紙の本
やはりこのシリーズはいい
2023/09/04 08:43
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者井原忠政の他の作品も読んでみようとして、「うつけ屋敷の旗本大家」を読んでみたがあまりしっくり来なかった。改めてこのシリーズの魅力に気付かされた。主人公の茂兵衛を始め登場人物たちが皆いきいきとしている。しかもストーリーの大筋は史実を踏まえているので、明らかに創作と思われる色々なエピソードも大変にリアル感がある。
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植田茂兵衛はなかなかしぶとい
2022/11/15 16:00
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ第10作、第一次上田合戦後の主人公植田茂兵衛の活躍を描く。戦いのシーンはほとんどないが、討ち死にしたと思われていたが、囚われの身となっていた。ご都合主義そのものかもしれないが、徳川家康の最終勝利までまだ時間があるので、生き抜く形となっている。伝えられる歴史をなぞるように、裏方の苦労を描きながら、かの時代を楽しんでいる、私は。
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茂兵衛が死んだ!と思われて終わった9巻目から待ちに待った10巻目。
徳川では茂兵衛が死んだとの連絡で慟哭が。
ところが事実は土牢の中で側近の部下と共に生きていた。
それぞれ怪我こそあったが、生き死にに関わるような怪我ではなかった。
「表裏比興之者」とあだ名される真田昌幸の嫡男、真田源三郎が助けてくれたのであった。
そして傷も治った頃、茂兵衛は牢の中で体力回復のために、リハビリまでしている。
大地震が起こり、どさくさに紛れて脱走。
この大地震で秀吉からの攻撃も間逃れた。
被害が大きかったので兵を出すことができなかったのである。
一旦秀吉の配下となるような決断をしながらも、起こるかもしれない豊臣勢との戦いに備える徳川であった。
扱いにくい三河衆。家康の部下をうまく使う人事力。
人事力こそ要と言っていい。
当分は茂兵衛のその後の物語が読めるとわかって、嬉しい私である。
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大敗した真田との戦で殿軍を務め、単騎で敵に突っ込み、戦場に消えた茂兵衛。「茂兵衛、討死」の報せは徳川に衝撃を与え、朋輩たちは涙に暮れる。だが、ところがどっこい、茂兵衛は生きていた! 戸石城の土牢に囚われながら、じっと救出の時を待つ。一方、家康と秀吉の駆け引きは変わらず続いていた。しきりに秋波を送る秀吉を家康はのらりくらりと躱すばかり。そんな中、徳川の屋台骨を揺るがす大事件が出来する。戦国足軽出世物語、堅忍不抜の第10弾!
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茂兵衛は重傷を負ったものの、秀吉方に鞍替えした真田源三郎が守る戸石城の土牢に、供回りと一緒に生きていた! 狭い牢内での足腰の鍛錬を続けたのは流石。秀吉が徳川を攻め滅ぼそうとした時に、天正大地震が発生し、やがて豊臣は滅び徳川の時代になる歴史の妙を感じた。茂兵衛は未亡人になりかけた寿美や、家康、平八郎など朋輩のいる浜松城下へ帰ることができた。が、戦場からは程遠い家康の馬廻役、今で言う社長秘書室の一員となり、茂兵衛にとって退屈な役回り(笑)。やはり、戦国に生きる茂兵衛としては、本社よりも現場主義なのだなぁ。
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戦は無かったけど、今巻も私的にとても面白かった〜!
伯耆の忠義に涙
農民出身の茂兵衛と一緒に、戦や武家の思考について学んで理解していける過程に面白さがあってテンポも良い
終盤、姉川戦に茂兵衛は負傷で参戦していなかったという一文があって、これは新シリーズ 姉川忠義 への布石なのかなと思ったり
茂兵衛出ないのか〜残念!(笑)
側近の馬廻役になったと思ったら次巻は侍大将に抜擢
益々楽しみです!
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名古屋民としては、地元周辺の地名がわんさか登場してイメージもふくらみやすく、主人公はもとより家康までもが、「なごや弁だがね〜。」と、ツッコミたくなるような、歴史好きエンタメ好きにはたまらないシリーズです。
また、例えば足軽時代ではその槍の持ち方から、戦い方まで、読者にも親切丁寧にわかるように物語は進み、勝った負けただけの展開ではなく、戦事情からこの時代の暮らしぶりまで随分と詳しく知ることがで来ました。今回、家康の拠点が駿府に移った事情もなるほど、と興味深かった。これだから歴史物はやめられません。書影もこの作品にとてもあっていてイメージをさらにさらによくしていると思います。次回も楽しみ❗️
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上田合戦で死亡と思われた茂兵衛が真田の戸石城に幽閉されていた。それも部下含めた主従五名で。茂兵衛の強さに感嘆した真田勢が助けたとあるが、その前からの真田親子との親しい関係も影響したはず。大地震の倒壊を理由にして真田の長男に逃して貰ったもの。この長男と元上司の本田の娘と結婚させて徳川側に付かせたことも、今後出て来るのだろう。
助かっても元の現場に戻れず、何とか上司を脅して浜松城へ戻ったら、苦手な事務方の馬廻役になり、家康と衝突しながら戦いの現場を熱望。
今後の戦いの大きなものは北條戦と関ヶ原ぐらいか?
