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ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊
「知の巨人」立花隆と「知の怪物」佐藤優が作り上げた空前絶後のブックリスト!まず「ブックリスト1」では、21世紀を生きるための教養書を、書斎の本棚からお互いが100冊選んだ...
ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊
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ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊 (文春新書)
商品説明
「知の巨人」立花隆と「知の怪物」佐藤優が作り上げた空前絶後のブックリスト!
まず「ブックリスト1」では、21世紀を生きるための教養書を、書斎の本棚からお互いが100冊選んだ。
「私は年齢は四十歳から五十歳ぐらいで、「教育」の現場に携わる人を思い浮かべて百冊リストを作りました。「教育」というのは学校教育だけでなく企業や役所での教育を含みます」(佐藤)
「二十一世紀はインターネット時代でもある。しかし、ネットで最先端の情報に辿り着き、わかるためには、評価が定まった基礎的な本をまず読んでおかなければならない。そうでないと、そもそも検索エンジンにどういうキーワードを入れていいかわからないはず」(立花)
ついで「ブックリスト2」では書店にある文庫・新書からお互いに100冊ずつ選んだ。
「意識したのは、二十代、三十代のがっついたビジネス・パーソン。武器として本を使う人を念頭において、徹底的に実用性を重視しました」(佐藤)
「万巻の書を読みつくせる人はいません。結局は、人生の残り時間を確認しながら、最大の成果を得られるように計画を作るしかない。そのとき、知識の系統樹が頭に入っていることが大切です」(立花)
博覧強記の二人が400冊もの膨大な愛読書を持ち寄り、古典の読み方から、仕事術、インテリジェンスの技法から、戦争論、歴史、宗教、科学を縦横無尽に語り、知性の磨きかたを徹底指南する。
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紙の本
有意義な本がたくさん紹介されています。
2010/04/06 02:11
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る
すでに”風紋”さんの書評でわかりやすく内容が紹介されています。で、私はあまり纏めもせず、ややいい加減に紹介したいと思います。
立花隆氏と佐藤優氏がお勧めの本を紹介しながら対談しているわけですが、私の気になった本は
柴山全慶の「無門関」(創元社)です。
この本は手に入りにくく図書館で借りるほかないかもしれません。
春秋社こころの本シリーズに「柴山全慶」(編集・解説は紀野一義先生)があって、中味は「越後獅子禅話」ですが、昔これを読んだだけで柴山全慶の他の本は読んでいませんでした。
他に立花隆氏は、仏教では「名僧列伝(一巻~四巻(紀野一義著)を勧めています。
あの戦争では
「大日本帝国の興亡1~5」(ジョン・トーランド著)
「責任 ラバウルの将軍今村均」(角田房子著)
「戦艦大和―生還者たちの証言から」(栗原俊雄著)
「戦艦大和の最期」(吉田満著)
『「きけわだつみのこえ」の戦後史』(保坂正康著)
「終戦日記」(大佛次郎著)
「南京事件 増補版」(秦郁彦著)
「731 石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く」(青木富貴子著)
などが挙げられています。
サイエンスについても興味深いものが16冊ほど挙げられていて、「ファラデーとマクスウェル」(後藤憲一著)というのがあります。この本は電磁気のことのようですが、マクスウェルと言えば
「エントロピー」を思いうかべます。
こちらの関係の本は題名を見る限り無いような感じですがどれかに含まれているのでしょうか。
他にフロイトのことを少し書いていました。私は昔「精神分析入門」を最初読んだときは、素晴らしいと思い、この研究がもっと進んですべて判ることを望んでいたのですが、そのうちこれは科学と言えるしろものではないなと思うようになりました。立花さんも同じ経過を辿ったようです。
ま、心理学も科学のつもりというか、科学を装っているけど、学者が思い込みの理由づけをしているだけで占いのたぐいとあまり変わりないと今では思っています。理由づけもたいていキリスト教の教えに合うようになされています。キリスト教の側からそれをお願いしたわけではないでしょうけど。
他に宮澤賢治全集が挙げられているのが嬉しかった。
紙の本
二人の対談の世界を楽しむ
2010/03/16 15:30
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:がががが - この投稿者のレビュー一覧を見る
多分、父が読んでる途中で、食卓に置いておいたのだろう。
本屋のカバーがされていて、一見して、タイトルも内容も知らないまま、歯ブラシ片手にペラペラめくったのが、この本と出合いだった。
きっと、このカバーがなければ、この本を開くこともなく、父の本棚に眠っていただろう『ぼくらの頭脳の鍛え方』。(見るからに知的。サブタイトルも著者も、堅い堅い。)
活字を少し目で追い、元通りに置いて、眠りに就く予定だったのに、たまたま開いたページは、第2章の途中だったと思う。
「何だ、これ?面白い!!」って感じで、どんどん二人のやり取りに引っ張られて、気がつけば、完読。
読書が、人生の中で、いかに身になるかという視点が新しい。
ほんとに、普段本を読まない人に、ぜひ!!って、オススメしたい一冊。
紙の本
選ばれてる本のレベルが高すぎ…?
