ジョーカー・ゲーム みんなのレビュー
- 著者:柳 広司
パラダイス・ロスト
2016/12/07 10:34
期待を裏切らない面白さでした。注目したいのは、3話「追跡」である。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
期待を裏切らない面白さでした。短編であるので要点が明確だし、読んでいても集中力の続く内に完結するのも良い。さて、シリーズ3として注目したいのは、3話「追跡」である。イギリスの新聞記者であるスパイが、D機関の“魔王”こと結城中佐の実体に迫るのだが、逆に結城中佐の罠に嵌ってスパイとしての自分の身分を暴かれてしまい、もっとというより最悪の事態として、これまで日本国内で作り上げてきたスパイ網(アセット=資産)情報まで奪われてしまう。多分、結城中佐の側では、彼が周囲を嗅ぎまわり始めた瞬間から彼を無力化すると同時にアセットの“乗っ取り”を画策したという筋書きと推測した。彼は、限り無く結城中佐の実体に肉迫したと思うのだが、それに目を奪われてもっと大きなゲームに敗れたと言ったところか。あのジョン・ル・カレが膨大な紙面を使って描き出す世界を短編で楽しませてくれるのだから堪らない。
更にもう1作は4・5話「暗号名ケルベロス 前・後編」である。まず、珍しく120ページだから中編と言うべきことと、その内容である。要は、アメリカから日本へ向かう客船の中で、ドイツのエニグマ暗号の秘密を解き明かすため日本へ向かう英国情報部員とD機関の戦いが主題なのだが、そこへエニグマを盗むために忙殺された船員の妻が敵である英国情報部員を殺害するという横槍が入ると筋書きである。結局、D機関員の鋭い推理で犯人は捕まるのだが、その際、自決を覚悟した妻から“幼女”と“愛犬”を託されてしまう。存在しない存在であることを旨とするD機関員にとって、現実の存在である“幼女”と“愛犬”を託されるということは大変なことである。今後の展開が気になる。なお、本編では、欧州での第二次世界大戦が熾烈さを増しつつも、日米開戦はまだでアメリカも参戦していないという微妙な状況下で、大西洋航路と参戦国間の交流が途絶えている中で唯一残った交流路である太平洋航路の微妙な状況が描かれている点が興味深い。
さて、この『ジョーカー・ゲーム』(2011)でスタートした短編集は、『ダブル・ジョーカー』(2014)で終わったと思っていたのだが、どうも好評につき [ジョーカーゲームシリーズ]として継続されるようである。既に4作目である『ラスト・ワルツ』(2015年1月、角川書店)が発刊されている。なお、ウィキペディアでは、本シリーズを「D機関シリーズ」と称しているので私もそれに倣うことにする。
ジョーカー・ゲーム
2016/04/30 18:48
面白い
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投稿者:hiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変面白いです。
登場人物が超人的すぎるきらいがありますが、そういう意味では忍者物の伝統を受け継いでいるといえるかもしれません。
2015/08/19 22:31
何回でも楽しめる
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投稿者:14 - この投稿者のレビュー一覧を見る
スパイ・秘密組織・軍隊・昭和初期、等のキーワードを好む人は楽しめる小説。
短編ではあるが、話の大元は共通しているためどの話も退屈させない。
人物・話どちらも魅力的で何回読んでもおもしろい。
続編も電子書籍で出してほしい。
ジョーカー・ゲーム
2015/05/10 14:21
頭脳戦
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投稿者:椿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白いの一言。この薄さでしかも短編集ということで、どうかな~と思ったけど、読み応え十分でした。サクサク読めるのに緊張感と高揚に満ちていて、これぞ頭脳戦という感じ。D機関のスパイたちが人間離れした頭脳や技術を持っていて、現実的にはあり得ないだろって言いたくなるところだけど、何かすんなり入ってくる。敵を出し抜く痛快感にさすが!と言いたくなる感じ。
ダブル・ジョーカー
2022/05/23 16:41
前作同様の読み応え
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作もすごかったけど、今作もすごい。
緻密に計算されてる感じ。
最後の作品は、前作に関係してる話だね。
そういうことかと納得。
ラスト・ワルツ
2017/05/16 21:20
ちらっと見えた結城中佐の過去
