この国のかたち みんなのレビュー
- 司馬遼太郎
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紙の本この国のかたち 1
2011/03/26 09:22
復興を信じて
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回の東北関東大震災は世界中の人びとに衝撃を与えました。一瞬にして瓦礫の町と化した惨状とたくさんの人びとの悲しみは生きるということの困難を多くの人たちに思いしらしめました。
そんな大惨事でありながら、この国の人びとは暴動することも強奪することもなく、瞑目するごとく静かにその困難に立ち向かっています。そのことを海外の多くのメディアが絶賛しました。
私たちの、日本という国はどういう国であるのか。
私たち、日本人という民族はどういう民族であるのか。
深い悲しみ、大きな困難は、私たちにもう一度そのことを考える契機となります。
かつて司馬遼太郎さんは「日本は世界の他の国々とくらべて特殊な国であるとは思わないが、多少、言葉を多くして説明の要る国だとおもっている」と、日本人論ともいえる『この国のかたち』を十年にわたり書き続けました。
あれから十五年。私たちはもう一度、『この国のかたち』を真摯に考えるべき時を迎えたといえます。
この一巻めに司馬さんはこんなことを記しています。
「日本人はつねに緊張している。ときに暗鬱でさえある。理由は、いつもさまざまの公意識を背負っているため、と断定していい」と。
今回の大震災で避難所生活を余儀なくされた人たちの姿をみていると、司馬さんがいう「公意識」という言葉がだぶります。あれほどの困難にあって静かに救援を待つ人びとは、個ではなく公の民衆としてある。私たちは、世界の他の国々と、その一点において誇れるものをもっています。
「公意識」が戦後の復興と急速な成長をもたらしたともいえる。
私たちは今回の大震災という困難をきっと乗り越えるでしょう。なぜなら、「私」ではなく、「この国」のかたちを優先するだろうから。
私たちは、そういう強い民族です。
復興を信じて。
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紙の本この国のかたち 3
2011/06/03 10:52
国のリーダーのありかた
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
国のリーダーについて考えている。東日本大震災、それに続く福島原発事故。それらの大問題に直面してこの国の指導者はどう動き、何を発言してきたのか。
司馬遼太郎の『この国のかたち』を3.11以後、この国のことを考えるようにして再読しているのだが、第3巻にあたる本書の中に「家康以前」という一文が収録されている。家康というのはもちろん徳川家康で、それ以前といえば織田信長、豊臣秀吉ということになる。
その一文を「すべては、信長からはじまった」という文章から書きだした司馬さんは、信長の政治を「こわすだけでなく、あたらしい社会をつくろうとした」ものだとしている。だが、残念にも本能寺の変で信長の野望は潰える。
そのあとを秀吉は継承したのだが、秀吉政権の崩壊を司馬さんは秀吉の朝鮮侵略に起因するものとみている。(この3巻には「秀吉」と題された一文もあって、秀吉の無謀な行為を「病気」とまで断罪している)
それにつづくのが家康であるが、彼が天下統一を果たせたのはその器量のよさというのが、司馬さんの見立てである。「かれは感情家でなく、驕慢でなかった。このことがひとびとに安堵感をあたえた。当時、このような人を器量人とよんで、珍重する風があった」と書いている。
さて、今である。司馬さんがいない今、司馬さんの考え方や思考方法を補助線のようにして今を考える必要があるのだが、今この国のリーダーは「ひとびとに安堵感をあたえ」ているだろうか。
その発言の右往左往しているのは内部の人間ではなく、多くの国民ではないだろうか。場当たり的な発言は責任の所在を曖昧にし、付け焼刃的な施策は空回りする。
先日の衆院復興特別委員会で「このままでは日本の針路を間違える」とまで追求されたこの国のリーダーだが、のちの歴史家が「あれは病気だったのではないか」と断罪されることのないよう、願うしかない。
紙の本この国のかたち 2
2011/04/11 08:04
悪意のない人たち
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災、それに続く原発被災と、この国は今大きな危機にあります。
しかし、それはそもそもこの国はどんな国なのか、私たちはどのような民族なのかをもう一度見つめ直す機会でもあります。戦後60余年、今こそ私たち各人がそのことを考えてみる好機ではないでしょうか。
ただ補助線が必要です。私はそれを司馬遼太郎さんの『この国のかたち』に求め、考えていきたいと思っています。
この『この国のかたち』の二で司馬さんは日本に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザヴィエルの書簡を紹介しています(「44. ザヴィエル城の息子」)。
その中でザヴィエルは日本人のことを「親しみやすく、一般に善良で、悪意がありません」と記しています。また「知識欲はきわめて旺盛」とも書いていたそうです。
それを受けて司馬さんはこんなことを書いています。「ザヴィエルは、日本史の青春期のころにきたといっていい」と。
それから何世紀も経て、日本人は変わったのでしょうか。青春期はとうに過ぎているはずですが、やはり「善良」であることには変わらないような気がします。
多分に苛苛感はあるでしょうが、どちらかといえばあまり変わっていない。今回の危機にあっても被災者たちの姿に私たちは多くのことを教えられます。
拳をつきあげる人は少ない。罵声を吐く人も少ない。「悪意がありません」。
私たちはそういう誇りをもってあり続けたのです。そして、おそらくこれからもそうあり続けるような気がします。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
電子書籍この国のかたち(五)
2024/03/31 02:38
神道も朱子学もまとめて論じれば
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名を冠した史観すら巷間に
流布している、昭和を代表する
作家による、月刊文藝春秋誌上の
名物連載をまとめた書籍の文庫版
第五巻を電子書籍化したものです。
その主たる内容とは、
大名と土地、室町の世、
不定形の江戸学問、
人間の魅力、といったところ。
紙の本この国のかたち 5
2024/03/31 02:37
神道も朱子学もまとめて論じ
