三井大坂両替店 銀行業の先駆け、その技術と挑戦
著者 萬代悠 著
元禄四年(一六九一)に三井高利が開設した三井大坂両替店。当初の業務は江戸幕府に委託された送金だったが、その役得を活かし民間相手の金貸しとして成長する。本書は、三井の膨大な...
三井大坂両替店 銀行業の先駆け、その技術と挑戦
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商品説明
元禄四年(一六九一)に三井高利が開設した三井大坂両替店。当初の業務は江戸幕府に委託された送金だったが、その役得を活かし民間相手の金貸しとして成長する。本書は、三井の膨大な史料から信用調査の技術と法制度を利用した工夫を読み解く。そこからは三井の経営手法のみならず、当時の社会風俗や人々の倫理観がみえてくる。三井はいかにして栄え、日本初の民間銀行創業へと繋げたか。新たな視点で金融史を捉え直す。
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信用情報照会も先駆けですね
2024/06/07 20:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の信用情報照会は多くの情報の蓄積から、どこでいくら借りていて、返済状況や事故情報もすぐに判明する。それにより多重債務の防止や適切な与信対応に活かしている。これにより多重債務による不幸なことを防止している。ただ完璧ではない。
本書の両替店は情報の少ない中で、審査をし融資をしていたらしい。凄いことです。
最終的には、担保力より人柄が優先されていたことは、大変興味深いですね。
江戸時代の商家を解剖する
2024/02/21 10:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
井戸時代には金融商業経済も発達しました。それを代表的な三井家を事例に解剖するように解説している本書は、興味深いです。相伴のシステムや三井家の発展から、従業員のシステムまでいろいろ実例があり、おすすめの一冊です。
人事制度、金融事情、道徳観念、風俗などが具体的で読み応え十分
2024/04/15 13:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:巴里倫敦塔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1691年(元禄四年)に三井高利が立ち上げた三井大坂両替店の経営の実態を史料に基づき明らかにした書。抜群に面白いのは信用調査(与信)の内容や、江戸時代の法制度を巧みに利用した経営手法である。三井大坂両替店の人事制度、江戸時代の金融事情、人々の道徳観念や社会、風俗などを具体的に紹介されており読み応え十分である。歴史書には珍しく図やグラフを多用して理解を助けてくれるのも評価できる。新書らしい出来栄えの歴史書である。
筆者は、三井大坂両替店の事業概要から始まり、組織と人事、信用調査の方法と技術、顧客たちの悲喜こもごも、データで読み解く信用調査と成約数などを綴る。例えば新規顧客が10人いたとしても、三井大坂両替店が実際に融資したのは1〜2人ほどという。それほど信用調査は厳しかった。
本書は融資先を見極めるポイントなど、信用調査の方法と技術の詳細を明らかにする。手代たちは新規顧客の周辺を取材し、家庭事情(不和、紛争、不品行、ギャンブル癖、横領癖、身の程知らず、放蕩)を探る。家屋敷の評価も重要なポイントとなる。筆者は大阪の家屋敷の時価を紹介しており興味深い。奉公人の職階や昇進、給与体系、退職金制度など、初めて知る内容がてんこ盛りである。奉公人が入店してから退職するまでの総所得の推移など実に面白い。
銀行というより、サラ金の印象が見て取れました。
2024/04/20 22:25
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の銀行業の走りはどんなものかと思い、歴史を学びたくて購読しました。
当書でクローズアップしている三井大坂両替店、銀行というよりむしろサラ金のような印象を感じ取るお話でした。事実、当書ではお金を貸した相手に取り立てるエピソードが多数紹介されています。お店とお金を借りた人々とのお金をめぐる人間模様がメインの内容です。