも戦争に訴えるのは、相手国をどうしたいからですか。
 生徒 相手国に、こちら側のいうことを聞かせるため。  
加藤 いいですね。政治の方法、外交交渉などで相手を説得できなかったときに力で相手を自分のいいなりにさせる、ということですね。
生徒 相手国の軍隊を打ち破って、軍事力を無力化する。
加藤 これもなかなか鋭いです。――戦争についての最も古典的な定義は、クラウゼヴィッツが書いた「戦争は政治的手段とは異なる手段を持って継続される政治にほかならない」というものでしょうか。――では戦争というものは、敵対する相手国に対して、どういった作用をもたらすと思われますか。戦争で勝利した国は、敗北した国に対して、どのような要求を出すと思われますか。
 生徒 負けた国を搾取する。占領して、敗北した国の構造を変えて、自分の国に都合のよいような仕組みに変える。
加藤 イラクに侵攻したアメリカが、やろうとして、なかなか果たせなかった、そして今でも果たせない願望ですね。とてもいいポイントをついています。それでは、そろそろ答えをば。
 そこで長谷部恭男『憲法とは何か』から、ルソーの「戦争は国家と国家の関係において、主権や社会契約に対する攻撃、つまり、敵対する国家の、憲法に対する攻撃、というかたちをとる」との言葉が出てくる。頁の下にルソーの顔写真がまんが風の吹き出しで「戦争とは相手国の憲法を書きかえるもの」と言っている。
 ついで、アメリカが日本に勝利して日本の憲法を書きかえるとなった、では戦前の日本の憲法原理とはなんだったか、と加藤さんは問い、天皇制、国体と答えを引き出していく。
 序章をここまで読んで、わたしは、高校生の時こんな風に歴史を語る先生に出会いたかった、と思い、歴史とはこのようにして考えていくことなのだと思った。
 ここまでで45頁。こうした生徒とのビビッドな対話を挟みながら講義は約400頁、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変と日中戦争、太平洋戦争と続く。ほぼ10年おきに戦争を行ってきた日本近現代、そのときどきの戦争をなぜ、どのように、日本人はというより日本の指導者層は選んだか。つまりどのような国の経済、国際政治の条件で国が戦争を選んだか。

 正直に言って、わたしには本書は難しかった。難しい理由はこのマクロのところにあると思うのでやむを得ないと言うか、2度目読んだら次はもう少し理解できると思う。日中戦争、太平洋戦争の項に読み進むと、記述が細部に渡り具体的になって、わたしには分かりやすかった。
 ちなみに章の副題を見ると、日清戦争の項では「「侵略・被侵略」では見えてこないもの」、日中戦争では「日本切腹、中国介錯論」、太平洋戦争では「戦死者の死に場所を教えられなかった国」となっている。

 この「日本切腹、中国介錯」は、わたしは初めて読むことで、衝撃を受けた。
 これは中国の駐米大使だった胡適が1935年の時点で言った言葉という。――中国は3年か4年、絶大な犠牲を覚悟しなければならない。日本に内陸部深くまで侵略され海岸線を封鎖されて初めて、英米とソ連が介入する。中国はアメリカとソ連の力を借りることで最終的に日本に勝利する。今日日本は切腹の道を歩いている。切腹の実行には介錯人が必要である。すなわち「日本切腹、中国介錯」の戦略である――。
 中国は実際に内陸の武漢を陥落させられ重慶を爆撃され、長江が封鎖され天津、上海も占領されたが、降伏しなかった。太平洋戦争が始まり、胡適の言葉通りになった。

 もうひとつ、目から鱗の歴史の発見があった。満州への開拓移民について。
 満州の開拓移民生活の実情がわかり、長野県で応募者が減ってくると、国や県が助成金を出して村ぐるみの分村移民政策を打ち出す。経営に苦しい村は分村移民に応じ、補助金獲得に狂奔する村が出始め、補助金をもらうための開拓民の争奪も起こる。だが中に見識のあった村長もいて、「助成金で村民の生命に関わる問題を容易に扱おうとする国や県のやり方を批判し、分村移民に反対した。」

 さらに、はっとした歴史。太平洋戦争末期、国民の摂取カロリーは1933年時点の6割に落ちていた。農民が国民の41%も占める国で、なぜこのようなことが起こったのか。工場の熟練労働者には徴兵猶予があったが、農民にはなかった。農業生産を支える農学校出身の農業技術者も国は全部兵隊にしてしまったので、44年、45年と農業生産は落ちる一方だった。

