電子書籍
未来への提言
2021/10/10 20:16
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビジネス書らしく「~べきだ」という表現が頻出するのは、現場経験を踏まえた良心的なもの。氏からの日本への提言だ。日本の大学の惨状を訴え、アメリカとの制度のちがいのところが特に印象的だが、データサイエンスをベースにこの国のあり方を変えもう一度立ち上がろうという姿勢は恥ずかしいぐらいに心強い。
それから電子書籍版だと図表が出るたびに拡大したり元に戻したり、注釈に飛ぶと元に戻れなかったり不便なところが甚だしい。やはり紙の本には敵わないということか。この本の内容とは関係ないけど。
紙の本
『シン・ニホン』 謝辞にそのタイトルの由来の記載があるが、日本人として、この本は読んでおいてよかったと思う
2020/09/25 10:15
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投稿者:オオハシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読書家の知人に紹介されて本屋でそのタイトルとオレンジの色合いを見て購入し、奮闘しながら読了。 430ページ以上という内容以上に重厚だった。 じっくり読んでたらなかなか前に進まなくて途中で挫折してしまったかもしれない。 著者がはじめにで以下の記載があり相当の覚悟をもってでも読んで力になる本だと思う。
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それなりに広範な領域で生きてきた自分でも、専門とは言い難いことにもかなり首を突っ込んで書いた。これだけの広がりをつなぎ合わせないと見えない大切な話がずいぶんとあるからだ。それを一緒に感じ、考えてもらえるのであれば、と思って自分の限界までストレッチしてこの本を書き下ろした。
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AI×データ時代、という中、自分もなんとかいろいろと勉強しながら進めているが、日本の立場・日本の未来を見据え、かなりな広範囲な情報とその裏付けとなるデータ、若者への期待を込めての未来への提言、風の谷構想など、実に興味深い内容であった。 10年後に読み返したら、あぁ、なるほどなんとなくこの方向に近づいているのかな、と思う日が来るのかもしれない。
『シン・ニホン』 謝辞にそのタイトルの由来の記載があるが、日本人として、この本は読んでおいてよかったと思う。(ただしやはり思うが、なまはんかな気持ちでこの本を読もうと思わないほうがいい。圧倒的な熱量に飲み込まれる)
NewsPicksパブリッシングということもあり、『読み終わってからが、始まり。』というオンライン読書会の案内が挟まれているのもぐっときた。
本書とは(直接は)関係ないが最終頁のNewsPicksパブリッシング案内から抜粋しておこう
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こんな時代に立ち上がる出版社として、私たちがすべきこと。
それは「既存のシステムの中で勝ち抜くノウハウ」を発信することではありません。
錆びついたシステムは手放して、新たなシステムを試行する。
限られた椅子を奪い合うのではなく、新たな椅子を作り出す。
そんな姿勢で現実に立ち向かう人たちの言葉を私たちは「希望」と呼び、
その発信源となることをここに宣言します。
もっともらしい分析も、他人事のような評論も、もう聞き飽きました。
この困難な時代に、したたかに希望を実現していくことこそ、最高の娯楽(エンタメ)です。
私たちはそう考える著者や読者のハブとなり、時代にうねりを生み出していきます。
希望の灯を掲げましょう。
一冊の本がその種火となったなら、これほど嬉しいことはありません。
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電子書籍
囲碁でも人はもうコンピュータに勝てない
2020/06/28 21:12
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投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読むことでさらに日本への絶望感は強くなる
驚いたことにバブル崩壊後10年経っても日本の生産性はそう悪くないという事実。ということは諸悪の根源はあの98年に集約されそうだ
ノーベル賞は今や分子レベルでの機械。リニア思考では追いつけない
LGBTQ。数学の教養。若さは才能。日本は非効率を苦痛でしか解決できない
AIは人工知能というよりも機械知性。「手」の力。真の創造も「手」による
この著者に逆に知らせたいのは、日本人は中国人と筆談ができるという事実だ。
温暖化CO2原因論に騙されてしまっている点も気になった
紙の本
タイトルと外観はいいが
2020/04/04 20:25
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投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