今回の最後は百挺の鉄砲と200名の侍大将。足軽の頃が一番輝いていたかも知れない。
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そりゃ、「生きておったか茂兵衛」で死んでたなんてことにはならんかったですが、「どうする家康?」的な葛藤が多くあった本巻は、茂兵衛が主人公の本書では、少々中だるみの感でした。
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悪い奴もええ奴もおる。それが世間だ。大切なのは、頭から決めてかからんことだ。人を信じ過ぎるのも、疑い過ぎるのもいけない。
概してええ奴が生き残れないのが乱世の倣いである。
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2023.2.15
いや〜よかった。素晴らしい。
茂兵衛は格好も付けず、最低限自分に正直に生きて出世するから本当憧れてしまう。
自分は完璧に花井と丑松タイプだから茂兵衛みたいな上司と巡り合いたいけど、
とにかく戦国時代に産まれないでよかった〜。
平八郎も本当格好いいし、石川数正なんて男泣きです。
頑張れ茂兵衛!
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植田茂兵衛は生きていた。真田源三郎の戸石城の土牢に囚われていた。茂兵衛の勇猛さに感嘆し、源三郎に殺される事なく、手厚く生かされていた。
地震の際、源三郎に逃がしてもらい、茂兵衛は浜松城に逃げ帰る。戻った源三郎を徳川家康は、欲と恐怖の薄い茂兵衛を信頼し、馬廻衆として、家康側近として側近くに仕える事となる。
徳川家康は、大阪方と融和することを決断し、豊臣秀吉と面会することとなる。
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茂兵衛、生還。家康の馬廻役に抜擢。家康、秀吉の妹・旭と結婚。地震と洪水で、秀吉の攻撃を免れる。北条氏と面談後、大阪で秀吉と面談。
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シリーズも10作目。
茂兵衛も主君家康の近くでの奉公となったが、どうなるか?
内に外に波乱が続くのは戦国ならでは。
次は北条攻めあたりかな。
作品紹介・あらすじ
上田合戦で大敗した徳川勢の殿軍を務め、単騎で真田勢に突っ込み戦場に消えた茂兵衛。「茂兵衛、討死」の報に、辰蔵は泣き、寿美は愚痴り、八兵衛は悪態をつく。さらには無嗣子の植田家は改易の危機に。だが、ところがどっこい、茂兵衛は生きていた。戸石城の土牢に囚われながら、じっと味方の救出を待つ。戦国足軽出世物語、第10弾。
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Audible読了
とうとう茂兵衛は家康の秘書兼SPになってしまった。
「おいこら植田!」から「おいこら茂兵衛!」へと呼び名が変わった矢先だ。しっかり寵愛を受けている。良好な上司部下の関係ほどハッピーなものはない。いーなー。(妬み)
これまで10巻分の苦楽を共にしてきた読者も、自然と頬が緩むというもの。
一重に茂兵衛が、小さな不満を引き摺ることなく、人に対して常に誠実な心持ちで接してきたおかげなんだろう、と思う。見習わねばならない点だ。
茂兵衛が家康に近付くにつれて、さらに徳川家康という人物の強さがベールを脱ぎ始める。ケチ、小心者はこれまでも再三出てきた。それが部下に対しては反転し、欲がない、恐れをもたないという要求に置き代わる。つまりトップと逆の人材が欲しいということだろう。酒井忠次、榊原康政、本多忠勝がまさにそうだ。この三武将は徳川家の中枢にありながら、なんと居城すらない。まさに茂兵衛も、これが故にSPへと引き上げられたのだろう。
そこに非情と寛容さというキーワードも加わる。これは真反対の部下を持つだけでなく、政治手腕の話だ。要はアメとムチ。これができない茂兵衛は、真田昌幸にいいようにしてやられたのだ。
茂兵衛の秘書昇格の意図は、こうした政の感覚を植え付けるためにあったと推察できる。逆に言えば、こうした大局観を教え込まれた茂兵衛が、今後どう動くかが楽しみでもある。巻末でとうとう部長格へと出世を果たす茂兵衛。
ま、もはや私には関係ない世界へ行ってしまわれた感。(ひがみ)