教養の人類史 ヒトは何を考えてきたか?
著者 水谷千秋
人生を豊かにするための「教養入門」決定版近頃、書店には「教養」についての本が溢れている。だが、そもそも教養とは何か。なぜ教養が必要なのか。教養はいかにして身につけるものな...
教養の人類史 ヒトは何を考えてきたか?
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人生を豊かにするための「教養入門」決定版
近頃、書店には「教養」についての本が溢れている。だが、そもそも教養とは何か。なぜ教養が必要なのか。教養はいかにして身につけるものなのか――。
著者の水谷氏によると、1人の人間が生きていく上で必要な知識は2種類存在する。ひとつは実社会で生きていくために必要な知識。もうひとつは、1回きりの人生をより心豊かに、充実したものにしていくための知識だ。水谷氏は後者こそが教養だと説く。
本書は読者をそうした“知の探求”に誘うための足掛かりを提供する。ヒトという種が現在のチンパンジーやボノボなどと共通の祖先から枝分かれした約700万年前から現在に至るまでの歩みを辿りながら、私たち人類が一体この地球に何を残してきたのか、何を考え、何を信じ、何をしてきたのかを振り返る。
壮大な旅を手助けしてくれるのは、古今東西の“知の巨人”たちだ。国内からは内藤湖南、津田左右吉にはじまり、梅棹忠雄、中村元、丸山真男、松田壽男、見田宗介、柄谷行人、山極寿一、斎藤幸平。海外からはJ・S・ミル、マルクス・エンゲルスにはじまり、カミュ、エリアーデ、チョムスキー、ジュリアン・ジェインズ、W・J・オング、ユヴァル・ノア・ハラリ……。彼らの著作のエッセンスに触れつつ、人類が生み出してきた“知の全体像”を俯瞰する。
短期大学で16年にわたり教養の講義を続けてきた筆者が、大学生や新社会人に向けて書き下ろした教養の入門書。
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こういう本をいつか自分も書いてみたいなぁと思いつつ読了
2023/10/26 00:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがにこの紙幅で「人類史」を描くというのは無理があると思うが、著者の(特に若い人に向けたと思しき)直向さと真摯な語り口に促され、一気に読了。全体の流れというよりは、個別の考察部分で得たところの多い一書でした。
「西暦二〇二二年という年は、明治維新から百五十四年になる年でした。明治維新は、日本の歴史の中でも最も大きな転換期であったと言えるでしょう。それから百五十四年目が二〇二二年になります。この百五十四年間の日本の歴史はまさに激動の時代でしたが、この百五十四年のちょうど折り返し点はというと、七十七年になります。明治維新から七十七年後というと、一九四五年です。この年に第二次世界大戦が終わり、日本は降伏したのでした。明治維新から七十七年で日本は戦争に負け、そこから七十七年で二〇二二年になるわけです」(241~2頁、243頁の表も非常に示唆的)。
J・S・ミルは「教養を学ぶことによって、「期待を決して裏切ることのない、利害を超越した報酬」が得られるのだ、といいます。その「報酬」の中身とは、[皆さんが人生を生きていく中で、心惹かれ、もっと知りたいと思うこと(インタレスト)が、より深く、よりバラエティー豊かなものとなること](the deeper and more varied interest you will feel in life)だと言います。「それは、人生を十倍も価値あるものにし、しかも生涯を終えるまで持ち続けることのできる価値です。単に個人的な関心事は年を経るに従ってその価値は減少していきますが、この価値は減少することがないばかりか、増大してやまないものです」とも言いました。若き日に学んだ教養は一生続く報酬であり財産なのです」(302頁)。
それにしても、評者にとっての大きな謎(というか不思議)は、106頁にある第二段階から第三段階への進展がいかにして起こったのかという点。具体的には、神話からソクラテスに至るその人類としての覚醒(?)がどのようなプロセスで生み出されたのかという点でした。自らの今後の探究課題のひとつにしたいと思っています。充実の読書体験をありがとうございました。
知の巨人の肩に乗り
2024/02/03 08:12
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
教養とは何かということを、ずっと考えている。人類という生物が誕生してから、人は何を考えてきたのか、何を伝えようとしてきたのか。霊長類のチンパンジー、ボノボは言葉を覚えることが可能なのだが、知への探求はないようだ。人が、知の巨人たちの肩に乗って観てきたものを、大まかに追い求める本書だった。
肩の上に乗って
2023/11/21 16:23
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
話し始めたのは女か男かに始まり、自己の限界を意識するようになった頃に精神的基礎が築かれた時代を経て今に至る。人類史そのものとしても有用だと思う。”諸宗教の神は唯一神の別の名前にすぎない”という言説は説得力あり。