化石の分子生物学 生命進化の謎を解く
著者 更科功 (著)
【第29回 講談社科学出版賞受賞】 ネアンデルタール人は現生人類と交配したか? ジュラシック・パークの夢は実現するか? 古代DNA研究が解き明かした生命進化の謎の数々を、...
化石の分子生物学 生命進化の謎を解く
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商品説明
【第29回 講談社科学出版賞受賞】 ネアンデルタール人は現生人類と交配したか? ジュラシック・パークの夢は実現するか? 古代DNA研究が解き明かした生命進化の謎の数々を、わかりやすく紹介する。化石のささやきに耳を澄ませる生物学者たちの奮闘をつたえる好著! (講談社現代新書)
目次
- まえがき
- 第1章 ネアンデルタール人は現生人類と交配したか
- 人類は一種しかいない?/別の人類・ネアンデルタール人/ネアンデルタール人は現生人類と交配したか/化石から古代DNAを取り出す/ネアンデルタール人のゲノムを決定する/他
- 第2章 ルイ十七世は生きていた?
- フランス革命の謎/分子生物学の夜明け/塩基配列決定法の発明/ブロックをつなげる/他
- 第3章 剥製やミイラのDNAを探る
- 絶滅した奇妙なウマ、クアッガ/お菓子箱をひっくり返す/タンパク質を取り除く/他
著者紹介
更科功 (著)
- 略歴
- 1961年東京都生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。同大学院理学系研究科研究員、立教大学・成蹊大学・東京学芸大学非常勤講師。博士(理学)。専門は分子古生物学。
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学問の人間くささがよく判る
2012/10/03 21:54
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ターにいっ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の更級功氏は大学の同級生だったので評価が甘くなるかも知れませんが、ご容赦下さい。
分子生物学というと今もっとも輝いている学問分野の一つだと思うが、その先端的な研究といえども人間の営みとして間違いや失敗もあり、だからこそ成功の素晴らしさも一入というのがよく感じられた。
小説と映画の「ジュラシックパーク」の大ヒットで化石から取り出したDNAで古生物を研究するという試みが一般にも広く知られるようになったが、実際の研究の成果としてはそう簡単に恐竜が復元できるわけではないという難しさが判って、面白かった。
化石の分子生物学という分野はすぐに実用に結びつくものでない、という意味できわめて純粋に理学的な研究分野だと思うが、それでこそ知的好奇心を刺激する素晴らしい学問分野だと感じることができた。
内容も素晴らしいが
2022/08/01 09:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネアンデルタール人や恐竜など興味深いテーマを題材にしているので、かなり専門的な内容なのだが投げ出さずに読み進めることができた。他の本でも色々と言及されているネアンデルタール人や恐竜と違い、先カンブリア紀の話は初めて読むので特に興味深かった。このような内容も素晴らしいが、科学というものに対する姿勢 態度の話が良かった。締めくくりの「大切なことは、自分に不利な証拠を探すこと」に感銘を受けた。
古代生物のDNA
2021/12/01 23:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネアンデルタール人のDNAが現生人類にも混じっていることなど化石からDNAを採取する方法が語られていて面白い。一方で化石からDNAを抽出する限界(恐竜のようなあまりに古いものは不可能)も知ることができて勉強になった。
進化生物学の今後
2020/05/30 18:44
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投稿者:穴部 - この投稿者のレビュー一覧を見る
DNAは生物の進化の痕跡を見るのに格好の物質である。DNAの塩基配列さえ分かれば、生物が進化してきた経緯が分かる。しかし、塩基配列を読み取れなければ、その持ち主である生物と他の生物とのつながりは見えないままである。
今は主にDNAやRNAなどの核酸、タンパク質を分析することによってしか、生物の進化の痕跡を明らかにできない。けれども、これらの物質はやがて劣化していき、分析することが困難になる。
