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電子書籍
帝国日本のプロパガンダ 「戦争熱」を煽った宣伝と報道
著者 貴志俊彦 著
日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(...
帝国日本のプロパガンダ 「戦争熱」を煽った宣伝と報道
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帝国日本のプロパガンダ 「戦争熱」を煽った宣伝と報道 (中公新書)
商品説明
日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。
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紙の本
『帝国日本のプロパガンダ』
2022/08/24 18:55
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日清戦争期に起こった「戦争熱」
その後50年にわたって高揚し先鋭化する過程を、多様なビジュアル・メディアを駆使した「プロパガンダ」の観点からたどる
錦絵、風刺画、絵葉書、ポスター、戦況写真、軍事映画……これらのメディアを政府・軍部と報道界はどのように利用し、国民は戦争を支持し熱狂していったのか
〈執筆を進めていくと、この五〇余年間の戦争の時代と、現在の事象との間に接点が多いことに否応なく気づく。いま私たちが生きる時代にも埋め込まれている危機をいかにして回避していくべきか。その知恵は、本書が対象とした時代のなかに確かにあると考えている。〉──「あとがき」より
貴重な歴史研究が“いま”を照射する
現代の巧妙なプロパガンダに踊らされないために
著者は東アジア近現代史を専門とする研究者、2022年6月刊
紙の本
戦争が技術の進歩を加速する
2022/07/28 09:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治以降、日清戦争で錦絵がリバイバル。その後は写真が登場し、新聞社や書店が競って戦争写真で部数を稼いでいくようすがリアル。
紙の本
プロパガンダの変容過程
2022/10/04 13:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
権力とプロパガンダは切っても切り離せない存在だが、本書では日清戦争期から敗戦後に至るまでのプロパガンダの変容過程を概観してあり、資料としても貴重である。
確かに、日清戦争期から、こんなにも長い間、大衆の「戦争熱」をキープするのは大変なことだ。巧妙なプロパガンダに大衆が踊らされていたということなのだろう。
しかし本書の白眉は、敗戦後~占領軍によるプロパガンダについて書かれている部分である。なぜなら今の私たちにつながっている問題だからだ。
占領期の検閲はCCDによる一方的なものとは言いきれず、日本のメディアは自社検閲の度合いを高めていたということは、昨今の報道機関の問題点とも重なる。
また軍政下の沖縄における米軍のプロパガンダ工作は、占領統治の正統性をアピールすることから、冷戦構造の中で反共防共の拠点に沖縄へ組み込むことへとその目的がシフトした、という点も、腑に落ちるものがあった。
紙の本
戦争反対、だけど戦争に進む人は多い
2022/07/13 21:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本がなぜ、戦争に突き進んだのかを明らかにする書籍ではない。しかし、日本が日清戦争、日露戦争から数多くの戦争(事変や事件というが)、日中戦争から第二次世界大戦への参戦で泥沼にはまり込む過程で、政府や軍部や報道機関はプロパガンダを繰り返す。これを丁寧に読み解いた書である。
書名は「帝国日本のプロパガンダ」であるが、清、ロシア、アメリカ等のプロパガンダも描き出す。これはバランスを取るだけでなく、プロパガンダとは何かを理解するために必要だと思われる。
ロシアのウクライナ侵攻でも、他国の領土に軍隊を送り込み、多くの人が殺されることは反対と明確に言えるが、ロシアとアメリカ等のプロパガンダを前に、本当のことがわからないというのが普通の人の感想ではないだろうか。
序章で、帝国日本の姿をスケッチするのは、現代に生きる私たちが、1945年までの帝国日本のことがわからないので、必要なことだろう。プロパガンダと言っても、政治宣伝で普通の人は関係なと思われるが、日常生活に入り込んでいくのがプロパガンダであろう。
日清戦争期は、国民を煽るため、明治に入って衰退した浮世絵が活用されたり、版画報道が活用される。ヨーロッパでの細密画、イラストが使われている。プロパガンダでは、こうした技術が重要となることがわかる。
日露戦争期は、戦勝神話の中、写真、絵葉書、活動写真に変わっていく姿が描かれる。
第一次世界大戦では、ヨーロッパから離れ、本来は日本の出る場所はないように思えるが、ドイツが持つ植民地である中国青島、南洋諸島に手を伸ばす。この時も印刷メディアに加え、映画が活用される。
第4章で中国、アメリカの反日運動で、日本を含めたプロパガンダを描く。第5章で台湾の霧社事件、満州事変で、軍部と新聞社の接近による報道というジャーナリストの姿勢といえることが出てくる。
日中戦争、太平洋戦争を経て、ビジュアル報道が衰退していく過程、日本の敗北による占領期の占領軍(連合軍とアメリカ軍)のプロパガンダが取り上げられる。本土と沖縄の違いにも触れながら。
紙の本
宣伝媒体の変遷
2022/07/31 16:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本において戦時プロパガンダが、どのように行われていったかを日清戦争から10年単位で述べている。初期は錦絵という媒体を使い、後には新聞・映画までその時の流行の媒体を使って「戦争熱」を国民に煽ったと。メディア側も自社の販売数を伸ばすために社是を変えてまで政府や軍部の報道を載せ一役買っていた。今一つ欲しかったのは受け手側の反応。そしてプロパガンダによって日本国民にどの様な行動意識が生まれたかまで書かれていれば。多種多様な情報媒体がある現代。検閲や規制は無いように思えるが何が真実かを選択するのは受け手側だけだろうか。メデイアの報道責任も見え隠れする。