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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:1999/08/19
  • 出版社: 東京創元社
  • レーベル: 創元推理文庫
  • サイズ:15cm/310p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-488-42601-8

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文庫

紙の本

ななつのこ (創元推理文庫 <駒子>シリーズ)

著者 加納 朋子 (著)

【第3回鮎川哲也賞受賞作】短大生の入江駒子は『ななつのこ』という本に出逢い、ファンレターを書こうと思い立つ。身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴った...

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ななつのこ (創元推理文庫 <駒子>シリーズ)

税込 660 6pt

ななつのこ

税込 440 4pt

ななつのこ

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商品説明

【第3回鮎川哲也賞受賞作】
短大生の入江駒子は『ななつのこ』という本に出逢い、ファンレターを書こうと思い立つ。身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴ったところ、事件の“解決編”ともいうべき返事が舞い込んだ……! こうして始まる駒子と作家のやりとりが鮮やかにミステリを描き出す、清新な連作長編。【本の内容】

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書店員レビュー

ジュンク堂書店千日前店

「いつだってどこでだ...

ジュンク堂書店千日前店さん

「いつだってどこでだって、謎はすぐ近くにあったのです」

私が購入した際のオビにはこんな言葉が記されていたのですが、この作品はそのひとことに尽きるのかも知れません。

送ったファンレターに書いた、近所の些細な事件の話。
返事には「想像ですが」と謎解きが添えられていて……。

度重なるやり取りの中で、駒子さんの賑わしい毎日には少しずつ新たな彩りが添えられていくのですが、主人公の駒子さんの人柄によるのか、賑やかだけど穏やかな印象を与えてくれます。

あなたの毎日にもそんな彩りがある。
そんなことに気付かせてくれる作品です。

「いつだってどこでだって、謎はすぐ近くにあったのです」

(卯)

ジュンク堂書店三宮店

 始まりはひとつのさ...

ジュンク堂書店三宮店さん

 始まりはひとつのささやかな謎。
 主人公である短大生の駒子と作家の佐伯綾乃の間でやりとりされる手紙によって、鮮やかに解明されていく。
 謎の答えが見つかる爽快さ。
 駒子と触れ合うことで救われる人たち。

 あらゆる描写が生き生きとしていて、読むだけで、様々な場面を思い描くことができる本です。

 ひとりでも多くの人が、この本に出会えますように。

文庫担当 M

みんなのレビュー295件

みんなの評価4.2

評価内訳

電子書籍

織り込まれている

2017/03/31 22:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんとなく表紙の印象からもう少し硬い感じを想像したが、割合軽い読み口だった。主人公の女子大生の日常に触れられて、その子がとある本の作者と文通し、その作中本の中身が紹介され。。という折り込み方でたくさん推理がでてくる。私としては多少の無理やり感があったので、まあまあかな、ということろ。

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紙の本

癒し系ミステリ

2002/04/14 14:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:真  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 北村薫「空飛ぶ馬」が開拓した、<日常の謎>パターンの佳作。美しい物語であり、かなり凝ったミステリでもある。なんせこの「ななつのこ」という本のなかに、作中作とも言えるもう一冊の『ななつのこ』があるのだ。あぁややこしい。この本の主人公・駒子が、書店で偶然手にした本、七つの短編を収めたその本が、『ななつのこ』。作者に親近感を覚えた駒子は、思い切ってファンレターを出すことに。そのファンレターには、駒子の身近で起きた、日常の小さな謎のことが書かれていた。そして意外にも作者から返事が。それは、謎に対する見事な解決を与えてくれるものだった…… こうして、駒子と『ななつのこ』作者の手紙のやりとりがはじまり、駒子が少しずつ成長して大人になっていくという連作短編集。

 この作品、というかこの作者の特長はやはり、真相の美しさにある。「日常の謎」パターンの先達である北村薫は、その美しい真相にピリリと辛い「毒」(=人の悪意)を含ませ、その美しさをより鮮やかに演出していたのだが、この「ななつのこ」では、悪人というのは滅多に登場しない。その辺が少し物足りないところでもあるし、「日常の謎」とはいえまったく現実的でなく、だから僕は一種のファンタジーとして読んだ。重く疲れる本を読んだ後に、心の疲れを癒してくれるような本。

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紙の本

加納朋子さんのデビュー作です!

2023/02/06 19:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

加納朋子さんのデビュー作です!

