政治の上で ジェンダー平等 目指そうよ
2024/03/11 22:09
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投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.内容
日本の政治の問題の一つは男性政治である。ケアが免除されている(とされる)男性しか政治家として活動できる、女性が政治家として活動するのは困難を極める(ケアとの両立が大変なうえに、ハラスメントも受ける)。その結果、政治家ではない女性が苦境に陥る状況は改善されていない。そこで本書では、クオータ(クオーター、ではない。p.197)制の導入等を提唱し、政治の上でのジェンダー平等を目指すことを主張する。
2.評価
筆者は先日、ブリントン,メアリー・C.縛られる日本人:人口減少をもたらす「規範」を打ち破れるか.中央公論新社,2022,(中公新書2715).を読み、ジェンダー格差の温存が、ポスト工業社会において出生率が相対的に低い日本の現状を招いていることを知った。このような現実を打破するには、政治の面でもジェンダー平等を目指して、男性にも女性にもやさしい政治にしないとダメだと思ったので(かつてのマドンナ旋風のように、女性の政治のみの強調では限界がある。本書p.255-256参照)、本書の問題意識はぴったりであった。
内容面では、女性が直面する政治的困難が書かれていること、クオーター制を提唱していること、女性が増えることのメリットを"慎重に"検討していること(第7章)などから、有益な本だと思うので、5点とする。
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の政治への危機感がよくわかり、よかったです。男性中心が続いていき、世界から取り残されないか、心配になります。
裏付けのあるデータが秀逸です。
2023/04/19 15:23
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々な視点から、著者が論拠のある文章で日本の男性優位の政治状況を著した1冊です。
当書は特に、諸外国と女性政治家の数、割合などを著者がしっかり調べ上げ、表やグラフでデータを示しているのが秀逸です。よくぞここまで裏付けのあるデータをまとめたと驚きました。
まずは政治家という職業を魅力的にしないと
2023/04/03 14:18
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
男性だけで営まれ、女性の参入が認められても対等に扱わない男性政治、もっと女性政治家が誕生してほしいのだが、どうも権力の中枢に近い女性政治家の言っていることが男性政治家よりもLGBTがあたりまえの社会に逆行しているような気がしないでもない、権力に近づくために自分を隠しているのか、それが本心なのかは知らないが
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
変わらない日本の女性の生きづらさを、日本の政治風土と選挙文化と絡めて、民主主義の質の向上のためのジェンダー平等で多様性のある政治の実現と権力構造の変化の必要性を怒りを込めて語っている。
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第44回石橋湛山賞受賞のページ
https://ishibashi-mf.org/activity/prize/44th/
第17回平塚らいてう賞受賞のページ
https://www5.jwu.ac.jp/st/grp/raiteu/prize.html
岩波書店のページ
https://www.iwanami.co.jp/book/b618313.html
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男性だけで営まれ、男性だけが迎え入れられ、それを当然だと感じ、たまに女性の参入が認められても台頭には扱われない政治である「男性政治」という観点から、日本政治の構造に切り込み、なぜ性別均等な議会が実現しにくいのか、どのように変革の道筋をつけるのかを論じている。
日本の政治がいかにジェンダー平等からは程遠く、「男性政治」となっているのかという現状とその背景、そしてそれを変革するための方向性について、データも踏まえて多角的に論じられており、勉強になった。特に、クオータ反対論への反論はかなり説得的で、個人的にこれまで政治におけるジェンダー平等は進めるべきだがクオータまで導入する必要があるのかと疑問に思うところもあったが、本書を読んでクオータは導入したほうがよいという考えになった。
一方、自分がアンコンシャス・バイアスに毒されているからなのかもしれないが、いかにもフェミニズムという感じの、断定調、糾弾調の論調には違和感を覚えるところもあった。
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政治家は政策で選ぶべきと考えますが、当面はクォーター制も必要かなと感じました。
結局、今の日本の政治家という職業が、男性が、妻に家のことを全部丸投げしないとできないような仕組みになっているのが問題のように思いました。
