関東軍―満洲支配への独走と崩壊
著者 及川琢英 著
関東軍は、一九一九年に中国・関東州と南満洲鉄道附属地の保護を目的に成立した。しかし、一九二八年の張作霖爆殺事件や三一年の満洲事変など、日本政府・陸軍中央の統制から外れて行...
関東軍―満洲支配への独走と崩壊
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商品説明
関東軍は、一九一九年に中国・関東州と南満洲鉄道附属地の保護を目的に成立した。しかし、一九二八年の張作霖爆殺事件や三一年の満洲事変など、日本政府・陸軍中央の統制から外れて行動し、多くの謀略に関与した。「独走」の代名詞として悪名高い組織は、どのようにして生まれたのか。軍事・外交史研究の蓄積に、中国側の史料も踏まえ、組織制度、軍人たちの個人的特性、満洲の現地勢力との関係から解き明かす。
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関東軍
2023/07/30 11:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は「関東軍」という特殊な組織が存在し、陸軍中央とは別に暴走したのではなく、それぞれに異動などによる人の行き来があり、行き来によって軍人たちはそれぞれ所属する組織の利害に基づいて行動しているという指摘があり、とても勉強になった。
全体としては時間経過と共に、日露戦争後から敗戦までの関東軍を描き、まとめとして組織としての関東軍を概要として論じている。
人物や組織を丹念に取り上げ、その関係から描く
2023/06/30 08:46
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投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日露戦後の現地勢力や日本陸軍の「支那通」から説き起こすという、著者ならではの視点と多彩な論点による新書。もちろん通読することでその成り立ちから滅びまでが理解できるが、読み終えた後も、興味を持ったところをひらいて重点的に読むこともできる。
竹田宮だけでなく
2023/09/18 13:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
元々、関東軍で勤務した将校が家族を帯同出来なかったが、戦時下になって許可されるようになったのは「内地」に比べて「満洲」は「平和で物資がある」という(身勝手な)事情と関係があるのだろうか?昭和20年7月に関東軍から第一総軍に転補された竹田宮が家族を「空襲のない新京」に残していたのは、そういう事情があったわけだ。昭和20年8月9日に慌てて竹田宮は陸軍機を使って家族に逃亡させたが、新京から朝鮮を経て「内地」行きの避難列車は平壌までしか行けなかったようだ。
講談社学術文庫に移籍した同題の本には関特演の時に「朝鮮から二万人の朝鮮女性を慰安婦にした」と書いたものだから「根拠」にされたものだ。
岩波から支那駐屯軍を題材にした本が刊行されたが、朝鮮軍や台湾軍を題材にした一般書や研究書はないのは何故だろう?
満洲支配
2024/09/04 16:55
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦前の関東軍の独走と失敗が、わかりやすく解説されていてよかったです。詳細なデータに基づいていて、興味を持ちました。
関東軍は、本当に大陸で何をやったのか、なぜ、邦人を見捨てたのか
2023/07/27 10:46
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本陸軍の問題を取り上げるときに必ずと言っていいほど出てくる関東軍の独断専行がどのように出てきたのか、新型コロナで多方面と交流が難しいなかで、新しい資料を活用して書き上げられたものである。観点は3つあり、関東軍を取り巻く制度的環境があり、日本陸軍そのものが独断専行推奨型であったこと、司令官、参謀長等の関東軍内の個人的特性、満州現地勢力の存在から、論じていこうというものである。関東軍は、現在の中国の東北部である満州の軍事的な侵攻だけでなく、経営にも深く関わってきたが、その点は深入りしていない。また、慰安所設置、開拓団のことなども深入りしていない。謀略を含めて、軍事行動を中心に展開している。目次を見ると、
まえがき
序 章 前史 ―1904~19年
第1章 関東軍の誕生 ―1919~23年
第2章 張作霖爆殺事件 ―1923~28年
第3章 満州事変と満州国 ―1928~32年
第4章 在満機関統一と満州国統治 ―1932~35年
第5章 華北・内モンゴル工作の推進 ―1935~38年
第6章 日ソ戦争と軍の崩壊 ―1939~45年
終 章 帝国日本と関東軍
あとがき
主要参考文献 となっている。
以上のように、関東軍と言われても、前史があり日本史のおさらいにもなっている。朝鮮半島は1910年の日韓併合で日本の植民地となっていくが、満州は中国の一部であることは揺るがない。日清、日露戦争を経て、満州で鉄道経営権を取得し、徐々に実質的な支配地域を拡大し、ロシア(ソ連)との奪い合い、中国の内政混乱に乗じた動きとなり、必ず出てくる邦人保護を口実に守備隊配置、自作自演の破壊行為で戦争の口実にしていく。関東軍が成立しても、一言で規定するのは難しいが、軍人は人事異動で変わっていくはずなのに、関東軍に入ると独断専行が強まり、満州支配から華北やモンゴルに侵攻していく。ソ連戦も準備を始まる。しかし、第二次世界大戦に参戦、中国大陸での泥沼戦争、南方戦線が不利になり、精鋭と言われた関東軍の多くの部隊が引き抜かれ、ハリボテ関東軍となり、1945年初めには、ソ連の参戦を見込み、開拓団や居留民を放置して、撤退計画を練りだす。軍隊が国民を守らないという典型であろう。関東軍が育成した満州国軍は、日本敗戦がはっきりすると反乱を起こしていく。それら兵士がアジアに散り、影響を及ぼしていくことは誰が想定していたのであろうか。詳細はここで述べないが、一読してほしい本である。
満州での戦争・日本側の軍人についてかなり詳しい内容です。
2023/07/19 21:51
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつての日本が、満州を舞台にどんな戦争を繰り広げたのか、それを詳しく、歴史に忠実に著した1冊です。
満州事変など、満州で起こった様々な事件についてももちろんですが、個人的には満州で日本軍の指揮をとった軍人(トップの人など)の名前が、これでもかとたくさん登場することに驚きました。大変詳しい内容で、歴史に疎い私は大変勉強になりました。
関東軍の解説書
2023/06/15 19:02
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪名高き「関東軍」を中国側の資料も踏まえ、研究分析した一冊。
時系列でかなり詳細に、関東軍の動きや軍人たちの個人的な特性、現地勢力の動きなどが記されている。
ある程度、予備知識があっても、かなり旧満州や旧陸軍について知っていないと、緻密すぎて読むのが少々つらい。
興味関心で通読すると言うよりは、必要に迫られたときにコンパクトに勉強するための本といえよう。