エピクテトス 人生談義 下
著者 國方栄二
「もし君が自分のものでないものを望むならば,君自身のものを失うことになる」.ローマ帝国に生きた奴隷出身の哲人エピクテトスは,精神の自由を求め,何ものにも動じない強い生き方...
エピクテトス 人生談義 下
商品説明
「もし君が自分のものでないものを望むならば,君自身のものを失うことになる」.ローマ帝国に生きた奴隷出身の哲人エピクテトスは,精神の自由を求め,何ものにも動じない強い生き方を貫いた.幸福の条件を真摯にさぐるストア派哲学者の姿が,弟子による筆録から浮かび上がる.下巻は『語録』第三・四巻,『要録』等を収録.(全二冊)
目次
- 凡例
- 『語録』(承前)
- 第三巻
- 第一章 おしゃれについて
- 第二章 進歩しようとする人は何について訓練しなければならないか,および,われわれは最も大事なことをおろそかにしていること
- 第三章 優れた人の対象となるものは何であり,とりわけ何を目的として訓練せねばならないのか
- 第四章 劇場で見苦しいほど逆上(のぼ)せあがった人に対して
- 第五章 病気のために学校を去る人に対して
- 第六章 雑 録
- 第七章 エピクロス派であった自由人都市の総督に対して
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
上巻に引き続き良い内容です。
2021/06/03 20:52
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻に引き続き解り易く、平易で、納得して読み進める事が出来ます。
記憶したい内容が上巻よりも多くありました。
『リンゴには香りも味もなければならない。外形だけでは十分ではないのだ。したがって、人間であることを示すためには、鼻と目があるだけでは十分でなく、むしろ人間らしい考えがあってこそ十分なのだ。』
『なんぴとも他人の意志を支配することはできない。そして、善悪は意志の中だけにある。』
『明日に注意することがよいのであれば、今日注意すればどれほどよいだろうか。』
『若くして生を終えることになれば、神々を非難する。ところが、いよいよ死が近づいてくると、まだ生きることを望み、医者を迎えにやって、労を惜しまずに看護してくれるようにお願いするのだ。』
『足でも希望でも、可能な歩幅を知るべきである。』
『身体を癒すことよりも必要なことは、心を癒すことである。』
どれも言い得て妙味があります。
紀元100年ごろの古代ギリシアのスコラ哲学者の代表作です!
2021/04/05 10:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、古代ギリシアのストア派の哲学者エピクトテスの考えを弟子たちがまとめたものです。実は、この書はすべてのストア哲学のテキストの中でおそらくもっとも広く読まれ、影響力の大きなものであると言われています。苦難の中にあって平静を保つことや、人類の平等を説いたその教えは、皇帝マルクス・アウレリウスの思想にも引き継がれており、ストア主義の歴史上重要な意味を持つとみなされた偉大な古典です。岩波文庫からは上下2巻から構成され、同書下巻には『語録』の第三・四巻、『要録』の内容が収録されています。