目次
脳のリズム
- ジェルジ・ブザーキ(著)/ 渡部 喬光(監訳)/ 谷垣 暁美(訳)
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はしがき
Cycle 1 はじめに
自然の中の周期的現象
時間と周期性
時間、予測、因果関係
自己組織化は脳の基本的な働きのひとつだ
創発、自己因果性、適応性
脳の賢さはどこから来るのだろう?
因果関係と演繹法
科学の用語と論理の方向
もっとトップダウンなアプローチ
ボトムアップアプローチと逆工学
「外から中へ」戦略と「中から外へ」戦略
本書が目指すもの
最善の戦略
Cycle 2 構造が機能を規定する
基本回路──複数の並列ループの階層
脳の回路網の大スケール組織
さまざまな大きさの脳のスケーリングの問題
スケールフリーなシステムはべき乗則に統御される
大脳皮質のテンセグリティー建築プラン
マウスの脳1000個は、ヒトの脳1個に匹敵するか?
新皮質の神経連結の複雑性
興奮性皮質ネットワーク──うんと単純化した見方
要約すると……
Cycle 3 皮質の機能の多様性は抑制によってもたらされる
抑制性ネットワークは非線形的な効果を生み出す
介在ニューロンが主ニューロンの計算能力を増加させる
大脳皮質介在ニューロンの多様性
分散型の時計としての介在ニューロン
大きくなっていく脳での介在ニューロン接続のスケーリング(サイズ変化への適応)
要約すると……
Cycle 4 脳の機能を覗き見る窓
EEG やLFP(局所電場電位)を記録する方法
深部電極や硬膜下グリッド電極による神経活動の記録
脳磁図法(MEG)
何がLFPを生じさせるか
ニューロンは、スパイク(活動電位)を用いてコミュニケートする
シナプス電位
細胞外電流
機能的磁気共鳴イメージング法(fMRI)
陽電子放射断層撮影法(PET)
時空間分解能の改善──光学的方法
In vitroでの単一ニューロン記録法
単一ニューロンの細胞外記録法
テトロード(四極管)によるニューロンの三角測量
シリコン・プローブによる高密度記録法
細胞外からうかがえるサインによるニューロンの単離と同定
ニューロンのグループの識別
脳の信号の解析
同期振動のさまざまな形態
要約すると……
Cycle 5 リズムのシステム──単純なダイナミクスから複雑なダイナミクスへ
脳の振動子はいくつ?
超日リズムと概日リズム
EEG における1/fゆらぎのある統計的挙動
ヴェーバーの心理物理学的法則と脳の大規模なダイナミクス
EEGのフラクタルな特性
ノイズとリズムのスケールフリー・ダイナミクス──複雑性から予測へ
ノイズと自発的な脳活動
要約すると……
Cycle 6 振動による同期化
振動子とは何か?
共振
単一ニューロンでの振動と共振
ニューロンの集団的な挙動は、同期によって確立される
同期性の外的な源と内的な源
確率共振
同期によるセルアセンブリの出現
統合、分離、同期──均衡は存在するか?
振動の同期は、エネルギー面から見て安くつく
振動ネットワークのルールとは?
要約すると……
Cycle 7 脳のデフォルト状態──休息中、睡眠中の自己組織化された振動
視床──新皮質のパートナー
視床‐皮質振動への単一ニューロンの貢献
単一ニューロンからネットワーク振動へ
睡眠時の振動パターン
睡眠紡錘波
徐波1
δ波の源
睡眠サイクルの下降相と上昇相
環境からの部分的解放──α波のファミリー
α波の起源
要約すると……
Cycle 8 経験がデフォルトパターンをかき乱す
休息と睡眠の自己組織化された振動に行動が与える影響
自己組織化されたパターンを目覚めているときの経験がかき乱す
脳のリズムの長期的トレーニング
瞑想に誘発されるα波
感覚フィードバックによるα波の増強
脳波の利用
感覚入力の減少と振動
体の中の脳──第一の皮質リズムの発生並びにそれをかき乱すもの
要約すると……
Cycle 9 γのざわめき──目覚めている脳における振動による結びつけ
ボトムアップの結合による結びつけ問題
分散的で平等主義的な脳における、時間による結びつけ
ヒトの皮質のγ振動
どうしてγ波なのか?
γ振動は速やかな抑制に依存する
離れたγ振動子のカップリング
同期は外的な振動によってもたらされることも、内的に生じることもある
γ振動が表現すること──昆虫からの洞察
要約すると……
Cycle 10 知覚と行為は脳の状態に依存する
脳の活動を平均化する
ニューロンはお気に入りの皮質状態において、最もうまく発火する
行動パフォーマンスは脳の状態に影響される
要約すると……
Cycle 11 「もうひとつの皮質」での振動──現実と記憶の空間を航行する
不等皮質は脳で最も古い部位と最も新しい部位とに挟まれている
海馬は巨大な皮質モジュールだ
海馬は新皮質の図書館司書だ
オートアソシエータにおける検索戦略
動物実験で、いかにして顕在記憶のメカニズムを研究するか?
2 次元スペースでの航行
海馬と嗅内皮質の場所細胞と地図
海馬による推測航法──地図は運動を通してつくられる
θ──物理的空間並びに神経空間での航行のリズム
θ波の生成
θ波電流の生成
場所細胞の発火は、θ波の位相で決まる
θ波に基づいてセルアセンブリが順序づけられ、それがアイテムの順序を表象する
θ波の位相歳差のメカニズム
CA1セルアセンブリとCA3 セルアセンブリの相互補完的な役割
空間時間的コンテキストの生理学的表象方法
現実の空間並びに記憶空間での航行
エピソード記憶と1次元移動の関係
意味記憶と空間地図の関係
要約すると……
Cycle 12 振動によるシステムのカップリング
海馬‐新皮質回路のθ振動によるカップリング
非θ状態での海馬‐新皮質間の対話
海馬の振動パターンは新皮質の状態を反映する
「オフライン」状態の海馬の振動パターン
自己組織化された海馬パターンの経験による改変
新皮質と海馬の一時的なカップリングが情報移動をサポートしているのかもしれない
多重化された振動による表象の多重化
振動のカップリングのさらなる機会
要約すると……
Cycle 13 一筋縄ではいかない問題
振動のない脳?
意識──定義なき機能
感じないネットワーク
小脳の回路プラン
大脳基底核の回路プラン
持続的な活動には再生型(regenerative)フィードバックが必要だ
持続的な神経活動を示し、大きなニューロンプールをかかわらせる構造物だけが意識を支える
参考文献
監訳者あとがき
索引
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