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商品説明
【産経児童出版文化賞JR賞(第53回)】【小学館児童出版文化賞(第55回)】【日本児童文学者協会賞(第46回(2006年))】【IBBYオナーリスト文学作品部門賞】特異な芸能の力を持ち、その能力ゆえに、幼い頃から孤独だった少年と少女が、互いにかけがえのない相手として出会い、恋をまっとうし、生きる道を模索する。平安末期、未曾有の戦が始まる時代を背景に愛を描くファンタジー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
荻原 規子
- 略歴
- 〈荻原規子〉1959年東京生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。88年「空色勾玉」でデビュー、日本児童文学者協会新人賞を受賞。「薄紅天女」で赤い鳥文学賞を受賞。
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イメージしやすい世界観
2016/09/30 23:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:四月うさぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
荻原さんの代表作といえば勾玉三部作を連想しますが、神話の世界が舞台なのでイメージしにくかったのですが、こちらの作品は平安後期が舞台なので映像として思い浮かべるのはあまり困難ではありませんでした。その分、スケールは小さくなったような気もしましたが、作品自体はとても面白いです。
この作品も荻原さんらしい魅力的な人物がたくさん登場します。現実世界でも大層な食わせ者だった後白河法皇と主人公が対峙する場面は、読んでいて本当に興奮しました。物語の初めは、幸薄そうな主人公が心配になりましたが、相手役の白拍子の無鉄砲なほどの明るさに救われ、運命に立ち向かっていく姿に感銘を覚えました。
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勾玉シリーズより好きかも
2015/09/26 09:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
勾玉3部作が神々しさあふれる平安時代だったのに対し、風神秘抄は源平の戦の頃で
人間味がある雑多な雰囲気・多種多様な人々が描かれている。
この現実的な描写の量が、気に入った要因だと思う。
猥雑とした世界だからこそ、糸世の曼荼羅萬壽の花の舞が世にも神々しいものにみえるし、
少年と少女の美しさが際立つ。
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「三部作」好きにはおいしいお話
2005/09/03 15:57
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こう - この投稿者のレビュー一覧を見る
「勾玉」三部作の流れを汲むお話。荻原規子ならではの、へたれ少年(笑)と気の強い少女の恋と冒険の物語。
相変わらず描写が綺麗で、この方の文章は本当に読んでいて気持ちよく思いました。中でも、一番のみどころ、笛と舞のシーンはもう必読です。目に浮かぶような丁寧な描写が本当に素晴らしい。
キャラクタ達についても、主人公の草十郎と、カラスの鳥彦王(『空色勾玉』の鳥彦くんの子孫!)との掛け合いがすごく楽しいです。
なんだか色恋にうとい草十が、カラスに突っ込まれてる所なんかほんと、笑えます。カラスに負けてる十七歳(笑)
彼についても、ヒロインである糸世についても、読者さんの好き・嫌いがまっぷたつのようですが、好みに合えばもう最高(笑)なんじゃないでしょうか。二人とも可愛いです。特に草十は青い。けれどそこが良い。
「勾玉〜」などよりは、色々弱いかもしれませんが、私はこの作品がなかなかに大好きなのです。
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荻原規子ファンにはたまらない一冊
2005/06/25 13:17
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヨシノ - この投稿者のレビュー一覧を見る
平安時代を舞台に繰り広げられるロマンティックファンタジー。主人公が武士の少年で、戦のシーンから始まるので、堅そうな内容に見えるのだが、中身は荻原規子さんらしい“冒険”と“恋愛”がぎっしり詰まっている。特に“西の善き魔女”シリーズが好きな人には楽しめるのではないでしょうか?
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願いの強さ
2016/11/24 16:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史の転換期の中 出会うべくして出会った二人をめぐる素晴らしい物語。失われた糸世を求める草十郎が未熟な少年から腹の座った男になっていく過程はとても読み応えがあった。草十郎がやっと糸世を取り戻した場面には泣けた。流石は荻原規子!
