目次
- はじめに 「犠牲者」の創出と研究者の責務
- 序章 「移行期正義」と「大量死」の意味づけ
- 1 「移行期正義」論を越えて
- 2 「死者の犠牲者化」をめぐる議論
- 3 本書の対象と方法
- 第1部 済州4・3事件
- 第1章 死者から「犠牲者」へ
- 1 民主主義体制への移行と「過去清算」
- 2 済州4・3事件とその後
- 3 「過去清算」の法制化に向けて
- 4 誰が「犠牲者」なのか−「犠牲者」の審議・決定プロセス
- 5 「死者の犠牲者化」がもたらすもの
- 6 「過去清算」が生み出す「未清算の過去」
- 第2章 記念施設をめぐる記憶のポリティクス
- 1 「過去清算」の空間化
- 2 記念施設「済州4・3平和公園」
- 3 慰霊・追悼の領域から
- 4 再現・表象の領域から
- 5 記憶闘争の場
- 第3章 公的領域における「大量死」の意味づけ
- 1 媒介としての申立て
- 2 書き直される済州4・3事件以後
- 3 虐殺の事実を「申告」する
- 4 再構成される死者の体験
- 5 捻じ曲げられる記述
- 6 戦略としての二律背反性
- 7 行間を読み解く
- 第4章 家系記録から読み直す虐殺以後
- 1 国家権力に抗する民衆の経験知
- 2 家族・親族集団の記録資料
- 3 民間人の死の多重性と死後処理の複雑さ
- 4 家系記録に書かれた虐殺の記憶
- 5 ローカルな場における死の意味づけ
- 6 経験知の生成と実践
- 第2部 沖縄戦と台湾2・28事件
- 第5章 沖縄戦の「戦後処理」と「戦死者の戦没者化」
- 1 戦場体験を記述することの困難さ
- 2 「一般住民」に対する援護法の拡大適用
- 3 「運命共同体的な関係」への転換
- 4 強いられる戦場体験の書き換え
- 5 戦死の意味づけをめぐる工夫
- 6 「戦没者化」をめぐるせめぎあい
- 第6章 台湾2・28事件を書き残す営み
- 1 行方不明以後の家系記録
- 2 台湾2・28事件と「過去清算」
- 3 国境をまたいだ南西諸島出身者の移動
- 4 負の連鎖を乗り越えて
- 5 家系記録に書き残された台湾2・28事件
- 6 継承される行方不明の記憶
- 終章 過去克服への取り組みとローカル・リアリティ
- 1 再編される死者間の構図
- 2 せめぎあう国家のナラティブと民衆の経験知
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