春の呪い みんなのレビュー
- 著者：小西 明日翔
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高い評価の役に立ったレビュー
物語の構成の妙、細かな伏線も効いている
投稿者：ごろんごろん - この投稿者のレビュー一覧を見る
妹の春が冒頭で亡くなる場面から物語は描かれる。
妹さん視点から考えると「出落ち」からのスタートで、１コマ目で登場する春さんの死は物語の終盤まで揺るがない、ともいえる。春の死は確定的であるが、残された近しい者達の距離感や捉え方は、春の姉夏美と、妹の交際相手（冒頭時点）の冬吾とで異なる（一巻終了時点）。表紙絵に描かれる通り、同じ場所に入るが、見ているもの、見えているものが異なる。
姉夏美の視点からは、妹よりも居づらさを感じずにはいられない家庭環境（ステップファミリーで、異母弟もいる）の中で、自身が妹と比べられ劣等であると周囲に陰ながら言われてもなお、同母妹である春には気を配り、妹との楽しい思い出を共有財産のようにしていき、妹の闘病中も献身的に寄り添い、自身の進路や就労先も妹のことを最優先に生きていったこと、妹の死後も続く葛藤や苦しみが描かれていく。
姉妹の交際相手になる冬吾の視点からは、親の意向に沿うままに学校や就職先を「選んだ」という意思もないままに従って生きてきた男性が、そのまま親の指示で選ばれた春との交際、そして思いがけない彼女の死とともに、いわば強制的に立ち止まった状況になる。彼は当初、あることを意図的に隠して夏美と交流するのだが…。
一巻の時点では、姉夏美が、妹のSNS上の偽名アカウントとしか思えない女性「アキ」を偶然見つけて、姉の知らなかった妹の考えていたことなどに心が揺れる場面までが描かれる。
全２巻のこの物語は、全てを通し、人物の表情や身にまとうもの、小物などが違和感のないように描かれ、説明的な文言がなくても、十二分に心情や状況、行動背景などが読み取れるようになっている。
２０２１年春ごろにテレビ東京系列でドラマ化（１回３０分、全６回）された作品と比べると、ドラマの方が明らかに「それはこの人物にここで無理やり語らせなくてもいいのに」という部分まで独白や会話で表現されているに対し、原作漫画の方はその説明を文字で語らせなくても、読み手に伝わるようになっているのだ。
基本的には時系列で進む物語であるが、登場人物の葛藤や煩悶、過去への振り返りなどが緻密に描かれている。
低い評価の役に立ったレビュー
うーん
投稿者：壜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
結構細部まで設定を練ってありそうなのに、
妹の「春」さんの病気の描写だけなんかいい加減な感じが…
抗がん剤の副作用が白血球が減って熱っぽいだけ？
脱毛は無いの？
なんだかそこに引っかかって話に入り込めなかった。
中途半端に描くならもっとぼかしてほしかった。
春の呪い １ （ＺＥＲＯ−ＳＵＭ ＣＯＭＩＣＳ）
2016/05/07 22:20
歪んでしまって
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：まめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
歪んでいる自分に気づきながらも、想うことをやめられない二人が苦しかったです。
想いが一方通行で、向き合わない。気づいているけど、向き合えない。
苦悶の表情が、台詞以上の想いを伝えてきて、ぐっときました。
二巻で救いがあればいいなと思います。
2021/07/05 22:06
物語の構成の妙、細かな伏線も効いている
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：ごろんごろん - この投稿者のレビュー一覧を見る
妹の春が冒頭で亡くなる場面から物語は描かれる。
妹さん視点から考えると「出落ち」からのスタートで、１コマ目で登場する春さんの死は物語の終盤まで揺るがない、ともいえる。春の死は確定的であるが、残された近しい者達の距離感や捉え方は、春の姉夏美と、妹の交際相手（冒頭時点）の冬吾とで異なる（一巻終了時点）。表紙絵に描かれる通り、同じ場所に入るが、見ているもの、見えているものが異なる。
姉夏美の視点からは、妹よりも居づらさを感じずにはいられない家庭環境（ステップファミリーで、異母弟もいる）の中で、自身が妹と比べられ劣等であると周囲に陰ながら言われてもなお、同母妹である春には気を配り、妹との楽しい思い出を共有財産のようにしていき、妹の闘病中も献身的に寄り添い、自身の進路や就労先も妹のことを最優先に生きていったこと、妹の死後も続く葛藤や苦しみが描かれていく。