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期待が大きかっただけに、辛目の評価。なんといってもロマンがありません。武士は偉い、愛こそ全てというステロタイプにはまり込んだお話に、夢も希望も消えうせて。でも荻原ならもっと書けるはず
2005/08/17 17:37
13人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
さてさて、期待の本です。我が家では長女も次女も『西の善き魔女』シリーズの愛読者です。私にしても、荻原の『樹上のゆりかご』を書評で絶賛した記憶があります。おまけに、いとうひろしの表紙画がいい。ちょっとカンディンスキーしてて。
さあ、困りました。まず、わたしは源氏が大嫌いなのです。色狂いの源氏物語も嫌いですが、源氏の武士が厭なのです。頼朝もですが、義経も反吐が出るほど嫌です。なんといっても、彼らの眼には士農工商の士、しかありませんから。今で言ったら、代議士か官僚ですよね。ま、彼らには金さえだせば一票をくれる医農工商は大切にしても、リーマンは眼中にない、ね、同じでしょ。
それに武士といえば、要するに人殺しです。働く、といっても民百姓からあがりを掠める点は、搾取する相手がサラリーマンではあっても、現在の役人と同じですし、女と見れば犯す対象でしかありません。しかも、後白河です。ふしだらで遊びと陰謀しか知らぬ上皇、ゲッです。
で、主人公がガチガチの武士至上主義者。武士にあらずば人にあらず。天上天下唯武独尊ですから。しかも、汗水たらして働くよりは笛吹いて遊びたがる。昔の14歳といえば十分に大人のはずなのに、考えが凝り固まっていて、武士や権力をやたら有り難がります。しかも軽率。何が大切か、というところで完全に視野狭窄に陥ります。
自分を客観視できませんから、自分の行動の意味が理解できません。やりたいから、やる。誰が考えたって危ないだろう、というのに自分の特技を披露する。しかも、愛する人を巻き込むことに何の反省もありません。ま、愛する人といっても、それは武士ではないのですから、気にもならないのでしょう。
で、彼は自分の軽率な判断で取り返しのつかないことをしてしまうのですが、それを取り返そうとする態度が、まさに倣岸です。偉そうに自分の大切なものを投げ出す、と言いますが、社会に対して行なってしまったことについては、エラソーに反省する気配さえありません。大体、ひっそりと暮らすことができるのに、権力を過大評価するあまり、ただただ権力に擦り寄っていきます。
ちょうど、同時期に『アンデルセン自伝 ぼくものがたり』を読んでいたのですが、草十郎はまさにアンデルセンですね。まず働かない。他人のいうことに耳を貸さない。有名であることに拘る。ま、アンデルセンよりましなのは、喧嘩に強いことでしょうか。それにしても、逃避行をしているのに、わざわざ都に舞い戻るんです。誰だって分りますよね、捕まるの。
それの繰り返しです。アンチ・ビルドゥングス・ロマンとでも言いましょうか。ま、主人公の草十郎以外は、魅力的です。糸世も「鳥の王」も、その許婚たちも、です。草十郎に比べれば、上皇後白河が普通の人間に見えてきます。アンデルセンに対する校長みたいなものでしょ。主人公が悪すぎて、周囲の悪人ですら、いい人に見える。
何で人間的に成長しない人間を主人公に据えたのでしょう。いや、最後に草十郎は大切なものを捨てているではないか、それが出来なかったことに比べれば、人間としての大きな成長である、というかもしれません。そうですか、結局、草十郎は無名の人々の生命を放置し、ただ自分たちだけの幸福を選んだだけではないですか。いつか、こういう人間は言うのです、俺はお前のために自分を犠牲にしたんだぞ、と。
一人の人間を救えないものに、無数の民を救えるはずがない、それは真実ではあります。でも、一人を人間を救うことが、実は自分のためだけだとすれば、その人には自分しか見えていなかったことにしかなりません。残念ですが、凡百の物語、そう私は断じます。