駒子が身近な謎をファンレターに書いて送ったところ、作家から解決編となる返事が返ってくるという連作。
北村薫さんの、私と円紫さんシリーズによく似ている。

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紙の本

連作の醍醐味

2021/12/18 10:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うーよー - この投稿者のレビュー一覧を見る

連作の醍醐味をしっかり味わえる作品。 最終話で、ジグソーパズルが組みあがって、心地の良い絵画になったような、心地よい読後感が味わえる。

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紙の本

心落ち着けるミステリー

2019/02/16 20:23

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る

読メのお気に入りの方の感想を読んで読んでみたいと思ったミステリー。ミステリーといえば殺人、そして刑事あるいは探偵、ですが、これは日常のちょっとした事件を起点にした非常に心に優しく温かいミステリーでした。7つの短編ですが、最後にはこれらがつながります。まぁよくある手法とは思いますが、この手の展開は大好きです^_^。なんとなく落ち着ける感じの読後感でした!

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電子書籍

論理的で叙情的。

2017/07/25 17:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ishi - この投稿者のレビュー一覧を見る

久しぶりに読みたくなっててっとり早く電子書籍を購入しに来ました。
ハードカバーも文庫も持っているのですが、実家の本棚のどこにあるか判らず。

この本のことを思い出したのはごく最近、英会話レッスンの中で本について話をしたことがきっかけです。
好きな作家は誰か?なぜその本が一番なのか?という質問に拙い英語で「この本を読んだ時に登場人物と同じ年齢だったから」と答えていました。

思い返すとものすごく恥ずかしい理由で通常の会話では絶対に言えない気がしますが、この本に出会った当時の気持ちを正確に顕している気がしています。

そして十数年経った今読んでみたらどんな気持ちになるのかなと思い立ったのですが、ここに寄せられているレビューを読んで同じような気持ちを持った人が沢山いたことに少し感激しています。
(文庫版も続編も読んでいるので正確には十数年ぶりに読むのではないですが)

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紙の本

優しい物語でした。

2015/09/03 14:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミステリーですが、児童文学のような温かさ、やさしさ、安心感があると思いました。小学生でも、その世界観を楽しめる本だと思います。

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電子書籍

ノスタルジーを感じる優しい連作短編推理(日常系)

2012/10/02 11:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:LEGEND - この投稿者のレビュー一覧を見る

何となく「空飛ぶ馬」に近い印象を感じていたら、後でWiki見てなるほどと納得。お気に入りは『白いたんぽぽ』。真雪ちゃんの"ばいばい"が目に浮かぶようでほほえましい。「白いたんぽぽ」もググって、なるほど見たことがあるかもと共感。人の価値観を頭ごなしに否定するのはやめよう(できるかはさておき)と教訓。

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紙の本

陽だまりのミステリアスな風景へ

2004/06/30 18:33

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投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第3回鮎川哲也賞受賞作なんですね。ミステリーで言えば安楽椅子探偵の部類になるのでしょうか。…「ミステリーで言えば」と敢えて書いたのはジャンル分けする必要があるのかと、いつもの事ながら改めて思える作品です。しかし、日常的に身の回りで起こりうる謎解きなのですが、それは主人公が日常的、言い換えれば普通の家庭で普通に成長してきた、ちょっと好奇心旺盛で臆病で恥ずかしがり屋のごく普通の女子大生の目を通して描かれた世界だからで、謎はどんな世界でもミステリアスですから殺人事件などは無くとも立派なミステリーには違い有りません。視点がそれですから、詩的に気取って気分を損なうような文章などありませんが、ストーリーにピッタリ合った思わず感嘆してしまう言い回しなどに、まさに小説としての完成度の高さを見る事が出来ます。見る事が出来ると言えば、実際見てきたように、体験してきたように描写されるストーリーの展開が素晴らしいのと、創作とは思えないような登場人物の存在感を感じます。

 19歳の入江駒子は短大に通っています。本屋で「ななつのこ」を買い感動して作者へファンレターを出そうと決心します。そのファンレターに今、駒子の廻りで起きている不思議な事件を併せて書いてしまいますが、作者からの返事に謎を推理した解答が書かれていました。それから、何かある度に駒子は作者へ手紙を書くようになります。そして、7つの謎を解き明かした後に大きな謎が…。感動の解答は?