AIとデータの現代社会において、日本人としてどう生きていくかという壮大なテーマが本書の主眼である。この15年に亘り、日本経済だけが敗け続けた要因分析から、これから日本はどうしてくかの解決法を説いていくが、この主張がうまく飲みこみない。例えば、日本社会に埋もれた資源として若者、女性、シニアと挙げているが、これは周知の事実で、同一労働同一賃金のような現実制度以上の何かがない。また、日本はDGPに対する教育投資が極めて低いから救育投資が必要だというが、これは日本の大学に投資しても効果がない結果、GDPの成長率よりも投資が減っているだけのような気がしてならない。もっというと、博士課程に行く人間の多くの部分が経済活動に適合していないことの方が問題という気がしてならない。そう、現状認識としてはいい本だが、解決策は自分たちで考えろということなのだろう。
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時間かけて読了。
データ、メタ俯瞰と分析・認識、日本と地球の未来。
地球環境やco2排出観点からの、適正な人口サイズ。
都市と限界集落と「風の谷」構想。
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ファクトに基づいた明確な分析が痺れました。
日本のほとんどはAI readyではなく、そのための投資も人材も充分ではない。日本の改革が必要といえるが、その中で何ができるか、深く考えさせらせる一冊でした。
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データxAIの世界でkeys for success
さまざまのところから多様なビッグデータが取れ、いろいろな用途に使えること
圧倒的なでーた処理能力を持っていること。データ処理力とは技術でありコスト競争力だ。
これらの利活用の仕組みを作り、回す世界トップレベルの情報科学サイエンティスト、そしてデータエンジニアがいるということ
事業の成長を決める本当の要因はなにか
戦略、実行力、リーダー、そして市場
銃・病原菌・鉄
サピエンス全史
我々の持つ知性とAIの最も本質的な違いの一つ
AI,機械知性はイミを実感のあるおのとしては何も理解していない。単に情報処理を自動化しているだけであり、何を行っているかすら理解していない。つまりAIは、識別は見事にできても、本質的に近くしていない
AIには意志がない。そのため何をどうあるべきか、どうありたいと自律的に判断することができない
意志は生命の本質である
課題解決を行う場合、まず、ありたい姿や目標を、意志に基づいて決める必要がある。そして現状を見立てて、解決すべき点(問題)を整理・分析し、具体的な策を関係者に伝える
しかし、AIはそもそも我々のように知覚することができないので現状の見立てや常識的な判断もできない上、前例が少ないと課題一つ評価できない。ヒラメキもなく、文脈がわからないので正しい問いも生み出せない。課題解決のキモの一つである枠組みのデザイン、課題の切り分けもできない。当然ながら相手を理解し、人を見て適切にコミュニケートする力もない。本物の課題解決においてAIはほとんど無力なのである
自分なりの知覚を鍛えるためには2つのマインドセットが需要だ。一つはハンズオン、ファーストハンドの経験を大切にすること。伝聞から知覚を高めることは極めて困難である。百聞は一見にしかずなのだ。人から聞いたことを鵜呑みにしない。明らかに間違っていること以外試してみる、手と足を動かし、頭を動かすことが大切である。
知覚を鍛えるために必要なもうひとつのマインドセットは、言葉、数値になっていない世界が大半であること受け入れることだ
現象、対象を全体として受け止める訓練をする
現象、対象を構造的に見る訓練を行う
知覚した内容を表現する
意図的に多面的に見る訓練をする
物事の意味合いを深く、何度も考える
新たに気づいたことはそう簡単には忘れない
漫画家 カガノハミチ アド・アストラ ースピキオとハンニバル
ローマとカルタゴの戦いの物語
マルケルスの部隊もハンニバルの部隊の戦いにおいてもはやこれまでという局面がくる
マルケルス 老人を生かさんがために、若者を犠牲にするような国に未来はない
パンディウスよ、どうか生き延びてローマの明日を紡いでくれ
明治神宮の広大な森は、にわかに信じがたいが、天然林ではない
一日生きることは、一歩進むことでありたい 湯川秀樹
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日本はこのままじゃヤバい、という本は数多く出版されているが、じゃあどうする?を具体的にそして壮大な長期的展望をもって示した本はなかなかないんじゃないかと思う。
現状を分析したグラフやデータの膨大さにも驚かされる。
筆者の熱量のこもった文章を読んでいると、日本はまだまだやれる、というか自分が未来を担う若者たちに少しでも良い社会を残したい、その一員として頑張らねば、という気持ちを呼び起こさせる。
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この国のヤバさの分析はリアル。ソリューションは楽観的過ぎるか?勝ち筋は本当に勝ち筋なのか?
