紙の本
夢にちかづくために
2009/12/22 08:49
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かを書きたい、本にしたいという人は多い。しかし、実際に彼らが書きはじめることはほとんどない。なぜなら、書いた途端に、将来の作家という夢が壊れてしまうことが怖いからだろう。
その一方で、ライターという職業がどのようなものかもよくわからない。当然だが、紙と鉛筆だけでライターという職業をまっとうできるはずもない。書いたものでどうやって稼ぐのか。それを知りたい人も多いはずだ。
本書は、洋書店に勤務しながら文筆活動にはいり、その後フリーライターとなった永江朗氏の25年の体験から、書いて稼ぐことをめざす人向けに書かれた、書き手としてどう生き抜いていくかの心得を綴ったものである。特に、自らの経験にそった「Part1 書いて生きるということ」は今後「書いて稼」ぎたいと思っている人にとっては興味深い内容だろう。
本書を読んで、現実の厳しさを知るか、あるいは夢に一歩近づけるか。それはあなた次第。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
紙の本
bk1で書評を書いて本を出す技術。
2010/05/06 09:35
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ときおり、「文章を書く」というキーワードの本を手にする。一読すると、なるほど、と感心をするのだが、以前に読んだ「文章を書く」という類の本と読み比べると、少しずつだが、書き手によって微妙に異なっていることに気づく。これが文章を書く上で絶対的に正しい、というものには出くわしたことはないが、性懲りもなく「文章を書く」というテーマの本を求めてしまう。
なぜ、と問われると、書くということに対して刺激が欲しいということと、著者に負けたくないという変な意地を発揮できるから。つまり、テンションを上げることができるから。好きなこととはいえ、文章を書くということにおいて、このままで良いのだろうかという孤独感に襲われる。それを打破できるのが、「文章を書く」シリーズの本。
テクニックがどうのこうのというよりも、各著者から応援歌にエールをプラスして贈られているようなもの。ヘコタレルなという激励が詰まっているのが「文章を書く」という類の本なのではと受け取っている。
永江氏は名刺代わりに単著を持つべきと述べるが、出版不況と言われる現代、無名の新人が一冊の本を出すことにおいて、それが至難の業であることを氏が一番ご存じなのではと思う。それでも、その事を書かれるのは、無責任というよりも、覚悟を求めておられるのではと推察する。幸運にも、単著をものにすることができた私自身からすれば、一冊をものにする過程が気力と体力勝負であったこと、世に出せた喜びよりも「終わった」という安堵の方が大きかった。一冊を世に出す苦労の多さが身にしみ、当分は遠慮しておこうと感じる瞬間だった。
しかしながら、しばらくすると飽きもせずに次をと思う強欲さを持ち合わせていて、それこそ、本書を読みながら「bk1で書評を書いて本を出す技術」という本が書けるのではと思った次第でした。
紙の本
フリーライターの仕事術とキャリアデザイン
2009/12/07 12:34
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
永江朗さんは、出版や書評など、本にまつわる執筆活動で有名ですが
実は哲学からアダルトまで幅広いフィールドを持っています。
常に第一線で活躍し続ける永江さんの
フリーライターのキャリアデザインに関する著書です。
フリーライターは極端なことを言えば、
パソコンがあればできるしまう職業です。
普通に教育を受けていれば、
日本語を書けないことはないし、
少々、文章が書くのが好き、得意という人はたくさんいます。
資格も資金もいりません。
会社の面接もありません。
名乗ったもん勝ちです。
本書を読むと、「続ける」には
実際にはかなりしんどいことがわかります。
その秘訣は「無理をしないこと」。
自分が「できる」と思う仕事を引き受けること。
不況とともに、フリーライターの仕事も激減しています。
それに対しても、永江さんは「常に出版は不況業界」
