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紙の本
スキタイと匈奴遊牧の文明 (講談社学術文庫 興亡の世界史)
著者 林 俊雄 (著)
紀元前7世紀前半、カフカス・黒海北方に現れたスキタイ。紀元前3世紀末、モンゴル高原に興った匈奴。「蛮族」とみなされた彼らが築いた広大な国家と、独自の文明とは。騎馬遊牧民の...
スキタイと匈奴遊牧の文明 (講談社学術文庫 興亡の世界史)
興亡の世界史 スキタイと匈奴 遊牧の文明
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商品説明
紀元前7世紀前半、カフカス・黒海北方に現れたスキタイ。紀元前3世紀末、モンゴル高原に興った匈奴。「蛮族」とみなされた彼らが築いた広大な国家と、独自の文明とは。騎馬遊牧民の真の姿を発掘調査から明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
定住農耕社会にとって、隣接する遊牧国家は常に脅威だった。ペルシア帝国をもってしても征服できなかった部族集団スキタイ。漢帝国と対等に闘った匈奴。こうした騎馬遊牧民はいつ頃誕生し、強大な力を握ったのか。「都市」のない遊牧社会を「野蛮」とみなすのは、定住農耕社会からの決めつけにすぎない。ソ連崩壊後のユーラシア草原地帯の発掘調査で次々と発見されている考古学資料を活かし、「もうひとつの文明」の実像に迫る。
講談社創業100周年記念企画「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第2期の5冊目。
人口・経済力の点では圧倒的に劣勢なはずの遊牧国家は、隣接する定住農耕社会にとっては常に大きな脅威でした。ペルシア帝国の絶頂期を現出したダレイオス一世をもってしても征服することのできなかった部族集団スキタイ。漢の皇帝たちと対等に闘う軍事力と、李陵や張騫など有能な人材を受け入れる寛容さを持ちあわせていた匈奴。モンゴル高原から黒海北方まで草原を疾駆した騎馬遊牧民にとっては「ヨーロッパ」も「アジア」もありませんでした。定住農耕地帯の文化・社会・道徳とはまったく正反対の騎馬遊牧民。その自然環境、歴史的背景を踏まえ、彼らがいつ頃誕生し、強大な権力を持つようになったのかを明らかにし、ユーラシア大陸の東西に1000年のスケールで展開する騎馬遊牧民の歴史を描きます。
スキタイや匈奴は文字を持たず、自らの歴史を記録することはありませんでした。しかし、幸いにも東西の「歴史の父」と称される稀代のストーリーテラー、ヘロドトスと司馬遷によって、彼らの実力と暮らしぶり、習俗が書き留められています。興味深いことに両者の語るスキタイと匈奴の風俗習慣は驚くほどよく似ていることがわかります。本書では、史書に記された事柄を発掘資料とあわせて騎馬遊牧民の真の姿を浮かび上がらせていきます。
「都市」のない遊牧社会は、「文明」とは無縁の存在、むしろ対極にある「野蛮」の地と思われがちですが、それは定住農耕社会からの一方的な決めつけにすぎません。発掘された草原の覇者たちの装飾品には、豪奢な黄金の工芸品や色鮮やかなフェルト製品などがあり、その意匠から、ギリシアや西アジアの影響を受けながらも、独特な動物文様や空想上の合成獣グリフィンなど独自の美術様式を生み出していたことがわかります。
ソ連崩壊後に可能になったユーラシア草原地帯の発掘調査で、次々と蓄積されている新たな考古学資料。フィールド調査を積み重ねてきた著者ならではの視点で、「もうひとつの文明」の実像に迫ります。
原本:『興亡の世界史02 スキタイと匈奴 遊牧の文明』講談社 2007年刊【商品解説】
目次
- はじめに
- 第一章 騎馬遊牧民の誕生
- 第二章 スキタイの起源
- 第三章 動物紋様と黄金の美術
- 第四章 草原の古墳時代
- 第五章 モンゴル高原の新興勢力
- 第六章 司馬遷の描く匈奴像
- 第七章 匈奴の衰退と分裂
- 第八章 考古学からみた匈奴時代
- 第八章 フン族は匈奴の後裔か?
著者紹介
林 俊雄
- 略歴
- 1949年東京都生まれ。東京教育大学卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程東洋史学科単位取得退学。古代オリエント博物館研究員を経て、創価大学文学部教授。専門は中央ユーラシアの歴史と考古学。著書に『ユーラシアの石人』『グリフィンの飛翔』『遊牧国家の誕生』、共著に『中央ユーラシアの考古学』『中央ユーラシア史』ほか。
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紙の本
古代のスキタイ族と匈奴について、最新の知見を応用して、彼らの謎を解き明かしてくれる一冊です!
2020/02/29 14:36
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、古代の中央アジア地域に興ったスキタイ族と、同じくモンゴル高原に興った匈奴について、最新の考古学的発見や知見から、再考した貴重な一冊です。実は、近年のソ連崩壊で、これまで閉ざされてた中央アジアやモンゴル高原地域が解放され、様々な発掘が為されるようになってから、新しい考古学的発見が相次いでます。そこで、こうした最新の知見を用いて、これまで私たちが疑問に思ってきた、例えば、「ヘロドトスや司馬遷が書き記したスキタイと匈奴の共通点とは何だったのか?」、「ヨーロッパを混乱に陥れたフン族は匈奴の後裔だったのか?」、「ユーラシアの草原に国家を築き、独自の文明を創出した騎馬遊牧民は誰だったのか?」などを分かり易く解き明かしてくれます!
電子書籍
騎馬遊牧民の始まり
2020/07/25 10:57
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユーラシア大陸を舞台に世界史に大きな影響を後代まで残した騎馬遊牧民の始まりであるスキタイや匈奴について述べた本。文献と考古学を使って当時の文化や制度などについてわかりやすい。遊牧民と言っても牧畜だけをしていたわけではなく農耕民を攫って農耕も自国でさせていたというのが面白かった。
ただ、(本書の論旨には関わらないとこですが)日本の騎馬民族移住説はほぼ否定されているのでそれをスキタイの移住説について述べるときに引き合いに出すのはちょっと違うかなぁと思った
紙の本
サービスが行き届いている珍しい研究書
2017/04/16 10:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
フン族のルーツを探るメインの話はあまりはっきりしないが、テーマはけっこう下世話で楽しい。その他の部分でも、最新の情報を紹介してくれている。遊牧民という資料が少ない分野ながら、丁寧に現状を説明してくれていて好感が持てた。
電子書籍
自らは歴史を残さなかった人々
2020/06/22 13:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
文字を持たなかったため自分たち自身では歴史を残さなかった人々の話。
古代ギリシアや古代中国の多分に偏見の入った文献と出土品からしか類推できないスキタイと匈奴ではあるが相当な勢力を持っていたと思われる。そのあたりの話をかなり詳しく 実例をもって記述してある。
電子書籍
よかった
2019/07/19 07:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
思いのほか、よかったです。教科書で匈奴などの話は出てきますが、戦いの歴史だけしか書かれてないので、初めて知ることばかりでした。