日本の生産性が低過ぎるから伸びしろがあるというロジックはよく見かけるのだが、なぜこれまで生産性を上げられなかったか、その原因はクリアになっていない。アトキンソンの仮説が必ずしも正しいとも思わないけど、クリティカルな解はなかったように思う。先進国の中で普通のレベルになることは(容易に)可能という前提だけれども、そもそもそれができなかったのは何故なのか?
未来に投資する余力が全くない訳ではないのに、それをしていないのは何故なのか?まさか憲法25条の解釈の問題で納得してる訳ではあるまいに、とは思う。
民主主義の問題、利権の問題、既得権益の問題など、ある意味では政治の問題をスルーしているように感じる。大前研一が都知事になれなかった理由と、著者の提言の浮き方には、同じ根があるように思われる。
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現状から今後の日本の向かう方向性を提案する一冊ということになるでしょう。この20〜30年世界に取り残され停滞し,AI発展の第1段階で明らかに遅れをとった日本も,明治維新後の近代化のように,海外発の技術の実用化段階の流れに貢献すればまだまだ盛り返しは可能である,ということかもしれません。
しかし,本書で論じられるのは基本的にはどこかで見聞きした内容で独自性はあまり感じられなかった。文章も全般に稚拙で読みにくく知性が感じられない。書籍として内容や文章を推敲したような感じがしないのが残念だった。ちょっとした内容にも,いちいち「自分」が出てくるのでちょっと不愉快にもなる。終盤に至っては,単に自分の関わるビジネスプロジェクトの宣伝のような内容。本書の内容はもっと絞ってもらえるとより良い書籍になったと思うのだが。
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(シン・ゴジラを知らないと)タイトルがちょっと分かりにくいけど、骨太の日本再生論。
著者の日本を何とかしたいという熱い情熱がひしひしと伝わってきます。
とにかく、自分も未来を創造する側になりたいと思えるし、
何かアクションを起こしていこうと思わせてくれる本。
自分が興味があったのは、著者の人材育成論や教育に対する考え方のところ。
AIを使い倒せるベースの元、AIではカバーできない知覚を鍛えるべきというのは自分の元々思っていた考えともとてもマッチする。
所々、良くも悪くもコンサル的だなぁと感じるところはあるものの、
骨太な日本再生論は多くの人が読むべきマスト・バイな本であることには変わりない。
みんなが少しずつアクションを取れば、日本も少しずつ変わっていくはず(かな)。
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借りたもの。
感情論は抜きに、データとしての日本の現状と、それに基づいて未来のために「今、何をすべきか」を提言する。
それは“未来への投資”少子高齢化に伴うスマートシティ化と人材育成だった。
デザイン思考・アート思考にも通じる話も盛り込まれ、不確定な未来に臨機応変に対応する(問題解決力)を養う
30年近く、日本だけがGDPに伸び悩み(生産性の低さと人口減少の相乗効果)、科学技術の急激な衰退(AI分野での乗り遅れ、人材不足)が絡み合い、もはや世界に遅れをとっていることを指摘する。
よく言われる「モノづくり大国・日本」「これまで培った技術で勝負」というものが、連綿と受け継がれていた技術ではなく「最新の技術をいち早く取り入れた」つまり「外から取り入れアップグレードしていった」から、戦後の経済成長に繋がったことを指摘。
それらの担い手は常に“若者”であった。
だからこそ、成すべき事は若い世代への教育であることを指摘。
画一化した教育を施し“マシン”を量産するのではなく、反転学習の導入など、あらゆる刷新・変革の必要性を訴える。
内容もリベラルアーツの重要性、データ×AIの活用する意味など根本的な分野について言及。
処方箋として、海外から教示者を招く、思考・コミュニケーションをするために特化した国語力、数学に強い人材を育てる等、具体的な方法論を紹介している。
そしてそのためのお金の問題。
国に金がないのではなく、ある金(リソース)を未来への投資に割くべきとする。
日本は経済成長していないのだから、「今ある」お金(国力)で見合ったR&D投資をすべき、高齢化――老人の数が多い――で高額な社会保障費(その殆どは引退した高齢者を支えるためのもの)を支えるためだけのものは、国家百年の計にならないことを指摘。
これを打破するために国家レベルの教育基金の設立を提言。
……結局、未来に投資してもそのリターンが確実でないからという理由で、日本人は出し渋るのだろう。
