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出世花 (ハルキ文庫 時代小説文庫)
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収録作品一覧
出世花 | 9−83 | |
---|---|---|
落合螢 | 85−173 | |
偽り時雨 | 175−272 |
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紙の本
主人公の生き方に感動!
2015/10/29 20:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
厳しい運命を背負った少女、艶。
命を助けてもらった住職から名づけられた「縁」として、新たな人生を送ることに。
それも死人を弔う湯灌場での仕事。
「屍洗い」と人々に忌み嫌われる仕事を、縁は一生懸命に取り組み、死者はこの世で受けた苦痛や未練、執着から解き放たれて、穏やかな表情で浄土へと旅立っていく。その縁の真摯な行動、心根に、いつしか皆、感動し、有り難いと思うようになる。
私も、読み始めたころは、死者の体を洗う仕事なんて、なんと恐ろしいことか、と思いながら読み進めたが、読み終わった時には、なんと尊いことかと思いを改めるようになった。
縁の死者への思い、真摯な生き方に、感動を覚えずにはいられない。
紙の本
是非シリーズ再開を!
2013/01/17 11:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひとみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンスタントに発表されていた「みをつくし」を愛読していましたが、お休みを発表された昨年、存在を知り、読みました。
お澪ちゃんに心酔してきましたが、お艶ちゃんの芯の強さに惚れました。
あとがきで高田さんも書かれていましたが、是非シリーズの再開をお願いします。待ってます!
紙の本
高田さんのデビュー作とは知らず…
2020/01/31 15:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:里 - この投稿者のレビュー一覧を見る
湯灌という仕事の存在を初めて知った。その仕事を間近に見ながら、自分の生き方を考えてゆく主人公が健気である。悲運を乗り越えた9歳の子供への周囲の温かさに救われる。
紙の本
江戸時代の科捜研
2019/07/05 12:20
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
故あって、遺体を洗い清める湯灌の仕事をすることになったお縁(えん)という女の子の成長物語です。
『納棺夫日記』をもとにした「おくりびと」という映画がありましたが、お縁の物語は、死者をおくるだけの話ではなく、あまたの遺体と向き合った経験から江戸時代の科捜研みたいなはたらきをするところがおもしろいところです。
もちろん、おもしろいだけでなく、一人一人の人生を慈しむ、あたたかい話になっています。
さすが高田郁。
紙の本
きめ細かな人情劇に感動・感動でした。
2016/11/28 11:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大感動でした。423:『八朔の雪 みをつくし料理帖 [1]』(時代小説文庫、2009年5月18日、角川春樹事務所)を読んで大感動して注目した作家ですが、“みをつくし料理帖シリーズ”から外れる唯一の作品が著者のデビュー作である本作品。初出は2008年6月・祥伝社文庫だったものを、今回、若干の加筆・修正の上、出版社も変えて再版したものとのこと。何しろきめ細かな人情劇に感動・感動でした。こちらも続編が大いに望まれる作品でした。
すっかり“高田 郁”の大ファンになってしまいました。
<概要>
父子を捨てて駆け落ちした妻(登勢)を妻敵(めがたき)打ちのため捜し歩く父子であったが、6年後空腹のため行き倒れとなってしまう。墓寺・青泉寺の住職に発見された父子であったが、父はそのまま他界してしまう。父の湯灌の一部始終を目にした主人公・お艶(9歳)は、父の遺言により“縁”と名前を変えて青泉寺で育てられることになる。やがて成長した(13歳)“縁”は自ら進んで湯灌の手伝いを行うようになり、「正縁」という名前で「三昧聖」として湯灌・死化粧を行うようになり、亡骸を手厚くもてなすことが評判となり「三昧聖」として広く知られるようになり、様々な人々からの葬送の依頼の中で様々な出会い・事件と関連していくことになる。特に、ひょんなことから葬儀の折に“縁”を目にしてすっかり気に入り養女に貰いたいと言ってくれた菓子店・桜花堂の女房・お香が何と!父子を捨てて駆け落ちした実の母親・登勢(駆け落ち相手と心中を図ったが死にきれず、新たに“お香”という名前を貰って新しい人生を歩んでいた)であったという展開には驚愕しました。しかし、その展開の視点が何とも優しさに満ちているというか、基本的に性善説的なのが何とも私好みで嬉しい。その人情の深さに圧倒されるのである。