もし、科学が進歩して、劣化したDNAでも塩基配列を復元できるようになったり、DNAに代わる、耐久性の高い新たな遺伝物質を分析できれば、進化生物学の未来は明るいだろう。
失敗も隠さずに
2018/08/16 13:48
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投稿者:451 - この投稿者のレビュー一覧を見る
分子生物学の成果だけでなく、失敗についても書かれているのがよい。
「ジュラシックパーク」は小説は面白かったが、映画は別物だった…。
親切で面白いけれど、正直すぎて歯切れが悪い。
2012/09/03 17:00
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
DNAやたんぱく質などを調べる分子生物学が、化石の研究にも使われる時代になった。本書はそれを紹介した一般向けの本である。
絶滅した動物の剥製からDNAを取り出して類縁関係を調べれば、今は存在しない生き物がウマとシマウマのどちらに近いのかがわかる。保存されていた臓器を調べると、埋葬されていたのが本当にその王族の子供なのかがわかる。導入の事例は親しみやすく、基礎の分子生物学のわかりやすい説明も入っているので、まったく分子生物学を知らない人にも楽しく読めるだろう。しかしその分、DNAなどの基礎知識をすでに知っている人には冗長に感じるかもしれない。
古くなればなるほど、DNAやタンパク等の大きな分子は壊れていくし、周りからの混入も多くなる。本書では「科学者としての正直な実状を描きたかった」ということで抽出の苦労や失敗なども詳しく書かれている。確かにそれが実情であろう。こういった記述は実際にこの種のことを仕事にしようと思う人には注意事項として役立つだろう。しかし、これが内容全体をわかりにくくしてしまった気もする。特に本書後半の恐竜からDNAがとれるか、というあたりは難しさの印象ばかりが強く残る。
恐竜のDNAはどの程度現存する生物とつながっているのか。わかればとても素晴らしいと思うが、まだまだ道のりは長そうだ。それでも、化石の微細な構造がわかってきたり、酵素などが見つかることがあるなど、ずいぶんいろいろなことがわかってきたものだということはよくわかる。今は難しくてもきっと近い将来にはもっといろいろとわかってくることだろう。
まえがきに「なぜ鳥は前足を捨てて翼にしたのか。翼を別に持つことはできなかったのか。」という著者の子供時代の疑問が提示されている。それには長い進化の積み重ねの上で出来上がっている制約がある、と触れられていたのだが本文の中でもう少しこの部分を展開してくれるかと思った期待ははずれてしまった。化石の分子生物学からこのあたりの問題が説明できるなら、ぜひ入れてほしかった。
謎を扱う某月間雑誌のように、惹きつけられるテーマで分子生物学の面白さを教えてくれた、ように思う
2024/06/09 09:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず目次から惹きこまれる。いわく、ネアンデルタール人は現生人類と交配したか、ルイ17世は生きていた?、剥製やミイラのDNAを探る、縄文人の起源、ジュラシックパークの夢、分子の進化、カンブリア紀の爆発、化石タンパク質への挑戦、など。これは読まない手はないと思って早速手に取った。
テーマも面白く、それぞれの結論も面白いのだが、テーマと結論の間にある過程や考え方の説明が学術的に過ぎ、純文系の私にはレベルが高い。要するに科学者たちが当然知っている予備知識の上に立った説明なので、その知識のない一般読者には理解できない箇所が多いと思われる。レベルの低い私が言うのは僭越ながら、本書は分子生物学のテキストのような感じであり、高校生レベルの生物を完璧にマスターしていないとついて行けないように思う。
各賞を受賞した本書と著者には恐縮ながら、折角の興味あるテーマもほとんど消化不良に終わった。私もそうなのだが、ジュラシックパークを読んで楽しんだ程度の読者には敷居が高い。本書を読みこなすレベルに到達してから再読しようと、早速高校生物の参考書を買い込んだ。
DNA
2021/08/22 23:03
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
解析したら、多くのことが判明するとは言われていますが……。化石から、生命がいかに進化してきたかを調べていくといった生物学の分野を、丁寧に分かりやすく説明してあります。とはいっても、やはり難解なところも……