『天の巻』巻頭の、和綴は採用されず。
2024/02/11 17:12
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投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大国主命のものがたりが、全編を通して描かれる。
古語で綴られるので、何言ってんだかよくわかりませんが。
異国の漫画を解説頼りに読むように読んでいく。
アニメーション的であると思う。
『古事記』は最新決定版の日本神話として編まれている。
たくさんの古い話を積み重ねたはずで、一貫した物語としては、奇妙な点が多い。
まだ日本に、長編という考えがなかった頃に試みられた、長編なのだろう。
カラーページの配分が如何なる理由かわかりませんが、(デジタル連載なのでオールカラーも可能だったはず)技術力の高さで、意味がよくわからずとも、感情が動かされる。
大国主についてほとんど知りませんでしたが、わりとだらしないやつである。
複数の話を束ねたものが、大国主の話にされてるので、だらしないは言い過ぎかもしれませんが。
人たらしオオクニヌシ
2017/01/04 18:23
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投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る
死んでもお祖父ちゃんに生き返らせてもらったり、追われてもお姑さんに逃がしてもらったり、天界からの使者も子供達を使ってのらりくらりとかわすオオクニヌシ。
抜けてるけど人を惹き付ける魅力はあるようで(奥さんも多い)、戦うよりも人間関係を使って問題に対処していく印象。
とはいえ武神タケミカヅチの圧倒的な力の前には国を渡さざるをえない。そして次の時代へ。
火に巻かれた時に助けてくれたネズミが、じぶんちに招く時の「内はほらほら外はすぶすぶ」って家の紹介が可愛い。イノシシも可愛い。
奥さん子供がいっぱいの系図の下に「オホクニヌシが土着の複数の神を融合して描かれた存在であるため」とあって納得。
どこかで読んだけど、ゼウスがやたらと種を蒔いてるのも、土着の宗教が「うちの神さんも最高神ゼウスの一族なんよ」って言いたくて作った話らしいんで、どこも似たようなこと考えるなあと。
逆に一神教のキリスト教とかは、よその神さんをまとめて悪魔に放り込んでしまうと。
古事記っておもしろいっす
2015/09/02 20:59
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投稿者:ダンディーパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までちっとも興味がなかったが、伊勢に行った事をきっかけにこの本を知りマンガだったらとっつきやすいかな、と軽い気持ちで読み始めた。神さま達が身近に感じられ、もっと知りたくなってきた。マンガとしてのクオリティーも高い。注釈も自然に目に入って来るので、アッと言う間に読めてしまう。
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[漫画] ぼおるぺん古事記 二 地の巻:所有欲を刺激する一冊
http://orecen.com/manga/ballpen-kojiki02/
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本屋で2巻を見かけて1、2巻購入。
古事記は何冊か読んだことがあるのですが個々のエピソードは覚えていても通しでは覚えていないものですね。ヤマトタケルとか衣通姫とか佐保姫とかも古事記だった…ような記憶が…。そこまでやるのかな~
漫画と言うアプローチはわかりやすいですね。色々な学説が出ている古事記ですが原文も表記されているのでなるほどこの方のイメージとしてはこういう形なんだ~と面白く読みました。国産みの辺り、絵で表してくれると本当にわかりやすいですね。やっぱり九州・畿内から大和民族の支配は始まって行ったんだなあ…と言うことが良くわかります。まあ今じゃもう大分血も混じっているでしょうから東だ西だと一概には言えないでしょうが。
それにしてもボールペンか…。油性ボールペンで液だれも起こさず凄いなあ…と感心致します。個人的には黄泉の国のスクープテレビがツボに入りました。続きも楽しみです。
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出雲と因幡・伯耆の歴史、という感じ。国津神の時代の物語はどういう経緯でこの日本史に収められているのか。
オオクニヌシの歴史は国の開拓と被征服の歴史。さて、高天原はどこにあったのか。古代史はロマンが尽きない。
出雲の地名がもっとわかれば、この本がもっと楽しくなるんだろうが、残念だ。
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今回もボールペンの緻密さに感動しました。
古事記だけではなく、神話や昔語は、
結構残酷な物語があったりするんですが、
こうのさんの描く古事記は優しいなあ。
原文なのですらすら読み解けはしませんが、
優しいので安心感があります。
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(No.12-72) こうのさんの古事記第2巻です。
今回も4ページに渡ってぎっしりと手書きで原文!