 歴史の読み方考え方を、わたしは本書で教えられた。それにしても、5日間でこれだけの授業を受けとめたみなさんがいるということは、日本の中学高校生も捨てたものじゃない。              

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紙の本

「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」タイトルほど堅い内容じゃない、何故か泣ける

2010/05/09 09:35

23人中、22人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:soramove - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本はTV番組「週間ブックレビュー」で紹介されていて、
興味を持ちネットで注文し、地下鉄の移動で読んだ。



「もう戦争しかない」
何故当時の日本人が、
そしてその最高の決定機関の頭脳達が
そんな結論を出したのか。


まずはタイトルに惹かれた、
それから学者である著者が高校生への5日間の講義として
語った内容をまとめたものと知り、
その位の内容なら大丈夫かなと。

大丈夫は大丈夫だった、
特に難解な部分は無かったし、読みにくい部分も少なく、
こういった教養本特有の「分かる人だけ読めば」的なものじゃなく、
伝えようとする熱意さえ感じられる内容だった、
手書きの地図や折々の登場人物の手紙や
実際に語った言葉などは
その時の空気感までが伝わる気がした。

実際にこの講義を受けたかったな、
そうすれば感じ方ももっと違っただろう。

この本を読んでいて、何度もおかしな感情に出会った、
それは当時の東大を出て留学経験まであるような
最高の頭脳を持った人たちが
ある決定をする時、当然自信を持って
良き未来を願っていただろうが、
その決定がのちの日本の敗戦につながることを
自分は歴史の事実として知っているから
堅い文章を読みながら
泣けてくるんだ、これが。


自分でも何泣いてるんだってところだけど、
他国を蹂躙し、ただ自国の繁栄だけを
彼らが望んでいたわけじゃない、
その当時の各国の動きと、国内の要請等々、
様々な事柄がついに「開戦」という言葉を導いたとき、
歴史ってものについて
改めて大切な勉強であり、知識だと痛感した。

もう今は大人なので何年に何が起こったと
暗記する必要はない、
でも近代の大きな流れを知らないのは
やはり間違っていると。


こういう事実に基づいてそれを知ることから
さらにその事実をどう考えるか
中学や高校のいつかの時期に皆で議論したかったな、
大人になるとそんなことを真面目に誰かと
自分の考えを言い合うなんてないからね。


終戦の前から1年あまりで、開戦からの
戦死者の9割が亡くなったと知り、
もっと決断が早ければと感じた、
自分たちが今、選んでいる
この国の政治を動かしている人達はそ
の選択をちゃんとしてくれるだろうか、
もう戦争はないだろう、
でも現実問題として政治の力で救える命もあることも知っている。

こういう本の存在を知ることが出来て良かった。

http://yaplog.jp/sora2001/

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紙の本

一所懸命勉強して、一所懸命伝えようとすると、こんなにすごい本が出来る。

2010/02/25 22:09

17人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る



 一所懸命勉強して、一所懸命伝えようとすると、こんなにすごい本が出来る。
 「昭和史」半藤_一利著も読み応えがありましたが“それでも、日本人は「戦争」を選んだ”はそれを超えます。

 満州事変、日中戦争、太平洋戦争は、何ゆえに軍が暴走を始めたのか。次に引用します。


 統帥権独立という考え方は、山県有朋が、西南戦争の翌年、一八七八(明治十一)年八月に、近衛砲兵隊が給料の不満から起こした竹橋騒動を見て、また、当時の自由民権運動が軍隊内へ波及しないように、政治から軍隊を隔離しておく、との発想でつくったものです。自らこの年、参謀本部長となった山県は、軍令(軍隊を動かす命令)に関することはもっぱら参謀本部長の管知するところ、との規則を定めます。山県の動きを見ていると、どうも、自由民権運動に恐れをなして、軍隊への影響を止めるようにしたということだけでなく、自らも指揮した西南戦争における、西郷との戦いの教訓が大きく影響していると思います。軍事面での指導者と政治面での指導者を分けておいたほうが国家のために安全だ、との発想、これは反乱を防ぐためにも必要なことだったでしょう。
 先に、レーニンの後継者がスターリンにされたことで人類の歴史が結果的にこうむってしまった災厄を話しましたが、この西郷の一件と統帥権独立の関係も、人類の歴史が結果的にこうむってしまった災厄の一つといえるかもしれませんね。日中戦争、太平洋戦争のそれぞれの局面で、外交・政治と軍事が緊密な連携をとれなかったことで、戦争はとどまるところを知らず、自国民にも他国民にも多大の惨禍を与えることになったからです。


