純粋理性批判 みんなのレビュー
- カント, 中山 元(訳)
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純粋理性批判 6
2012/04/30 18:43
ホーキング博士はなんと言うだろう...
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
カントの『純粋理性批判』を、話題の光文社「古典新訳」シリーズで読んでみた。他の版、たとえば岩波文庫では3冊本だが、この版は全7冊。なんと各冊の半分近くが解説にあてられているのだ。難しい箇所も、オーソドックスでわかりやすいこの解説を読むと、なるほどと納得できることが多い。
訳そのものも読みやすい。原文において言葉が足りず不明瞭と思われる箇所には、かぎ括弧で語句を補っている。それまで「悟性」とされていたものを、「知性」と訳すなど、訳語の選択もかなり大胆である。
西洋哲学の日本語訳は、概して難解である。もちろん、もとが難解なものだから、それを簡単に、すらすら頭に入るように訳すことは不可能である。しかし、原文の言語を話す人にとっては日常的な言葉が、日本語になると途端に衒学的で難解な哲学用語に様変わりしまうということが、西洋哲学、特にドイツ近現代の哲学書には多い。そんな中、わかりやすく自然な日本語を心がけたこの光文社の新訳は、現代も大きな影響を人類の知性にあたえ続ける哲学者の思想をわが国民に啓蒙するうえで、画期的な書といえよう。
それぞれの巻についての書評は控えるが、神の存在証明を論じたこの第6冊(「超越的な弁証論」第3章「純粋理性の理想」)については、思うところを述べてみたい。
カントは、古来西洋哲学において行われてきた神の存在証明-自然神学的な証明、宇宙論的な証明、存在論的な証明の三つに分類できる―は、どれも根拠のないものと論駁する。つまり、神とはその存在が証明できないものなのである。なぜか。その理由をひとことで言うなら、神は理性のおよばない領域に存在し、理性にはその「存在」を把握できないからである。神はただ「理念」として把握できるのみである。
これは、神が存在しないことの証明ではなく、神の存在が証明できないことの証明である。カントはまた、この批判をもとに、無神論―つまり神が存在しないという主張も誤りであると論じる。神の存在が証明不可能である以上、神がいないことも証明できないというわけである。
カントにとって神とは、世界の外にあってそれを統一する理念のようなものである。彼は自然科学者の理性のうちにも、世界を超えた理念は想定されていると述べる。すなわち自然科学においてわれわれが追い求めている「原理」や「本質」がそれである。これらの理念は、それ自体決して把握されないため、その存在を証明することはできないが、一種の憧れとして常にわれわれのうちに存在している。神もこのような理念の一つ―それも最高の―であるというのが、カントの考えのようだ。
ところで、世界的な物理学者S・ホーキング博士が「天国も死後の世界も存在しない、それらは闇を恐れる人の架空のおとぎ話だ」、「宇宙誕生に神は不要」などと述べて、ちょっとした論議をまきおこしたことは記憶に新しい。博士は、宇宙の果てまで見据えた膨大な理論を確立した、自然界についてはわれわれよりはるかに多くのことを知っている人である。しかし、自然科学においてその存在が確認できず、その必然性も認められないという理由で、神やあの世の存在を否定するのは、科学者らしからぬ態度だと私は思う。むしろカントの言うように、自分が対象としているものは、世界の内側に存在する現象なのだから、それを越えたところに存在するものについては、何も知らないとして口をつぐむのが、理性的な人間としての誠実な態度ではないか。博士がカントを読んだことがあるかどうかはわからないが、この点について意見を聞きたい気もする。
純粋理性批判 1
2020/05/08 10:44
18世紀に書かれたカントの偉大な書の第1巻です!
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドイツの哲学者イマヌエル・カントの主著で、1781年に刊行された哲学書です。同書は、カントによる三大批判の一つとして、1788年刊の『実践理性批判』(第二批判)、1790年刊の『判断力批判』(第三批判)に対して、第一批判とも呼ばれています。人間理性の抱える諸問題についての考察した古典的名著であり、ライプニッツなどの存在論的形而上学と、ヒュームの認識論的懐疑論の両方を継承し、かつ批判的に乗り越えた、西洋哲学史上最も重要な書物の一つと言われています。光文社古典新訳文庫からは7巻シリーズで刊行され、同書はそのだい1巻目です。新訳で、他のどの類書よりも読みやすく書かれています。ぜひ、この機会にカントの偉大な名著から学ばれる機会をもたれては如何でしょうか?
