題名通りの「仁義」
2024/04/01 09:43
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
コミカルな作風が特徴のこのシリーズであるが、この巻はやや哀愁が漂っている。父親の名前を呼び捨てにする習慣がなかなか治らない一人娘の話はまあ親ばかの話と思っていたが、巻末のエピソードの伏線だったんだな。建設が始まったばかりの江戸城の話は、純粋に歴史的興味をそそられた。千鳥ヶ淵は本当に淵だったんだ。
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公植田茂兵衛の属する徳川家は、関東の地へ移る。そして、九重政実の乱の鎮圧に向かうことになる。史実を追いながら虚構が混じり、歴史の動きの息吹を感じることができる。宮仕えのつらい立場の一武将の日常での気働きと戦場での悲哀が、読む深さを増す。読みがいのある物語だ。
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本拠を江戸に移すことになった家康。配下武将の茂兵衛宅も新築されてワクワク感がすごい。お隣さんが因縁のライバル、服部半蔵の家とか笑っちゃう。なんだかほんわかしたムードの第13巻。
後半は奥州征伐で待ってましたの攻城戦も展開される。久しぶりに戦場で100丁の鉄砲斉射音が聞けて、これまたワクワク感。既に40歳を越えた茂兵衛の命からがらの一騎打ちもあり、これもうファンサービス多すぎじゃないですか?
ラスト、親子の身代わり話にも胸を打たれる。
はー、お腹いっぱい。
甲斐の武田勢といい奥州の九戸勢といい、あるいは今川・北条にしても、戦国を彩る個性的な武者たちが、三河兵・植田茂兵衛という土臭いフィルターによってなぜか意思を通わせていくドラマが本当に楽しい。信長・秀吉・家康の流れをディフォルメしながら、人がどういう人についていくのかが描かれている。
敢えて一言でいうならば、遠回り。なのかなと思う。遠回りしている人間にエールを送っているのかも。
焦らず。腐らず。
よしよし、もっと遠回りしてやろうとポジティブ変換完了。明日も泥臭くがんばるぞ。
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一足早く最終話を迎えた「どうする家康」の進行とは違い、信長の死の後、天下を取った秀吉に反抗の意を唱えた東北の武士たち。
それを治めよという指令を受ける。
だが、家康はいつか来るはずの、豊臣との戦いに備え、東北の民たちから嫌われたくは無い。
それで、派遣される茂兵衛たちに、苛烈には戦うな、ほどほどに、、、という。
しかし現場に行ってみれば・・・
長い間、東北の民たちは、朝廷など、時の権力者たちに蹂躙されてきた。その怨念とも言える心の叫びを聞いた茂兵衛。
首を追ってきた元家臣の親子に、首を返す。
毎回惜しいくらいに、読んでしまう素敵な時間。
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実戦では強いのに、私生活では弱くなる茂兵衛。特に娘からは名前を呼び捨てにされながら、強く注意出来ない。たった一度の行為で出来た子供の母親の綾女に対しても揺れ動く。
今回は家康に従って江戸へ住居を移した茂兵衛だが、すぐに岩手の九戸への出陣を命令される。家康からはまたもや厄介な頼み事。
何とか果たそうとするも、次々と降りかかる戦さの場面。最後は胸糞の悪い結末ではあるが、何とか家康の命は果たした模様。
次は朝鮮出兵だろうか。でも家康は国内組だから活躍は少なそうだが?
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今回の奥州征伐については全く知らず、予備知識無しに純粋に楽しめた。
相変わらずの板挟みの中間管理職の茂兵衛、悩み多き立場が共感できる。
無能なボス秀次。新人寄騎の教育。無茶振りの家康。
ベテラン兵と若手の経験値差からのギャップ、戦がないんだからなんとも埋まらないよね。
なんだかんだとやらなしょうが無いと割り切る茂兵衛、頑張れ!毎回何か勇気が貰える。
どうする家康効果で武将の顔が演じた俳優で想像してしまう。
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出世物語はおもしろい。
奥州征伐の話は、詳しく知らなかった。江戸から九戸城のある二戸までの大軍勢での大移動。馬上の者はまだ良いけど、その後、戦するんだから徒歩は辛すぎる…
もしかして、次は海を渡るのか?
遂に追いついてしまった。
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朋輩辰蔵の重症、綾女との決着、娘との対決(未満)、奥州仕置九戸政実の乱と、胃に穴があきそうな中間管理職の茂兵衛。
活躍と史実との辻褄合わせも楽しく読み終わり。
因縁の相手綾女の潔さに痺れました!
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秀吉の天下統一の最終仕上げ、奥州仕置。この物語は天正19(1591)年に、江戸に移封された家康への出兵命令で幕を開ける。井伊直政の寄騎として、茂兵衛率いる鉄砲百人組が同道を命じられた。九戸政実の乱では、上方勢への恨みを力に死闘を演じる奥州武士と、政実の最期に茂兵衛が見せた武士の情けが印象的。豊臣秀次の暴虐な振る舞いを読んでいると、やがて訪れる徳川の天下になって良かったと思えてならない。物語前半の、まだ初期の頃の江戸城および町割りの様子も興味深かった。
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シリーズは愛読してるが、九戸政実の設定だけはガッカリ。最後は騙されて殺されるんだから東北人の骨太で不器用で真っ直ぐなキャラにして欲しかった。
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豊臣秀吉天下統一最後の仕上げとなった「奥州仕置」に抗った「九戸政実の乱」で、茂兵衛が重要な役割を担ったというお話。
このあたりの歴史は、ほとんど記憶になかったが、後で調べ直してみると、一般的とされる史実や言い伝えをそれなりにふまえながら、茂兵衛という架空の人物をうまくはめこんでいるの感。
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戦は終わってはないが、戦国時代からは移ろい、世代間のギャップが現れ始める描写が面白い。
戦乱から太平へと動きながらも、戦に備えて若者を育てること、現場や実戦がなくて人を育てる苦労に茂兵衛が悩むところなどは、今の時代にも通じる。
コンプラやら、ハラスメント、所属する人材の多様化などで、大きく変わる中で、どう、人を育てるのか、成果を出してもらうのか。戦国の世にも、同じような悩みがあったのかどうかわからないが、どの時代も同じような悩みはあったのかもしれぬ。そう言えば、エジプトのピラミッドにも、最近の若い者はという落書きがあったそうだから、真実かも。
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この時代の武将たちの名前と仕事は知っていたつもりだったが、九戸政実のことは初めて知った。茂兵衛の人柄は優しくて応援したくなる。
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手柄はそこそこでも、戦死者の数は少ないのが茂兵衛隊の特質である。このお頭について行けば家に帰れる、このお頭は無茶な下知はしねぇから、その信頼感が歓声と熱狂に表れている
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九戸政実征伐が中心で、これが豊臣家最後の制圧の戦いになるそうだ。もう大きい戦いはないので、比較的静かな回。戦いがないと少しだらける。