眺めているだけで到底読めないけれど、美しいなと思う。
この巻は出雲編です。
オオクニヌシが国を作り繁栄させたが、国を譲らなければならなかったお話。
最初のエピソードは誰でも知っている因幡の白兎の話。
わにに衣を剥ぎ取られて惨めな姿でしおたれている姿がなんともいえず可愛らしくて!オオクニヌシの手当てでふわふわになり、なんとなく得意そうな顔がまた良いの。
それにしてもこの巻を読んで思ったのは、最近大きく問題視されている、イジメや領土問題は神代の昔からあったのねということ。
オオクニヌシの兄弟たちの仕打ちは、最初のうちのは普通のイジメ。後になってからは命に関わるイジメ犯罪そのものでしょう。
しかもその対処法が「逃げる」こと。結局、自分を守るためには相手から逃げるしかないというのは古事記にすでに書いてあったのか。
出雲国を、国らしく発展させたのはオオクニヌシが一生懸命頑張ったから。それを自分のものだという天の言い分には無理がある。
でも、オオクニヌシ側が引かざるをえなかったのは、多分全面戦争をすれば負けてしまう力関係だったからだと思う。
神話のような形を取っているけれど、元になった争いはあったはず。だってとてもリアルだもの。出雲は併呑され、出雲の王族たちは殺されず、隔離されたけれど王族らしいそれなりの生活を保障されたのだろうな。
人の歴史の中では、国を乗っ取って前国主一族皆殺しということは多々あったのだから、これは「平和的解決」の記録でしょう。
そして今に至るも出雲大社は誰でも知っている超立派な神社。国譲りの時の約束を今でも守っていることに、現代に生きる日本人としてちょっと誇らしい気がします。
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第2巻はオオクニヌシの物語。
原文を読まずとも絵を追っていくだけで古事記の大筋がわかるので、古代の神話に興味がある方の入門編としては最適です。
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前作同様ひとコマごとに作者の気迫が伝わってくる贅沢な一冊。一方でついつい読み急ごうとする筆者にとっては途中からやや重たく感じられる部分もある。ともかく完結編が楽しみなのは言うまでもない。
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おちついて読んでみると、
古事記という古い書物の中にも『いじめ』が描かれていたんだね。
イナバの白うさぎの話が出てくるんだけれど、
オオクニヌシの神は、兄弟の神々から、ひどいめにあっている。
現代のしょーわへーせーだけじゃないよ『いじめ』は、
神々のころから『いじめ』は描かれていたんだ。
『いじめ』をうけていたオオクニヌシは、ほんとは知恵者だったんだね。
第三巻で完結という。
こうの版『古事記』楽しみだ。
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因幡の白兎の話から、出雲大社ができるまでの二巻。三巻も楽しみ\(^o^)/大物主神の表現はまさに作者ならでは。すごい。
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最新刊待ってましたぁ!
今回は、オオクニノヌシの登場~国譲りまでを描いているのですね。
オオクニノヌシは、異名の多さ、そして、活躍の広さから複数の神の集合体とされているようですが。漫画という見やすい形になったことで、それがますますわかりやすく感じました。
兎を助け、試練を乗り越えて、国を作って、国を譲って……活躍しすぎよ、あなた!