ここで、レーニンの後継者がスターリンにされた、というところも引用しますと、


 [後にボリシェビキ(多数派を意味するロシア語)といわれるグループの]人たちは、一七八九年に起きたフランス革命が、ナポレオンという戦争の天才、軍事的なリーダーシップを持ったカリスマの登場によって変質した結果、ヨーロッパが長い間、戦争状態になったと考えていました。
 そのことを歴史に学んで知っていたボリシェビキは、ロシア革命を進めていくにあたってどうしたか。これは、レーニンの後継者として誰を選ぶかという問題のときにとられた選択です。ナポレオンのような軍事的カリスマを選んでしまうと、フランス革命の終末がそうであったように、革命が変質してしまう。ならばということで、レーニンが死んだ時、軍事的カリスマ性を持っていたトロッキーではなく、国内に向けた支配をきっちりやりそうな人、ということでスターリンを後継者として選んでしまうのです。


 過去の歴史に学んで同じ轍は踏むまいとするわけですが、別の悪い事態を生んでしまう。これについて考える時、思いうかぶ本があります。

歴史は「べき乗則」で動く

複雑系_図解雑学

 ロジスティック差分方程式やカオスのことが出ています。

 カオスは生物や物理といった自然界のことだけでなく、歴史や政治や経済においても考えておかなくてはならないことでしょう。

 “それでも、日本人は「戦争」を選んだ“には、人口のことも出て来ています。自国の人口増加に対して植民地支配ということに解決の道が求められたことが若干書かれているのですが、著者加藤先生はどの程度人口問題を重要視していたのでしょう。あまり書かれていません。

 人口増加にどう対処するか、武器の進化に伴い未開の国との軍事力の差が圧倒的になったことが、ヨーロッパの帝国主義、植民地支配を可能にし、多くの被害者の国がつくられて来ました。日本もその被害者の国になるところを、武器の近代化に成功し、かろうじて植民地にならずにすんだ。みじめな植民地にならないよう急ピッチで軍事力を整え、日清、日露の戦争を戦ってきた。(加藤先生は、これらの戦争はヨーロッパのA郡の国々とB郡の国々の代理戦争だという。日清ではAはロシア、Bはイギリス。日露ではAはドイツ・フランス、Bはイギリス・アメリカ。なるほど、そういうことだったのか、とも思う)
 だがそれをやっていくうちに日本にも人口の大幅増加が訪れる。ヨーロッパの国々がやったように、日本も植民地に自国の増えすぎた人口を吐き出す政策をとるようになる。はじめはヨーロッパ列強に植民地化されないための戦いだったが、やがてそれだけに留まらなくなる。ここでも、諸外国との軋轢が生じてくる。

 この本は、経済、軍事、政治、その他各面から国際関係をよくみていると思う。ただ人口のことも書いているが少ない。

 私は現在地球上にいる、あらゆる生物はどの種の生きものも常に食糧不足に直面している、というこを”歴史は「べき乗則」で動く”や”知事抹殺”に、書きました。

 戦争の一番大きな原因は食っていけないというところにあると私は思う。この本は経済と軍事のことが中心です。歴史の見方としては、これも重要ですが、人口問題への言及少ない。経済問題で戦争が始まるように書かれていますが背後にある飢えの問題をもう少し取り扱ってほしかった。

 この本にはエントロピーの項目はありません。日本、アメリカなどの現在の不景気と中国の発展の背後にはエントロピーの増大ということがあります。温度の異なる二つの物体が隣り合わせに接して熱の伝達が行なわれると、やがて低い方は高くなり、高い方は低くなってお互い同じ温度に近づきます。これはエントロピーの増大です。
 賃金も同じで、低い賃金の国と高い賃金の国があって貿易がありますと、やがてそれらの国の賃金は等しくなる方へと近づいていきます。これもエントロピーの増大です。

エントロピーについては

こちら

こちら

に私の簡単な説明がありますので参考にして下さい。

 エントロピーということを考えると地球規模の経済成長はいつまでも続けることは出来ないのですが、何故か経済が成長することが不可欠のようなことがいわれ続けています。不思議です。

 著者がエントロピーのことに触れなかったのはどうしてなのだろうかと思う。イギリスの元首相サッチャー氏はオックスフォード大学で化学を学びLangmuir- Blodgett膜の研究を行っていたそうだからエントロピーの重要性はよくわかっていたでしょう。

 歴史もエントロピー項を含めて考えなければならないと私は考えていますが加藤先生はどう考えていたでしょう。

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