- カテゴリ:一般
- 発売日:2019/12/23
- 出版社: 淡交社
- サイズ:20cm/250p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-473-04359-7
読割 50
紙の本
稚児桜 能楽ものがたり
著者 澤田 瞳子 (著)
破戒、復讐、嫉妬、欺瞞、贖罪…情念の炎に、心の凝りが燃え盛る−。「山姥」「小鍛冶」「善知鳥」「葵上」といった、能の名曲からインスパイアされた8編の物語を収録する。『なごみ...
稚児桜 能楽ものがたり
能楽ものがたり 稚児桜
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商品説明
破戒、復讐、嫉妬、欺瞞、贖罪…情念の炎に、心の凝りが燃え盛る−。「山姥」「小鍛冶」「善知鳥」「葵上」といった、能の名曲からインスパイアされた8編の物語を収録する。『なごみ』掲載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
わが国最高峰の舞台芸術として受け継がれてきた能楽。
長年、能に親しんできた著者が名曲にインスパイアされて生み出した8編の時代小説集。
1「やま巡り」—遊女・百万と小鶴は雪山で怪しげな老婆と出会い、一夜の宿を借りることに……。(原曲『山姥』)
2「小狐の剣」—刀工・小鍛冶宗近の娘・葛女は、父を裏切った弟子の子を身ごもったことに気づき……。(原曲『小鍛冶』)
3「稚児桜」—清水寺の稚児としてたくましく生きる花月。ある日、自分を売り飛ばした父親が突然面会に現れて……。(原曲『花月』)
4「「鮎」—天下を取るべく隠棲先の吉野で挙兵した大海人王子。間諜の蘇我菟野は都に急報を告げる機会を窺うが……。(原曲『国栖』)
5「猟師とその妻」—山で出会った男から「自分は死んだと妻子に伝えてほしい」と頼まれた僧・有慶。その身勝手さに憤りながらも、残された家族の心細さを思い、陸奥へ旅立つことに。(原曲『善知鳥』)
6「大臣の娘」—義母に疎まれた姫君を密かにかくまう乳母・綿売。ある日、偶然再会した生き別れた娘に秘密を打ち明けてしまう。(原曲『雲雀山』)
7「秋の扇」—遊女・花子は、かつて愛を交わした吉田の少将を追って京へ。形見の扇を手に下鴨神社に現れる姿が評判となるが……。(原曲『班女』)
8「照日の鏡」—高名な巫女・照日ノ前に買われた醜い童女・久利女。翌日、生霊にとりつかれた光源氏の妻・葵上のもとに連れていかれる。(原曲『葵上』)
月刊『なごみ』の連載(2017年7月~2019年6月)「能楽ものがたり」をもとに加筆。
第163回 直木賞候補作。【商品解説】
収録作品一覧
やま巡り | 5−34 | |
---|---|---|
小狐の剣 | 35−64 | |
稚児桜 | 65−94 |
著者紹介
澤田 瞳子
- 略歴
- 〈澤田瞳子〉1977年京都府生まれ。同志社大学大学院博士前期課程修了。「孤鷹の天」で中山義秀文学賞、「満つる月の如し」で新田次郎文学賞を受賞。
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電子書籍
能の演目をアレンジした小品集
2022/05/07 20:37
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的には初めてお目にかかる作者の短編集。能の演目を本歌取りしながら、そこに作者独自の解釈と訳を加えた短編集。それぞれの演目は、非常に丁寧な対訳やダイジェストが数え切れないほど作成されているので、それらと対比しても面白い。
世俗が多く単純な勧善懲悪や説話に収まらない内容も実に多くある。お話そのものが簡潔なので、解釈も捉えようも様々でお話の核はこうと一口に言い切れない部分も多い。だからこそ澤田節が冴え渡る。
能楽の元は神事であり神楽に端を発するとも聞いた事がある。だからなのか、演目を観る我々には冗長だったり無意味に感じられるような所作も多い。神様から見たら、人である僕らはしょうもない事を繰り返してるのだなぁ、と笑い、呆れ、たまに感心しているのかも知れない。
紙の本
能楽と文学のかかわり
2020/08/22 18:35
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は澤田瞳子が描く、能楽を下敷きにした短編小説である。能楽を下書きにした小説はないようで結構存在している。最も有名なのは三島由紀夫の『近代能楽集』であろうか。また、中山可穂の『弱法師』というのもあった。
能楽のストーリーは、ストーリーだけを楽しむものではないせいか、きわめてシンプルである場合が多い。また、パターン化されている場合も多く、登場人物も同じ人物が登場することがある。
そのシンプルなストーリーに触発されてか、前出の三島由紀夫の『近代能楽集』は、能のストーリーを現代モノにアレンジし、それを脚本化してそのまま舞台で演じることもできるようにしている点に特徴がある。中山の『弱法師』は、3つの能楽のストーリーを現代版に練り直しており、その原作のストーリーをうまく短編小説にしたものであった。
本書澤田の『稚児桜』は、8篇の作品をあまり手を加えず、そのままアレンジし、別のストーリーに仕上げている。登場人物は原作とほぼ同様であるが、ストーリーでの役割やかかわりなどは原作とは異なる場合が多い。いずれの作品も興味深いが、中でも『小鍛冶』、『国栖』、『善知鳥』、『班女』などは印象に残る。本書も直木賞候補作品に選ばれている。
紙の本
四番目物のアナザーストーリー
2020/09/04 15:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:柏木ゆげひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
能を元にしつつ、人間の業をテーマに、書き換えた8つの短編集。
元になった演目はすべて四番目物ということもあり、能楽の一番ややこしい部分を、その方向性に深めた印象の作品でした。
紙の本
どろりとした…
2023/03/04 15:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の美しさが気になって読んだ一冊。
内容は表紙とは反対に人間の業を描いていた。
かわいい我が身のために他の誰かを踏み台にする殺伐とした物語が多かった。
そんな中で「稚児桜」の花月の心意気は見事。
「小狐の剣」葛葉のお腹の子はどうなるんだろう…
紙の本
能
2022/08/14 00:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
能は、見たことがなかったのですが、短編集なので、読んで見ましたがーうーん。どのお話も、裏があったり、命がかかっていたり……。ちょっと……ねえ。もっと、カルーイお話を読みたかったので、期待はずれでした