「出版は不況に強い」といいます。
最後の方で永江さんも指摘しているのですが、
紙の媒体にこだわらず、
WEBや電波を使った仕事まで考えてみれば、
ラジオ番組の台本、イベントの企画など
フリーで働くことはできると指摘します。
しかし、もちろん難しいこともあります。
読者に届く日本語が書けるのと同時に
企画力がフリーライターには不可欠だと感じました。
その企画のヒントも書かれていて、それを読むと、まるで芸人さんのよう。
「筆芸」といってもいいかもしれません。
さらに社会的にはどのように暮らすか、金銭問題はどうするかなど、
フリーライターとしてどのように生きていくかがわかる本です。
紙の本
文筆稼業
2019/04/27 00:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「書きたい」から一歩進んで、稼ぐためのあれこれ。文筆稼業も大変だなあと思える部分がチラホラ。新書なのでさっと読めますよ。
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《内容紹介
ライターは名乗れば誰でもなれるが、それで食べていけるかが肝心。小説家や評論家になるための踏み台? 印税生活なんて幻想? 「文筆生活」を夢見る人におくる実践的キャリアデザイン術。
内容(「BOOK」データベースより)
フリーライターは名乗れば誰でもなれるが、それで食べていけるかどうかが肝心。何をどう書き、得意ジャンルをいかに確立するか。自らのキャリアをどのようにデザインするか。そして、世間をどう渡っていくか―。文筆稼業25年の著者が自らの体験を披瀝し、「書いて生きる方法」を説く。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
永江 朗
1958年北海道生まれ。法政大学文学部卒業。洋書店勤務の後、雑誌編集者を経て文筆生活に入る。書店ルポをライフワークとし、的確なインタビュー術に定評がある。2008年より早稲田大学文化構想学部教授(任期付)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 》
p.28【「本当の自分探し」なんていうのは、そうやって定職に付かない若者を増やして、労働力を流動化させようとした財界と役人と政治家の陰謀です。求人情報誌を出している出版社なんかも一枚噛んでいそうです。実際、景気に応じて従業員を増やしたり減らしたり自由に出来るようになって、一番得したのは企業ですから。2008年末、日比谷公園の派遣村に集まる人々に対して、派遣労働者を選択した時点でそんな事はわかっていたはずなのに、困窮して誰かを頼ろうとするのは甘えだ、などと言い募る人がいましたが、それは詐欺の被害者に『だまされるほうが悪い』というようなものでしょう。悪いのはだまされるほうじゃなくてだますほうです。さんざん『やりたいことをやりなさい』=『やりたいことをやらないのはダメ人間』、『本当の自分を探しなさい』=『今のあなたはニセモノ』というメッセージを発して若者たちを非正規雇用に向かわせたのは誰なのか。さんざん煽ったのは誰なのか。大切なのは、『やりたいこと』より『やれること』、『できること』です。今できる事をやればいい。★手持ちの札だけで勝負する。いちばん堅実で間違えないやり方です。やれる事をやりながら、少しずつやれることを増やしていけばいい。ちょっと脱線しますが、日常の買い物も、『買いたいものより買えるもの』です。手持ちのお金が無いのに借金して買うと、ろくな事になりません。買い物は手持ちのお金の範囲でしましょう。】
p.46【(フリーライターは)運よく一子で仕事をもらえたからといって安心してはいけません。その仕事は一回限りかもしれないし、うまいこと継続して仕事を貰えても、担当編集者が移動するかもしれないし、雑誌が休刊するかもしれないし、出版社が倒産するかもしれません。だから常に「営業」し続ける必要があります。★「営業」で編集者が見るのは★『人柄』です。『感じ』といってもいい。『この人は信用できるな』と思うかどうか。これは文章のうまい・下手とは関係ありません。面白いネタを拾ってくるかどうか、面白いものの見方をするかどうか、取材先などといい関係を作れるかどうか、そして何より編集者といい関係を作れるかどうか。