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紙の本
辺野古入門 (ちくま新書)
著者 熊本 博之 (著)
普天間基地移設問題の最前線、名護市辺野古。キャンプ・シュワブとどのような関係にあるか、普天間基地移設の候補地としてなぜ浮上したのか。社会学者が、20年にわたるフィールドワ...
辺野古入門 (ちくま新書)
辺野古入門
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商品説明
普天間基地移設問題の最前線、名護市辺野古。キャンプ・シュワブとどのような関係にあるか、普天間基地移設の候補地としてなぜ浮上したのか。社会学者が、20年にわたるフィールドワークをもとにその歴史と現在を描き出す。【「TRC MARC」の商品解説】
なぜ、ここに新しい基地が――? 20年にわたるフィールドワークをもとに、社会学者が、辺野古の歴史と現在を描き出す。親愛のこもった、沖縄入門。普天間基地移設問題の最前線としての名護市辺野古――。しかし、そこには地域の歴史があり暮らしがある。キャンプ・シュワブとどのような関係にあるのか、普天間基地移設の候補地としてなぜ辺野古が浮上したのか、「条件つき受け入れ容認」とはいったい何を意味するのか。二〇年にわたり現地でフィールドワークを続ける社会学者が、親愛の情を込めて描く、辺野古を知ってもらうための初めの一冊。【商品解説】
なぜ、ここに新しい基地が——? 20年にわたるフィールドワークをもとに、社会学者が、辺野古の歴史と現在を描き出す。 【本の内容】
著者紹介
熊本 博之
- 略歴
- 〈熊本博之〉1975年宮崎県生まれ。明星大学人文学部人間社会学科教授。専門は社会学。「交差する辺野古」で第47回藤田賞受賞。
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紙の本
沖縄を踏み台にして安全保障と言えるのだろうか
2023/01/20 21:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
沖縄の普天間基地は世界中で最も危険な基地と言われている。この危険な基地の周辺に住民が集まったという無責任な言説もあるが、日本の敗戦により、村民が住んでいたところをアメリカ軍が強制的に接収して建設してきた歴史がある。その代わりに辺野古に基地を作るというが、機能が全く違うので、辺野古新基地と言われている。この辺野古には、キャンプシュワブという米軍基地があり、そこから大浦湾等を埋め立てて、基地を作るという。著者は長年、現地に足を運び、基地建設反対派と推進派の声を聞いて、本書を書き上げている。そもそも、推進派と言っても、軍事基地を積極的に受け入れるというわけでない。反対して基地が建設されない、撤去されるなら反対という人が多い。反対と言えば、政府は何も聞かないために泣く泣くと言っていいのが現実ということがひしひしと伝わってくる。本書の目次を見ると、
はじめに
第1章 辺野古の歴史
第2章 辺野古のいま
第3章 普天間基地移設問題の経緯1 1995-2010
第4章 普天間基地移設問題の経緯2 2011ー2021
第5章 2020年名護市長選挙
おわりに
あとがき となる。
米軍が高圧的にキャンプシュワブを建設した時代、1ドル=360円時代に歓楽街が繁栄し、円高になると閑古鳥が鳴き、現在に至り、苦しい中でも果敢に生きてきた人たちを描くところから、辺野古を抱える名護市の市長選挙経過を辿る。地元や沖縄県が住民を守るための条件を示しても、政府は無視続けてきたことがよくわかる。沖縄に寄り添うと言いながら、軽視又は無視をしてきた総理大臣がいたりすれば、条件付き容認を取らざるを得ない苦悩がある。本書では「決定権なき決定者」と表現する。また、名護市民全体が重い負担を担わされているわけでなく、辺野古、久辺3区の地元と言われるところに負担が集中する。しかし、米軍再編交付金は容認する市に交付され、基地のことを触れずに、保育料や給食費の無償化に使われる。原発と同じように、いずれ交付金は減っていく。地方自治体の自治権にも関わる問題でもある。沖縄の基地は辺野古だけでないが、一読する価値がある。
紙の本
「『決定権なき決定者』」に 追い込む本土
2024/04/11 23:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.内容
普天間基地返還の条件として、名護市辺野古沖に米軍専用基地が建設されようとしている(p.79参照)。辺野古への基地移転については、辺野古、名護市、沖縄県は、いわゆる「『決定権なき決定者』」(p.212)になっており、「賛否を問われること自体から距離を置くようにな」(p.212)っている。そのような状況に追い込んでいるのは、日本政府を支持している「『本土』」(p.217)の人たちである。従って、「『本土』」の人たちは、とりわけ辺野古の現状を知らないといけない。本書は、熊本博之のフィールドワークや辺野古の歴史(米海兵隊のキャンプ・シュワブができた時から)を通して、辺野古が置かれている状況を明らかにした本である。
2.評価
(1)筆者は恥ずかしながら、辺野古を含む名護市は辺野古基地移転反対で、普天間基地がある宜野湾市は賛成である、程度のイメージしかなかったが。そんな単純な話ではないのが分かって有益であった。辺野古への基地移転の根拠の一つがキャンプ・シュワブだったり、辺野古への基地移転が止められないなら交渉できる人がいいとして、基地反対を前面に押し出す人ではなく保守系の候補者を応援する状況には考えさせられた。
(2)このように、辺野古や基地移転問題を考えるのに有益ではあるが、「『本土』」の人からしても複雑な問題である。一例をあげると、当時の民主党の政権担当能力のなさもあろうが、防衛大臣や外務大臣(p.111)のみが「県外移設」(p.111.実現すれば、辺野古への基地移転はなくなる)に反対していたのではなく、アメリカの「圧力」の問題や官僚の問題がある(一例:矢部宏治.鳩山元首相が絶句した…自分を「裏切った」腹心の官僚が、じつは忠誠を誓っていた「ヤバすぎる相手」.現代ビジネス.(アドレス略))のだが、そこが無視されているのは問題である(「『本土』」の人に決定権があると言えるのか疑問である)。
(3)以上、(1)が5点、(2)で1点減らして4点とする。
紙の本
沖縄の選挙ドキュメント
2022/05/12 16:23
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
沖縄の米軍基地問題を、基地誘致賛成と反対の候補がぶつかる名護市長選挙や県知事選などの選挙から振り返り、著者が分析する1冊です。
実際に著者が基地反対側の候補を支援しながら、選挙を振り返るドキュメント形式となっています。賛成と反対の意見で揺れる地元の方々の葛藤にも追求しています。
紙の本
辺野古の実情を知る
2022/05/10 12:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
20年以上沖縄に通い、フィールドワークを続ける筆者が、「よそ者」であることを自覚しながら、辺野古の歴史や地元の人々が抱える複雑な思いや事情を知った経験を踏まえ、時系列で辺野古問題を追うまさに入門書。
研究者である筆者が上から目線ではなく、易しい言葉で、一人の「よそ者」としてつづっているところに好感が持てる。
移設/新基地建設に賛成か反対か、政府VS住民、などという二元論では語れない実情を明らかにしていく。
読み進める内、辺野古問題で浮き彫りになった構造的暴力は、決して沖縄だけの問題ではないことに気付かされる。