 「ななつのこ」は本作品の題名でありますが、作品中に主人公が買った本も「ななつのこ」であります。この本も謎解き本なのですが、その小説内小説とも言うべき本の内容が語られ、それに準じた事件が起きてそれを解くという2重構造になっています。凝ってますね。しかし、それはそれで大きな伏線にもなっている優れものなのですよ、この本は。
 今の世の中、我先にと主張する事に明け暮れている輩ばかりが多くて閉口しますね。躾のされていない幼稚園児と過保護の親たち、我が儘だけの小学生と学歴偏重の親たち、規則やルールを無視して平気な中学生と叱れない親たち、やる事は大人の高校生と諦めた親たち、遊び呆けている無学の大学生ととりあえず卒業だけが願いの親たち、怠け者のくせに人のせいにする暴走族と取り締まれない警察、遊ぶ金欲しさの売春と買うのが遊びの買春、利益誘導の有権者と理念のない政治家、…ふぅ、こりゃキリがない…と、まあ下から上まで、小から大まで、左から右まで、様々な人が様々な立場で様々な方法を使い主張する事に明け暮れている。主張ばかりが大手を振って歩き、真面目に、いや普通に生きて行く事が難しい。
 爆音を轟かせなくても、言葉にしなくても、他人を振り返らせ心に訴える方法は幾らでもあるのですね。タンポポの色を白く塗ったって良いじゃないか。…いや、良いじゃないかじゃ無いぞ、白いタンポポだって有るのだ。はやてが飛び回った村だって駒ちゃんの街だって、ぼくらのすぐ側に有るじゃないですか。

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紙の本

なぜ、空は青く、タンポポは黄色いのか

2004/02/23 18:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あふらま - この投稿者のレビュー一覧を見る

子供のころは誰もが持っている“好奇心”

 なぜ、空は青いのか
 なぜ、タンポポは黄色いのか

大人を困らせるこの類の質問は、
いつのまにかやめてしまっている。

「いったい、いつから疑問に思うことをやめてしまったのでしょうか?」

主人公の入江駒子が、その表紙に惹かれて購入した『ななつのこ』の
作者に宛てたファンレターの中で書いたこの一文は、
本作の内容を非常によく表している。

 ・いなくなった友達の飼い犬
 ・アルバムからなくなった1枚の写真
 ・保育園の裏庭に突如あらわれた大きな恐竜のおもちゃ
 ・タンポポを真っ白に塗る少女

駒子は、自身の日常に起こった小さな謎を、
『ななつのこ』の作者のファンレターに綴り、
作者は、返事の中でその謎を客観的に解いていく。

また、本書に収められている7つの短編は、駒子が購入した
『ななつのこ』の作品とも絡みながら進んでいくという、
面白い形態をとっている。

最後に収められている表題作「ななつのこ」は、
色々な意味で、それまでの短編のまとめ的作品なので、
本書は、順番通りに読み進めることをお勧めする。

遠い昔に置き忘れた好奇心を思い出し、暖かな気持ちになれる一冊。

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紙の本

「いったい、いつから疑問に思うことをやめてしまったのでしょうか?」

2002/07/31 17:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者: 青 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「君は夏休みの宿題を自分でやらずに、人のを写したでしょう? それはものをとったとおんなじことよ」

 三章の『一枚の写真』の中で、あやめさんはそう言いました。

 この話を読んで、私はすごく気が楽になりました。私はすごく心の狭い人間で、学校でノートを写させてくれと言われる度に、いつも嫌な気持ちになっていました。私がいつも時間に遅刻せずに学校に来て、つまらない授業でも眠らないよう気を付けて、一生懸命書いているノートをタダで見せろと仲良くもない人に——それもほとんど知らない人に迫られるのは、本音を言えばとても苦痛でした。

 けれども、それが私のように心の狭くない人間だったなら「いいわよ、どうぞ」と優しく言えるだろうと思うと、そしてまた、たかがノートを写させることも嫌がるなんて、なんて狭量な、性格の悪い人間だろうと思われるのだと勝手に想像しては、持ち前のつまらない矜持を発揮して、無愛想な顔しかできないまでも、たいていは「はぁ、どーぞ」と貸してしまうのでした。
 主人公の駒子なら、「なんて自分ってヤツは、プライドのない、なあなあ人間なんだろう」と自己嫌悪に陥るところかも知れません。でも私は、駒子ほどにもプライドのない、自分に甘い人間なので、自己嫌悪に陥る前に、ノートを貸して欲しいと言った人たちに八つ当たりしてしまうのでした。「何で授業に来ないんじゃ!」「この講義を取った以上、まじめに講義を受けるか、さもなければ潔く諦めるかどっちかにしろや!」と。そして「今日はいつも『ノートを貸せ』と言ってくる人は来ないのかな」「でも遅刻してくるかも」「授業終了と同時に急いで教室を出よう」などとくだらないことをいつも考え、そんな自分がますます嫌いになりました。

