紙の本
救いのない話が多い
2023/10/17 16:54
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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはり、聞き手が男性に変わってから暗い話が多くなった気がします。
今回も「青瓜不動」以外は不幸の多少はあれども寂しい終わり方からやるせない気持ちになるものばかりでしたので、
気分がダウナーな時は読まない方がいいのかもしれません。
青瓜不動はおちかの出産が関係していたからでしょうか。
この中で心に残ったのは
「誰の心のうちも、問うてみなければわからない。問うて返事を得たところで、全てがわかるわけでもない。いつもいつも問うていては、うるさくて暮らしていかれない」
というくだりです。
なんでもハッキリさせたがる傾向の自分にはひびきました。
後半は富次郎が自分の生き方について立ち止まって考えますが、ひとつの結論が出たんでしょうか。
紙の本
タイトルの話が良かった
2023/09/10 12:37
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
良かったねっていう話と、悲しい話があって。
やっぱり、タイトルの青瓜不動が一番良かったかな。
他はちょっと悲しい感じだったかな。
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楽しみにしていた新刊、3日で読了。
全体的に富次郎の気持ちと度量が試されるお話でした。
青瓜不動、富次郎がんばったね、おちかよかったねと涙ほろり。
だんだん人形、おびんちゃんが不憫。
自在の筆、筆に取り憑かれた絵師がおそろしい。
針雨の里、富次郎の本当の気持ちが明らかに…今後の自らの立ち位置をどうするのかきになります。
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三島屋第9弾。
青瓜不動/だんだん人形/自在の筆/針雨の里
帯をみて、さまか完結!?と思ったらそんなことはなかった。
よかった。
どれもよかったけど、「青瓜不動」がすきです。
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三島屋変調百物語第9弾。「青瓜不動」他所の父娘のありようみて自分の父の心をおもんぱかることができるようになったお奈津。黙って譲り合い、思いやり合いながら生きていくしかない。駆け込み寺だ。大百足は出産の難儀さでしょうか。おちかが無事出産できてよかった。「だんだん人形」復讐を守りにかえて人形にこめる。この世のどんなものよりも尊いのは人の念だ。けっして、勇気を失うな。「自在の筆」富次郎が描けなくなるくらい呪わしい。「針雨の里」風舞の化身が子を守っていたんだ。富次郎が筆を折らずに描きたい気持ちが出てきてよかった。
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百物語の聞き手がおちかだった頃は、おちかの生真面目さと心の傷からか、暗い・辛い話が多かった気がする。
富次郎に代わり、百物語以外の部分でホッコリする箇所が増えた。
今回は百物語ではあるのだが、どちらかというと富次郎の心の動きに沿って話が続いている。
絵師になりたいという思いを封印しつつも、抗えない描きたいという思い。
三島屋も伊一郎が戻ってきたし、富次郎自身も今後の身の振り方も含め、決断の時が迫っているのだろう。
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三島屋変調百物語 第九弾。
私の“抱えている”数あるシリーズ物の中でも、とりわけ個人的にお気に入りの当シリーズ。
今回は四話構成(+序)となっております。
“変わり百物語”の二代目聞き手である、富次郎の兄・伊一郎が三島屋に戻り、早速商いの手腕を発揮して頼もしさを見せています。
富次郎も店先でファッションショーのモデル(人台)をやらされるなど、伊一郎のお手伝いをしつつ、自身の今後の身の振り方を考えてしまう・・そんな悩める“小旦那”のもとにやってくる“語り手”達の物語とは・・。
安定のクオリティで、今回も不思議な物語の世界に浸らせて頂きました。
表題作の第一話「青瓜不動」では、行く当てのない女たちの駆け込み寺のような場所となった洞泉庵と彼女達を守護する不動明王“うりんぼ様”のお話で、富次郎も物語とリンクした夢の中で、畑の大量の“うりんぼ”達を大百足から助けることによって、おちかの安産祈願に繋がる展開となっております。
その甲斐あってか、おちかも無事に“小梅”(某一発屋芸人にあらずw)という可愛い女の赤ちゃんを出産して、いやぁよかったですね。おめでとうございます!