ただ、女性が少ないから女性にも投票したいなと思うのですが(自分は男性です)、今回の統一地方選挙で、自分の住んでいる地域では女性候補者が全候補者の約25%しかおらず、その女性候補者も、自分の思想信条からすると、どうしても支持できない政策目標を掲げていたり、自分の支持する政党からの候補者がいなかったりと、残念ながら投票することができない感じでした。
現在のシステムを変更しないで女性に議員をやってもらうとすると、夫に家事を全部やってもらう(子育ても)ことができる人でないと、なかなか難しいんじゃなかろうかと思いました。もちろん、そういう人もいていいわけですが。
また、立候補するのにお金がかかりすぎるのも問題ですし、まあ選挙システムの問題を挙げればキリがないですね・・・。専業議員ってのもどうなんでしょうね。
真面目に議員をやれば大変なのは明らかなので、そこそこの報酬がないとやり手がいないのは理解できますが、にしても、何もしないで報酬だけもらっている議員も少なからずいるわけで、なんとかならないもんですかね・・・。
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「私たちのことを私たち抜きで決めないで」障がい者運動
セクハラが法的に禁止されていない
働く女性の自殺率がコロナ禍で28%増加
急進的ナショナリズムと新自由主義
地元活動7割
選挙文化、プライベート
比例名簿の順位は党の責任者の独断
日本の国際的な威信、コントロールしたいという強い欲望
国会議員は国民の代表である
女性天皇と多様性?
クオータに関する正確な知識を与えることによるアンケートの影響
当事者という正統性、政治参加
政治参加への障壁をなくしたい
今の政治家の実像は政治家に求められる資質に本当に合致しているのか?
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国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11541396
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ぜひ男性に読んで欲しい本。
男性の私も女性の政治進出に賛成でありながら、考えが至っていない点が多々あり、はっとさせられました。
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女性議員の増加とジェンダー平等政策の推進の間に因果関係はあるか?という問題提示の中で、筆者はしれっと因果はそこではなくて社会の推進力との間にあるのだと答えている。
供給サイドの研究が心理面・資源面に分けて紹介されているのでまた戻ってこよう。
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まずはクォーター制度を入れて、数を増やす事から始めるしかない。今よりも少し強制度を上げて、なおかつ自民党でも受け入れられる制度を編み出すことから、少しずつ拡大して行く。この問題に対する自民党の抵抗は非常に強いものがあると思われる。
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一度投稿したつもりでいたのだが、うまく保存されていなかったようで、メモも含めすべて消えてしまった。以下、記憶を頼りに。
本書でいう「男性政治」とは、「男性だけで営まれ、男性だけが迎え入れられ、それを当然だと感じ、たまに女性の参入が認められても対等には扱われない政治」のことをいう。昨今話題になっている「政治とカネ」の問題も然り、日本の政治が絶望的なまでに停滞しているのは、特定の層に政治牛耳られ、彼らが既得権の擁護に専心しているからに他ならない。多様性こそが政治に求められるものではないのか。
先進各国では保守政党であっても、政治家のパリテ、クオータ制が進んでいる。そのなかで最も政治の男女平等が遅れているのは、ジェンダーギャップ指数が先進国でも最も大きい日本なのである。著者の三浦先生は、「男性政治」の弊害を、データを示しつつ、とてもわかりやすく解説してくれている。
誤解してはならないのは、本書は「男性批判」の書ではないということである。「男性政治」への痛切な批判であり、この「男性政治」は多くの男性にとっても有益ではないことを示している。この内容を、一部の研究者の目にしか止まらない専門書ではなく、新書という一般向けの形態で刊行した意義はとても大きい。いまこそ読むべき本といえる。
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これまで男性中心の政治がいかに弊害を生んできたかを詳細に論じ、世界的にはどのような形で、それが打破されてきたか、研究結果や各国の取り組みを丁寧に述べられており、説得力がある。また議論や運動を進めていく中で、バックラッシュなど注意しないといけない点も述べているのはバランスが良い。女性が政治の世界で活躍する世の中になることが、ジェンダー平等で多様性のある世の中を作ることにつながるし、「家父長制が引き起こす抑圧と暴力」を打破することは本当の意味での民主主義を進めることにつながると言うことが理解できた書であった。