母乳を縫って、男を蘇生させるというシーン。
フィンランド神話にも似たような場面があったかなと思います。
今回は、全開に比べて、動物の活躍(冒頭が因幡の白ウサギであることを含め)が多かったように感じました。
これも、国としてできつつあることを表しているのでしょうか。
今回注目したのは、タケミカヅチ。
他の古事記を題材にした漫画をみていると、やはり高天原指折りの武神とだけあって、なんだか、ゴロツキのように書かれていることが多かったのですが。
この作品のタケミカヅチはとにかく、いやらしい……。
セリフをつけると、「ねぇ、くれるよね? アマテラス様に、中つ国譲渡するよね?」みたいな感じでしょうか……?
とにもかくにも。
とても、楽しんでよませていただきました。
次も楽しみにしています!
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二巻は出雲編で、オオクニヌシが中心。
因幡の白うさぎのエピソードから国譲りまでを、ボールペンのやさしい筆致で丁寧に描く。
オオクニヌシが、ヤソガミからの排斥で何度も死に、生き返るくだりは壮絶だ。地上にはオオクニヌシの安住の地はなくなり、スサノオの住む地下の国・根堅須国にまで逃げ延びる。
根堅須国で力と妻を得たオオクニヌシは地上に戻り、自分を虐げた数多の兄弟たちを武力で制して「始めて国を作りき」。豊かな地上の世界を作り上げた。
彼は、絶大な力を誇る神となった。アマテラスの長男が天下りを恐れるほどの存在に、オオクニヌシはなったのである。
名が体を表す古事記の世界で、「大国主」の名は伊達ではない。
一方、オオクニヌシは女性にモテた神らしい。正妻のスセリヒメが「行く先々で妻を持てる方」と嫉妬するくらいだから、相当だ。
スセリヒメやヌナカワヒメとの相聞歌からは大らかで粋な男ぶりが伺える。確かにこれはモテただろう(笑)
なお、歌が紹介されるページはカラーボールペンで描かれていて、いっそう生き生きとした描写となっている。ヌナカワヒメの「あおやまにひがかくらば…」の歌は、古代らしい比喩を使いながら、情熱的だ。
オオクニヌシの時代は長くは続かない。「地上は我が子が統べる国」と考えるアマテラスが、次々に刺客を送り込んでくる。(携える武器が段々と強力になっていくのも面白い。)
だが、オオクニヌシは最初の2神を戦わずして懐柔してしまう。2神とも、オオクニヌシと争うよりも雌伏して次代を奪う方を選ぶ。それほど、地上でのオオクニヌシの力が強大だったという事だろう。
アマテラスが最後に送り込んだ刺客、武神・タケミカヅチを前に敗北を覚悟しても、小競り合いと交渉とで有利な条件を探っていたように見える。
かくして、オクニヌシは、国譲りの対価として「天神の御子が住むような立派な宮殿を立て、祀ってくれば隠居する」要求する。これは、自分を天皇並みに扱えと言うに等しい破格の要求で、オオクニヌシの自信が垣間見える。
タケミカヅチはこれを飲む。恐らく、飲まざるを得なかったのだろう。
国を譲ったとはいえオオクニヌシは、古代の日本で一定の影響力を残せるよう図ったようだ。その証拠に、オオクニヌシはこれ以降も何度か古事記に登場する。――祟り神として。
「天神の御子(歴代の天皇)」たちは、オオクニヌシを後世に至るまで恐れ続けた。祟りの度に、また祟られる前に、「天神の御子」はオオクニヌシを祀る宮を造営・増築し、鎮まりたまえと祈るのである。
国譲りのエピソードでは精彩を欠くと言われる事が多いオオクニヌシだが、負けっぷりも見事な剛腕政治家でもあったようだ。
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第一巻「天の巻」の時もそうだったが、描き出される豊穣な表現の世界にまた驚かされた。人間の営みが非常に生き生きと描かれていて読んでいてとても楽しい。喜び、悲哀、ユーモラスさ、などの感情をテキストの奥からよくもここまで引き出したものだ、という感動。第三巻も期待。