純粋理性批判 7
2020/05/08 11:29
カントによる先験的方法論が説かれ、純粋理性の訓練、基準、建築術、そして歴史について解説されます!難解なカントの思想の全貌が見えてきます!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、18世紀のドイツを代表する哲学者カントのあまりにも有名過ぎる哲学の名著です。光文社古典新訳文庫では、分かり易い現代邦訳で、全7巻シリーズで刊行されており、同書はどの最終巻です。同書では、いよいよ最後の「先験的(超越論的)方法論」の章に入り、「純粋理性の訓練」、「純粋理性の基準」、「純粋理性の建築術」、「純粋理性の歴史」について述べられます。同書の中で、「そもそも理性の関心は、何をわたしは知りえるか?何をわたしは為さねばならないか?何をわたしは希望しうるか?に区分される」と説かれ、理論理性によっては与えられない理念の客観的実在性を、可想界において確立すべきものは、何が起こるべきか(当為)を主張する実践理性であると主張されます。そして、先験的自由と自然因果性の中間に位置する実践的自由は、自由な決意性によって感性的衝動を克服するとも説かれます。いよいよ難解なカント思想の全貌が見えようとしています。
純粋理性批判 6
2020/05/08 11:20
カントの「実体論的証明」、「宇宙論的証明」、「自然神学的証明」が説かれます!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、18世紀のドイツにおける偉大な哲学者イマヌエル・カントが著した有名な哲学大書の一つで、そこには人間的認識能力とその制約及びアンチノミー(二律背反)について説かれています。光文社古典新訳文庫は、全7巻シリーズで刊行されており、同書はその6巻目です。同書では、いよいよカントによる第三類の弁証的推論が展開されます。これは、単なる先験的概念からすれば知られることがない諸物から一切存在体の存在体を推論する純粋理性の理想であるとされ、「実体論的証明」、「宇宙論的証明」、「自然神学的証明」の三つからなるとされています。そして、これらの証明は、概念から最高存在の現存在を証明する実体論的証明に帰着され、神の概念は矛盾を含まないため、その存在の不可能性は先天的には証明されないとしています。
純粋理性批判 5
2020/05/08 11:12
カント思想の核心である四つの二律背反についての解説が始まります!
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドイツの哲学者カントのあまりにも有名な哲学書です。光文社古典新訳文庫では全7巻シリーズとして刊行されており、同書はその5巻目です。同書では、第二類の弁証的推論に入り、現象一般に対する制約系列の総体性を問題とする純粋理性の二律背反について解説が始まります。カントは、四つの二律背反があると言い、それは「量」、すなわち、「世界には時間的空間的に始まりがある」対「世界には時間的空間的に始まりはない」というもの、「質」、すなわち、「世界にあるものはすべて単純なものからなる」対「世界にあるものはすべて複合的である」というもの、「関係」、すなわち、「世界には自由による原因性がある」対「世界には自由なものはない」というもの、最後に「様相」、すなわち「世界原因の系列において必然的存在がある」対「世界における一切は偶然的である」というもの、を挙げています。そして、二律背反の解決は、あくまでも課題である理念に客観的実在性を帰する先験的すりかえを避け、理性の原則は可能的経験を超え出る構成的原理でなく、経験をできるかぎり拡張するための統制的原理であることを認めることを必要とすると説きます。いよいよカント思想の核心が見えてきます!
純粋理性批判 4
2020/05/08 11:04
カントがいよいよ超越論的弁証論に話を進めていきます!
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、カントの名著であり、彼自身の三大批判書と呼ばれる第一批判の書です。光文社古典新訳文庫では全7巻シリーズで刊行されており、そのうちのだい4冊目に当たります。これまで、超越論的感性論、分析論と見てきましたが、いよいよ同書では、超越論的弁証論に移っていきます。カントは、真理の論理学である分析論に対し、先験的弁証論は仮象の論理学であると言います。この仮象は理性にとって不可避的かつ固有のものであり、純粋理性概念あるいは理念は可能的経験の限界を超えて絶対者にまで拡張された純粋悟性概念であると主張します。そして、経験においては理念に完全に合致する対象が現れることは決してありえないし、理念は心・自由・神であり、定言的推理における実体性・仮言的推理における原因性・選言的推理における相互性がおのおの対応すると説いています。
純粋理性批判 3
2020/05/08 10:58
カントによる「図式論」と「原則論」が語られます!
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、カントによる偉大な哲学書で、光文社新訳文庫では全7巻シーズで刊行されているうちの第3巻目です。同書の中で、カントは、理性がそれ独自の原理に従って事物を認識すると考えるのですが、この原理は経験に先立って理性に与えられる内在的なものであるので、理性自身はその起源を示すことができないだけでなく、この原則を逸脱して自らの能力を行使することもできないそと説きます。換言すれば、経験は経験以上のことを知りえず、原理は原理に含まれること以上を知りえないというこであると主張しています。同書は、前2巻に続き、「図式論」と「原則論」が語られ、カテゴリーの根拠づけが対象に対して、どのように機能するのか、それと時間がどのように関係するのかが解明されていきます。
純粋理性批判 2
2020/05/08 10:49
カントの名著の第2巻目、知性の分析を中心に話が進められます!
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドイツの哲学者イマヌエル・カントによる哲学書で、理性認識の能力とその適用の妥当性を「理性の法廷」において、理性自身が審理し批判する構造を持っていると説いた書です。したがって、それは、哲学に先立ち、理性の妥当な使用の範囲を定める哲学の予備学であると著者カントは強調します。光文社古典新訳文庫は全7巻シリーズで刊行されており、同巻はその第2巻目です。同巻は、感性について考察した1巻目に続いて、知性を中心に分析が進められます。認識のために知性はどう働き、知性が用いる純粋な概念であるカテゴリーはどのように導きだされ、根拠づけされるのか?ということが理解できます。
純粋理性批判 1
2023/10/28 11:50
どこが訳でどこが筆者の解釈なのか
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投稿者:fks - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこが訳でどこが筆者の解釈なのかの区別がよくわからない。
まさか全部訳なのだろうか。
そのあたりをはっきりしてほしい。
しかし内容は以前読んでいた純粋理性批判の本よりはわかりやすいがやはり難解に感じる。
純粋理性批判 1
2024/02/21 17:19
アプリオリ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーヒーが好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
アプリオリの概念がわかりづらいが他の本に比べると専門性が高くてわかりやすいのかもしれない。しかしやっぱりわからないところがどんどんでてくる。
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