紙の本
朝日の内部抗争
2015/04/25 18:50
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投稿者:日本海 - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝日関連の書籍・新聞・週刊誌を全く評価しない僕がこれはすごいと思う、といっても天敵・文春新書ではあるが・・・。「凍土の共和国」以来である。朝日関係者からの著述では衝撃度(個人的に)がすごい。特に「第2章吉田調書事件の深層」は衝撃だ。吉田証言事件で1報を書いた2人の記者の1人が吉田調書を政府関係者から手に入れたそうだ。この記者は「東京電力 対 菅直人総理」の対立で菅直人側についたため菅の覚えめでたく、吉田調書の朝日側への漏洩は官邸がしたのではないかと言う憶測が社内でもあったという。誰が考えても漏洩は官邸(菅直人)以外にはないけど、こうもはっきり書かれるとすごい・・。つくづく・・菅という奴は・・である。菅を証人喚問に引きずり出してほしい。切に願う。
バカな記述。軍の関与について。(p157)
「軍の関与があった」といえば皆さんはどう受け取るだろう? 業者(女衒)が非道なことをしていてそれに軍の関与があったとすれば、軍が非道を「させた」ととるのが普通である。実は、軍は非道なことを「させない」よう通達していてそれが「関与」だったとの反論に、筆者の一人は(良い関与)も(悪い関与)もない、業者に関与することは韓国側からみれば気分が悪かろうという。
全く反対の誤解を正すことが「気分的に悪かろう」というのである。
「気分的に悪い」? これは、かの「広義の強制性」につけた屁理屈、偽善のような朝日記者の習性なのか。業者(女衒)の非道を見逃せというのである。
所々にボロがある。それも面白い。笑ってやればいい。評価は個々の人にお任せするとしてお勧めできる。
紙の本
なぜ、朝日新聞は信用を失ったのか
2021/11/04 13:16
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投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る
2014(平成26)年は、従軍慰安婦報道と吉田調書報道の取り消しという朝日新聞社にとってあまりに大きすぎる不祥事が起きた。その結果、世間から大バッシングに遭い、朝日新聞の購読打ち切りが相次ぎ、ついには当時の社長が辞任する事態となった。なぜ、朝日新聞社は問題を放置して対処しなかったのか。そこには朝日新聞社が長年にわたる社内派閥による権力闘争やそれに伴う社員の官僚化により社内の空気が変わってしまい、物言わぬ社員が増えた事による事なかれ主義が原因である。
それはどこの日本の会社にも抱えている問題点である。
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今回の朝日新聞問題を理解するに最適な本の一つ。
著者は、「朝日新聞記者有志」となっており一人を除いて匿名。名前を明かしているのは、既に朝日を退社した人物で慰安婦問題の記事を書いている。
この本では、朝日新聞社の"体質"について深く切り込んでいる。この記述を理解したうえで新聞とは読むものだとつくづく感じた。
引用:
許される範囲でエッジを利かせた、記事にいくばくかの大げさなメリハリをつけた...その程度の認識だったのだ。
この点だけを見ても「朝日新聞の常識」と世間一般のそれとが大きく乖離していることがよく分かる。
「反原発ありきでストーリーを作った。」「左翼ゴリゴリの記者が東電批判の目的で吉田調書を歪曲した。」という批判があるが、記事を書いた彼ら自身にそうした自覚がまったくないのだ。
ということは、問題の本質は記者個人の思想や悪意ではなく、このような”常識”がはびこっている朝日の企業体質にこそひそんでいるのである。
明らかにスクープではないものを、なぜ新聞協会賞こうほにまでしてしまったのか?また、なぜ吉田調書記事をいち早く察知していた社会部記者の間から異論が上がらなかったのか?