ミもフタも無い言い方をすると、★『���緒に仕事をしたい』と思うかどうか。★これは採用試験と同じです【ライターの営業もライターとしての採用試験です】。なかなか内定を取れない州かつ注の学生から相談を受けた事がありますが、彼らは「オレ/ワタシはこんなに憂愁なのに、何で不合格なんだ」と思っている。でも、採用試験は優秀な学生を決めるものではなく、部下にしたい・同僚にしたい人を決めるものですからね。(中略)原稿を読まなくてもちゃんとしているかどうかは(人を見る目があれば)わかる、と言う人もいます。★営業で大事なのはポジティブな雰囲気です。能力などの条件が同じなら明るい人を採用するのが人情でしょう。】
p.58【「著作は本当の名刺」「単著があると信用度が違う」
フリーライターになったら、出来るだけ早く単著=単独の著書を出しましょう。新人の頃は仕事が少なくて時間が沢山あるはずです。忙しくなると、本を書く時間なんてなくなってしまいます。ノンフィクション作家で、デビューした頃はいい作品を書いていたのに、だんだん薄っぺらな作品ばかりになる人がいますが、その理由は才能が枯渇したと言うよりも、単純に忙しすぎて時間がなくなったからです。本はかけるうちに書いたほうがいい。そのうち書きたくても書けなくなります。単著があると、信用度がまします。これはぜんぜん違います。よく著作は名刺代わりといいますが、出版社に営業してまわる時も、単著があれば自分の事を説明しやすい。編集者は「少なくともプロの編集者が、本を書く能力があると認めた人間なのだな』と判断してくれます。(自費出版は逆にマイナス)単著が出れば、書店や図書館のデータベースに掲載されます。インターネットで検索するとヒットします。ネットでヒットするかどうかも、編集者がフリーライターを判断するときの材料になります。最近は人に会って情報を集めるよりも、ネットで検索する編集する編集者が、特に若い世代で増えています。あるライターは『新人ライターは自分のウェブサイトかブログを持つことが不可欠だ』と言っています。ネットから仕事をメールで依頼してくる編集者が増えているからです。しかしネットだけで発信しているライターよりも、書店で流通し、図書館にも並ぶ紙の本を出しているライターの方が信頼度は高いようです。】
p.60【◎「菊池君の本屋」(永江 朗/アルメディア/1994)最初の単著。
《ヴィレッジヴァンガード社長の菊池敬一さんがヴィレッジヴァンガードを数店舗にまで拡大させる時の話。
菊池さんが大和田書店で働いていた頃を含めて、なぜヴィレッジヴァンガードを作ったのか、どんな想いで作ったのかが熱く書かれています。》
★ヴィレッジヴァンガード http://www.village-v.co.jp/
1986名古屋で開店・本書出版時1994には3~4店舗しか無かったが2009には全国230店舗を展開。
◎「菊池君の本屋」出版元の「アルメディア」は出版業界紙「新文化」の元・編集長 加賀美幹雄氏が始めた会社。「アルメディア」は出版界、特に書店会の役に立つ本を作る事をポリシーにし、書店のデータ収集なども行っている。「昨年は1000店もの書店が閉店」等のニュースが出るとき、その数字はたいてい「アルメディア」が調査したもの。つまり、一般的な知名度は無いが、出版業界内ではよく知られた出版社。】
p.62【◎「不良の為の読書術」(永江 朗/筑摩書房(ちくま文庫)/1997/ ISBN/EAN: 9784480035646/¥ 651 )2冊目の単著。編集者はたいてい本好きで、筑摩書房という出版社のブランドイメージも幸いした。】
p.64【「書籍を書く場合も、雑誌の仕事は疎(おろそ)かにしない事。(書籍の印税は高くない事+書籍執筆に専念する為に雑誌の仕事をやめてしまうと1.収入面2.再開しようとした時、席が埋まっていてしまい戻れない(別の人がその連載のページを貰ってしまっている:イス取りゲーム)★書き下ろしの仕事を終えて、『またお願いします』と言ってすんなり仕事がもらえるのは、他の人とは交換不可能な才能がある人だけです。文章が飛び切りうまいとか、着眼点が素晴しいとか、他の人は持っていない情報を持っているとか。★世の中には同時に複数のことができる人と、一つのことに専念して確実に片付けていく人の2パターンがあるようですが、後者の人はあまりライターに向いていないかもしれません。マルチタスクな人の方がライターに向いています。】
