紙の本
着地が…
2024/01/02 13:39
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
「青瓜不動」
なぜあの役目を富次郎が負う事になったのか、そこの繋がりが弱かった。
「だんだん人形」
酷政のために命をを刈られた人々の無念を思うと代官が罰せられるところは見たかった。
「自在の筆」
黒白の間を通さなかった、一番怪談らしいエピソード。
禍物の筆を絵師のもとに持ち込んだ若侍は魔物だったのかもしれない。
「針雨の里」
かなり好きなエピソードだが、災害の後に門二郎たちがどんな行き方をしたのかは知りたかった。
ちょっと中途半端は所で終わったのは残念。
やはり富次郎は描く事から逃れられない性分なのかもしれない。
次巻はその業と向き合う事になるのかも。
面白いが話の着地がちょっと弱いのが残念。
紙の本
救いのない話が多い
2023/10/17 16:54
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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはり、聞き手が男性に変わってから暗い話が多くなった気がします。
今回も「青瓜不動」以外は不幸の多少はあれども寂しい終わり方からやるせない気持ちになるものばかりでしたので、
気分がダウナーな時は読まない方がいいのかもしれません。
青瓜不動はおちかの出産が関係していたからでしょうか。
この中で心に残ったのは
「誰の心のうちも、問うてみなければわからない。問うて返事を得たところで、全てがわかるわけでもない。いつもいつも問うていては、うるさくて暮らしていかれない」
というくだりです。
なんでもハッキリさせたがる傾向の自分にはひびきました。
後半は富次郎が自分の生き方について立ち止まって考えますが、ひとつの結論が出たんでしょうか。
紙の本
タイトルの話が良かった
2023/09/10 12:37
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
良かったねっていう話と、悲しい話があって。
やっぱり、タイトルの青瓜不動が一番良かったかな。
他はちょっと悲しい感じだったかな。
紙の本
女性の強さ
2024/02/25 10:02
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
家族の叔母への仕打ちに怒って一人で廃寺に住み込み、畑を耕し、行く当てのない女性を次々かくまって段々畑を拡大し、周囲の理解と援助も得ていった女性の話が印象に残りました。土の不動明王の話は悲しかったです。上に立つ者が愚劣だと下の者が被害を受けるのはいつの世も同じですね。
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今回も素晴らしい読み応え。
富次郎の色々な思いが心に迫ってくる。
どうしよう、本当に描くのを辞めてしまうのか。
聞き手そのものはどうするの。
おちかもいよいよその時を迎えて、さらにどきどき。
語り手の登場も今回はイレギュラーで、今後の展開にさらに期待。
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百物語の聞き手がおちかだった頃は、おちかの生真面目さと心の傷からか、暗い・辛い話が多かった気がする。
富次郎に代わり、百物語以外の部分でホッコリする箇所が増えた。
今回は百物語ではあるのだが、どちらかというと富次郎の心の動きに沿って話が続いている。
絵師になりたいという思いを封印しつつも、抗えない描きたいという思い。
三島屋も伊一郎が戻ってきたし、富次郎自身も今後の身の振り方も含め、決断の時が迫っているのだろう。
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とてもとても楽しみにしていたんだけど、今回は私の望んでいる百物語ではなくて残念。
心底震え上がったり、怖いけど優しくて、切ないけど怖くてというのが宮部さんの三島屋の百物語と個人的に思ってるので、今回は残念だったなぁ。
いやどれも良い話なんだけどね。
おちかも無事に出産したし。でもちょっと残念。
次に期待かなぁ
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バラエティに富んだ話。「自在の筆」は富次郎にとって辛い話。富次郎は聞き手を続けることが出来るのか?お店の将来も気になる。
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うわー、この余韻を残して終わるのか〜〜!!!
宮部さんの書く物語は、いつも思わぬ形で心を抉ってくるんだよな…。
人でも、紙でも、共に暮らしていた者を失えば等しく悲しいわけで、いわゆる泣ける話は嫌いな私だけど、泣いちゃった話は心に刻まれちゃったりするのよねぇ…。
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表題作の青瓜不動が気に入った。
黒白の間の聞き手も変わり、段々板についてきたかと思っても、本人の心持ちはまた違うようで、今後の身の振り方も含めて悩みが尽きないようですね。
中編2作と、短編が2作。
単行本ならではの挿絵がお気に入りです。
懐中汁粉は校正漏れな気がしますね。
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シリーズ第9作。三島屋変調百物語の続編で毎回楽しく読んでいる。そろそろ富次郎にもいい人が出来ればいいなと思う。
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どの話もなんだか感動して泣いちゃった
思い返すとそこまでじゃないのに文を読んでると号泣なんだよね 文章力すごい
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楽しみにしていた新刊、3日で読了。
全体的に富次郎の気持ちと度量が試されるお話でした。
青瓜不動、富次郎がんばったね、おちかよかったねと涙ほろり。
だんだん人形、おびんちゃんが不憫。
自在の筆、筆に取り憑かれた絵師がおそろしい。
針雨の里、富次郎の本当の気持ちが明らかに…今後の自らの立ち位置をどうするのかきになります。
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三島屋の変わり百物語、第九弾。富次郎が聞く心と念の物語り。
第一話 青瓜不動・・・行然坊の縁で三島屋に運ばれた青瓜不動。
行き場が頼りになるものが無い女たちが集う洞泉庵の
起こり。人の世の情けと縁は心を育み、想いへの証を示す。
折しもおちかの出産の時、青瓜不動は富次郎に試練を与える。
第二話 だんだん人形・・・悪代官による村の悲劇。偶然居合わせた
一文は飛び猿と共に過酷な洞窟から村を脱出することに。
再会したおびんは念を籠めた武者の土人形作り、一文に渡す。
悪しき運命に曝された者たちの念が勇気に報いるように。
第三話 自在の筆・・・骨董屋で見かけた絵師と筆の関係とは。
その絵師の急死に伴い、骨董屋が語る悪しき筆。
それ以上に絵師の深い業の姿は、富次郎自身の行く末を
思う心に煩悶を与えた。これが最後だ。もう二度と描かない。
第四話 針雨の里・・・そこは身寄りの無い子にとっては極楽の
ような場所だった。仕事はキツイけど質素ながら豊かで、
住民が皆家族のようだった。だが大噴火が村を襲う。
そして見たのは、大人たちの正体・・・確かに「命」だった。
念、邪念、無念、尊くもあり怖ろしくもある人の念。
語りの中に人の真実がある。
聞き、その一端を描いてあやかし草紙として
封印してきた富次郎だが、その心情に変化が現れる。
それがこの巻の根幹にあると感じました。
故の第四話の終わり方。
絵師になる夢をすっぱりと止めようと決心しても、
心根を揺るがす語りを聞き、描きたいと涙が溢れてしまう。
果たして再び筆をとるか?十之続に期待が繋がります。
また今回は、「吼える仏」の行然坊と
「黒武御神火御殿」の骨董屋(古道具屋)が再登場したのも嬉しい。
お勝の過去も気になるところ。
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この百物語の最初の聞き手「おちか」が出産するので、しばらく聞くのをやめていた富次郎が、安産を祈るため聞き始めた、表題「青瓜不動」を含む4編が収められた本作は、464ページという長さに流石に疲れました。
著者宮部みゆきさんの著者の中でも時代物ミステリーは私も好きな分野ですが、この百物語シリーズは新聞掲載になってから、一つの物語が長くなって、老いが進んできた私には苦しくなってきました。
内容的にはいつも通り、恐ろしい人間の性がミステリーによって表現される、著者らしい作品でした。