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地下室の手記 改版 (新潮文庫)
社会から隔離された地下で綴られる、どす黒き魂の軌跡。理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は非合理的なものであると主張する。初期の人道主義的作品から後期の大作群へ...
地下室の手記 改版 (新潮文庫)
地下室の手記(新潮文庫)
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商品説明
社会から隔離された地下で綴られる、どす黒き魂の軌跡。理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は非合理的なものであると主張する。初期の人道主義的作品から後期の大作群へ、ドストエフスキーの転換点をなす書。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
やっぱり面白いドストエフスキー
2001/04/24 14:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初の章はやたらに晦渋て、というか主人公の憤懣が抽象的な形でしか語られず、こりゃ大変だと思っていたら、次の章から読みやすくなってほっとした。
確かに「過剰の自意識な男の独白」なのだけど、彼が語る過去の物語がメイン。ほっとけばいいのに嫌な奴に復讐しようとして逆に嫌な目に会ったとか、風俗嬢に説教垂れてそのおねーちゃんに惚れられてうざったくなる話とか、もちろんテーマを真面目に考えればとても深いものがあるのだけど、それを抜きにしても単純にバカな男の失敗談としてすいすい読めてしまう。ドストエフスキーはやっぱりストーリーテリングが巧み。で、その物語をいちど読んだ上で最初の章に戻ると非常に面白い。
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独白書
2020/10/31 20:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半の内容物は、自身には割としっくりきました。多分自身の今を投影しているのだろうと思います。
中盤の友人達との関わり、終盤の女との関わりは独特な感じが、します。
その中で女への話はかなり首肯したくなる内容でした。
総じて主人公は著者なのだろうと感じずにはいられません。
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鋭い眼差し…
2001/02/05 14:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:純子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
過剰な自意識故に、社会との関係を断ち、地下の小世界にこもってしまった男の独白を通して、理性による社会の変革の可能性を否定して、人間の本性の非合理性を主張しています。人間の行動と無為を規定する黒い実存の流れを見つめたこの作品は、ジッドによって「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」と評されました。
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これはわたしだ
2022/08/28 16:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ペンギン様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの通りです、自意識にまみれ所構わず醜態をかましてしまうところ、そのまま私に当てはまるではないか!と感激です。
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比較的読みやすい
2020/09/20 10:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
訳者のおかげかもしれないけれども、全体的に目が滑らずに読みやすいと思った。内容としては…暗いというか、ただただ振り返っているというか。やたらと高いプライドと知性を持ってると苦しいなあ、っていう感じだろうか。
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光はさすのか
2015/08/25 18:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しろくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
いや、光は差し込んではくれません。
でも、「地下室の手記」という題名を読んで少しでも興味をもったひとは、何かしら闇を持っているはずなので、かならずや共感できる部分があるはずです。なぜなら、「闇自身には大きさがない(『方舟さくら丸』安部公房)」から。
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初のドフトエフスキー
2021/04/25 04:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名な著者ですが、読むのは今回が初。昔の人にありがちな回りくどい言い方などもありますが、基本読みやすいです。人が言うと嫌がるような事を分かっていながら言ってしまう人、現代にもめちゃくちゃいますよね~。何となく、現代の人にいそうな主人公が少し哀れで、生き方が下手くそな現代人に寄ってきているような気がするところも読みやすかった原因かも。
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ドストエフスキーの作品の中では、中篇で手頃である。が、毒っ気も多く、暗い。
2004/05/16 10:28
3人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中堅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「私」は、結局「私」を超えることができない。
例え、「私」が嫌いになっても、いい加減「私」にはあきあきしても、これからも、「私」は「私」と付き合っていかなければならない。
外部に「神」もしくは「理想」を持たぬ者は、「私」自身を批判することもままならぬ。「私」は「私」を批判できないということである。
粘つくような「私」への意識は、「私」の善行を不可能にし、眺める・聞くなど、事物全てを直接体験することをすら妨げる。
地下室の手記とは、この「私」という意識の地下室を掘り進めて行く者の手記である。
そこには、醜く、不毛な人間がいる。
ここに、個性の問題も存在する。
我々は果たして、天空へ向かって個性という美しい建物を築いているのか? それとも、我々は、個性という名前を騙り、地下室を掘っているだけなのか?
「個性的」といわれる人間が周りの人間の中で浮きでるのは、彼が高いところにいるためにまぶしくてみえないのか? それとも、彼が薄暗い地下室にこもっているために見えないのか?
「個性的」であることを望む現代人はどちらであろうか。
「私」という言葉は、生きている人間を表現するには、あまりに狭義なのである。
今キーボードを打つこの人間がもし、「私」でしかないのなら、地下室の住人でしかないのなら、生は貧しい。
我々日本人は、「神」を理解することが難しいとよく言われる。しかし、それを「無意識」と考えてみればどうだろう。
当然「無意識」を「意識」することはできない。だから「祈る」のだと考えてみれば。(ドストエフスキー研究家・ウォルインスキーの考え方)
日本人は、いまだ、無意識から意識が浮かび上がっていないために、神を必要としないのだ考えることも、まんざら間違いでないだろう。
飽き飽きするような自分に「絶望」した時、人間は神に祈る。「私」はちっぽけだが、「人間」は偉大である。
「私」では無理でも、「人間」は、「私」を超えることができるのだ。