p.96【「企画書で一番大事なのは『タイトル』」A4・1枚に「ぱっと見て」わかるように。 ★読者に真っ先に届く情報はタイトル:名は体を表し、タイトルが企画内容を表す。だからタイトルは練りになって考えなければなりません。タイトルの勉強には本の目録と雑誌の目次が教材になります。特に『週刊新潮』や『週刊文春』など総合週刊誌のタイトルは勉強になります。羊頭狗肉も時々ありますが、いかにも一般読者の興味を引くように作られています。人間の心のいやな部分~嫉妬や金銭欲・名誉よく・性欲や、覗き見したい気持ちなど~をうまく引き出すと同時に、それだけでなく正義感や同情心や友愛、哀れみ、郷愁などにも訴えてくる。★企画内容の説明は簡潔にします。一つの文章はできるだけ短いほうがいい。長く込み入っていて主語と述語の関係がぱっと見てわからないような文章は避けます。装飾後もできるだけ省きます。『すごく』『非常に』と言った強調する言葉も少ないほうがいい。★読者対象を絞ったり企画の狙いを明確にする事も重要です。(特に雑誌の企画の場合)ただし、雑誌は常に新陳代謝を求められているので「あえて少しズラした路線」も。★企画書にはちゃんと自分の名前と連絡先(メルアドと携帯番号)を。一緒に渡した名刺とはぐれてしまったときの対策に。】
p.98【「身なりと明るいしゃべり方は必須」:企画書が素晴しくても、「人」に魅力が無ければ使って貰えない。(一緒に仕事をしたくならない為)】
p.101【★「調査術」(p.101~p.109):
●検索エンジンでは下位にあるものに注意→上位の情報は希少性が薄い(みんなが見ている→みんな知ってしまっている)
●「ネット書籍検索」
★[「想 IMAGINE」http://rensou.info/tiaa/sou.html
《想-IMAGINE Book Searchは、「連想検索エンジンGETA」を利用した、図書館の蔵書DB・神保町古書店の在庫DB・テーマ別新書ガイド・百科事典・博物館収蔵品DB・大学図書館DB・ジュンク堂書店の在庫DBなど、さまざまなジャンルの情報源から、関連する情報を連想計算で収集して一覧表示する、全く新しい検索サービス》】
p.106【「書店の委託返品制」:「105日以内なら取次ぎに返品可」制度だが、新刊出版点数が多い���め多くの書店は105日を待たず見切り返品。(そうしないと棚から本が溢れてしまう)】
p.108【★専門書店:
●南洋堂 http://www.nanyodo.co.jp/
《神田神保町。建築図書の販売。洋書、古書の取扱も》《古書から新刊洋書、雑誌まで. 建築専門50年の重み.》独自DBあり・検索可】
p.108【★「究極の調査術」:「人に会って聞くこと」。人間がいちばん情報を持っています。人に会って話を聞いていると、文字にはなっていない(文字にはできない?)情報がどんどん出てきます。また、「その件は誰が詳しい」という、人についての情報も、人に会って話を聞いていると出てきます。】
p.112【「第一章がダメな本は全部ダメ」:タイトルと同じく「力を入れて書くべき」第一章がダメな本を読むのは無駄!短時間での情報収集が必要な「仕事読み」の場合は、ただちにその本を閉じる事!】
p.147【「どんな本でも重要なのは冒頭のエピソードであり、最初の文章」】
p.151【「編集者の判断はいつも正しい。編集者は間違えない。」=「読んだ瞬間の感想・疑問点・文章の分りにくい点を的確に指摘してくれる。★「書き手」と「読み手」の視点の違いに気付かせてくれる。」】
p.153【「校閲者や編集者の目的は一つだけ。その原稿をよりいい物にして、多くの読者に読んで貰えるようにする事。」「ほめ言葉入らない。間違いや欠点を指摘してくれ」と言う小説家も。「一般の読者は年齢も権威も関係ない。最初の読者である編集者は、年齢も権威も関係なく、疑問に思えば素直に指摘すればいい。それで腹を立てる書き手は、やがて筆が荒れて読者から見放されるでしょう。」「編集者との「用件が済んだ後の雑談」も情報収集・次の仕事や人脈の開拓に大事。(世渡り)」】
p.178【「原稿料の振り込み漏れ・金額間違いは決して珍しいものではない。いつ、どんな仕事をしたのか、その仕事への原稿料はいくらで、いつ振り込まれたのか、記録をきちんと取っておく事。」】