2017/09/17 12:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
立花隆氏・佐藤優氏ともに
・書斎の本棚から 百冊ずつ選 (知的欲望に満ちた社会人へ)
・文庫&新書 百冊ずつ選 (すぐ役に立つ、すぐ買える)
選んだ本の説明などの対談部分が結構あって、これがとても面白い。
ただ、選ばれている本のレベルが高いというか、
正直あまり読みたいと思う本は見つからなかった。
例えば立花氏が「誰でもこれくらいは手に取るべき。」として挙げている哲学ジャンルの本が
『形而上学』アリストテレス
『パンセ』パスカル
『方法序説』デカルト
『ツァラトゥストラ』ニーチェ
『永遠平和のために』カント
『論理哲学論考』ウィトゲンシュタイン
『プラグマティズム』W・ジェイムズ
でもそれを含めて、とても面白い本。
紙の本
歴史の転換点に立つ日本人のための読書ガイド
2010/03/17 11:16
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風紋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
立花隆といえば稀代の読書人。毎月十数万円を本に費やし、ネコビルと箱根の第二の仕事場に蔵書7、8万冊をかかえる。かたや、佐藤優もまた本代が月に20万円(公務員時代は月に10万円)、蔵書1万5千冊の読書人。
くだんの二人が絞りにしぼって推薦図書400冊を抜き出したのが本書。リストと併せて本をめぐる対談を載せる。
ブックリスト1の本は、判型、古書、新書にこだわらず選ばれた。読者として想定されているのは、立花隆は文春新書の読者層、佐藤優は40歳から50歳ぐらいで「教育」の現場に携わる人である。
ブックリスト2の本は、新刊書店にならんでいる入手しやすい本、ことに文庫、新書から選ばれた。想定される読者は、立花隆は明確には述べていないが、ブックリスト1と同様であるらしい。佐藤優は、20代ないし30代の「がっついた」ビジネス・パーソン、武器として本を使う人であるを想定している。
各ブックリストにおいて個々の本に係るコメントがついているが、対談(ブックリスト1については第一章、ブックリスト2については第二章から第五章まで)でも話題の流れに沿って鳥瞰的にコメントされる。
ブックリスト1は、宗教から生命科学まで、あらゆる分野におよぶが、立花隆の選択には自然科学系に特徴があり、佐藤優の選択には宗教、政治・国家に特徴がある。
第一章「読書が人類の脳を発達させた」でも、二人のそれぞれの強みが対談に幅をもたせる。たとえば佐藤優は、グルジア語をふくむコーカサス諸語およびバスク語が世界の文法構造から逸脱していることを指摘し、2008年のグルジア紛争におけるサーカシビリ大統領の世界を驚かせた仕掛けとの関係を推定する。他方、立花隆は、インターネットで最先端の情報にたどり着き、わかるためには評価が定まった基礎的な本をまず読んでおかねばならないと、分子生物学の本をとりあげる。そして、両者の共通の関心、たとえば日本の国家社会主義については、打てば響くやりとりが見られる。
ブックリスト2をめぐる対談は、四つのテーマに分かれる。
第二章「二十世紀とは何だったか」は、軍事、アメリカの全体主義という一見意外な側面、ブハーリンが自白した謎などにふれながら、新自由主義に乗っかりながら内側から新自由主義を壊していく、という方向づけを示す。
