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紙の本
わかれ縁 狸穴屋お始末日記 (文春文庫)
著者 西條 奈加 (著)
定職にもつかず浮気と借金を繰り返す亭主の元を飛び出した絵乃は、離婚の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代見習いとなる。果たして絵乃は一人前の公事師となり、自身の離縁も成...
わかれ縁 狸穴屋お始末日記 (文春文庫)
わかれ縁 狸穴屋お始末日記
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商品説明
定職にもつかず浮気と借金を繰り返す亭主の元を飛び出した絵乃は、離婚の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代見習いとなる。果たして絵乃は一人前の公事師となり、自身の離縁も成し遂げられるか!?【「TRC MARC」の商品解説】
いつの時代も家族円満は難しい⁉
『心淋し川』で直木賞を受賞した、
人情時代小説の名手が描く江戸の離婚模様
夫婦となって5年。
定職にもつかずに浮気と借金を繰り返す亭主に絶望した絵乃は、
身ひとつで家を飛び出し、離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」に流れ着く。
夫との離縁を望むも依頼できるだけの金を持たない彼女は、
女将の機転で狸穴屋の手代として働くことに。
果たして絵野は個性豊かな狸穴屋の面々とともに
一筋縄ではいかない依頼を解決しながら
念願の自身の離縁を果たすことができるのか⁉
【狸穴屋に持ち込まれた依頼の一部】
「二三四の諍い」……狸穴屋にやってきたのはまだ10代の兄妹、彼らの望みは両親を離縁させることだった。
「双方離縁」……嫁と母の仲が悪い。家格も絡んでなおややこしい、武士を悩ませる江戸の嫁姑問題。
「錦蔦」……才能ある息子を引き取るのはどっち? 職人の家のあいだで起きた大岡裁きの結末。
文庫解説 大矢博子【商品解説】
収録作品一覧
わかれ縁 | 7−57 | |
---|---|---|
二三四の諍い | 59−95 | |
双方離縁 | 97−130 |
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紙の本
縁の結び方と切り方
2023/07/26 09:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
離縁がらみの民事訴訟を担う江戸時代の仕組み・公事方を舞台に、主人公・絵乃の自立する女性への成長が描かれる物語。女性が自らの手で自らの人生を決めることの大切さ、生きる力を信じることの大切さを、あらためて知ることになる。人の生きざまにおいて、縁を得ることは、人生のターニングポイントになり、時として離縁も生き方の舵を大きくきることになる。ただ離縁は目的ではなく手段であり、離縁が成り立たないとしても、人生の方向性を改めることになると思った。
電子書籍
江戸時代の離縁事情
2023/07/12 18:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
離縁調停を得意とする公事宿「狸穴屋」を舞台に、江戸時代のさまざまな家族の縁を描いた人情時代小説の文庫化。
連作形式で夫婦不和や嫁姑・親子問題など、江戸時代の生々しい離縁事情が、今の時代にも通じる身近さで描かれていて素直に面白かった。
男女間の気持ちの切れ目や再燃、未練の描き方も精巧を極めていて、時代小説が苦手な人にも幅広くオススメしたい作品。
見習いの主人公への丁寧な説明があり、解説と併せて新たな知識(歴史)も知れて、勉強にもなった。続編が楽しみ。
紙の本
いろいろな縁がある
2023/07/10 14:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
良い縁、悪い縁、どれも縁には変わりはない。
卑劣で同情のかけらも持てないような夫と別れる為、主人公が重い腰を上げる。
なかなか踏ん切りがつかなかった主人公にそっと手を差し伸べ、引き上げてくれようとする者たちが現れる。その手を握るか離すかは本人次第。
他のいろいろな人生を見ていくうちに、決心が固まっていくプロセスが巧みだと思いました。自分の人生なのだから、大切にしなけりゃ、そう言われているようでした。