p.181【「書籍の発行点数は増えているが、逆に1点の発行部数は減っている→印税生活など夢のまた夢。」(1点あたりの発行部数・売り上げ半減)】
p.182【「印税は「実売部数に応じて」が増え、「発行部数に応じて」という標準が崩れつつある。(「実売」だと「発行」より著者にお金が入るのが半年遅れる→厳しい!)】
p.184【「書籍だからと言って必ず印税契約になるとは限らず、原稿料換算の「買い取り」も。たとえその本がミリオンセラーになっても、受け取れるのは最初に約束した原稿料だけ。(ex.「鉄腕アトム」テーマソング作詞の谷川俊太郎/「およげ!たいやきくん」(子門真人(レコード)))「共著・翻訳・ゴーストライターも契約により取り分は異なる」「あとあと公開しない為にも、数字のこと、お金のことはきっちり確認し、冷静に判断しましょう。お金にきっちりしている事はなんら恥ずべきことではありません。原稿料や印税はあなたが書いた現行の当然の対価です。私(著者)は原稿料はお布施であると考えていますが、お布施にも相場と言うものがありますし、沢山頂ければそれに越したことはありません。」】
p.187~189【「フリーライターになるには最低でも一年分の生活費(300万円位)の準備は必要」「お金の余裕が無いと、資料の入手や取材��も差支えが出てくる。『貧すれば鈍する』という昔の人の言葉は本当。」「最悪なのは借金。友人・知人・仕事相手から借りると人間関係・仕事の人脈を壊すし、サラ金から借りなければならなくなった時は、既に経済的に破綻していると言って過言ではない。」「一年分の生活費は『保険』。使わないからこそ『保険』。それに手をつけ始めたら既に危険。そのお金は「ゼロ」と考え、常にプラスになっている様にやり繰りしなければならない。」「経済的に安定する為には、定期的な仕事を持つこと。小さなコラムでも良いから連載を持つ。金額はわずかでも、毎月、決まった額が振り込まれるのは、安心感=心の安定をもたらす。」】
p.198【(アパート探しはフリーだと大変。探すのに疲れて家を建てて分った事):家賃10万円のアパートを借りるよりも、銀行から3000万円の融資を受けるほうがよほど簡単、と言うことに驚いた。アパートを借りるのには保証人が必要ですが、3000面円の融資を受けるのは当人の返済能力と担保物件の担保価値さえしっかりしていればいい。戦後自民党政権が取ってきた持ち家政策の巧妙さを見た思い。】】
p.201【フリーになるなら「『公営住宅』がお勧め(賃貸の場合):家賃も安いし、民間アパートのように『フリーランスお断り』等ということも無い。敷金はいるが礼金・更新料・手数料・保証人は不要。」「不動産は借金ゼロで、キャッシュで購入する、位の気持ちで。」「賃貸の良さは『収入に応じて住み替えられるところ』「住宅ローンはそうはいかず、収入の増減の多いフリーランスはよく考える必要あり。」「バブル崩壊以降、世の中はずっとデフレ基調。住宅も下がり続ける可能性・大。そうなると家を手放したとき、残るのは借金のみ。」】
p.202【★「リスク分散術」:
●一誌、一社に全生活を委ねるのは危険。可能なら様々なジャンル・メディアを。(ネットの影響などで雑誌というメディア後と沈む分野もあり)1.雑誌分散 2.出版社分散 3.ジャンル分散 4.メディア分散(本・雑誌・ラジオ・講演等)】
p.207【「21世紀にはいると、ポルノ関係の仕事が激減。ネットの影響などでポルノ氏の市場が急速に収縮・休刊。(「S&Mスナイパー」など)】
p.214【「変化の時代には新しいチャンスがある」:浮沈はそれぞれ。すぐお金にならなくても5~10年後には面白い事になるものも?】「紙媒体にもまだまだ可能性あり。例:フリーペーパーやフリーマガジン。広告によって成り立たせる、取次ぎや書店を通さない、など書店売りの雑誌とは違う点が沢山ある。音楽誌が低迷したのは、タワーレコードなど大型CDショップが独自で作るフリーマガジンの影響であるとも言われる。」】