 けれどもこの『ななつのこ』の、はやてが宿題を写したことを恥じ入るところを読んで『ああ、そうだ。なぜあの人たちは恥じないのか。あの人たちは恥じ入るべきなのだ。私は恥じ入ることは何もない。ただ、快くノートを貸して、その人たちがいつか恥じ入るのを見守っていればいいのだ』と思うことができました。(←これもひどいか・・・(^^;))ノートを貸すこともできない私、ノートを貸せと言われることを嫌悪する私、ノートを貸せと言った人を憎む私は恥じ入るべき、ひどい、性格の悪い人間ですが、きっと、ノートを快く貸し、その人たちがいつか恥じ入ってくれますようにと思う私は、前よりはマシな人間となるでしょう。

 ……何だかやっぱりちがうような気もしてきましたが、気が楽になったことは確かです。次からは、以前ほど嫌がらずにノートが貸せることでしょう。(……そうだといいなぁ(^^;)

 私以外の方も、この本を読み、ほんの一行でも『気が楽になる言葉』を探し出せることを祈っております。

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紙の本

残酷な現実を見つめ、それでも最上の選択をしようとすること

2009/10/03 22:28

10人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

『モノレールねこ』がおもしろかったと書いたところ、
加納朋子さんなら、初期作品の『ななつのこ』が
特に好きだというコメントをもらった。

「ななつのこ」???

自分は言葉が入ると
自動的に脳内検索をはじめるようにできているらしい。

悲しいことに童謡の歌詞とそのイメージ、
そしてあろうことか替え歌しか出てこない。

はい、書名で検索ね・・・。

ハードカバーは1992年9月出版で、文庫は1999年8月出版、
『ななつのこものがたり』というのもあるのね?

おんなじ表紙で、似たタイトルの本がなぜあるのかな?

そうか、作中作があって、それが絵本になっているのね。

「駒子シリーズ」?

シリーズだったのか・・・。

さて、何冊あって、どの順番なの?

あんまり、多いと全部追っかけるにはパワーがいるけど・・・。

・・・

・・・

よかった、3冊だった。

『魔法飛行』、『スペース』と続くのね。

どちらも文庫まで出ている。

今から追いかけても追いつけそうだ。

でも、いきなり3冊全部は買わない。

まずは、最初の1冊で気が合うかどうか、なのである。

と思っていたのも最初だけで、読了した瞬間に、
なぜ3冊1度に買っておかなかったかを激しく後悔したのだった。

そして、ここにやたらと饒舌に本書と出会った経過を書きつけているのは、
悔しかったからに他ならない。

今はたくさんの読書時間を確保することができる環境にあるので、
まるで過去の空白を埋めるかのように本を読み、
ここにその記録を書きつけている。

だが、いくら今たくさん本を読んでも、本を読むのは今の私である。

時間を巻き戻して、子どもの頃や若い頃の私が読書をするわけではない。

本書については、もっと早く出会いたかった。

そして、今日までに何度も何度も何度も読み返してみたかった。

時代設定的に90年代に大学生というところが自分の時間と重なっており、
また住んでいる地域も私が高校まで過ごしていた地域に近いというのもある。

なんとなくまとっている雰囲気が似ているところが
たくさんあって、妙な親近感を覚えたからかもしれない。

この本が出たときに出会って、駒子が読んだ『ななつのこ』を
私も読んでみたいと思いながら時を過ごしてみたかった。

インターネットの時代になる前に、
誰かに本気でファンレターを書いてみたかった。

そうやって時を過ごしたなら、『ななつのこものがたり』は、
リッキーさんが書くように、心待ちの書になったに違いない。

なぜなら、私は、作中作の『ななつのこ』にも
ほどなく惹かれたからである。

本書が生まれる前に作中作の『ななつのこ』は
もう存在したのではないかと思ったくらいだ。

そして、駒子の「ファンレター」は、
同時に、明らかに読者書評だと思ったのである。

駒子が読んだ『ななつのこ』を、私どのように読むのだろうか。

もう、第1章を読み終わる前から、それが頭を占めていた。

どこか天然ボケキャラの駒子だが、
ファンレターには、こんな鋭いことを書いている。

  一見童話のような要素を多く含みながらも、
  子どもには理解できないような(むしろ理解を拒むような)
  箇所が随所に見られるからです。

  そして物語が途中、いかにファンタジックになろうとも、
  最後にはときとして残酷なほどに
  現実を見据えて幕を閉じます。

  読んでいてふと、ファンタジーとは残酷な現実を
  飴でくるんだものではないかと考えたりもしました。

  幻想が内包するものを、垣間見た気もします。

  そんな厳しい現実の中で、
  主人公の少年は確実に成長していきます。

  その成長の過程が、はやて少年を
  生き生きと魅力的にしています。

年齢が若い人の手による、私なんかよりも
ずーっとずっと練られた表現を見ると、
心底悔しい気持ちになるのだが、
それと同じ感情を作中人物に対して持つ
という変な状態になってしまった。

