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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.5 658件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2002.11
  • 出版社: みすず書房
  • サイズ:20cm/169p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-622-03970-2

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紙の本

夜と霧 新版

著者 ヴィクトール・E.フランクル (著),池田 香代子 (訳)

心理学者、強制収容所を体験する−。飾りのないこの原題から、永遠のロングセラーは生まれた。原著の改訂版である1977年版にもとづき、新たな訳者で新編集。人間の偉大と悲惨をあ...

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商品説明

心理学者、強制収容所を体験する−。飾りのないこの原題から、永遠のロングセラーは生まれた。原著の改訂版である1977年版にもとづき、新たな訳者で新編集。人間の偉大と悲惨をあますところなく描く。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

ヴィクトール・E.フランクル

略歴
〈ヴィクトール・E.フランクル〉1905〜97年。ウィーン生まれ。実存分析やロゴテラピーと称される独自の理論を展開。55年からウィーン大学教授。著書に「死と愛」「フランクル回想録」など。

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著者/著名人のレビュー

1月27日は国連によ...

ジュンク堂

1月27日は国連によって定められた
「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」です。

1945年のこの日、アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所が解放されました。
今日は、あまりにも有名な本をここに置きます。
収容所に捉えられて4年間、その中での凄惨な光景を見つくし奇跡的に
生還した心理学者・精神科医による、その体験記を。

【折々のHON 2011年1月27日の1冊】

書店員レビュー

ジュンク堂書店新潟店

大戦時、アウシュビッ...

ジュンク堂書店新潟店さん

大戦時、アウシュビッツを中心とするナチ強制収容所を生き抜いた心理学者の体験記である。
強制収容所といえば、そこでの残虐行為などがどうしても先立って想起されがちであるが、本書はそういう極限状態に置かれた人間の心理的変化を克明に綴ったものである。
いつ終わるとも知れぬ絶望的な毎日を送る中で、被収容者たちは生きる目的すら失ってしまう。段階を追って心の反応が描かれる様は痛ましい限りであるが、そこで著者の言った、なぜあるいはなんのために生きるかではなく、生きることは我々からなにを期待しているのか、未来には何かが待っている、というのは被収容者たちに大きな希望を与える。人生の尊さを改めて考えさせられた。

人文科学書担当 西村

みんなのレビュー658件

みんなの評価4.5

評価内訳

紙の本

人間の本質を真実から記述した哲学書

2012/09/24 23:55

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pappy - この投稿者のレビュー一覧を見る

ユダヤ人強制収容所での生活体験から過酷な環境に生きる入所者の心理を心理学者の立場で綴ったもの。限りなく死と隣り合わせに生活する中でも徐々に「慣れる」ことができたことから、「人間はなにごとにも慣れる存在だ」とするドストエフスキーの言葉を裏付けた。
文字通り必死に生きようとする中で、人間の感動は消滅するが、一方ではささやかな出来事にも感動するようになる。もはやなにも残されていなくとも愛する妻に思いをはせることは、心の支えとしての伴侶がいかに貴重かを思い知らされる。人間はひとりひとり、どのような状況にあっても、自分がどのような精神的存在になるかについて、何らかの決断を下せるのだ、とは、つい境遇に甘えて不平を口にしてしまう我が身に重く反省を強いる。
強制収容所で亡くなった女性の「運命に感謝しています。だって、わたしをこんなにひどい目にあわせてくれたんですもの」という言葉には、つまらないことをくよくよと悩んでいる我が身を思わず羞恥心で満たした。
生きる意味を考えるのではなく、生きることが私たちからなにを期待しているかが問題なのだ、との命題には今後も考えていく必要があるだろう。苦しむとはなにかをなしとげること。つまり苦しむことでさえ課題だったのだ。
極限状況で詳細に自分と他人との心理を観察して分析した記述には真実があふれており、机上の論理を積み重ねただけの多くの哲学書が色あせて感じられた。

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紙の本

尊厳ある人間とは

2014/05/01 13:21

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:座敷童子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