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメが放送されてるから表紙のデザインがが違うじゃねえか、過去3作品と調和がとれねえ、と思ってたら1枚はぐと通常通りでした、ほっ。今回印象に残っているのが「舞踏会の夜」。中将夫人のロマンティックな回想で綴られています。珍しく結城中佐がじきじきに現場に出てきましたね。中佐が気晴らしで舞踏会に参加するわけないだろうな、と思っていたら案の定。
ジョーカー・ゲーム
2016/07/06 01:14
アニメから入ったニワカです
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投稿者:ソレイユ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメだと後半5分で一気にトリックの種明かしをされるので、よくわからないことがありましたが、小説だとその辺の描写が丁寧なのでいい復習になりました。
もちろんアニメも作品として大変クオリティが高く、YouTubeでのテーマソングの再生回数からも視聴者の評価の高さが伺えます。
また、声優の演技も役柄とピタリと一致し、配役の正確さに感心しました。
アニメの続きが観たいから…というわけではありませんが、作者には続編を期待したいです。
2015/09/18 06:33
真のスパイ
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投稿者:ゆー - この投稿者のレビュー一覧を見る
スパイと聞くと派手なアクションを思い浮かべる人が多いと思う。
それとは真逆に静のスパイと言うような。
スパイとは闇に生きて見えないものである。と言うような事を前提に書かれている小説である。文も読みやすく話が一区切り、一区切りの短編のような形なのでスラスラと読むことができる。
読みやすく、入りやすい良い作品であると思う
パラダイス・ロスト
2014/01/29 16:58
相変わらず面白い
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投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
スパイ養成組織“D機関”ものの、第3作です。少しずつ、結城中佐のことが明らかになってきますね。作者は、時代や地域に合わせてその雰囲気を表現するのが上手なので、昭和初期の日本や海外の空気を感じることが出来、それもこの小説の楽しさのひとつです。
パラダイス・ロスト
2023/10/26 10:01
良くも悪くも3作目
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投稿者:狂ったチワワ - この投稿者のレビュー一覧を見る
安定している内容で、読みやすくレベルも高い
ダブル・ジョーカー
2023/10/26 09:58
2作品目
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投稿者:狂ったチワワ - この投稿者のレビュー一覧を見る
安定した面白さであり、ファンの期待を裏切らなかった作品
2023/10/22 22:10
SPY FAMILYのロイドさん的ストーリー
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投稿者:狂ったチワワ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかくかっこいい。ミリタリーマニアである小生にはドストライクであった
女に勧めたが受けは悪かった。
作者は、踵を返すという表現が好きなのでは無いかと思いながら読んでいた。
ダブル・ジョーカー
2022/10/15 08:36
スパイは見えないからスパイ
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
表に出てしまったスパイは失敗したスパイ、という言葉があるがそれ文字通りに作品化した巻である。スパイの存在を暗喩しただけで全く表に出さない章もあり、ずいぶんとテクニカルな作品だと感心した。諜報活動が苦手だったという旧日本軍の現実はどうだったのだろうか?
ラスト・ワルツ
2022/06/12 11:45
相変わらずのキレ
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
結城中佐はもちろん、D機関のスパイも、作品自体も、
相変わらずキレてます。
単純にスパイが出てきて活躍するという展開じゃないところが良いです。
パラダイス・ロスト
2022/06/08 11:35
ずっと読んでいたい
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
おもしろい。
設定もキャラクターも抜群。
ケルベロスの話のスパイさん、最後に、極めて困難なミッションを授かりましたね。