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名を冠した史観すら巷間に
流布している、昭和を代表する
作家による、月刊文藝春秋誌上の
名物連載をまとめた書籍の文庫版
第五巻です。
その主たる内容は、
大名と土地、室町の世、
不定形の江戸学問、
人間の魅力、など。
電子書籍この国のかたち(三)
2024/03/31 01:35
革命を、起こした国は、エラそうで
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名を冠した史観すら巷間に
流布している、昭和を代表する
作家による、月刊文藝春秋誌上の
名物連載をまとめた書籍の文庫版
第三巻を電子書籍化したものです。
その主要な内容は、
戦国の心、ドイツへの傾斜、
家康以前、文明の配電盤、
岬と山、小説の言語、など。
紙の本この国のかたち 3
2024/03/31 01:33
革命を、起こした国は、エラそうか
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名を冠した史観すら巷間に
流布している、昭和を代表する
作家による、月刊文藝春秋誌上の
名物連載をまとめた書籍の文庫版
第三巻です。
その主たる内容は、
戦国の心、ドイツへの傾斜、
家康以前、文明の配電盤、
岬と山、小説の言語、など。
電子書籍この国のかたち(一)
2024/03/31 01:25
昭和の軍人は好きでないのか
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名を冠した史観すら巷間に
流布している、昭和を代表する
作家による、月刊文藝春秋誌上の
名物連載の文庫版第一巻を
電子書籍化したものです。
その主な内容は、
朱子学の作用、正成と諭吉、
浄瑠璃記、信長と独裁、
孫文と日本、若衆と械闘、
豊臣期の一情景、若衆制、
といったところ。
紙の本この国のかたち 1
2024/03/31 01:24
昭和の軍人はお嫌いか
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名を冠した史観すら巷間に
流布している、昭和を代表する
作家による、月刊文藝春秋誌上の
名物連載をまとめた書籍の文庫版
第一巻です。
その主たる内容は、
朱子学の作用、正成と諭吉、
浄瑠璃記、信長と独裁、
孫文と日本、若衆と械闘、
豊臣期の一情景、若衆制、などなど。
電子書籍この国のかたち(一)
2024/01/17 01:02
統帥権の発想は今も生きているかもしれない
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コロナ対策は自由と人権を圧迫した。当時、専門家として対策を担った尾身茂氏は、菅首相と並んで記者会見し、首相と並ぶ権力者の風であった。新型インフルエンザ等対策推進会議の議長、あるいはその下部組織の分科会会長に過ぎない立場にもかかわらず、だ。本来の姿でない権力体制が容易にまかり通ってしまった時期だった。歪んだ権力に勢いを得て増長した専門家は、控えめに言っても多かったと思う。
司馬遼太郎は本書で、旧日本軍が振りかざした「統帥権」を考察している。軍参謀本部が本にした『統帥参考』に、次のような興味深い記述を見つけている。
冒頭の「統帥権」という章に、以下のように書かれている。……之ヲ以テ、統帥権ノ本質ハ力ニシテ、其作用ハ超法的ナリ。(原文は句読点および濁点なし。以下、同じ) 超法的とは、憲法以下のあらゆる法律とは無縁だ、ということなのである。(本書より)
国のエリートが自らの存在を超法規的だと思う考えることほど危険なことはない。実際、参謀本部は戦争で日本という国を滅ぼしかけた。
著者は、本書をあれこれ寄り道して書きながら、この危険な意識の由来が気になって仕方がないようで、ついに思い至ったのは、明治政府による近代化で廃れた惣の若衆文化だった。
ふとおもうことだが、昭和前期、内閣というオトナ制に対して参謀本部が統帥権というミコシをかついで若衆化して一大暴走を開始したのも、右の潜在文化と無縁ではないかもしれない。(中略)戦後は官公庁や会社というオトナ体制と労働組合の関係をそういう目で見ると、潜在文化がなお生きているという観察がなりたつように思えてならない。(本書より)
こう記した著者が生きていたなら、労組などよりもまず今日の医療業界に昔日の統帥権を見たのではないだろうか。
本書の読後、そう思った。
紙の本この国のかたち 1
2021/11/04 14:02
司馬先生の視点
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
司馬遼太郎先生のまなざしを感じとれる作品。
読む度に「もっと長生きして日本の国を見ていて欲しかった!」と思ってしまう。
この国には先生に見ていただく価値があるか。
考えてしまう作品でもある。
紙の本この国のかたち 6
2017/02/27 18:51
司馬さん
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トクちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
全6冊・・・2年かけて読み終わりました。
2月12日・・・菜の花忌
亡くなられても司馬さんには教わることばかり・・・。
紙の本この国のかたち 1
2016/06/26 14:53
日本人として
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mintpapa - この投稿者のレビュー一覧を見る
司馬先生の著書には、日本の風土、伝統、文化など日本人としての心構えのようなことを感じ取ります。
紙の本この国のかたち 1
2016/02/28 17:38
ルーツを考え直す
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kinsuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
今改めて読み直すと、今の日本がどんどん変化していっていることが逆に考えさせられる。50年後は、この国の形はどう変わっているのだろうか。
電子書籍この国のかたち(六)
2024/03/31 02:42
海軍について語りつつ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名を冠した史観すら巷間に
流布している、昭和を代表する
作家による、月刊文藝春秋誌上の
名物連載をまとめた書籍の文庫版
第六巻を電子書籍化したものです。
その主たる内容とは、
歴史のなかの海軍、旅の効用、
うたうこと、醤油の話、
言語についての感想、
原形について、街の恩、
源と平の成立と影響、など。