第三章「ニセものに騙されないために」は、日本内外の政治、日本の官僚、諜報、ニセ科学から現代科学まで。
第四章「真の教養は解毒剤になる」は、マルクスの腑分けからはじまって、昭和マルクス主義から新左翼をへて、湯浅誠、雨宮処凛、勝間和代まで。
第五章「知の全体像をつかむには」は、立花隆・佐藤優それぞれの知的形成の体験をふまえて、日本人が弱いディベート能力涵養に役立つ本、語学の学び方、数学と哲学の意義に言及する。そして、知の全体像は、巨大書店の隅から隅までを見てまわることでイメージできる、と立花隆はいう。
*
本書は、もちろん、タイトルにあるように、教養書のガイドブックとして読んでよい。漫画もすくなからず取りあげられている(たとえば『風の谷のナウシカ』全7巻)から、このあたりから入っていきたい人もいるだろう。
ところで、教養とは何か。立花隆は第四章で、「各界で教養人と見なされている人々と恥ずかしくない会話を持続的にかわせるだけの知的能力」ほか、いくつか定義を試みているが、第五章で、教養とは換言すれば人類の知的遺産であり、教養教育とは人類の知的遺産の財産目録を教えることだ、という。こちらの定義のほうが明快だ。
他方、佐藤優は第四章で、思想というものは毒薬だ、と警句をはなち、マルクス主義やキリスト教という毒薬を解毒する力が教養だ、という。「今、自分が遭遇している未知の問題にあったとき、そういうことをテキストから読み取れる力だ」と。
本書はしかし、別の読み方もできる。自分がかつて読んだ本を二人がどう評価し、なぜ必読の教養書に位置づけるかに耳をかたむけるのである。
たとえば、ブックリスト2の特徴の一つは、立花隆が軍事モノを多数入れていることだ。第二章で、立花隆は、太平洋戦争では戦闘で死んだ兵士より餓死した兵士が圧倒的に多かった事実にふれ、補給戦、日本軍の組織論の本を紹介する。また、ソマリア紛争への軍事介入の失敗の本を紹介し、これを契機にアメリカの軍事戦略が大きく変わってしまった、ともいう。
かたや、佐藤優は、陸軍が航空母艦を建造していた事実を指摘し、こんなことをするのは日本だけ、世界でも異常な国だ、今日に至る縦割り行政の一種である、という。「戦争にはその国の知力が結集されます。だから、軍事には、その国の民族的な性格が表れる。そこが教養としての軍事モノの面白さの一つですね」
憲法第9条の遵守と、戦記や戦争映画のファンであることとは矛盾しない、ということだ。その道をきわめ、「民族的な性格」まで至ればよい。
本の選択に異論のある方もいるだろう。たとえば立花隆は、スタンダールの二大主著『赤と黒』および『パルムの僧院』から前者を選択しているが、その理由の説明がない。選者の好みというしかない。
また、コメントが少々荒っぽい。たとえば立花隆は、『エリック・ホッファー自伝』を「生涯沖仲士をしながら最高の政治哲学を書いたアメリカの哲人」と紹介しているが、1902年生まれのホッファーが沖仲士に就いたのは米国開戦の年、1941年である。
このあたり、第二章で二人が認めあうように、定期刊行物化し、書き急いで作られることもある新書の宿命か。
第一章の末尾で佐藤優が本書の意図を要約している。すなわち、「日本人よ、世界同時不況だから大いに本を読もう、と私は言いたいですね。今、我々は歴史の転換点に立っているのですから」
第五章の付録、「立花隆による『実戦』に役立つ14カ条」が、大量の本を読みぬき読み破るコツを伝授してくれる。