「選択と集中」の結果、2000年以降、国家プロジェクトを15年近く出せなかった(空白期間)ダメージ。
財源の問題も、産学連携でカバーできるはずなのに、先の大戦で敗戦後、国防系の研究所・研究機関はすべて整理されたこともあってか、動きが鈍いようだし……(p.308)
(1)国家基金(Endowment)
(2)研究者の待遇改善
(3)PhD学生の育成グラント
(4)初等・中等教育のAI-ready化
(5)大学・国研の交付金
(6)業務改善
(7)科学技術予算の補正
(8)大学生の学費と生活費補助
p.325にその予算内訳も明記。約3.2兆円
思えば、北川 敬三『軍事組織の知的イノベーション』(
https://booklog.jp/item/1/4326302879 )でも、旧日本軍が後任を育てる能力が無かった結果、戦略を組み立てられず敗戦に至った事を指摘。……敗戦以前の国民病か。
次世代を育てる、知識の共有に難ありなのは。
一番ショックだったのは、柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』( https://booklog.jp/item/1/4091863574 )に挙げられる憲法25条の解釈を��げて、‘そういう取り組みを憲法違反だという人が必ず出てくる(p.333)’という話。俯瞰で見るとそれは、未来への投資を犠牲にして、滅びることを肯定していた。
社会保障費を確保するためにも、国は経済成長し利益を生まないといけないのに、本末転倒になっていた。
都市集中型の未来へのオルタナティブとして、持続可能な社会として、「風の谷」を提唱。
データ×AI、テクノロジーを使い倒し、限界集落を自然と共生するコンパクトシティ化するというもの。
都市には無い魅力を再発見してゆく模索を、データで行ってゆく。
『シン・ゴジラ』や「風の谷」といった、所々でサブカルネタを盛り込んで、フィクションで描かれている日本の可能性のポジティブなイメージを共有する…そのヴィジョンが描けるのなら実現可能ではないか、と。
flier紹介。( https://www.flierinc.com/summary/2548 )
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連休中に読む予定がようやく読了。
いろいろなことを考える視点と考えの整理になった気がするが、読んだことを何らかに活かさねば。
ちょうど今日の夜に、TBSのNews 7daysに出演されていましたが、すごくチャーミングな印象でした。
#シンニホン
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◯我々日本人は、戦後の復興において、これまでの技術や、既存のものづくりの延長で勝ったのではないのだ。(138p)
◯我々は意味を理解していないことは知覚できない。(181p)
◯これは社会保障給付費120兆円に比べると2%以下だ。(324p)
★日本が先進諸国に比べていかに劣後していて、どうしたら復興できるか、という話。確かに一人一人がこのような意識を持つことで、少しずつ世の中が変わっていくのかもしれないが、今すぐ自分でどうこうできる話ではないためか、自分ごととして読めなかった。
★まあ、意味不明な校則を廃止するのは賛成。まずはそこから始めてみては。
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■日本の真の中核課題
①人材育成:旧時代の活躍人材の定義を、現在の定義へアップデート
人材育成と科学およびテクノロジー育成の目指す像が間違っているが、これを小手先のことでかわそうとしていること、しかもその変化がおそすぎること
②リソース配分:社会保障(高齢者)から教育(未来を創る若者)への投資シフト
この国が伸るか反るか、再生するか、沈没するかの歴史的な局面であるにも関わらず、これを実現するためのリソースをとてもじゃないが十分に張れているとは言い難いこと
■時代の変化:日本はデータ×AIの3条件(データ、処理力、人材)で大敗
・多面的に不連続な局面…データ×AI、ものづくり、経済重心のシフト
・すべての世界がデジタル×AI化
・想定以上に速い変化
・スケールよりも刷新、創造が重要
・未来=課題×技術×デザイン
■日本の勝ち筋:AI×データの第二の波(データ×AI化の二次的応用)、第三の波(あらゆるものや産業が繋がるエコシステム)で勝負
・まずは備える。「AI-Ready化(AIを語る以前の課題をクリアする)」を進める
・AI-Ready化にあたり「人づくり」と「リソース配分」の二大課題のクリアが必要