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徳川家康 23 蕭風城の巻
2018/12/19 10:37
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投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
家康は豊臣家存続を願うのだが、意に反して大阪の陣へと向かっていく。
これを避けるため、片桐且元が和平交渉にあたるが、職のない牢人逹は
戦頼みのところもあり、また、大久保長安が残した連判状や
豊臣秀吉の17回忌の大祭方広寺の鐘銘事件にかこつけた
家康の謎かけが功を奏することができず事態は緊迫してくる。
そして、いよいよ、真田幸村の登場である。
幸村は、九度山での幽閉生活と決別し大坂城に入場し、
体制を整える行動を模索し始める。
家康は、この時すでに73歳であった。家康と共に戦ってきたものらは
敵味方を問わず死に、今回、戦になれば家康は彼ら子孫たちとの戦となる。
これほど、辛い人生はないのだろうと思ってしまう。
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問題の鐘
2021/04/07 05:23
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都・奈良・大坂図、柳生・真田家系図付き。豊臣秀頼との会見、鐘銘問題などついに回線の火がついてしまった。
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冬の陣開戦間近
2022/09/14 02:21
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
いよいよ大坂冬の陣開戦間近。最も悪い戦犯は大野と片桐。この二人の無能のために豊臣家は滅びるようなもの。よくこんな違うタイプの無能を、大坂に雇ったものとある意味感心。でもやはりこの本では、家康が清廉潔白すぎて、結局、なぜ大坂と戦わないといけなくなったのかという部分がぼやけてしまっている気がしました。そして、終盤ではいよいよ戦国最後の猛将、真田幸村が登場!これまでもちょこちょこと出てはいましたが、ここからいよいよ活躍!
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紅毛人や秀頼の話はほとんどなくなり、真田信繁が頻繁に出てくるようになる。秀頼や家康ではなく、大坂城が牢人の不平や切支丹の不安を糾合する象徴になっていたという歴史観は面白いし、なぜ家康が秀頼の移封にこだわったかもわかる。片桐且元も環境がかわいそうではあるが煮え切らなさに自業自得感がある。
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司馬遼太郎の描く家康像が崩れていく。方広寺の鐘楼の文字に因縁をつけたのは、秀頼を大人として扱い大阪城開城を悟らせるもの。片桐且元は裏切り者ではなく、豊家のためを願う純な老臣。間にたっての苦衷が哀れ。奥原豊政の達観に感じ入り、その師柳生石舟斎に興味を覚えた。13.1.4
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大阪方の無能さはことあるごとに説明されていたので、開戦に至る過程も腑に落ちた。
驚いたのは真田幸村の思想だった。
家康と同じ虚無に立脚したうえに戦は無くならないものとして世界を理解している。
今までの家康のライバルは泰平を目指すことでは一致していた。
真田幸村は違う。
戦争を人の営みの一部とし、利に転ばない。義で動かない。
父親譲りの思想の完徹のために彼は矛を取る。
物語終盤で本当のライバルが現れた。
泰平を望むのが人なのか?
戦争を望むのが人なのか?
この二人の決着がそのままこの小説の答えだろう。
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大坂冬の陣前夜。
我が身のほども知らず、戦に進んでいく大阪方の愚かさ。
真田幸村がこれからの主人公か。
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大権現様が人生の汚点を堪え忍ぶ23巻。
ついに方広寺鐘銘事件が起こり、大阪の陣が始まる。
徳川家康という人物を描くのには避けては通れない出来事だが、
女子供にヤ○ザな言いがかりを付けた家康はどう見ても悪である。
ドライでシビアなことを言ってしまうと、徳川家を頂点とした社会を作り、
平和を維持するには豊家の存在ははっきり言って邪魔であり、
秀吉亡き後の豊家には最早政権担当能力は無かったのだから、
家康の行為は人としては間違っているが、天下人としては正しい。
山岡先生はここでは大阪城は秀吉には相応しい居城だったが、
片桐且元と主君の秀頼には大きすぎる城だから手放すよう
謎掛けをするために大権現様が行ったこととしている。
家康贔屓の私から見てもこれはかなり苦しい解釈である。
山岡先生もここを書くのはかなり苦しかったのではないだろうか。
武田信玄のあとがきで新田次郎先生は、
嫡子義信の死は自害説と病死説があるが、自害説を取ると、
私の描いた信玄像は根本からひっくり返ってしまうと書いていた。
結局のところどう思って行動していていたかは当人しか分からないのだし、
これは小説なのだから、「俺の家康はそんなことはしない」で良いのだろう。
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奥原信十郎豊政と柳生又右衛門宗矩の言葉にないやりとりに感動する。
大阪城入城を表面では断るも、内心覚悟した信十郎。
それを承知している宗矩。
それにしても、家康を良い人にするために、片桐且元を犠牲にして、悪く描写し過ぎている気がする。
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大坂の役前夜といったところ。
真田幸村が頻繁に登場するになってくる。
徹底して大坂方の時勢を読めない愚かさが描かれているが...
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いつか読もうと思っていた作品。「豊臣秀吉」、「織田信長」はある程度知った気でいたので、戦国時代の三大英雄、最後の一人を知るためにと思い読み始める。
結果、非常に感動した。司馬遼太郎作品や池波正太郎作品、世の中の一般的な「家康像」を覆す作品であった。家康がなぜ天下を取り、そして江戸幕府260年の平和な時代を築けたのか、おぼろげながら理解できた気がした。
また、著者の目を通して描かれた「家康の思考法」に強く感銘を受け、自己統制の本としても傍に置きたいと思った。
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大坂の陣は避けられないものだったのか。家康は謎かけばかりで、本当に戦を避けて豊臣家を存続させようとしていたのか。ちょっと厳しい解釈のような気がする。
徳川家の天下泰平を築くためにはやはり豊臣家は邪魔でしかない、というのがすっきりする考え方か。
それでも、戦から離れられない人々を一気に殲滅するような感じだな。
時代に適合できな人は、いつの時代にもいる。
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73歳になった家康の胸中を察してくれる人物は少なかった。
戦はしたくない家康。
しかし、戦は避けられない情勢に。
またしても、関ヶ原の再現になってしまうのか。
10数年続いた、泰平が音を立てて崩れ去ってゆく。
大坂との対立を家康はどう治めてゆくのか。
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大坂冬の陣に向かう家康の胸中が丁寧に描かれた本書。
特に、柳生宗矩と奥原豊政の掛け合いシーンは素晴らしかった。