紙の本
その峰の彼方
2018/06/10 10:31
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投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格山岳小説です。マッキンリーの冬登山を十分に描写しています。まさに笹本山岳小説です。救助隊と遭難者の2面を記述しています。これでもかこれでもかの山岳小説です。最後は劇的ですね。今の医療はこうなっているのでしょうか。それとも空想ですか。興味がわきました。
紙の本
秀作だが、読者を選ぶのでは
2017/05/28 22:20
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
アラスカのマッキンリーで遭難した山岳ガイド津田悟を救助する山岳ガイド達の救助劇と、意識不明の重体で救出後、悟が意識を回復するまでの周囲の人たちの葛藤を描いた山岳小説。
前半部分の救出劇のリアルな描写はさすが山岳小説の第一人者笹本氏。
しかし、文庫本で約600ページにも及ぶ長編のストーリーで一貫して中心に据えられているのは「なぜ、日常の幸福な生活を失うリスクを負ってまで、命がけで山にむかうのか」という疑問。遭難する主人公 悟 がなぜ厳冬期のマッキンリーに向かったのか、その答えを登場する友人達や悟の妻のセリフを通じて描いています。こういう問いかけへの答えを思索することに波長が合う人なら、彼らが語るちょっと哲学的な会話もスッと頭に入ってくるでしょう。しかし私はいくら頑張って読みづつけても、イマイチ共感できない理屈が述べられているように感じました。
山に登らない人にはなかなか理解できない「何故山に登るのか」という疑問に対する著者なりの思索を長大なストーリーに落とし込んだ著者の筆力はすごいと思いますが、世界有数の難峰マッキンリーの登攀シーンを中心とした物語の方が良かったかなぁ、と思います。
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集大成・新境地というべきか
2017/05/07 07:42
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
笹本作品のいわゆる冒険モノは大好きで、これまですべて読んできました。どれ一つ外れがなく、というか全て当たりで大感動必至の作品ばかりです。それらには良い意味で共通点のようなものがあって、いくつかのパート(場面)に分かれて進む物語、つまり仕込み部分があります。それらがつながって物語は一気に加速し、冒険パートに入ると始終ハラハラドキドキ!次から次へと襲い掛かってくる絶望に、勇気と気合で乗り越えていく。しかしそれでも襲い来るさらなる絶望に、もう今度こそダメか・・・と思わせて、天啓のように沸き起こる奇跡に鳥肌が立つという流れ。そして感動の大団円に滂沱の涙にくれるという爽快感。この奇跡のような予定調和を求めて作品を読み続けてきたのですが。
本作品は、これまでのものとは少し感触が違いました。これまでのように仕込み部分もあり冒険パートもあって、ハラハラ感もあるのだけれど。そこにどうも思想的な物を色濃く混ぜ込んできた感じ。山に登る意味、とか人生の意味、本当の幸せ等を厳しい命がけの登山を通して考える、というような。その結果作品全体のスピード感を殺す結果になっていると感じました。良く言えば冒険モノ、感動モノだけではない重厚な作品になっていて集大成とか、新境地というようにも捉えられます。ただこれまでの作品のような感触を求めて読むと、そこがちょっとまどろっこしく感じてしまいました。終わり方もスッキリ晴れやか大感動!というような感じではなく、うーん、次回作はどうなるのかなあという感じです。
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【飽くなき挑戦の果てに辿り着いた奇跡とは!? 感動の超大作】厳冬のマッキンリーを単独登攀中に消息を絶った津田悟。親友の吉沢ら捜索隊は壮絶な山行の末に津田が全てを賭けた挑戦の真実を知る。
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著者の山岳小説の一つの到達点と、解説に書かれてあるが、言いえて妙と共感する。
マッキンリーのカシンリッジ冬季単独登攀を試みる主人公が連絡を絶ち、その盟友が捜索活動する様に全編が費やされている。
山々の描写、登攀の状況、いずれもその場に立ち会わなければ書けないような、そして読者をその場に立たせるかのようなリアルさは、他の作家の追随を許さない著者の独擅場。
そうはいっても、捜索活動の著述は、やや冗長気味で、残りの頁数に嘆息気味であった。
けれども、アラスカ先住民=インディアンで長老の存在が、そんな思惑を削いでくれた。彼が折々に語る処世訓を超えた人生の要諦は、作品を引き締める役割を果たしてくれる。
その精神論、観念的な理念に反発を感じ、批判するレビューも見受けられるが、苦難の時、失意の時、逆境を抜け出す一つの手がかりとして、心のどこかに留めておきたい箴言と理解したい。
その一例
「他人を許せなきゃ自分も許せない。自分を許せない人間には魂の安らぐ場所がない」
「信じることだよ、…悪い想像をしたらきりがない。ただ心が不幸になるだけだ。幸運は不幸な心を避けて通る。希望こそが幸運を掴み取る黄金の腕だから」
その他引用に転記。
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最高につまらなかった。正確には読み終わったとは言えず途中断念。だらだらだらだら前に進まず同じ表現の繰り返し。それが延々と文庫で300ページ以上続く。1ヶ月近く読み続けましたが、我慢できずにヘリで救出されたとこで諦めました。この後もまだ100ページ以上物語が続くなんて信じられません。まるで3流学者の哲学書もどきか新興宗教のお粗末な教義書のような本でした。
