月と茉莉花
エン国太子の煬大牙は、自国を裏切った国“湘”を滅ぼし、目の見えない湘の第一公子を捕虜にする。その公子は名も無く、湘王である父に廃嫡とされ、存在すら認められず北の離宮に幽閉...
月と茉莉花
商品説明
エン国太子の煬大牙は、自国を裏切った国“湘”を滅ぼし、目の見えない湘の第一公子を捕虜にする。その公子は名も無く、湘王である父に廃嫡とされ、存在すら認められず北の離宮に幽閉されていた。それでも潔く覚悟を決め、亡き湘と運命を共にしようとする儚げで美しい公子に、大牙はいつしか心惹かれ始めるのだったが――。切なくも甘い、魂を揺さぶる感動の歴史ロマン。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
漢詩の雅な世界を彷彿とさせるような…
2003/07/06 23:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:由似 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに素敵な歴史小説に出会った。
雪舟薫のカバーイラストに惹かれて手にしたのだが、
これがどうして、表紙の雰囲気そのままの美しく、荘厳さ
さえ感じさせる作品だった。
時は、三国志の世界にも似た時代設定である。
3つの大国と6つの小国が並び立つ中原という所で、
淡という国が、荊という隣国を滅ぼした。
淡に対して危機感を感じた隣国の湘は、慌てて淡に同盟を
申し入れ、両国は同盟を結ぶが、ある日、湘は突然同盟を
破棄し、淡に攻め込み、結果、淡に滅ぼされる。
敗国・湘の王族は、淡国の王太子・大牙によって九族連座
の刑にされてしまう。
やがて大牙は、湘国の王族の唯一の生き残り、水月(月心)
の存在を知る。
湘王の嫡長子でありながら、全盲ゆえに廃嫡され、
存在すら認められず、王宮の片隅に幽閉されていた水月は、
亡き父王と運命を共にしたいと大牙に申し出る。
しかし、大牙は、水月を虜囚として生かすことに決める。
やがて、優しく儚げで美しい水月に、大牙は強く心惹かれる
ようになり…。
美麗な衣装の表現や、風雅この上ない人物描写、随所に
効果的に引用される漢詩。どれをとってもため息が出るほど
美しい作品である。また、何に対しても欲がなく、育ちの良さ
が漂う月心(水月)に対して、激しいまでの愛情を注ぐ大牙。
静かで穏やかな月心に苛立ち、自分同様の、いやそれ以上の
愛情を向けて欲しいと望む武人・大牙の情熱と不器用さ、
一途さがまた微笑ましい。
もと敵国の王太子たる月心が、今後、大牙にどのような影響を
与えていくのか。
素晴らしい歴史小説なだけに、政治的な駆け引きも見たいところ。
続編が楽しみである。
しっとりとうつくしい
2003/07/16 15:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミントティー - この投稿者のレビュー一覧を見る
甘く、ちょっぴり切なくてしっとりとうつくしい物語です。時代ものが苦手なわたしですがこの一冊は本当に面白く読ませていただきました。色っぽいシーンもなかなか素敵ですよ。イラストの雪舟薫さんもすごくいいです。おすすめです。
雅な中華風歴史ファンタジー
2022/03/22 20:26
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭、大牙は閨で親しみを込めた呼び方をした盲目の月心の頬を打ち、初っ端から印象は最悪です。
読み進めても大牙のことはあまり好きにはなりませんでしたが、火烏との漫才のようなやりとりは楽しかったです。
物語に入り込めて一気に読みました。
雰囲気
2021/12/04 18:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱぐぱぐ - この投稿者のレビュー一覧を見る
雰囲気があり、冒頭から、その状況に引き込まれます。
息遣いが、耳元に聞こえるようです。
目の前に景色が浮かんできました。
俺様太子と盲目の佳人
2024/07/17 16:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
しっとりとした雰囲気が素晴らしい。
太陽のように力強い太子が出会ったのは視力を失くした美しい亡国の公子。
身体の関係から始まった斜め上に自己完結型の二人はお互いに上手く想いを伝えられずに…
すれ違いだらけ。
だけど迷いながらゆっくりと想う気持ちを近付けていけばいい。
良い。とにかく良い。
殷か周の時代?のアジアンファンタジー
2021/02/22 06:40
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M★ - この投稿者のレビュー一覧を見る
紙初版日 2003年6月30日 240頁
BLもので、読み物として楽しめる良作でした。
こんな小説が、BLジャンルにあると知らなかったので、見つけた時とても嬉しかった。
背景は、殷の後の時代かな?周辺りだと思う。
「昔、太陽が10あった」・・・天照大神の原型、『山海経』に載っている、扶桑国の「義和が産んだ10の太陽」の伝承についても触れて居たり、殷の文明の資料をよく調べているんだなー、と感心しながら読みました。
滅ぼされた文明度の高い国:湘の国
湘の盲目の美貌の第一王子は幽鬼扱いされていた。
居ない者として幽閉され、名も無く、
父王から受けた呼称が「水月」=水に映った月=実態が無いもの。
湘の王族は全て処刑されたが、盲目の水月のみ「月心」の名を得て、
皇子が記憶する湘の500巻の書物を文字化する作業の為に、ただ一人生き延びる。
生母譲りの美貌を備えた月心に、王太子・煬大牙が恋慕する物語。
不満は一つ。
BLにしなくてもよかったんじゃないか、と思ったのは、3巻目。
書評情報によると・・大牙が女性の妃を得る展開になって、
どうやら月心が登場しない空白があるらしい。
・・ファンタジーなので、現実にありそうな構成にしなくても良いのでは?
著者、真面目過ぎ。
でも、2003年当時の風潮が、そういう展開を著者に選択させたのなら仕方ない。
ヤオイ云々と取りざたされたころです。
それと、挿絵の著者・雪舟薫 さんが失踪?して、出版延期になった作品らしいのですが、
電子版は挿絵無し。やっぱり挿絵は有った方が、楽しい。
まあ、最後まで読んでみようと思ってますけど。2巻で読み止めするかもしれない。
シリーズ
2017/10/31 19:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
月心のことが大好きすぎる大牙ににやにやしながら読みました。
ストーリーの筋がしっかりしてて、面白かったです。
続きもあるみたいで楽しみですね。