p.214【「フリーライターは『好奇心代行業』。(「危険」・「時間がかかる」などで「行って見たいけれど行けない」所に代わりに行くのが仕事)」「ネットにより「書く」だけでなく「発信」も可能に」「メディアが変化しても編集の重要さは変わらない。たとえappストアやポッドキャストで配信するようになったとしても、クオリティの高いものを作る為には、優秀な編集者が関与することが必要。今まで編集者は出版社に所属していたが。これからはアメリカの出版エージェントのように、作家・ライターの側について、プロデュースやマネジ��ントもする様になるかも知れない。そうなるとライターは優秀な編集者を見つけることが自分の可能性の拡大につながる。」「出版産業の将来については私《著者》は楽観的に考えています。と言うのも、人は『知りたい』動物だからです。『知りたい』に答える仕事は常にあります。自分がなにを知りたいのか分らない人に『あなたの『知りたい』はこれでしょう?』と教えるいささかおせっかいな仕事も含めて、人々の知的欲求を満たす仕事はいつもあります。時代によってそれが紙に印刷された書籍や雑誌だったり、ラジオやテレビ、ネットだったりとメディアが変化するだけ。人々の「知りたい」に応え、忙しい人々に代わって、見たり、読んだり質問したりする仕事は永久に続くでしょう。いま「好奇心代行業」の可能性は何処にあるか?そういう目で世間を見渡せば、きっと新しい市場が開拓できると思います。いろいろやりましょう。じたばたしましょう。」】
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そもそも、文筆業っていうのは、とてもフレキシブルなワークスタイルで、自分の理想としている職業形態のひとつなのかな、と思っていたところで本書を発見。購入してみました。本書は、基本的にフリーライターとして活動する人/したい人に向けた本ですが、「文章を書くこと」という点ではフリーライターでなくても文章を書く際の取り組み姿勢についてとても参考になると思います。最近は特にですが、「文筆業」という職業・業態について、大変興味があって真剣に考えてます。自分自身の仕事のポートフォリオを考える上で。「こういう職業で仕事する際のポイント」、「仕事の実際」「留意点」、などなど。。。本書によると、「フリーライターとは、好奇心代行業である」としている。これ、大変興味深い点ですね。やっぱり「誰かに何らかのメッセージや情報を発信する/伝える」ということを意識する必要がありますよね。その仕事でお金を頂くプロフェッショナルである以上、当然だと思います。(ま、その当然ができていない社会人が如何に多いことか・・・なんてことも思いますが。)そのほか、「兼業で始めるのがいい」、とか、「プロである以上、書くものは選ばず、の姿勢であるべき」、とか、いろいろ貴重な意見が豊富に記載されていました。「文筆業」をしている自分を具体的にイメージするのに、大変参考になりました。ジャンルを問わずいろんなものにどんどん投稿してみようかな。
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ライターを目指しているわけではありませんが
フリーライターという世界を知りたくて読んでみました。
iPodやキンドルの登場で出版業界も大きく変わりつつある現在
ウェブを通して自己発信していくことも増えました。
自分の得意分野で何か書いてみたくなります。
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雑誌の原稿料は、1ページ4,000~5,000円。
安いもので千数百円、高いもので10,000-15,000円。
印税は、10%。最近は、6%や8%もあるそうな。
ルポライターは、竹中労が作った。
(ルポタージュ:フランス語+ライター:英語の合成号)
P.137
書評では、内容の紹介とその本の位置づけを書いたら、後は、ライター自身による評価を書きます。
ト、2010.4.9
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営業のポイントはめげずに回ること。仕事をください、とまわる。
やりたいことより、やれること。
本があれば、信用度が増す。出版された本は重要。
雑誌の仕事をおろそかにしない。
専門分野ができても、それ専門にならない方がよい。いろいろと興味深く勉強した方がよい。
ブックオフを覗いてみるのは面白い。歴史がわかる。昔はこんな本が流行っていたんだって。。
ライターの最終目的は読者に読んでもらうこと。
鉄腕アトムの歌の歌詞を書いたのは谷川俊太郎。でもそれは印税でなく