なお、標題である“出世花”は、主人公・お艶が“縁”、そして半出家して「正縁」=「三昧聖」という名前に変わったことに由来しているが、その母親の“登勢”が“お香”へと名前を変えたことも併せているようで、この母娘の今後をもっともっと読み続けてみたい衝動に駆られるのである。
紙の本
すばらしい旅立ちに出会える一冊
2016/01/03 12:11
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
湯灌。冷たいまなざしで見られがちな屍洗い。自分の職に誇りを持ち、どんな屍であろうとその湯灌に尊厳と情をもって取り組む主人公、お縁。実直な仕事に名声が高まり、お縁の手によって湯灌された仏は、みな苦しみなく浄土へ逝けると噂されるまでになる。お縁を巡るいろいろなドラマ。生母であったお香との関わり。岩吉の悲哀、悲恋。兄のように優しい正念の過去。どれもこれも温かく、そして切なく気がつくと涙が頬をつたっていた。お縁が手がける湯灌の描写は一読の価値あり。荘厳で慈愛にみちた旅立ちに立ち会える幸運は本書でしか味わえない。
紙の本
妄執と煩悩
2015/09/13 03:51
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投稿者:tomyam0702 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに一気読みをしてしまった作品。続編も次の日に買いに行った。
どのストーリーからも、しみじみ、やさしさ、とかいった情緒や、落合~新宿~神田にかけての江戸の生活感、展開のおもしろさが楽しめるが、圧巻は、どんな酷い死に方をした人の遺体(骸)でも、逆さ水で湯灌し―体をさすり、髪を洗い、紅をさしー安らかな表情の「新仏」にしてゆくシーンが必ずクライマックスに置かれていて、さらに荼毘に付すことで、死者の無念の思いも、死別の悲しみもまるで浄化され昇華するかのように感じられるところだ。宗教(仏教)のいう「救済」がストーリーとして立ち現れているのだ。主人公と寺の人々は、病苦・刑・自死・事故といったつらい体験を余儀なくされたり、罪を犯した人々に寄り添いながらも、妄執や煩悩に捕らわれない境地にあろうとしている。そこては、夫婦の情愛や恋慕や母が子に執着する思いすらも、単に切ないものとして描かれるのではなくて、妄執や煩悩の側に組み入れられ、主人公たちはその温かさを感じつつも溺れることがない。その透徹した世界観は、ただ、ただ、すごい。
紙の本
出世花
2021/09/08 08:48
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投稿者:yukko - この投稿者のレビュー一覧を見る
高田さんの初期の作品という事で何度も書店で手に取りましたが
湯灌の仕事の話というのが少し抵抗があって逡巡していました
でもいざ読み始めると、慈愛に満ちた優しさと一本まっすぐな誠実さの
両方を持ち合わせた主人公にグイグイ引きこまれていきました
知らなかった世界、知識も興味をそそられました
紙の本
しっとりとした情緒が漂う。
2015/11/08 17:55
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがにうまい。死者を弔う湯灌をする主人公、お縁の生き方が丁寧に、しっとりと描かれ、心に迫ってくる。テーマの関係上、死に向かう人が多く出てくるし、かなり悲惨な結末の話もあるが、決して暗く酷いだけの印象には終わらず、胸に迫ってくるような切なさや哀愁が残る。
死骸の湯灌をし、お縁が美しい化粧を施すことで、俗世の汚れや澱みが洗われていくような気がする。だからだろう、ハッピーエンドではなくても、読み心地はむしろ爽やかですがすがしい。読んでいて、自然と引き込まれていく書き方もうまかった。
紙の本
続編が楽しみ。
2015/08/25 22:22
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投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
次作が出たと知って読み直すことに。著者のみをつくしシリーズも好きなのですが、この作品からも共通する強さや健気さ、温かさを感じました。続編もゆっくり読もうと思います。