姉妹の交際相手になる冬吾の視点からは、親の意向に沿うままに学校や就職先を「選んだ」という意思もないままに従って生きてきた男性が、そのまま親の指示で選ばれた春との交際、そして思いがけない彼女の死とともに、いわば強制的に立ち止まった状況になる。彼は当初、あることを意図的に隠して夏美と交流するのだが…。
一巻の時点では、姉夏美が、妹のSNS上の偽名アカウントとしか思えない女性「アキ」を偶然見つけて、姉の知らなかった妹の考えていたことなどに心が揺れる場面までが描かれる。
全２巻のこの物語は、全てを通し、人物の表情や身にまとうもの、小物などが違和感のないように描かれ、説明的な文言がなくても、十二分に心情や状況、行動背景などが読み取れるようになっている。
２０２１年春ごろにテレビ東京系列でドラマ化（１回３０分、全６回）された作品と比べると、ドラマの方が明らかに「それはこの人物にここで無理やり語らせなくてもいいのに」という部分まで独白や会話で表現されているに対し、原作漫画の方はその説明を文字で語らせなくても、読み手に伝わるようになっているのだ。
基本的には時系列で進む物語であるが、登場人物の葛藤や煩悶、過去への振り返りなどが緻密に描かれている。
2017/01/09 23:02
すごい。苦しい。
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：hopper - この投稿者のレビュー一覧を見る
視線の描き方や、名状しがたい表情の描き方が、尋常じゃない。
人は、矛盾した感情を持つし、その矛盾に苦しみ、その苦しみこそが感情というものなのかもしれない、というテーマなのかなと、思いました。
呪いとは何なのか。
呪いを共有していたことに気づくことが転換点のよう。そうすることで、主体が変わる。
2016/08/23 10:01
高評価だけあって
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：bera - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去を背負って付き合いつづける二人。淡々と見えるのに、時々明るかったり、針が振り切れたようにどん底に落ちるような感じは、作者さんの力量を感じます。
この二人はどうなるんだろう、幸せになれるんだろうか、この二人は何をもって幸せといえるんだろうか…続きがとても気になります。
春の呪い １ （ＺＥＲＯ−ＳＵＭ ＣＯＭＩＣＳ）
2022/08/15 21:27
可愛い妹の呪い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：オデダンクス - この投稿者のレビュー一覧を見る
一見、単純な恋愛漫画のように思うのが春の呪いです。
少女漫画のような雰囲気で、死んだ妹の恋人と付き合うことになった姉が主人公。
でも、違うんですよね。
ミステリーや推理ってわけじゃないですが、展開が変わるのが後半です。
妹が過去をSNSに書いていて、それがさらに姉を呪います。
この展開の変化が面白いです
2021/08/29 01:29
どん底から脱する
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：匿名 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の絵からしても、今後の人生に希望があることを期待していいラストとみていいのかなと思う。大団円は難しいけれど、生きている人間はやっぱりいつまでも沈んでいられないし、かといって割り切って春のことを無視することは到底できない。心情的にすごく現実感のあるラストだったと思います。
基本的にシリアスな作品だけど、適度に笑えるギャグシーンがあるのも読みやすかった。辛いことがあってもただ重いだけじゃない生活感があって、リアル感が身に沁みました。
最終話、夏美が後ろを振り返ったシーンが印象的。多分定期的に（主に夏美が）呪いに苛まれることになると思うけれど、冬吾さんと一緒に人生を切り拓いていってほしいなと思う。
夏美はよくある漫画のテンプレに当て嵌めるなら髪型はショートカットのキャラクターだと思うけれど、あえてロングヘアなのがとても良い。
俯くシーンや悩むシーンでロングヘアの映えること！
もし夏美がショートカットのキャラであれば星評価は変わっていたかもしれないというくらい、夏美の髪型設定は素晴らしいと思いました。
春の呪い ２ （ＺＥＲＯ−ＳＵＭ ＣＯＭＩＣＳ）
2018/08/25 18:48
ハッピーエンドではない
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：千那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人が死んだらどうなるかはわからないが、そこに居ないのは事実
