「ひとり」の哲学(新潮選書)
著者 山折哲雄
「独居老人」「孤独死」など、まるで「ひとり」が社会悪であるかのように世間は言う。が、人は所詮、ひとりで生まれ、ひとりで死ぬ。「孤独」と向き合うことで、より豊かな生を得るこ...
「ひとり」の哲学(新潮選書)
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商品説明
「独居老人」「孤独死」など、まるで「ひとり」が社会悪であるかのように世間は言う。が、人は所詮、ひとりで生まれ、ひとりで死ぬ。「孤独」と向き合うことで、より豊かな生を得ることができるのだ。親鸞、道元、日蓮、一遍など先達の生き様を振り返り、日本思想の源流ともいえる「ひとりの覚悟」に光を当てる。
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人間は「ひとり」でいる覚悟が必要だ
2017/05/19 23:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
山折さんは宗教学者であるので、何百年も前の過去の日本人について、かなり具体的に考えていらっしゃる。
そのため、日本人は昔からひとりで死んでいたし、僕たち現代の日本人においても「ひとり」を恐れることはないとの意見をお持ちだ。
僕も最近の日本人の孤独への嫌悪感はすこし、いきすぎているようにおもう。特に学生は「ぼっち」などとの言葉をつかって、群れないことに対してマイナスの印象を抱いているようだ。
しかし、ひとりでいることが、それほど辛く悪いことだとは思えない。むしろひとりでいられないことの方が心配なことではないか。
他人に受容されることだけが幸せなわけではないし、その集団に属したいから一緒にいるのは素敵なことだが、ひとりでいられないからそうしている、という理由だったらどうだろう。
また、ひとりでいる人のことを協調性がないなどと非難するのも、なんだかおかしい。
山折さんの言う通り、人間は「ひとり」でいる覚悟がなければダメなのである。
自分自身が、他人がいなければ成立しないというのはただの依存だ。なぜなら、心は自分だけのものでありすべてを委ねることは不可能だからである。幸せになるには他人の力が必要ではあるが、結局最後は自分の問題なのである。
逆にひとりでいる覚悟のある人間が、配偶者を得たり集団に属したときの喜びは、ひとりでいられないからそうしているときより大きい。
やや僕の意見になってしまったが、この本は良い本で、年齢を重ねてから何度も読み返したいとおもった。あまりわからない箇所もあったのだが、それでも最後まで読めた。
しみじみとした味わい
2016/11/07 14:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Takeshita - この投稿者のレビュー一覧を見る
山折哲雄さんの本はいつもしみじみとした味わいがあるが、この本もそうだ。親鸞、道元、日蓮、一遍等のゆかりの場所を訪ねて、その生涯と思想に迫り、結局人間は一人で生まれひとりで死んで行くものだと説く。80才を越えた老人とは思えないほど、行動力も思考力も若々しい。巻末の著者の一日の独居生活の描写も清々しい覚悟に満ちている。
孤独の覚悟
2017/01/15 20:51
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:猫目太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人はひとりで生まれ、ひとりで死ぬ。「孤独」と向き合う事で、より豊かな人生をおくる。「ひとり」で生きる事。「孤独」で生きることは、精神的自立を求められ、そこには「覚悟」が求められる。その覚悟を先達に学び、これから誰にでも来る「孤独」に耐える方法を考える。本書の構成上、仏教の教養を求められる。唯一理解できたことは、一遍上人の「捨てる」思想。全てを捨てる事で、念仏とひとつになり往生に近づく。人生の始まりも、終わりも「ひとり」なのだから「孤独」を怖れず「受け入れよう」と事か。それが難しい。
しみじみと・・・
2017/03/27 10:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人口減少時代におけるひとりで生きることの必然、うたうように歌や詩を作り議論などをしない良寛。孤独なひとりを支えるこころの探求を親鸞らの生き様を振り返りながら考える本。