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商品説明
【本屋が選ぶ時代小説大賞(第11回)】【舟橋聖一文学賞(第15回)】【野村胡堂文学賞(第9回)】神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。50を前にして妻子を失い、息子の嫁とともに、寂寥と悔恨の中に生きていた。しかし、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲い…。人生の苦渋と生きる喜びを丁寧に描く。【「TRC MARC」の商品解説】
◎第165回直木賞候補作◎
◎「本の雑誌」2021年上半期ベスト10で第1位!!◎
美しく生きるとは、誇りを持ち続けるとは何かを問う、正統派時代小説。
藤沢周平、乙川優三郎、葉室麟ら偉大な先達に連なる新星、ここに誕生。
「こんな時代小説を待っていた」の声多数!
2021年6月5日(土)朝日新聞「売れてる本」に掲載!
神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。50歳を前にして妻を亡くし、さらに息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。
「心が洗われる」というのは、こういう感覚を言うのだと実感した。ーー作家・江上剛(朝日新聞6月5日)
この人がこれから作品をどんどん出していくのがドキドキするし嬉しい。すごい時代に立ち会っている気がする。次回作も必ず読みたい! ーー北上次郎(YouTube「北上ラジオ」)
誰でも歳を取れば、違う生き方もあってのではとの悔悟を抱くもの。その迷いにどう向き合うか。考えさせられた。ーー記者・佐藤憲一(読売新聞1月19日)
私は、作者がこれからの時代小説界をリードしていく存在になることを信じて疑わない。
ーー縄田一男(産経新聞2/21)
美しい物語だ。穏やかで、静かで、そして強い物語だ。ーー大矢博子(「小説すばる」3月号)
生きることの喜び、悲しみ、諦め、希望をすべてのみ込んだ時代小説ーー内藤麻里子(毎日新聞2/7)
主人公もさることながら脇の人物たちもよく書き込まれ魅力がある。ーー川本三郎(毎日新聞2/20)
人はどう生き、どう老いていくべきかの指針となる。(紀伊國屋書店仙台店 齊藤一弥さん)
全日本人に読んでほしい。(旭屋書店池袋店 礒部ゆきえさん【ダ・ヴィンチニュース3月6日】)
心情が清らかに流れ続けながら、激動の大河浪漫があり、心奪われました。ずっと浸っていたいこの至福の感覚を、たくさんに人に味わってもらいたい。(うさぎや矢板店 山田恵理子さん)
様々な制限の中で生き、迷いながら歩み続け、心のわだかまりが少しずつ溶ける有り様に、自分の心にも穏やかな風が入り込んだ。時代小説のすばらしさを感じた。(正文館書店本店 鶴田真さん)
厳しい現実を突き付けながらも生きることの温かさと優しさを感じさせてくれる。(くまざわ書店錦糸町店 阿久津武信さん)
人生に沁みわたり、心に刻まれる、誰もが待ち望んだ時代小説の傑作。
武家もの時代小説の新潮流、砂原浩太朗「神山藩シリーズ」第1作。
【商品解説】
著者紹介
砂原浩太朗
- 略歴
- 〈砂原浩太朗〉1969年生まれ。兵庫県出身。早稲田大学第一文学部卒業。フリーのライター・編集・校正者。「いのちがけ」で第2回決戦!小説大賞を受賞。ほかの著書に「逆転の戦国史」など。
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紙の本
凛とした空気の漂う小説
2021/04/12 07:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説の内容はネタバレになるので控えるが、一読をすすめる。
穏やかな始まりの中で静かに時が流れていくが、次第に波乱に満ちた転回が始まる。
文章は少し硬く、漢字も色々と凝っている。読めない漢字もあり面倒くさいところもある((笑)。けれども、漢字のニュアンスが非常に伝わり、よく推敲された文章。
凛とした空気感が漂う。
情景描写や季節の移り変わりなども非常に的確で読む側の想像力を掻き立てる。一風のよい情景画をみているような気分。
志賀直哉とまではいかないが、表現が上手い。
「令和の藤沢周平」と言われているようだが、それは藤沢周平にも著者にも失礼だと思う。
時代小説のジャンルに入るのだろうが、文学としてもよいものを感じる。
読後感もよく、よい映画をみたような気分。
次作が楽しみ。
紙の本
読書の醍醐味を味わえる一冊
2022/03/09 15:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞こそ受賞にはならなかったものの、2021年の出版界においてこの作品ほど評価の高かったものはなかった。
「本の雑誌」の2021年度のベストテンでは3位、もちろん「時代小説ベスト10」にも選ばれている。その記事を書いた縄田一男氏は「今年度、作品の持つ美しさで最も読者を唸らせる一巻」と絶賛している。
主人公はタイトルにあるように「高瀬庄左衛門」。彼はこれといった特徴もない十万石ほどの神山藩で郡方の仕事についている。
五十を前にして妻を亡くし、家督を譲った息子も事故で喪う。残された息子の嫁志穂は実家に戻ることになるが、舅庄左衛門を慕って志穂は絵を習いに彼のもとに通う。
志穂の自身への熱い思いを感じながらも、庄左衛門は地味な郡方の仕事に勤しんでいる。
そんな庄左衛門がいつの間にか藩の見えざる黒い闇に取り囲まれていく。
この作品ではそんな藩の闇は解決をみるが、この作品の美しさはそこにあるわけではない。
年を重ねながら、「いつの間にか、いろいろなことから目をそらす癖がついて」いた庄左衛門だったが、「ちがう生き方があったなどというのは錯覚で、今いるおのれだけがまこと」という境地にまで至っていく。
庄左衛門をそんな風に変えたのが、志穂であり、彼が出会う若いものたち、そして青春時の友との思い出。
その友に裏切られ、志穂の身に危害が及びそうになった時、庄左衛門の怒りは頂点に達する。
ラストの庄左衛門と志穂の別離の場面の、なんという美しさ。
いい読書であったという満足感で、本を閉じた。
紙の本
静かではあるが真摯な生き方を感じる物語
2021/04/28 15:36
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
郡方を務める高瀬庄左衛門は、50歳を前に、妻を亡くし、息子を事故で失い、倹しく老いて逝く身となる。亡き息子の嫁・志穂とともに、つかず離れずの不思議な関係を保ちながら、寂寞と悔恨の中で生きていく。藩の政争の嵐に巻き込まれながら、穏やかで静かに生きようとするが、混迷の世の流れに抗うことはできない。美しくとても良い時代小説だ。このシリーズを追いかけたい。
電子書籍
高瀬庄左衛門御留書
2022/08/20 17:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者、砂原浩太朗氏の作品は初めて拝読しました。
主人公の高瀬庄左衛門は十万石ほどの神山藩の下級武士で郡方を務めていたが、妻に先立たれ、家督を譲った息子をも事故(事件)で失うこととなる。
その後、郡方に復職し息子の嫁である志穂やその弟に以前から心得があった絵の手ほどきをすることとなる。
志穂に対する感情も切なく表現されていました。
平穏な暮らしはそのまま続くわけもなく、藩を揺るがすような事件に直接巻き込まれることとなる。
少年時代の友情や軋轢、死闘を織り交ぜて面白く描かれていました。