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電子書籍
臣女(おみおんな)
著者 吉村萬壱
夫の浮気を知った妻は身体が巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛(さいな)まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必...
臣女(おみおんな)
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商品説明
夫の浮気を知った妻は身体が巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛(さいな)まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、夫はひとつの決断を迫られることに──。恋愛小説に風穴を空ける作品との評を得、満票にて第22回島清恋愛文学賞を受賞した怪作! 【解説】小池真理子
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書店員レビュー
第22回島清恋愛文学賞受賞作品
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
男は浮気した。小柄だった妻とは違う、大柄な女に夢中になったのだ。
それを知った妻の身体は、その日から巨大化していった。
大量の水を飲み、凍ったままの肉をかじり、大量の排泄をくりかえし、時折、悲しみと憎しみを爆発させて暴れまわる。
骨が隆起し、体が変化していく痛みに苦しみ、言葉すら発することができなくなる妻。
だんだんと、昔の面影が消えていく、妻。
当初勝手に抱いていた「恋愛小説」のイメージとはずいぶんかけ離れていて、恋や愛のきらめいた上澄みのような部分はとうの昔に泥まみれの地べたに投げ捨てられていた。
妻の身体を巨大化させた感情とはなんだろうか。
自分ではない女へ愛情をむけた夫への、形容しがたき絶望だけだっただろうか。
それだけではない、と思わせるようなラストだった。
読み進めるのが苦しい。けれど読み進めずにはいられない。
愛のきらめいた上澄みのような部分は存在しないと先程述べたが、二人のあいだには、時折泣きたくなるほどに美しい瞬間があった。
愛とはなにか。夫婦とはなにか。
その答えはでないけれど、醜く、臭い、けれどそれだけではない何かに、ただただ、胸がいっぱいになった。
紙の本
壮絶な純愛
2016/09/07 00:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
浮気がバレた日から巨大化していく妻と生きる男の話です。なけなしの金で業務用の肉を買い、なけなしの体力で4mを超える妻を介護するのですが、寄生虫や汚物の描写がなかなかダイレクトに脳を揺さぶってきます。そのうえ、全身の骨が歪に成長していく過程で身体が不自由になっても、会話ができなくなっても、巨大化を機に妻への愛情に気付く夫の心理描写が壮絶です。
かさむ食費、大量の排泄物が発する異臭、近所の好奇の目、終わらない巨大化。読んでるこっちの息が詰まるくらい絶望的な日々の中でも、妻が笑ったとか短い言葉を発したとかそういう小さなことを喜びに感じる夫(クズだけど)が憎めません。絶望の果ての結末を自分の目でぜひ確認してみてください。
グロいし汚いけどそこから目を背けなければ純愛小説だと思います。
今年読んだ本の中で一番心を鷲掴みにされました。
紙の本
愛ですね。
2017/11/30 20:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
巨大化する妻。
食事と排泄の世話。
どうなることかと思ったが、ラストでは泣ける。
紙の本
分かるようで分からない。でも分かる
2023/10/25 21:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:狂ったチワワ - この投稿者のレビュー一覧を見る
工女と
嫉妬と
独占欲と
昭和
男の欲望がぐちゃぐちゃで良く表現されている。
女は読むべきでない