読み進むごとに、天然ボケだけじゃない
駒子の深い部分が少しずつ見えてきて、
この手紙の駒子と普段の駒子が次第にかみ合うようになってくる。

本書と駒子が読んだ『ななつのこ』は、7つの章ごとに呼応している。

駒子の世界 ― 駒子が読んだ『ななつのこ』の世界

1 スイカジュースの涙 ― すいかおばけ

2 モヤイの鼠 ― 金色のねずみ

3 一枚の写真 ― 空の青

4 バス・ストップで ― 水色のチョウ

5 一万二千年後のヴェガ ― 竹やぶ焼けた

6 白いたんぽぽ ― ななつのこ

7 ななつのこ ― あした咲く花

そして、問いを発する者と問いに答える者が
駒子の世界にも『ななつのこ』の世界にもいる
という意味においても共鳴している。

その意味では、駒子のファンレターは、
駒子の読んだ『ななつのこ』の書評でもあり、
本書の書評でもあるということにもなる。

読んでいる間に、心が大いに動いた作品でもあった。

確かに誰も死なないし、刑事事件は起きないけれど、
どの事件もなんだか複雑な気持ちにもなった。

残酷な現実が見え隠れするせいだろうか。

お話であっても、確かに私達が生きていかなければならない
世界の現実がまざまざとそこにある。

これは、『モノレールねこ』を読んでいて感じた何かと同じ気がした。

それは、初期から今までの彼女の作品の底に
変わらずに流れる何かということになるのだろうか。

その人がその行為を選択するのには、
外から見てわからなくても、
傍から見て理不尽であったとしても、すべてに理由がある。

そして、皆見えないところで、
様々な喪失―ときには大切な者の死のような大きな喪失―に耐えているのだ。

その現実があった上で、悩んだ上で、
それでもその中で最上の答えを出していこうとする姿勢が
すべての謎解きの根底にあるのだと思う。

タイトル付け、名付けが深いのも、
初期作から今まで変わらないものである。

本書も「ななつのこ」でなければならなかったのだ。

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紙の本

読書歴

2008/11/22 00:11

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

ななつのこ 加納朋子 創元推理文庫

 短編の連続モノです。最初は、児童文学を読み始めたような感じ、ラストで、この著者さんは天才だ! 胸がすーっとします。こういう推理小説もあるのだなあ。作家になるべくして生まれてきた著者さんだ。
 わたしにとって共感を呼ぶのは、わたしが過去に読んだ本を著者さんも読んでいたということがわかることにあります。同じような読書歴をたどってきたのです。
 わたしは友人・知人と本の話をしようとしても話が合いません。本を読まない人たちです。以前、話が合う同僚がいたのですが、退社してしまいました。とても淋しかった。

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紙の本

「七つの子」の歌が聴こえてくる

2007/01/05 23:42

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:白くま子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

