電子書籍
風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)
著者 原田マハ
「謎多き琳派の祖、俵屋宗達×バロックの巨匠、カラバッジョ」――雷神(ユピテル)と風神(アイオロス)が結んだ縁が、ここに完結!! 織田信長の命を受け、狩野永徳による傑作『洛...
風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)
風神雷神 Juppiter,Aeolus 下
商品説明
「謎多き琳派の祖、俵屋宗達×バロックの巨匠、カラバッジョ」――雷神(ユピテル)と風神(アイオロス)が結んだ縁が、ここに完結!! 織田信長の命を受け、狩野永徳による傑作『洛中洛外図屏風』をローマ法王に届けるため、天正遣欧少年使節ともにヴァチカンへの旅に出た俵屋宗達。嵐や日照りなど、幾たびも降りかかる試練をかいくぐりながら、一行はついにヨーロッパの地にたどり着く。そこで、宗達を待ち受けていたものは、輝かしい西洋美術の数々、スペイン国王をはじめとする高貴なる人々、そしてもう一人の天才絵師との出会いだった――。その絆が、その想いが、傑作を生み出す! アート小説の旗手・原田マハが描く、一気読み必至の感動巨編。
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紙の本
アートというタイムカプセルに乗って
2020/05/23 09:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上下巻に分かれた長い物語はもともとは2016年11月から2019年1月にわたって、京都新聞などの連載された新聞小説である。
そのほとんど終り近くに、原田マハさんはこんな文章を綴っている。
「美術(アート)は、歴史という大河が過去から現在へと運んでくれたタイムカプセルのようなものだ」と。
原田さんは今や「アート小説」の旗手として多くの作品を発表してくれたおかげで、私たちは絵とともにもっと素敵な旅をすることができているように思う。
国宝「風神雷神図屏風」を描いた俵屋宗達、天正遣欧使節としてローマに渡った四人の少年、実際には何ほどのつながりもない。ただいえることは、彼らは同じ時代を生きていたということ。
しかも、日本という小さな島国で。
だとしたら、宗達と四人の少年にまったく接点がなかったと誰がいえよう。
宗達の生涯だってほとんどわかっていないのだから。
この下巻では、宗達が天正遣欧使節の一員としてローマ教皇グレゴリウス13世に謁見するまでの旅の姿が描かれていく。
旅の途中で宗達が目にする、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロといった西洋絵画の数々。このあたりは原田さんの独壇場。ゆっくりアートを堪能されるといい。
そして、宗達たちが最後に出会うのが、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。
のちにバロッグ絵画の巨匠となった人物の少年期。
彼らが16世紀末に、同じ時代を生きたというそれだけで、原田さんは実に豪華絢爛の西洋と日本をつなぐ大きな世界を表出せしめたといえる。
紙の本
海外編。
2023/03/19 07:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
インドのゴアからヨーロッパ到着後の諸々まで。
順路を想像しながら読む。
スペイン王との渡り合いははらはらするが、宗達の機転で王を喜ばせる。
ローマ教皇に謁見を賜り、屏風を開陳する場面は、そこに一緒にいるかのようにどきどきする。
こうした経験を重ね、初めは信徒でもない宗達の同行に否定的だった少年たちからも信頼を寄せられていく。
特に、マルティノとは早い時期から信頼関係を結んでいる。
その人柄も魅力的。
そんな中、宗達がヨーロッパの絵師の工房を見たい、その技法を学びたいと強く望みながらも、東方からの高貴な使者として歓待される一行と同行しているがために、どんどん外出しづらくなっていくもどかしさ。
いよいよイタリアを出発する間際になり、修道士の配慮により、会派は違う教会で絵を見ることを許される。
そこで、出会ったカラバッジョとの場面とその二人の絆が強く結ばれていく様は、これまでのもやもやがすっきりする。
主な登場人物が10代ということで、若さ瑞々しさに溢れている。
もちろん、事実ではない部分もあるが、虚実の境目すらも感じさせないのは、さすがのマハさん。
当時の空気感まで伝わってくるよう。
時代物ではあるが、青春群像劇としても読めるのではないか。
そういう意味で、若い人にも読んでもらいたい。
表紙は柳広志氏の本とほとんど一緒だが、どう違うのかを見比べるのもおもしろいかも。
それにしても、イエズス会は清貧を旨とすると理解しているが、ヨーロッパ上陸後はなぜこうも贅沢な歓待を受けているのか謎…。
紙の本
3年分の距離をまたぐ友情
2020/03/13 23:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
俵屋宗達については
詳しい事実はわかっていないそうですが、
だからこそ描ける、
西洋美術との大いなる繋がりに
本当にワクワクしました。
紙の本
羅馬へ
2019/11/24 18:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
使節団と宗達たちの一行は苦難にあいながらもローマへの道をたどります。
最初は反目していた少年たちも、死と隣り合わせの旅からお互いを認め合う仲へ。
ヨーロッパに上陸してからの歓待ぶり、教皇との謁見、神に愛された芸術との出会い。
年月日も書いてあるので、読んでる我々は「あー、日本ではあーなってるのに・・・」と思いながら読み進め、ちょっと切なくなります。
主人公たちは使命を全うした達成感と帰国への希望に満ちてるのが一層つらい。
でも、少年たちの成長と希望がまぶしいお話でした
紙の本
宗達とマルティノ
2020/02/07 02:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
荒波を超えて、ローマ教皇へ会いにいく物語。
当時、日本からヨーロッパへの船旅は相当大変なんだろうなと思っていましたが、想像以上でした。
宗達とマルティノだけではなく、他の天正遣欧少年使節のメンバー達と絆が出来ていくのがよかった。
そして、まさかのカラバッジョとの出会い。
ほんとにこうだったらすごい。
そして、使節団のその後を思うとちょっと悲しくなりました。
紙の本
くりすて えれいそん
2020/03/21 19:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
※既に、ある程度は内容を知っている方向けのレビュー
俵屋宗達がローマに行っていた!という、かなり大胆な仮説を打ち出した長編小説。
しかし、この分厚い上下巻に、宗達そしてその作品についての原田マハさんの知識や見解を大いに期待していたのですが、そのような部分は少なく、圧倒的大半は天正遣欧使節を描いたものです。
美術をめぐる作品というよりは、完全に歴史小説。