第二話「だんだん人形」は鬼畜のような悪代官によって悲惨な目にあった少女・おびんの作った土人形の不思議な物語でこちらも読み応えがありました。
この話の語り手・文三郎は富次郎と馬が合うようで、この後も富次郎の友人として再登場してほしいですね。
第三話「自在の筆」は話としては短いですが、内容が凄惨なので、こちらもインパクトありました。
これによって富次郎が絵師を断念するという決断をし、そんな心情で第四話「針雨の里」に進む流れです。
個人的にはこの「針雨の里」が物語として好みでした。孤児を引き取って貴重な鳥の羽毛と卵で生計を立てる、村全体が家族のような狭間村に引き取られた少年の成長と、その平和な暮らしが突如終わりを迎え、村人の正体が判明した時に、何とも言えない切なさと温かさが胸にみちてくる感じがしました。
ただ、この物語を聞いていた富次郎に“ある思い”がこみあげてきたところで、第四話自体が終わってしまうのが何だか唐突な印象を受けてしまいました。
あれからナナシ達がどうなったのか・・・語られていた“物語”が途中で終わった感があるのがちょっと残念でしたが、それだけ話にのめり込んでいたということですね。
次の巻では富次郎も決意も新たに、聞き手を務めることができそうですかね・・小梅ちゃんの成長と共に続きを楽しみにしております~。
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三島屋変調百物語シリーズ9作目。
4つの物語があるけれど、恐ろしいあやかしが出てくる話もありつつも、ほっこり、じんわりと心が温かくなるような話が多かった気がする。
『だんだん人形』が富次郎ばりに一番ワクワクしたお話だった。最後の『針雨の里』も、事の真相がわかってくるうちになるほどそうだったのか、としんみりしてしまった。
表題の『青瓜不動』は、この時代の思想や価値観で幸せになれない女性たちが奮闘したり、いよいよおちかの出産が迫り富次郎が思いがけず活躍したり、連作の流れの中で要になる物語だとは思ったけれど、他も良かったからインパクトが薄くなったかも。
この本で、絵を描くことを一度はやめた富次郎が、早々にまた描きたいってなってる(おそらくまた描き始める?)くだりは大切な要素なのだろうか?
なかなかいつまでも、どこか子どもっぽい富次郎が成長した、ということかな?
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うわー、この余韻を残して終わるのか〜〜!!!
宮部さんの書く物語は、いつも思わぬ形で心を抉ってくるんだよな…。
人でも、紙でも、共に暮らしていた者を失えば等しく悲しいわけで、いわゆる泣ける話は嫌いな私だけど、泣いちゃった話は心に刻まれちゃったりするのよねぇ…。
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変わり百物語のお話も9冊目。今作はどちらかといえばライトめなお話が多く、聞き手である富次郎の心持ちの移り変わりがメインだったように感じた。
宮部さんの作品を読む度に人の業について考えさせられることが多いのだけれど、その辺が今作ではあっさりとしていたような。読み手であるこちら側の意識が変わったせいなのかな?百物語のシリーズにしては、割とあっさり読めました。
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三島屋シリーズ第9弾。
4編の、短編というよりは中編集。
安定の面白さ。ちょっとページ数が多い気もするけど。
青瓜不動
行くあてのない女のための駆け込み場所になった庵。その瓜の畑から不動明王が出てくる。
おちかの出産との関係がちょっとよくわからなかったかな。
だんだん人形
決死の脱出劇は映画のよう。
生き残った娘が作った土人形。
最後に二世代ほど後の土人形に関する続きの話があった。
自在の筆
いつもとは違って黒白の間ではなく、たまたま聞くことになってしまった話。
このシリーズらしく人間の欲を魔物が狙った話が怖い。
針雨の里
孤児が集められた山里はなんと…
その伏線がしっかりと語られているのはさすが。
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【収録作品】第一話 青瓜不動/第二話 だんだん人形/第三話 自在の筆/第四話 針雨の里
第一話 おちかの出産を見守る面々。
第二話 圧政に虐げられる人々。理不尽この上ない。
第三話 人の執念に付けいる怪異。
第四話 捨て子が連れて行かれた里。
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ひとまずおちかちゃんよかった、おめでとう。
富次郎も長兄が戻ってきたりでいろいろ揺らぎつつもひとまずは心の澱が少しは晴れたようでよかった。
自在の筆はなかなかに業の深い恐ろしい代物だけど、そのほかはどれも守り神のような話でよかったな。
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宮部みゆきの新作は、読むまでいつもワクワク。どの作品も必ず楽しませてくれるから。
三島屋の百物語、おいちのときは、面妖で悲壮な話で、聞くも地獄な話が多かった。
富次郎に代替わり後は、聞き手がまだ頼りないのか、救われる怪談が増えた気がする。マンネリ化せず、毎回違う怖さがある。
本当に百になるまでシリーズが続きそう。
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青瓜不動/だんだん人形/自在の筆/針雨の里
人を守る者、長い時をかけて恩を返す者、人を傷つける者、人を慈しむ者
誰かに聞いてほしくなるまで胸にあった話はいろいろなものの味が染みて深い香を醸すようになるのかもしれない。富次郎さんの心意気が上がったような気がします。
さて 売り物は味噌と味噌漬けの丸升屋。評判をとっているのは
懐中御味御付(かいちゅうおみおつけ) か
懐中汁粉 (かいちゅうしるこ) か?