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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代から明治までの32の論点について、32人の識者により最新の研究成果のエキスが報告され、贅沢な仕上がりです。1テーマにつき5ページ前後でまとめられていますので、気軽に読めます。中には、司馬遼太郎を絶賛している論考や、龍馬の事績(?)を並べただけの論考といった駄作もありますが、縄文時代に農耕は定着した、壬申の乱の大友皇子の意外な敗因、平安貴族の暴力的な実態、神風は吹かなかった、秀頼誕生時に祝賀ムードはなかった、慶安御触書は実在しない、米国が日本を危険と悟った原点とは等々興味深い話題が満載でした。
多彩な項目を平易に記述
2018/12/18 21:20
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投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文藝春秋の特集記事を再編集した書籍。弥生時代の始まりから戦前の日米関係まで、多彩な項目が並ぶ。平易な記述で読みやすく、斬新な見解も提示されていて面白かったのだが、項目によっては、「新常識」と言ってよいのか疑問に感じる内容もあった。個人的には、「第四章 戦国、江戸」が興味深かった。
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投稿者:オビー - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代から読むとしんどかったので、幕末明治の後ろから読みました。
西郷幻想、留守政府の功績、殺人指名手配犯の龍馬、ポピュリズムな信長、北条氏政の矜持、神風は吹かなかった元寇、修羅の北条政子、鎌倉幕府の成立時期説、暴力的な貴族。
いろいろと面白い視点がありますが、否定的な視点が少し強いかなと感じました。
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【古代から近代まで目からウロコの新常識】蘇我氏と藤原氏はなぜ繁栄したのか、秀吉の朝鮮出兵は愚策だったのか、坂本龍馬はなぜ暗殺されたのか、一流の執筆陣が解き明かす。
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玉石混交のところはあるが、良書だと思う。最新の研究成果もそれなりに反映して、歴史の新たな切り口を示すところもある。こういう本で現代史の扱いは難しいことを実感。
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<目次>
序章 通史
第1章 古代
第2章 奈良、平安
第3章 鎌倉、室町
第4章 戦国、江戸
第5章 幕末、明治
<内容>
「文芸春秋」の特集「歴史の常識を疑え」(2013年11月号)。「日本史の常識が変わった」(2018年6月号)をベースに加筆・修正したもの。なので、やや古いネタも見られる。面白かったのは通史の出口治明氏の文。鎌倉期の貨幣経済について、中国の宋では紙幣が流通(軽いから貨幣よりも流行るのは当たり前)、その後のモンゴル(元)も銀と紙幣を中心にしたため、無用となった大量の銅線を日本へ売った、という話。視座を変え、視点を変えないと見えてこないものもあるのだ。各章の各御仁の説にはたわいないモノをあるが、本郷氏は書きすぎかな?
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かつて教科書で習ったり、入試勉強で必死に覚えた年号なども、歴史の新しい研究で、意味をなさなくなっているようだ。
鎌倉幕府や、徳川幕府の成立年代しかり。
さらに、秀頼はやっぱり秀吉の子ではなかったことの、実証とか。
坂本竜馬は殺人の指名手配犯だった(寺田屋脱出時の行動)とか。
西郷隆盛はストレスで悩んでいた、など。
歴史に興味があるものにとって、見逃せない話題を、歴史学者や作家が綴っている。
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日々研究によって変わっていく日本史。
昔勉強したことがいろいろ変わっているのがわかって面白かった。
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いまや、教科書で習ったことは少しずつ古くなっているのだなと再認識。
冒頭の出口さんの通史が、鎖国という現状否定されつつある施策について批判していて、少し残念な気持ちになったが、それ以外にの項目は非常に興味深かった。
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そーなんだという感じです
あまり雑学にはならないし
坂本龍馬の指名手配の下りとか.......