買取だった。当時まだ貧乏だった谷川氏のために、手塚さんがまとめてもらえる原稿料にしたらしい。それがこんなに長く使われ続けるとは。
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マンガ家への道の一つとして、フリーライターをしてる人の本も読んでみるかーって事で読んでみた。
とても興味深い内容でしたが、直接僕には密接な関係にないなーって感覚です。とりあえず、ネタ帳みたいなのを書き続けようと決めた。
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[ 内容 ]
フリーライターは名乗れば誰でもなれるが、それで食べていけるかどうかが肝心。
何をどう書き、得意ジャンルをいかに確立するか。
自らのキャリアをどのようにデザインするか。
そして、世間をどう渡っていくか―。
文筆稼業25年の著者が自らの体験を披瀝し、「書いて生きる方法」を説く。
[ 目次 ]
1 書いて生きるということ(不況だからこそフリーライター;ライター業の手始め;人生設計をどう立てるか)
2 読み書きのしかた(永江式発想術;取材のABC;ライターは読者の代行業である)
3 世渡りのしかた(業界を渡る、世間を渡る;お金の話;リスク管理術)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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将来フリーランスのライターとして独立したいと思っている人のために書かれた入門書であり、フリーライターとなるためのノウハウから取材方法、編集者との付き合い方、原稿料、リスク管理に至るまで懇切丁寧に述べられている。しかしながら、役に立ちそうなのはPart2の「読み書きのしかた」くらいのもので、フリーライターとして売り出すにはどうすればよいのかその具体的な方法について書かれたPart1「書いて生きるということ」や業界での人間関係や金銭について触れたPart3「世渡りのしかた」は、全く何の役にも立たない。
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チェック項目5箇所。フリーライターで食べていくのは大変だ、とよくいいます、だけど大変なのはフリーライターだけじゃない。テレビは時間をむだにします、受動的なメディアですから、本や雑誌だったら、つまらないともう読み進められない、おもしろくてやめられないということはありますが、テレビは油断するとまったく内容のないバラエティ番組や通販番組までだらだら見てしまいます。松永真里さん・・・初対面の人に会って知りたいのはその人の価値観。新人ライターは自分のウェブサイトかブログを持つことが不可欠。世の中には同時に複数のことができる人と、一つのことに専念して確実に片づけていく人の二パターンがある、後者の人はライター向きではない。
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書いて稼ぐ技術 とくにライターになりたいと思っているわけではないけれども読んでみた。稼ぐ技術とあるけど、そう簡単には稼げなさそう。まあ、あくまで趣味として副業でやるのにはいいんじゃないだろうか。 http://amzn.to/9yo54d
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<本文より>
大切なのは、「やりたいこと」より「やれること」、
「できること」です。いまできることをやればいい。
手持ちの札だけで勝負する。いちばん堅実で、間違えないやりかたです。
――
フリーライターの仕事は、読者に代わって何かをする、いわゆる代行業みたいな
ものです。書評は読者に代わっておもしろい本を探して紹介する選書代行業。
読者はその本がどんな本なのかを知りません。著者についても予備知識がない
かもしれません。そういうまっさらな状態の読者にその本のことを伝えるわけです。
――
そのように考えると、私が書いているこの書評も、代行業なんですね。
このブログを読んでくださった方が、私の感動に共感してくださって、
書店やネットで、本を購入して下さったら、素晴らしいことですね。