終わりの分からない収容所で、人はどれだけ人として生きていくのか、という命題に対し、自分ならどうかと絶えず問い合わせをしながら読み通した。

精神力の強さが最後に生死を分けることの事実に、そして精神の崇高さがたとえこの世の地獄という状況下においても、幸福さえも感じられるという事実に愕然とした。

そこに宗教という形而上的な存在が介入してくるのかもしれない。

精神医学者が書いた書籍ということもあり、極限状態の人、開放された後の人、それぞれの人としてのあり方に、冷徹な観視感が見えてくる。

戦争はどれだけ人を貶めることが出来るのかという警鐘の、必読書。

安倍晋三に、そして戦争オタクに薦めたい。

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紙の本

人間の魔性の狂気

2014/06/11 18:31

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:笑顔さん - この投稿者のレビュー一覧を見る

同じ人間がこうも同じ人間に卑劣な残虐な行為をするのは間違っているし、する方もされる方も、取り返しがつかない傷がつく。

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紙の本

夜と霧 新版

2015/08/30 23:00

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る

ジークムント・フロイトに精神医学を学び、ウィーン大学医学部精神科教授を務め、学者としても「実存分析」を唱えるなど、世界の精神医学・脳外科医学に多大なる貢献をしたヴィクトール・エミール・フランクルは、ユダヤ人の血をひくが故に、ヒトラー率いるナチス政権から様々な迫害を受けた。職を解かれ、ドイツ人に対する治療を禁止された。それのみならず、結婚9ヶ月語には強制収容所に送られた。両親と妻はその後別の収容所に送られ、再会することはなかった。彼は悪名高きアウシュビッツ収容所に送られが、幸運にも3日後には別の収容所に送られ、無事に生き延びた。
この本は、収容所生活を淡々と綴ったものである。収容所での生活は「生きているの不思議」といわれるほど過酷なものであるが、これだけ酷い目に遭ったにもかかわらず、彼は政権に対する恨み辛みを一言も言わず、淡々と日々の出来事を綴っている。その姿勢に、胸を打たれる人は多いだろう。本書は1956年の初版以来、長らく霜山徳爾の翻訳で発行されていたが、12年前に池田香代子の新訳が出たが、ここで紹介しているのはそちらの方である。かように過酷な体験をしたのに、なぜ彼はユーモアを絶やさないことが出来たのか?それが不思議である。

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紙の本

極限の人間

2016/01/31 22:49

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちくわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

先日読んだ『エンデュアランス漂流記』にも通じるが、極限状態でどのように目的意識を持つことが重要なのか考えさせられる。
ただ、南極で沈没した船と違うのは、相手が同じ人間だということ。また、家族や仲間が待っていてくれているかどうか分からないということ。
同じ人間に人間以下に扱われても、人間の尊厳を守ることの出来る人とすぐ諦めてしまう人。ほとんどの人が先も見えない状況で生きることを諦めてしまう。
加えて、家族や大切な仲間も同じ境遇にあるかもしれないという状況で、心理学者である著者がどのように考えていたのか。
最後に記載されている文章。
「人間とはなにものなのか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とはガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。」

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紙の本

名作

2016/02/02 11:11

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校の教科書で読んだ以来、6年ぶりに手に取った本。精神分析学者がナチス強制収容所にいた時の体験をつづった名作。今回読んだ池田訳は高校生向けに書かれたとのこと。読みやすい。昔、高校の教科書に載ってた「夜と霧」は霜山訳かな?

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紙の本

死ぬまでに読むべき1冊

2017/03/12 17:00

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Len - この投稿者のレビュー一覧を見る

その人の本当の強さは極限状態にこそ現れる。この本に出合うまではそう思っていた。

でも強制収容所から生きて戻ることができた人と,そうでなかった人との違いは
その人が強い弱いでなく,偶然が重なっただけに過ぎないのだと。
極限状態を支える希望すら,いともたやすく絶望へと反転する現実。