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笹本の山岳作品 期待が高かった反面
残念な内容
内面の描写が くどい
結末 なんだ という 感触
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アラスカのマッキンリーで遭難した山岳ガイド津田悟を救助する山岳ガイド達の救助劇と、意識不明の重体で救出後、悟が意識を回復するまでの周囲の人たちの葛藤を描いた山岳小説。
前半部分の救出劇のリアルな描写はさすが山岳小説の第一人者笹本氏。
しかし、文庫本で約600ページにも及ぶ長編のストーリーで一貫して中心に据えられているのは「なぜ、日常の幸福な生活を失うリスクを負ってまで、命がけで山にむかうのか」という疑問。遭難する主人公 悟 がなぜ厳冬期のマッキンリーに向かったのか、その答えを登場する友人達や悟の妻のセリフを通じて描いています。こういう問いかけへの答えを思索することに波長が合う人なら、彼らが語るちょっと哲学的な会話もスッと頭に入ってくるでしょう。しかし私はいくら頑張って読みづつけても、イマイチ共感できない理屈が述べられているように感じました。
山に登らない人にはなかなか理解できない「何故山に登るのか」という疑問に対する著者なりの思索を長大なストーリーに落とし込んだ著者の筆力はすごいと思いますが、世界有数の難峰マッキンリーの登攀シーンを中心とした物語の方が良かったかなぁ、と思います。
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笹本稜平の純山岳小説
マッキンリーでの友の遭難から話が始まる。
遭難救助や厳冬期単独のバリエーションは読み応えあり。
自然との共存などいろいろと考えさせられます。
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長くて飽きる。
150頁あたりまで頑張ったが、
情景を緻密に描いているので話は全然進まないし、
前の時間の話も盛り込んでくるので
進まない展開にイライラして放り投げ。
そこまで細かく書かなくても(゚з゚)イインデネーノ?
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マッキンリーのカシンリッジで冬季単独登攀を試みたが連絡が途絶えた山岳ガイドの津田の救出劇。なぜ山に登るのか?を追求すると一般人には理解不能な域に到達するのか。この著者は心の声がセリフとして声に出過ぎ。
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山岳小説
初めて読んだ山岳小説
スポーツショップで登山のグッズを眺めてしまった
マッキンリーの写真を検索してみた
ところどころ記録したくなるような文章、
表現の仕方は素晴らしかった
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マッキンリー、別名デナリ
あまりに有名な山名はおそらく誰でも聞いたことはあるはず
私としては聞いたことがあるくらいで、あまり詳しいことは知りませんけどね(^^;
マッキンリーを舞台に繰り広げられる重厚な人間ドラマ
少しだけ私が気になった(良い意味で)点を挙げさせていただくと、
物語が進み要救助者を発見した時、低体温症に陥っている
しかも重度の低体温症。
待ちに待った待望の赤ん坊が間もなく生まれるというのに、ひとつ間違えれば植物状態で寝たきりになってしまう恐れのある要救助者を、果たして下ろして良いものか?
下ろさなければ奥さんは生まれてくる赤ん坊と二人、人生をやり直すことも出来るのではないか?(もちろん奥さんは無事に下山することを強く望んでいる)
という救助隊に参加している主人公の葛藤(一時的にですが)。
遭難の物語(実話も含む)を読む度に自分の身に置き換えて考えてきましたが…
そうですね。一歩間違えれば『死』
というのは当たり前に思ってましたが、一歩間違えれば『植物状態』。
という発想はなく、もしそんなことに自身がなったとしたら、周りの家族に多大なる迷惑をずっとずっと掛け続けてしまうことになります…
そうすると恐らく『死』よりも多大なる迷惑を掛けてしまうのではないかと…
低体温症に関わらず、山登りには大なり小なりの危険がつきまとっている、ということも改めて認識させてもらいました。
山の専門用語もかなり出てきますので、一般の方が読むのには少し抵抗が感じられるのではないかと思いますが、山好きな方々にはオススメしますよ
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山登りが好きな人にはたまらない小説だと思う。
夢枕獏の「神々の山脈」をベストと考える私には冗長な部分が多いと感じられた。しかし、デナリに魅了された津田が宇宙の真髄にたどり着く、透明感な世界は十分に感じられた。
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笹本稜平氏の山岳小説。舞台は北米大陸のマッキンリー。厳冬期単独初登攀に挑んで消息を絶った津田悟。彼を探し、救助する捜索隊の苦難。物語の内容は興味深いのだが、なかなか話が進まない。300ページすぎても、まだ救助されない。長すぎ。そして、どうして山に登るのか、何故厳冬期単独登攀に挑んだのか、この問いかけがしつこく繰り返される。結局、答はよくわからなかった。