夏美と冬吾が春にとらわれずこれからを生きていけることを願う
2018/05/16 00:37
春夏秋冬
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：カエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
秋はそこかー！重い話なのにひきこまれる。2人のこれからを見たいような、見たくないような。どうか誰にも邪魔されないところで2人で背負って2人で幸せになって。
春の呪い ２ （ＺＥＲＯ−ＳＵＭ ＣＯＭＩＣＳ）
2022/08/15 21:32
アキの呪い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：オデダンクス - この投稿者のレビュー一覧を見る
妹の春が、アキというハンドルネームで書いていたSNSで、姉の夏美はさらに追い込まれます。
恋人の冬吾も含めて、四季がそろうのが面白いです。
おとなしく自己主張が少なく、闘病の末なくなった可愛い妹。
そう思っていたのに、本心は、恋人のために貪欲な女だったという感じです。
そこから、二人そろって悩み、それも解消するのですが・・・
その展開を自分に納得させるのに、すごく考えました。
2回読んで、いろいろと作者が答えちりばめていることに気づきます。
合っているかどうかわかりませんが、分かると面白い。
答え合わせを誰かとしたい漫画です。
2021/01/07 19:33
絵で実にうまく表現している。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者は絵柄に非常に特徴があるので絵柄だけで好き嫌いがはっきり分かれる作者だろうな と思う。私はこの絵柄が結構好きである。しみじみとした情感、感情の動きを、セリフだけではなく、絵で実にうまく表現している。他の作品のようにやくざがはっきりと出てこないところもいい。
春の呪い １ （ＺＥＲＯ−ＳＵＭ ＣＯＭＩＣＳ）
2018/11/02 19:21
死者の呪い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：ほっけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
死んだ妹の想い人と付き合う事になった主人公。自分から妹を奪った人。死んだ妹への裏切り。桜の花びらで窒息するかのようなじわじわとした呪いを感じます
春の呪い １ （ＺＥＲＯ−ＳＵＭ ＣＯＭＩＣＳ）
2018/08/25 18:42
続きが楽しみ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：千那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
姉の夏美も、妹の春も、恋人の冬吾も、みんな悩みながら生きている
どんな結末を迎えるのか、いい終わり方ではないかもしれないけど、見守りたい
2017/12/14 00:23
死んだ妹、残された姉。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：ニコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
そこそこ複雑な家庭環境の中で育った主人公の心のよりどころは妹だけだった。
けれど妹は恋をして、やがて病気で亡くなってしまう。
葬儀の後、妹の婚約者に交際するように言われ、「妹と一緒に行ったところに連れて行ってくれるなら」と承諾し、付き合うことになる。
けれど妹に対する罪悪感が拭えず、衝動的に後追いしかかったところを妹の婚約者に引き留められーーーーー。
重いけど、サラッと読めます。
2016/09/24 21:22
早く続きを出して
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：ばつか - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵が好きであれば個人的に進めたい作品です。妹の死が重いテーマですがとても面白く書いています。しっかり者の姉として書かれていますが個人的に傷のなめあいがしたい夏美も悪い女だと思います。
2016/05/16 08:10
待望のコミックス
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：ちんむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピクシブなどでやくざものの漫画で作者を知りました。
姉妹間と相手と、家のことなどなど複雑な人間関係や環境の中での恋愛で、展開も面白く、次巻が出ることを楽しみにしています。