ネタばれになるが,最も震撼したのは
ナチス敗北で兵士が撤退する最中,筆者・フランクル自身が乗り損ねた強制収容所脱出のバスの終点。

本来,あってはならないはずだった過去の出来事。
忌まわしい事実を記録に留め続け,後世に残した筆者に敬意を払ってやまない。

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紙の本

あのとき、なにが起こっていたのか

2017/04/22 09:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さびねことほんだな - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画を見ているかのように、フランクル博士が見た情景を再生できる一冊です。
難しい本なのだとばかり思っていましたが、新訳のおかげか、ただ読む分には全くストレスは感じません。ただ、描き出される情景があまりにも克明なのでページをめくる手が何度か止まりました。
歴史を繰り返してはいけない。なぜ?
その答えがここにあると思います。

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紙の本

夜と霧

2017/11/24 18:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る

一度は読んでおくべき本だと思います。

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紙の本

「日常」に苦しむ人への書

2002/11/30 01:19

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岑城聡美 - この投稿者のレビュー一覧を見る

衣服をはぎ取られ、毛髪まで刈り取られて、被収容者番号と引き替えに、「名前」を奪い取られる。そうして強制収容所での生活は始まる。奪われるのは物質的なものに留まらない。被害者達は、過酷な労働と絶え間ない罵倒の言葉、理由の無い殴打によって、希望を、精神を、ついには魂を奪われてゆく。このように、本書はアウシュビッツに代表される悲劇の顛末を事細かに書きつづったドラマとして読むことも可能である。
多くの人は「強制収容所」という言葉を耳にするとき、不幸な過去、少なくとも現在の自分とは無関係な出来事として理解するだろう。しかし本書は、その内容を単なる悲惨な事実の報告に留めてはいない。人間が悲惨な運命に対峙するとき、魂を奪われるままに任せるのではなく、いかにたくましく立ち回ることが出来るか。まさに今苦悩の中にいる人々が鮮やかに魂を浄化させていく様子を、著者は見事に描ききっている。それが想像を絶する苦難の中にあって行われた魂の再生で在るが故に、本書の内容は重厚な説得力を持って読む者の胸に迫る。
著者は言う。苦悩の中にあってこそ見いだせる人生の価値がある、それを可能にするのもしないのも、人間一人一人の、困難に対峙する態度ひとつにかかっているのだと。単なる歴史的資料としてではなく、人生に潜む苦難から立ち上がるための普遍的な魂のありかたを描いた書として、「今」何かに苦しむ人に、是非この本を薦めたい。

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紙の本

どんな時でも希望を

2002/12/08 13:33

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さぶこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間、どんなに悲惨で苦しい状況にいようとも希望をもって、かすかだけれでもトンネルの向こうの光を目指せば、どんなに暗く長い道だとしても抜けられるのだと教えられました。教訓書でもなく、理想主義でもなく、淡々と事実を綴っているこの本に、胸を打たれます。文学と芸術は国境を越えられるのだと心から思います。言葉の違い、肌の色の違い、目の色の違い、髪の毛の色の違い、思想の違い、そういうものを乗り越えて、この本は人々の心に訴えかけ続けていくのでしょう。出会ってよかったと思える一冊です。

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紙の本

訳者・池田香代子さんのインタビューもお読みいただけます。

2002/12/27 13:35

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『世界がもし100人の村だったら』『ソフィーの世界』などの話題作を手がけた池田さんが、みすず書房のロングセラー『夜と霧』を改訳されました。新版に込めた思いと「100人村」からのメッセージをうかがいました。インタビューはこちら。

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紙の本

高校生や大学生にぜひ読んでほしい

2003/01/09 19:41

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pipi姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ナチスの強制収容所でなにが起こったか、今や多くの人が知っている。
 映画で、TV番組で、TVの戦争特集で、小説で、漫画で……。

 今更もう新しい知見などない? そうだろうか。強制収容所に暮らし、そこから奇跡的に生還した心理学者が極限の状態の中で何を見、何を感じ、何をしたか、つぶさに知ることは、単に古くおぞましい記憶を手繰り寄せ反芻すること以上の意味をもっている。