としかいいようがない
自分のニーズには合わない1冊
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私の勤務するオフィスは2月の最終金曜日から在宅勤務が始まりましたが、その直前まで通勤電車で読んでいた本です。私が日本史を習ったのは高校生の頃なので、30年以上の前のこと。
最近では当時習った内容と異なった新事実が多く出てきているようです。一部はニュースにもなり知っているものもありましがが、このように纏めた本で新事実を知ることができるのはとても嬉しいことです。
以下は気になったポイントです。
・水田稲作、青銅器、鉄器などに代表される文明が、日本においてなぜ北九州なのか、朝鮮半島南部に鉄があり、鉄や先進文化を輸入し、鉄製の農機具で農作業を行い生産性をあげたから(p9)
・古代の日本は朝鮮半島に積極的に軍事介入していたと思われているが、傭兵を送り込みその見返りに鉄や先進文化を得ていたのが実際のところであろう(p10)
・10世紀には温暖化し長江流域で二毛作ができるようになり人口が増えて1億人となり、宋では紙幣が流通する。宋を滅ぼしたモンゴル帝国は銀と紙幣で賄った。そのため大量の銅銭が日本に輸出されることになった(p16)
・清盛は京都ではなく福原にいたので京都の儀礼的権力に干渉されずにすむ、武家の軍事・警察権は別々となった。このアイデアを源頼朝が引き継いで鎌倉に幕府を開き、足利尊氏も鎌倉公方を置き、織田信長は安土、秀吉は大坂、家康は江戸に本拠地を置いた(p18)
・火薬には硫黄が不可欠だが、そのころの中国には硫黄が採れなかったので日本の硫黄に注目が集まった、これが日本における世界商品であった(p19)
・戦国時代の真っ只中、16世紀に日本発のもう一つの世界商品が席巻した、それは石見で採れた銀である。17世紀前半には世界の銀の3分の1を占めていた、これは江戸時代初めまで続いた(p20)
・アメリカは北部が工業国で保護主義、南部が農業国で自由主義であった。北部の製品レベルは大英帝国に追いついていなかったが、南部の綿花は大英帝国に輸出されていた。南北戦争で北部が勝利し、工業国を目指すことになったので、大きな市場が必要であった(p25)
・アメリカが大英帝国の向こうを張って中国市場に進出するには、太平洋航路を開くしかなく、クジラ漁の基地ではなく、中国市場を獲得する拠点となる日本を武力を使ってでも開国させる決意のもとに最新鋭の軍艦でやってきた(p25)
・文字による支配が始まったので、それまでの武力や古墳など目に見える力での支配から変わった(p51)
・藤原氏の影響力が及んだのは、天皇家だけにとどまらず、地方の有力武士団ん源流は、天皇家から出た源氏・平氏か地方に土着した藤原氏にある(p37)
・平安〜南北朝時代には、経済・文化両面で、遣唐使・遣明使の時代よりもはるかに頻繁な日中交流が海商や僧侶によって行われていた(p94)
・鎌倉武士の技能の第一は弓、弓騎兵がその本質であった。中世の主従は双務的で、無能な主人は家来の側から見捨てられた(p96)
・日本史において朝敵とされた者が勝った唯一の戦いが、承久の乱であり、���の勝者の頂点にいたのは北条政子である(p101)
・一人一日3合のお米を食べるとして、1万人の兵を動かすと兵糧は一日225万円、1ヶ月で6700万円、馬や武器を考慮すると1億円以上かかる(p134)
・応仁の乱とは、西軍の山名氏、土岐氏、大内氏が、東軍の細川氏から幕政における権力を奪うために始めたと考えられる(p138)
・家康は大坂夏の陣で豊臣家を滅ぼして完結するのではない、慶長7年に徳川名字・本姓源へ改姓し、羽柴名字・本姓豊臣から脱却したことである(p174)
2020年4月25日作成
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歴史の内容は、日々研究の成果によって事実が変わってくる。それらを並べてくれたと思えば面白い。本書に書かれている内容についても、それぞれの著者が主張する内容であるので、それが正しいかどうかの検証は難しい。なので、正しいとか、間違っているとかではなく、こういう意見もあるのだな、というつもりで読む必要があると感じる。
一部、日本史について興味があれば聞きかじったことがあるようなものもあり、真新しいと思えるものは少ない。
本書が日本史について興味をもって、別の本を読むための導入になるのであれば、それで本書の目的は達成されたのではないかと思う。
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トピックスがたくさん。けっこう楽しかった。もっと話を聞きたい、というテーマもあるんだけど、それはそちら方面の本をあたってくれ、ということだろう。幅広く知るという意味ではよかったんじゃないかな。冒頭の出口氏の通史も、古代の日本や中国の生産力という経済的指標での比較が面白かった。あぁ、そういう比較ができるんだねぇ、と。その出口氏が否定的な江戸期に高い評価を与える人の文章も面白かった。江戸期は人口は増えなかったというけど、むしろそれによって環境を守り、明治以降の近代化の下地になったのだ、と。どちらが正しいという話ではなく、いろんな見方ができてこそ、見識というのは養われるものだと思う。
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日本史についての最新の研究を、様々な筆者から集めた本です。
特徴としては、日本史を日本の中だけで考察するのではなく、世界史とリンクさせながら考察している点があります。
日本史と世界史をリンクさせて考察したいという方に、オススメな本になります。
例えば、秀吉の朝鮮出兵と、太祖ヌルハチの明の征服の対比ですとか、戦争と革命の感覚の違いですとかがあります。
歴史を一本の糸として、考察を深めるのに良い本になります。
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日本史において、さまざまな研究が進み、我々が昔習ったことをかなり更新する必要があるようだ。また、これらの新説からは、日本での出来事は世界の情勢から決して独立して起こっている訳でないことを痛切に感じることができた。