その理由はただ一点、木村社長が「絶賛」した記事だったことにつきる。上意下達が蔓延する官僚的な組織では、何も考えないのが得策だ。なにか不都合なことを知ってしまえば、ろくなことはない。直言したところで、編集幹部ののご機嫌を損ねてしまえば、次の人事でどんな報復をされるかわからない。まさに完了社会特有の事なかれ主義が、今回の事件を生んだのだ。
局長室が「黒だ」といえば、真っ白いものでも黒になる。
デスクがなっとくしていないのだから、原稿を書いた記者に理にかなった説明が出来るわけがない。「上がいっているから」との言い訳が横行し、次第に編集現場は無力感に包まれていゆく。そういった「上から」デスクが、出世街道を上り詰めて行ったのは皮肉なことだ。
...ある高名な記者が「支局一個分」ほどの巨額経費を使っていることが内部監査で浮かびあがり、問題視されたこともあった。しかしながら、政財界に太いコネクションを持つこの記者が処分されることはなかった。(これは朝日新聞車内のコンプライアンスに関する実態を記した部分から)
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全マスコミ関係者必読!?
でも大手の内情はこんな感じなんだろうと思われ。
そういう意味では驚きはなかったのです。おわり。
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岸田秀氏が、朝日新聞に寄稿しても掲載紙を送ってこないことについて、己惚れが過ぎると文藝春秋で批判したことを引用していますが(21ページ)、寄稿を引き受けた時にそういう約束をすればいいだけで、「俺様が書いてやったのに掲載紙を送ってこないとは何事だ」と岸田氏が考えているのであれば、己惚れているのはどっちなんでしょうね。原稿料なしの寄稿であれば話は別ですけど。。
「社員の評価をおこなうのは、おもに直属の上司だけである」(36ページ)って、何にも言っていない印象です。これが当てはまらない組織ってあるの?
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ん?文春新書から朝日新聞記者有志著『朝日新聞』??何それ??
…と思って思わず衝動買いしてしまった。そして一気に読了。
いやなかなか興味深い。朝日新聞の問題は「左翼的であること」?…さにあらず。私も「今どきそんなに左翼的イデオロギーに染まった記者ばかりなの??」と疑問に思っていたが、「有志記者」たちは「いまやそんなことはない」と。やはり。
では朝日新聞の体質の何が問題なのかといえば、著者たち曰く「ある意味あまりに日本的組織であること」。いや、さもありなん。読んで腹落ちしました。私は。
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二つの誤報と掲載拒否騒動という昨年の三大スキャンダル。その背景を,内部から匿名で,しかし真摯に書いている好著。
本質は朝日特有の左翼イデオロギーではなく,企業構造にある。元凶は朝日新聞の「日本的体質」である。そういう,現場の記者にとってはごく当然ながら,外部からはなかなか理解されにくい実情を,細かい状況証拠を多数積み上げて論証していく。なかなか説得力がある。記者達の間にはびこるエリート意識,人事を過度に重視する風潮,誤報を認めて訂正することの困難性,内部の派閥や権力闘争,そのために行なわれる内部情報漏洩等のモラルハザード,空回りする改革…。要するにひたすら内向きな,それでいて外に対しては権威主義的な,そういう企業体質が背景にあって,それが紙面にも大きな悪影響を発揮していた。
こういう風土は大企業につきものではある。朝日新聞もそれを連綿と保っていて,2014年にそれが思いきり露呈されたということなんだろう。批判が渦巻いて大きな問題になったのは,社会的に重要な使命をもつ報道機関というのが大きかった。こういう事例を教訓に,日本社会が変わっていくきっかけになれば良いのだけれど。
追記: 朝日新聞が慰安婦問題特集を仕掛けたのが,8/5だったことの必然性は本書を読むまで知らなかった。
反朝日の『週刊文春』と『週刊新潮』の増刊号の発行日に間に合わないようにするためだったそうだ。なるほど腑に落ちた。
そんなタイミングなど全然意味ない結果になるのだが。
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文中で名を明かしているのはOB一人。筆者が有志と書かれているが、さほど多い人数で書かれるとは思えない。劣化している大新聞社の話。本によると、「普通の会社」を目指した何代目か前の社長時代にボタンの掛け違いが始まったようにうかがえる。
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福島原発、慰安婦問題を題材に、朝日新聞に蔓延する官僚体質、事勿れ主義を断罪。朝日新聞のみならずすべての企業が組織であれば陥る性にあるため、すべての企業において全うな経営がなされることを願て已まない。