 第二次大戦後、「アンネの日記」とともにロングセラーとなって読みつがれてきたという本書を、恥ずかしながらわたしは読んだことがなかった。このたび、新版に基づく新訳が出版されたのを知って初めて目にしたわけだが、訳は平明で読みやすく、やはり評判どおりの深い示唆に富むすぐれたドキュメントだった。

 
 ユダヤ人でかつ高名な心理学者である著者が、自分をも分析対象にして、強制収容所での人々の心理状態をつぶさに著していく。いわば、「参与観察」の結果が本書の内容なのだ。ここでは、絶望の中で人はどのように生き延びるのか、あるいはその絶望ゆえにどのように命を落とすのか、心理学者の克明な描写が胸をえぐる。

 平和な時代、「極限の状況」などに陥るはずのないわたしたちですら、ここに書かれた内容が、人はいかに生きるべきかという普遍的なテーマにつながることをひしひしと感じる。ある意味で人はいつだって極限状況に陥りながら生きているのだ。希望と絶望は常にわたしたちのまわりをゆらめき、大きな重圧に、あるいはさまざまな些細なことにすら心が押しつぶされそうになる。

 心が疲れているときに読めば、きっと励ましになることが書いてある。いわば説教臭い教訓が書いてあるともいえるのだが、その言葉が空疎に響かない。ホロコーストを生き延びた人の魂の奥底から出た言葉には普遍的な力がある。

 収容所で人間の尊厳を生きのびさせる力が<知性>であったことを心に刻もう。人のよすがとなる最後の品格を支えるものは知性だ。そして知性は豊かな感性に裏打ちされる。

 わたしが教師なら、夏休みの課題図書に選定したい。若人よ、ぜひ読んでほしい!

 そして本書を読んだら、次は「カフカの恋人ミレナ」(平凡社ライブラリー)を読もう。ナチスの収容所で最後まで誇りと明るさを失わなかった知性溢れる女性の生涯が描かれている。

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紙の本

収容所体験を超えて勇気を与えてくれます

2003/03/08 23:15

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:矢野まひる - この投稿者のレビュー一覧を見る

 旧版は確か中学生の頃読んだ憶えがある。当時は子供だった&アホだったので(今もだが)、よくわからなかった。同じ頃読んだ「アンネの日記」のほうが、書き手との年頃が近いこともあって、こんなに隠れなくちゃいけなくても、それでもやっぱりいろんなこと思ったり感じたりするよねえ、とごくシンプルな共感の仕方をしてたような気がする。

 で、「夜と霧」。強制収容所に収容された精神科医の先生の手記です。半世紀もの間、美しい本として読み次がれてきた古典なのですが、その意味があらためてわかりました。収容所での人を人とも思わないすさまじい体験が描かれるのですが、言いたいのはそういうことじゃない。

 この先生、「こんな状態でも、それでも人間は人間としての尊厳を失わないものなのか」とただただ驚愕しているのです。そういう本です。

 後書きも素晴らしい。旧版訳者霜山徳爾氏と新版訳者池田香代子氏がおふたりとも書いている。霜山氏の著者との思い出や、新訳に対する暖かい理解と思いやり、池田氏の著者と霜山氏に捧げられる敬意の言葉に、じんと来てしまいました。旧版もあらためて読んでみたくなりました。

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紙の本

この体験は、永く後世に伝え、戒めとすべき

2003/03/30 19:56

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人間の精神は何処まで高貴に、また下劣になりうるものか。第二次世界大戦修了後58年経ち、ホロコースト、アウシュヴィッツ、といっても、何のイメージも持たない人が、多くなっているだろう。人間が人間に対し、どれほど残虐非道になり、残酷且つ愚劣になるか、ここに歴史の悲惨な現実が在る。同じ人間として、自分の中にものこの性向があり得ることを、恐ろしく思う。また、強制収容所の組織的集団虐殺の中で、いつ殺されるか分らない極限状態に在りながら、このような心理学的観察と分析をなしえた精神力と、人間としての尊厳を失わなかった著者に、感動を覚える。この体験は、永く後世に伝え、戒めとすべきである。

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