連作短編集であり、7つの章からなる。
どの話もよかったが、特に6つ目の「白いタンポポ」は印象に残った。タンポポの花の絵を真っ白に塗る、小学校1年生の真雪ちゃんの話である。
読み終わった後「白いタンポポは確かにあるのです」という言葉が心に浮かんだ。本文には直接出てこないが、気が付いたら頭の中で繰り返していた。そしてこれまた気が付いたら泣いていた。
そういうとき私の場合は、どこかに「泣かせのツボ」があって泣くことが多い。だがこの話の場合、私にとっての「とどめの一言」が特には見当たらないまま、ふと我に返ったら涙が流れていた、という状態であった。
真雪ちゃんのような年の頃はもちろん、年をとって大人になっても、誰かに肯定してもらうということは、なんと嬉しいことであろう。人と同じ色に染められない部分が、誰にだって1つはあると思う。それを頭から否定されることを、悲しいことに私たちは子供の頃から幾度も経験し、慣れてくるのである。その「人とはちょっと違う部分がある」という“火種”が大きくなってくると、嘲笑され、馬鹿にされ、そして「いじめ」に・・・となってくる。だから年を重ね、経験を積んだ末に、慣れざるをえなくなるのである。しかし幾度経験しても、幾つになろうとも、そして慣れていようとも、やはりその度にどこかで傷ついているのである。だから、誰かが「白いタンポポは確かにあるのです」と、ただ肯定してくれるだけで、いい大人になった今でも、嗚咽がこぼれて、涙が止まらなくなるのだ。自分が長い年月をかけて、これほど傷ついていたのかと、自分自身で改めて思い知って驚くほど、泣ける話であった。
3つ目の話の「一枚の写真」も大好きな話である。子供の頃に、同級生にアルバムから盗まれた写真が、19歳になったときに、その盗んだ本人から郵送されてくる、という話である。
これはもう、盗った女の子の側、盗られた女の子の側、双方の昔と今の気持ちが、同じ女性として、言葉や理屈ではなく分かるように感じて、心に深く染みてくる話である。
この「一枚の写真」の話の中に、二重構造で出てくるもう1つのお話「空の青」の中で、はやてくんとその仲間の少年たちが、夏休みの宿題の絵を書く場面がある。真っ赤な夕焼けの村、お祭の夜の花火、夕立の曇り空、端から端まで全部山、といった絵である。青い空の絵が1枚も無いのにはわけがある。青い絵の具が何者かに盗られてしまったことと、困り果てた少年たちに「空は青いばかりじゃ、あるまいに?」とアドバイスをしたおばあさんがいたことなどから、それらの絵が生まれたのである。無くなった青い絵の具はどこにいってしまったのか?この「謎」には、それは美しい謎解きが待っている。
しかしまあ、なんと美しい話の数々であろうか。白いタンポポ、青くない空、みんな温かく肯定してくれる人が、この本の中には存在するのである。その人、その事実を、そのまま普通に受け入れて、抱き留めて、日常は続いていくのである。
ふるさとの自然と思いが満ちた、夕焼け、夕立、花火の夜、山、といった子供たちの描いた絵、そしてこの文庫本の表紙の、郷愁あふれる美しい絵。これらの絵を言葉にして物語にすると、この本の中身になる。そのような本である。

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紙の本

日常の謎の名手は、デビュー作でとんでもない作品を放っているのです。完膚なきまでやられましたよ、まったく。

2017/05/17 00:32

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

ななつのこは加納朋子さんのデビュー作である。
七つの連作短編である。
主人公の駒子が,ふと手に取った絵本から話が始まる。
駒子の日常に起こる様々な出来事と,絵本の展開,絵本の
作者との交流が絡み合い,入れ子構造の凝った作りである。

Wikipediaでは,特に初期の頃は北村薫さんの影響が強いと
あった。一話目を読んだ時,北村薫さんの空飛ぶ馬の影響が
強いようにわたしも感じた。
でも読み進むにつれ、そんなことはどうでもよくなるくらい作品の
世界に浸ることができた。

手に取った理由は、北村薫さんを気に入って読み進めていくうちに、
他の作家さんも読み広げていきたいと考えたからである。
読書にはまり始めたころだったため、経験も知識も全然少ない
中で日常の謎という言葉も覚え、加納朋子さんを見つけたことは
非常に幸運であった。

こころ安らぐ話が多いため,ひとつひとつ読み進めていた。
ところが,デパートの上からビニール製の大きな恐竜の遊具が
消えるというお話を読んだ時,所詮,二番煎じだと勘違い
したのである。

場面設定からトリックが手に取るように分かる。
こういったことが起こらないように管理が徹底されるのは当たり前。
ゲンバを知らんのかと私は勝ち誇った気になってしまった。
この本を読んだときは読書経験が浅かったからしょうがないかも
しれない。致命的な誤読である。

本作は,七つの短編ばかりでなく,一つの長編としての意味も持つ。
最終編で,ひとつひとつの宝石がネックレスとしてつながる瞬間,
全ての謎が解かれる。そのとき自分の浅はかさを知ったのである。
こんな凝った作りの本に出会ったのは初めてだった。衝撃だった。

書評も書き始めの頃であり、そのときはじめて上から目線で
読んでいた自分に気付き恥ずかしく思った。
分析は重要だけれど、真摯な心で読書に望む重要性を深く
学んだのである。

恐竜の謎以外にも、白いタンポポという話にも参ってしまった。
この一冊に出会ってから、全巻読破対象にさせて頂いている。

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