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朝日新聞の記者有志による内部告発的新書。従軍慰安婦問題、池上彰問題、サンゴ礁自作自演問題。すべては、朝日新聞の内部構造に端を発する、と。いまも内部に居続ける人たちの文章だけあって、スタンスが中途半端。思い切り叩くのでもなく、未来を見据えるのでもなく。最後は数字の話で終わり、煙に巻かれた感じ。読後感として残るのは、朝日新聞へのちょっとした失望感でした。
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三大スキャンダルで表出した朝日新聞の問題は、左翼的イデオロギーではなく、企業構造にある。硬直化した官僚主義、記者達の自尊心と自己保身、エリート主義、減点主義の時事評価システム、派閥、無謬神話、上意下達の日常化など、日本的な組織の病。
朝日は、賃貸業で財政は健全‥だからあまり強い危機感をもたずに済んだからなのかも。
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今日決戦投票のフランス大統領選挙ではポストトゥルースとかフェイクニュースとか既存メディアに対する反発が溢れ出し、そのバズワードの端緒であるアメリカでは大統領が記者夕食会を欠席するという前代未聞の出来事が起こり、メディアと権力、メディアと社会の関係が今まで通りではない、という世界的状況の中で、日本の言論の中心であった朝日新聞がどんな危機に直面しているか?を知りたくて本書を開きました。内部の有志によって書かれた文春新書でありながら、社内権力闘争による内部情報の漏洩を批判するという矛盾を感じるところもあるのですが、いかにしてこのような状態になったのか?を理解するのには、なるほど…と思うプロセスが整理されています。視点は組織文化の官僚化ということなのですが、ただエスタブリッシュメントとしての新聞パワーを存分に発揮してきた朝日新聞だからこその、社会からの遊離ということも感じ、本書では指摘されていませんが、世界的な潮流とのシンクロニシティなのでは、とも思いました。電車の中で読了したのですが、その時同じ車両にだれも新聞開いている人はいませんでした。
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朝日の記事は結論ありきで『不都合な真実』が黙殺されたり、意図的に曲解したりする傾向が目に余る。そして自分だけは絶対的に正しいという驕りも相当なものである。慰安婦や吉田調書の問題もそんな体質に根ざしていることは明らかだが、結論ありきの姿勢や選民意識は創業からの朝日の体質であって、ここ数十年の変化ではないように思う。大正時代、ありもしない米の買い占めを捏造して神戸米騒動を扇動したのも大阪朝日だ。
副題に『日本型組織』とあるように、ここに書かれている官僚主義とか権力闘争というのは、一定以上の規模の会社ならどこにでもあるものだ。読んでいる途中で自社のことが書かれているのかと錯覚したほどだ。皮肉にも大企業に批判的で大衆の見方を気取っていた朝日新聞自身が大企業に成長し、看板にしていた大衆寄りの論調と、『日本型組織』に由来する官僚主義的行動との整合性が取れなくなった事が遠因ではなかろうか。
あれだけ消費増税を社説でぶっておきながら、政治力を使って新聞だけは軽減税率を適用させた欺瞞を見る限り、紙面と行動の整合性を取る気は毛頭ないように見える。
そうは言いつつも自分で新聞を購読し始めてから20年以上朝日一筋であり、アエラも創刊号から購読していた筋金入りの朝日シンパとしては、偏向してもいいから謙虚で正直な報道機関への改心を期待したい。(アエラは内容が大きく変質したので10年前に購読をやめたが。)
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2014年に批判の的となった「従軍慰安婦」と「吉田調書」の捏造問題をきっかけに「偏向新聞」「捏造のオンパレード」「朝鮮日報」など、最近ではその反日かつ中朝寄りの報道姿勢によって叩かれまくりの朝日新聞。本書は同社の記者チームによる朝日再生への提言かと期待したが、その内容は批判に見せかけた擁護に終始するのみで、これが「朝日的」というものかと納得。すでに報道機関としての名声は地に落ち、不動産の賃貸で日銭を稼いでる朝日に対しては、同社の記者でさえも新聞社としての復活は期待していない様子だが、真摯なジャーナリストを目指して頑張っている方々から見れば、ストレスの溜まる内容。
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☆なるほど、選民意識による体質なんだな。
☆記者の心理が描かれている。
門田 「吉田調書」を読み解く けろ