- 販売開始日: 2020/01/31
- 出版社: 淡交社
- ISBN:978-4-473-04359-7
能楽ものがたり 稚児桜
著者 著:澤田瞳子
歴史小説家・澤田瞳子が月刊『なごみ』で2年間にわたって連載した小説『能楽ものがたり』を単行本化。能の名曲を下敷きに創作した8編を収録。1「やま巡り―《山姥》」/2「小狐の...
能楽ものがたり 稚児桜
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商品説明
歴史小説家・澤田瞳子が月刊『なごみ』で2年間にわたって連載した小説『能楽ものがたり』を単行本化。能の名曲を下敷きに創作した8編を収録。
1「やま巡り―《山姥》」/2「小狐の剣―《小鍛冶》」/3「稚児桜―《花月》」/4「鮎―《国栖》/5「猟師とその妻―《善知鳥》」/6「大臣の娘―《雲雀山》」/7「秋の扇―《班女》」/8「照日の鏡―《葵上》」。
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能の演目をアレンジした小品集
2022/05/07 20:37
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的には初めてお目にかかる作者の短編集。能の演目を本歌取りしながら、そこに作者独自の解釈と訳を加えた短編集。それぞれの演目は、非常に丁寧な対訳やダイジェストが数え切れないほど作成されているので、それらと対比しても面白い。
世俗が多く単純な勧善懲悪や説話に収まらない内容も実に多くある。お話そのものが簡潔なので、解釈も捉えようも様々でお話の核はこうと一口に言い切れない部分も多い。だからこそ澤田節が冴え渡る。
能楽の元は神事であり神楽に端を発するとも聞いた事がある。だからなのか、演目を観る我々には冗長だったり無意味に感じられるような所作も多い。神様から見たら、人である僕らはしょうもない事を繰り返してるのだなぁ、と笑い、呆れ、たまに感心しているのかも知れない。
能楽と文学のかかわり
2020/08/22 18:35
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は澤田瞳子が描く、能楽を下敷きにした短編小説である。能楽を下書きにした小説はないようで結構存在している。最も有名なのは三島由紀夫の『近代能楽集』であろうか。また、中山可穂の『弱法師』というのもあった。
能楽のストーリーは、ストーリーだけを楽しむものではないせいか、きわめてシンプルである場合が多い。また、パターン化されている場合も多く、登場人物も同じ人物が登場することがある。
そのシンプルなストーリーに触発されてか、前出の三島由紀夫の『近代能楽集』は、能のストーリーを現代モノにアレンジし、それを脚本化してそのまま舞台で演じることもできるようにしている点に特徴がある。中山の『弱法師』は、3つの能楽のストーリーを現代版に練り直しており、その原作のストーリーをうまく短編小説にしたものであった。
本書澤田の『稚児桜』は、8篇の作品をあまり手を加えず、そのままアレンジし、別のストーリーに仕上げている。登場人物は原作とほぼ同様であるが、ストーリーでの役割やかかわりなどは原作とは異なる場合が多い。いずれの作品も興味深いが、中でも『小鍛冶』、『国栖』、『善知鳥』、『班女』などは印象に残る。本書も直木賞候補作品に選ばれている。
四番目物のアナザーストーリー
2020/09/04 15:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:柏木ゆげひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
能を元にしつつ、人間の業をテーマに、書き換えた8つの短編集。
元になった演目はすべて四番目物ということもあり、能楽の一番ややこしい部分を、その方向性に深めた印象の作品でした。
どろりとした…
2023/03/04 15:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の美しさが気になって読んだ一冊。
内容は表紙とは反対に人間の業を描いていた。
かわいい我が身のために他の誰かを踏み台にする殺伐とした物語が多かった。
そんな中で「稚児桜」の花月の心意気は見事。
「小狐の剣」葛葉のお腹の子はどうなるんだろう…
能
2022/08/14 00:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
能は、見たことがなかったのですが、短編集なので、読んで見ましたがーうーん。どのお話も、裏があったり、命がかかっていたり……。ちょっと……ねえ。もっと、カルーイお話を読みたかったので、期待はずれでした